則本昂大

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則本 昂大
東北楽天ゴールデンイーグルス #14
T norimoto20140806.jpg
QVCマリンフィールドにて(2014年)
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 滋賀県犬上郡多賀町
生年月日 1990年12月17日(24歳)
身長
体重
178 cm
81 kg
選手情報
投球・打席 右投左打
ポジション 投手
プロ入り 2012年 ドラフト2位
初出場 2013年3月29日
年俸 1億2,000万円(2015年)
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

則本 昂大(のりもと たかひろ、1990年12月17日 - )は、東北楽天ゴールデンイーグルスに所属するプロ野球選手投手)。滋賀県犬上郡多賀町出身。

経歴[編集]

プロ入り前[編集]

小学校時代には「多賀少年野球クラブ」に所属し、5年生からエースに[1]。主将として全日本学童軟式野球大会(水戸市)出場、近畿ろうきん杯学童軟式野球大会(阪神甲子園球場) 優勝。また、水泳を習っており、それにより怪我をしにくい体が作られた[1]八幡商業高校時代は2年生から主戦投手となるも、甲子園の出場経験は無し。

三重中京大学進学後は1年秋からリーグ戦に出場。2年次の第59回全日本大学野球選手権大会では広島経済大学戦で救援登板するもサヨナラ負けを喫した。4年次の第61回全日本大学野球選手権大会の1回戦で大阪体育大学相手に延長10回を投げ、大隣憲司近大)や藤岡貴裕東洋大)の持つ大会記録の19奪三振を超える20奪三振(参考記録)を記録し、特別賞を受賞した[2]。大学通算でリーグMVP1回、ベストナイン2回を受賞。三重県リーグ通算成績は33勝0敗、防御率0.56[3]

2012年のドラフト会議東北楽天ゴールデンイーグルスから2位指名を受けた。同年11月に開催された明治神宮野球大会では2回戦で法政大学に敗れる。11月23日に楽天と契約金7000万円、年俸1200万円で仮契約した[4]背番号は「14」。なお、ドラフトでプロからの指名がなかった場合は日本生命に進む予定だった[2]。また、三重中京大学は2013年春に閉校したため、則本らは最後の卒業生となった[5]

プロ入り後[編集]

