スローボール

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スローボールEephus Pitch)は、野球における球種の1つ。大まかには球速100km/h未満で、大きな山なりの軌道を描くものを指す。

起源[編集]

打高投低の傾向があった1940年代のメジャーリーグベースボールにおいて、当時ピッツバーグ・パイレーツの投手であった、リップ・シーウェルが投げ始めたのが最初とされている。フランキー・フリッシュによれば、"Eephus pitch"の名づけ親はパイレーツの外野手だったモーリス・バンローベイズで、「大した意味はないボール」という意図で、"Eephus"という特に意味のない綴りをあてたのだという。1946年のオールスターゲームテッド・ウィリアムズは右翼スタンドへ飛び込む本塁打を放った。ウィリアムズは後年に「あの時に、バッターボックスの外へ出ていた」(発見されれば、不正行為としてアウト)と述懐している。彼のスローボールを本塁打にした唯一の選手だと言われている。

概要[編集]

投げる際、通常の投球フォームとは異なるゆっくりした腕の振りになる。投じられた球は回転数が少なく、大きく縦に割れるような変化を伴う(「超スローチェンジアップ」と言う投手もいる)。また投げ方によっては回転がほとんどなくなり、ナックルボールのように揺れながら変化する。

投球フォームが通常と大きく異なるため、打者はスローボールが投じられることを事前に察知することができる。しかし、普段の打撃練習では山なりのスローボールを打ちこむ練習はやらないため、打者にとって「分っていてもなかなか打てない」球種となる。また、山なりの軌道でバットの下に潜り込むように入ってくるためボールの上っ面を叩き、ゴロになりやすい。

試合の中で投げつづけると打者も球速に慣れてくるため、基本的に多投はされない。打者の打ち気を削ぐなどの心理的な動揺を誘うことが主な狙いである。投手対打者の対戦において、打者側が有利とされる状況で投じられることが多かったためか、投手が打者を打ち取るための配球が組み立てられなくなった(いわゆる「なげる球がない」という状態)際の、窮余の策と解釈されることが多い。

主な使い手[編集]

NPB[編集]

MLB[編集]

脚注[編集]

  1. ^ スカイパーフェクTV!フジテレビ739『プロ野球ニュース』2008年6月19日放送分。遅すぎて球場のスピードガンでは測定不能だった。

参考文献[編集]