チェンジアップ
チェンジアップ(changeup)は野球、ソフトボールにおける球種(変化球)の一つ。
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[編集] 概要
チェンジアップはボールを鷲掴みにするなどボールに力が伝わらないように握りを工夫することによって速球と同じ腕の振りから投じられる遅いボールである。
[編集] 投げ方
ボールの握りに統一性はなく、様々な握りや投法の違いにより変化・回転・球速も変わる。握りによっては固有の名称が付けられたりもする(#種類を参照)。フォークボール等に比べ肘や肩に負担が軽いと言われる為、「投手の肩は消耗品」との考えが支配的なアメリカ合衆国では非常に多用されている。
チェンジアップと速球の組み合わせを軸にした投球でメジャーリーグベースボール (MLB) 記録である通算601セーブを挙げたトレバー・ホフマンは、親指、人差し指、小指でパームボールのような形でボールを握り[1]、他の球種と同じ腕の振り、同じスピードで投げていた[2]。
[編集] 変化
速球より回転が少なく球速も遅い為、減速しつつ沈む軌道になり、回転の向きがバックスピンから傾いて横回転が加わっていれば右か左に曲がりながら沈む。変化より速球と同じ腕の振りで遅い球を投げる事で打者に速球と誤認させる事が重視され、ボールが失速しているように打者が感じる場合もある。ホフマンのチェンジアップは彼の140km/h前後の速球より16km/h前後遅い[3]、124km/hほどの球速で、投手と打者の中間地点から急に数インチ沈む変化をした[4]。
[編集] 日米の違い
日本では「チェンジ・オブ・ペース」と「チェンジアップ」は、どちらも「タイミングを外す遅いボール」を指す言葉であったが、2000年代に入ってからチェンジアップは変化球として分けて認識するようになった。アメリカでは球速に緩急をつけることをチェンジ・オブ・ペースと呼んでいたが、直球と同じ腕の振りから投じられる球速の遅いボールのことを全般にチェンジアップと言うようになり、また、緩急をつけるのは当然となったのでチェンジ・オブ・ペースが球種のように使われることはない。高津臣吾のシカゴ・ホワイトソックス在籍時は投げる変化球全てがMLBの標準球速より数段遅いため、アメリカの解説者は高津のシンカーやカーブを全てチェンジアップと実況していた。斎藤隆は週刊ベースボール誌上で「メジャーでは自分なりに考えた分類不可能な変化球も全て大雑把に『チェンジアップ』と呼んでいるみたいです」と述べている。
[編集] 種類
チェンジアップは主に握りの違いによって分類される。
[編集] サークルチェンジ
サークルチェンジ(Circle change、もしくはサークルチェンジアップ (Circle changeup))は、人差し指と親指で輪(サークル)を作り中指から小指でボールを保持する握り方が特徴的なチェンジアップである。握りがOKサインにも似ている事からOKボールとも呼ばれる。この握りにより速球と同じ様に腕を振っても球速とボールの回転が抑えられ、沈むような軌道を描く。人差し指と親指で作る輪の形は人差し指と親指の先端をつけて大きな輪を作る形や人差し指を親指の根元につけて小さな輪を作る形など投手によって違い、個人差はあるが握りの構造上シュート回転がかかりやすく、シンカーのように利き手の方向へ微妙に曲がりながら落ちる場合が多い。概して速球より15~25km/h程遅い。井川慶、グレッグ・マダックス、ペドロ・マルティネスなどが決め球として投げた。
[編集] バルカンチェンジ
バルカンチェンジ(Vulcan change、もしくはバルカンチェンジアップ (Vulcan changeup))は、中指と薬指でボールを挟んで縦に速く落ちるチェンジアップでスプリットフィンガード・ファストボールに近い変化をする。スプリット・フィンガード・チェンジとも呼ばれ、タイミングを外すよりも空振りを取る事を目的とするが、球速を重視すると体への負担が大きい。サークルチェンジの握りから中指と薬指でボールを挟み込んで投げ、ボールの縫い目に指をかけるかどうかでシュート回転などの横変化をつけることが可能。「バルカン」の名称はアメリカのSFテレビドラマ『スタートレック』シリーズに登場するバルカン人が行う、人指し指と中指、薬指と小指をそれぞれくっつけ、中指と薬指の間と親指を開いて相手に掌を見せるバルカン式挨拶に似た握りであることが由来である。日本では大隣憲司、大竹寛、セス・グライシンガーなどが、アメリカではエリック・ガニエ、ギレルモ・モタなどが決め球として投げている。
[編集] その他
縫い目に乗せて横から抜くように投げるチェンジアップをシンカーチェンジ、カーブに似た握り方から投げるチェンジアップをリトルリーグチェンジアップ、指先でなく指の腹の部分でボールを持つようにして投げ縦に落ちるチェンジアップをストレートチェンジと呼ぶ事がある。ヨハン・サンタナのチェンジアップは速球との球速差が大きく、打者にはタイミングが合わせ難い事をパラシュートが開いてブレーキがかかる様に例えてパラシュートチェンジと呼ばれる。
[編集] 関連項目
[編集] 脚注
- ^ 丹羽政善 「第一人者いわく『私はこうして投げている!』①/トレバー・ホフマン [ブリュワーズ]」『メジャー・リーグ変化球バイブル―これがアメリカ式の極意だ!』、ベースボール・マガジン社、2010年、ISBN 978-4583616780、52 - 54頁。
- ^ 水見美和子&鉄矢多美子 「その他の名手たち/スモルツ、ホフマン、マルダー、ジート、サンタナ」 『月刊メジャー・リーグ』2006年7月号、ベースボール・マガジン社、2006年、雑誌08625-7、30-31頁。
- ^ Jack Curry, "Hoffman Savoring Fresh Start With Brewers," NYTimes.com, May 28, 2009. 2009年11月8日閲覧。
- ^ Josh Kalk, "Anatomy of a player: Trevor Hoffman," The Hardball Times, January 13, 2009. 2009年11月8日閲覧。
[編集] 外部リンク
- How to throw a vulcan change-up(バルカンチェンジの投げ方・英語)(Baseball Pitching Instruction, Pitching Grips, Pitching Velocity Videos Tipsより)
- Vulcan changeup@Everything2.com(英語)(Welcome to Everything@Everything2.comより)
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