2013年
新人選手で唯一、一軍キャンプのメンバーに参加[6]。オープン戦で防御率1.44と好投を続けたことや、開幕直前の第3回WBCに出場した田中将大の疲労を首脳陣が考慮したことなどから、3月29日の対福岡ソフトバンクホークスとの開幕戦でプロ入り初登板・初先発[7]。新人の開幕投手は、1984年高野光ヤクルトスワローズ)以来29年振り、パシフィック・リーグでは1958年杉浦忠南海ホークス)以来55年振りであった[8]。試合では6回1/3を投げて、4失点で敗戦投手になっている。新人の開幕投手で敗戦を喫したのは、1950年成田啓二国鉄スワローズ)、1962年城之内邦雄読売ジャイアンツ)以来51年ぶり史上3人目で、パ・リーグでは初[9]
2度目の先発となった4月5日の対千葉ロッテマリーンズ戦(クリネックススタジアム宮城)では6回2失点に抑え、パ・リーグの新人では1番乗りとなるプロ初勝利を挙げた[10]。4月27日の対埼玉西武ライオンズ戦(西武ドーム)では7回1失点で2勝目、この試合は球団通算500勝目となった[11]。7月5日の対ソフトバンク戦(福岡ヤフオク!ドーム)では1回4失点で降板し敗戦投手となるが、翌6日の同戦で1点ビハインドの3回から中継ぎ登板で3回1/3を無失点で抑えて救援勝利を挙げた[12]。8月29日の対オリックス・バファローズ戦(ほっともっとフィールド神戸)では新人勝利の球団新記録の12勝目を挙げ[13]、シーズン最終登板となった同年10月12日の対オリックス戦(Kスタ宮城)では、パ・リーグの新人では1999年の松坂大輔以来となる15勝目を挙げた[14]
ロッテとのクライマックスシリーズファイナルステージ(Kスタ宮城)では第2戦で先発し、9回を1失点11奪三振に抑えるものの、試合は延長戦で敗れている[15]
読売ジャイアンツとの日本シリーズでは、球団のシリーズ初試合となった第1戦(Kスタ宮城)で1952年大神武俊南海ホークス)以来、新人としては61年ぶり3回目となる開幕第1戦で先発登板[16]。8回2失点、10奪三振の内容で好投するも打線が完封され、敗戦投手となった[17]。第5戦(東京ドーム)では2対0で迎えた6回から2番手で登板、7回裏に村田修一にソロ本塁打と、9回裏にも村田の適時打で同点とされ延長戦に入り、10回表に先頭打者で打席が回り、代打も予想されたがそのまま打席に入り、西村健太朗から四球を選び出塁すると、その後銀次の適時打でホームに生還し決勝の勝ち越しとなる得点を記録。その裏を三者凡退に抑えて日本シリーズで初の勝利投手となった[18]。3勝3敗で互いに王手をかけた第7戦では3対0で迎えた7回から2番手で登板し無失点で抑え、美馬学と則本と田中将大の継投で3対0で巨人に完封勝利し、チームは初の日本一達成[19]
日本シリーズの終了後に、チームでは2007年の田中将大以来2人目のパシフィック・リーグ最優秀新人(新人王)を受賞した[20]12月24日には、八幡商での1年後輩で、同校野球部のマネジャーを務めていた女性との結婚を発表[21]同月29日には、出身県の滋賀県から「滋賀県民スポーツ大賞」の特別賞、出身地の多賀町から「たがスポーツ大賞」をそれぞれ授与された[22]
2014年
3月28日、開幕戦の対西武戦(西武ドーム)で開幕投手として先発、9回1失点でプロ初完投勝利を挙げた[23]。2リーグ制以降、新人から2年連続で開幕投手を務めたのは54年ぶり史上3人目[24]4月18日の対日本ハム戦(楽天Koboスタジアム宮城)でプロ初完封勝利を挙げる[25]が、4月25日の対オリックス戦(京セラドーム大阪)でプロ入り後最多の9失点で敗戦投手となった[26]5月9日の対ロッテ戦(QVCマリンフィールド)3回表二死から6月3日の対阪神タイガース戦(コボスタ宮城)7回表一死にかけて、28回2/3イニング連続無失点を記録した[27]6月21日の対阪神戦(阪神甲子園球場)で7安打無四球で完封し、交流戦1シーズン最多の4完封勝利を記録するなど[28]4勝1敗の成績で日本生命賞を受賞した。6月は4勝1敗の成績で自身初の月間MVPを受賞した[29]。しかし7月以降は先発で5度登板して勝利投手になれず、8月には中継ぎに降格したが、8月15日の対ロッテ戦(コボスタ宮城)で2週間ぶりに先発、1安打無四球の内容の準完全試合で10勝目。球団初の新人から2年連続2桁勝利を達成した[30]9月19日の対日本ハム戦(コボスタ宮城)で13奪三振の完封勝利を記録し、NPB史上6度目の出場野手全員からの奪三振と、球団新記録のシーズン7完封勝利を挙げた。[31][32]
11月には2014 SUZUKI 日米野球に出場。先発した第3戦で5回を無安打無失点の快投を見せ、その後も西勇輝牧田和久西野勇士が無安打無失点を続け日米野球史上初の継投ノーヒットノーランを達成[33]。オフの契約更改では、球団から3年3億円の複数年契約を提示されたが、「まだ2年目なので、1年1年勝負したい」と語り、複数年契約を拒否した。[34]
2015年

選手としての特徴・人物[編集]

リリースの瞬間に顔が上を向く独特のスリークォーターから平均球速約145km/h[35]、最速154km/h[36]ストレートを投げ込む速球派[37]。変化球はスライダーカーブチェンジアップフォークを持つ。特にスライダーは状況に応じて様々な種類のスライダーを投げ分けることができ、“七色のスライダー”とも称される[6]。非常に手首が柔らかく、内側に曲げると親指が、外側に曲げると中指が手首に届く[38]。制球力にやや課題を残すも[39]、気迫を前面に押し出す投球スタイルである[1]

憧れの投手として、自身と同じ14番の背番号を背負った津田恒実を挙げている[40]

詳細情報[編集]

年度別投手成績[編集]





















































W
H
I
P
2013 楽天 27 25 3 0 0 15 8 0 0 .652 695 170.0 142 14 51 1 6 134 4 0 65 63 3.34 1.14
2014 30 28 9 7 5 14 10 0 0 .583 821 202.2 187 14 39 3 6 204 1 0 73 68 3.02 1.12
通算:2年 57 53 12 7 5 29 18 0 0 .617 1516 372.2 329 28 90 4 12 338 5 0 138 131 3.16 1.12
  • 2014年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

タイトル[編集]

表彰[編集]

記録[編集]

初記録
その他の記録
  • 新人によるシーズン公式戦開幕試合先発:2013年3月29日、対福岡ソフトバンクホークス1回戦(福岡ヤフオク!ドーム) ※球団史上初
  • クライマックスシリーズ[注釈 1]新人二桁奪三振:2013年10月18日、対千葉ロッテマリーンズ(ファイナルステージ第2戦・クリネックススタジアム宮城)、9回11奪三振。 ※史上2人目、パ・リーグのCSでは史上初
  • 日本シリーズ新人先発:2013年10月26日、対読売ジャイアンツ第1戦(Kスタ宮城) ※史上18人目、23度目。
  • 日本シリーズ新人初登板初先発:同上 ※史上13人目
  • 日本シリーズ新人第1戦先発:同上 ※史上2人目
  • 日本シリーズ新人二桁奪三振:同上、10奪三振 ※史上2人目
  • セ・パ交流戦1シーズン完封勝利:4、2014年
  • 準完全試合:2014年8月15日、対千葉ロッテマリーンズ戦(QVCマリンフィールド)、1安打無四球
  • 出場野手から全員奪三振:2014年9月19日、対北海道日本ハムファイターズ戦(楽天Koboスタジアム宮城) ※NPB史上16人目
  • シーズン通算完封勝利:7、2014年(9月19日現在)※球団記録
  • オールスターゲーム出場:1回(2014年

背番号[編集]

  • 14 (2013年 - )

登場曲[編集]

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 2006年までのプレーオフを含む

出典[編集]

  1. ^ a b c “楽天・星野監督のお気に入り、ルーキー則本を解剖する”. ゲンダイネット. (2013年7月11日). http://gendai.net/articles/view/sports/143396 2013年7月14日閲覧。 
  2. ^ a b 「ブレーク必至の逸材たち」、『週刊ベースボール』2012年7月30日号、ベースボール・マガジン社、 16頁、 雑誌20445-7/30。
  3. ^ 「2012ドラフト総決算」、『週刊ベースボール』2012年11月12日号、ベースボール・マガジン社、 35頁、 雑誌20442-11/12。
  4. ^ “楽天、2位則本と入団合意”. 時事ドットコム (時事通信社). (2012年11月23日). http://www.jiji.com/jc/c?g=spo_30&k=2012112300217 2012年11月23日閲覧。 
  5. ^ 楽天・則本昴大を覚醒させたライバルの存在”. web Sportiva. 集英社 (2013年5月26日). 2013年12月2日閲覧。
  6. ^ a b “則本 ブルペン入り 七色スライダーでアピール”. 中日スポーツ (中日新聞社). (2013年1月23日). http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/npb/news/CK2013012302000165.html 2013年1月23日閲覧。 
  7. ^ “星野監督抜てき!新人則本を開幕投手に”. nikkansports.com. (2013年3月26日). http://www.nikkansports.com/baseball/news/p-bb-tp0-20130326-1102983.html 2013年3月29日閲覧。 
  8. ^ “29日開幕戦の予告先発発表!楽天・則本は29年ぶり新人大役”. Sponichi Annex. (2013年3月28日). http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2013/03/28/kiji/K20130328005495760.html 2013年3月29日閲覧。 
  9. ^ “則本 4失点初黒星…新人開幕投手「負けたので60点」”. Sponichi Annex. (2013年3月30日). http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2013/03/30/kiji/K20130330005504890.html 2013年3月31日閲覧。 
  10. ^ “ルーキー則本2戦目でプロ初勝利「母校の名前残したい」”. Sponichi Annex. (2013年4月5日). http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2013/04/05/kiji/K20130405005553040.html 2013年4月5日閲覧。 
  11. ^ “楽天 球団通算500勝!首位討ち大勝で花 ルーキー則本2勝目”. Sponichi Annex. (2013年4月27日). http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2013/04/27/kiji/K20130427005693020.html 2013年4月27日閲覧。 
  12. ^ 楽天 単独首位浮上!則本“リベンジ登板”で今季7勝目スポーツニッポン2013年7月6日配信
  13. ^ 則本 マー君超え球団新人記録の12勝目!スポーツニッポン2013年8月29日配信
  14. ^ 楽天・則本、パ新人で松坂以来の15勝 デイリースポーツ 2013年10月13日配信
  15. ^ スポーツニッポン2013年10月19日関西版12版2-3面
  16. ^ 則本、グラブ叩きつけた! 楽天、悔し拙守&拙攻で負けた サンケイスポーツ 2013年10月27日閲覧
  17. ^ 朝日新聞2013年10月27日スポーツ面
  18. ^ 第5戦試合結果日本シリーズ公式サイト
  19. ^ 第7戦試合結果日本シリーズ公式サイト
  20. ^ NPB2013年度 表彰選手 投票結果(最優秀新人)
  21. ^ 則本イブ婚!ニッカンスポーツ2013年12月25日配信
  22. ^ 滋賀県が楽天・則本を表彰「県民にも元気や感動を与えた」スポーツニッポン2013年12月29日配信
  23. ^ 楽天則本が初完投勝利「最高のスタート」ニッカンスポーツ2014年3月28日配信
  24. ^ 楽天則本2年連続開幕「期待に応えたい」ニッカンスポーツ2014年3月27日配信
  25. ^ 楽天則本プロ初完封、原点回帰の直球勝負ニッカンスポーツ2014年4月19日配信
  26. ^ 楽天則本が自己最悪9失点「申し訳ない」日刊スポーツ、2014年4月25日
  27. ^ 楽天則本、メッセンジャーへの四球で28イニングぶり失点日刊スポーツ、2014年6月3日
  28. ^ 則本 “ダル超え”交流戦4完封「狙っていこうと思っていた」スポーツニッポン2014年6月21日配信
  29. ^ 則本昂大選手が6月度「日本生命月間MVP賞」を受賞!楽天球団公式サイト2014年7月8日配信
  30. ^ 則本男泣き!復活の47日ぶり白星は準完全試合スポーツニッポン2014年8月16日配信
  31. ^ 則本、プロ史上6人目「野手全員から三振」 楽天4連勝朝日新聞公式サイト9月19日配信
  32. ^ 則本、今季7度目完封 シーズン7完封は巨人・斎藤以来スポーツニッポン2014年9月19日配信
  33. ^ 侍則本5回0封「人生最高のピッチング」日刊スポーツ、2014年11月16日
  34. ^ 1億2000万円更改の楽天・則本 「単年で勝負」発言の本音日刊ゲンダイ2014年12月4日配信
  35. ^ 『2014 プロ野球オール写真選手名鑑』 日本スポーツ企画出版社、2014年、8頁。ISBN 978-4-905411-17-8
  36. ^ “則本 8回3安打無失点で11勝目 自己最速154キロも 楽天は3連敗でストップ”. スポニチ Sponichi Annex. (2014年8月23日). http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2014/08/23/kiji/K20140823008797150.html 
  37. ^ “楽天ドラ2・則本 武器は“上を向いて投げよう”投法”. Sponichi Annex. (2013年2月5日). http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2013/02/05/kiji/K20130205005128980.html 2013年2月19日閲覧。 
  38. ^ “楽天ドラ2則本 韓国王者サムスン斬り 多彩スライダーで手玉”. Sponichi Annex. (2013年2月19日). http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2013/02/19/kiji/K20130219005225330.html 2013年2月19日閲覧。 
  39. ^ “則本2勝も5四球に制球不足反省”. nikkansports.com. (2013年4月27日). http://www.nikkansports.com/baseball/news/f-bb-tp0-20130427-1118780.html 2013年4月27日閲覧。 
  40. ^ 「伝統の背番号を背負う7人のルーキーズ」、『週刊ベースボール』2013年2月25日号、ベースボール・マガジン社、 17頁、 雑誌20444-2/25。

関連項目[編集]