血流

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血流(けつりゅう、blood flow)とは、血液流れのこと。血行(けっこう)と言うこともある。

(理論上は)血管抵抗圧力勾配を用いて計算することができる、と考えられている。数学的に言えば、血流はダーシーの法則(いわば血流版のオームの法則のようなもの)とハーゲン・ポアズイユの式によって表現することができる、という。

ただし、血液というのは、細胞成分(赤血球、白血球、血小板)と血漿(各種電解質と各種有機物の水溶液)からなっており、非ニュートン的粘性を持っている[1]

血流は健康な血管では層流になっている。ところが動脈硬化症などの疾患にかかっている場合は乱流になっている、という。

目次

瘀血 [編集]

東洋医学では流れが悪く滞りがちな血液を「瘀血(おけつ)」と呼んでいる。(瘀とは停滞という意味で、文字通り血が滞ったり、血の流れが悪く、よどんだ状態を指す。瘀血になった血液は正常な状態に比べて粘度が強くなっていて、流れが悪くなっている[2]。最近、生体を流れている抹消血液を採取して1000倍程度の高倍率の位相差顕微鏡で血液像を観察することができるようになった。このようなことはLive Cell Analysis(ライブ・セル・アナリシス、生体細胞分析)と呼ばれている[2]

健康で血流の良い人の血液の場合、赤血球は丸くてシアル酸の外膜に覆われマイナスの電子を帯びていて、互いに癒合することはなく、血管内を快調に流れている[2]。こうして身体に存在する20兆個ともいわれる細胞に対して酸素栄養素を運ぶという重要な働きをしている[2]

ところが冷え性で瘀血をひきおこしている患者の血液の場合、もともとはマイナス電子を帯びていた赤血球が、酸化によってプラスの電荷をも帯び、コインを並べたように連なり(癒合)、その結果血流が悪くなる[2]。また同時に身体でガードマン役を果たすはずの白血球が赤血球にとりかこまれるような形になって活動が阻害されている。つまり瘀血になると、全身への組織への酸素供給も悪くなり、その結果新陳代謝も低下し、身体も冷え、免疫も低下する[2][3]

赤血球は健康な状態であれば、毛細血管を通過する時でも自由に変形しスムースに通過するが、瘀血だとスムースに通過しなくなる[2]。この状態だと脳梗塞心筋梗塞を引き起こす危険性が高くなる[2]

瘀血の判定の方法
血流をよくする生活習慣
  • 食事の取り方。腹7分目程度でおさえ、食べ過ぎない。ゆっくりよく噛んで食べることで、少なめに食べる[2]
  • 脂肪分や糖分の多いものは控える[2]
  • 野菜海藻類(ワカメコンブ等々)をつとめて多めに摂る[2]
  • 良質のを飲む[2]
  • よく身体を動かす(適度に運動する)[2]
  • 便通を整える[2]
  • コーヒーやたばこなどは控えめにする[2]
  • 過労を避ける[2]
  • 感謝の心を持ち(=ものの考え方を変えることで心理的ストレスを減らし)快眠を確保する[2]
  • 血流をよくする食材を普段から食べるようこころがける[2]

血行不全 [編集]

足で起きた虚血の例。チアノーゼが生じている。

血流の阻害は、虚血梗塞などを引き起こしうる。

例えば以下のようなことを原因として起きうる。


数学的記述 [編集]

以下にダーシーの法則(en:Darcy's law、上の式)およびハーゲン・ポアズイユの式(下)を示す。

F = \frac{\Delta P}{R}
 R = (\frac{\nu L}{r^4})(\frac{8}{\pi})

記号:

F = blood flow 血流 (m*s-1)
P = pressure (Pa)
R = resistance 抵抗 (m-1)
ν = fluid viscosity 流体の粘度 (Pa·s)
L = length of tube チューブ長(m)
r = radius of tube チューブ半径(m)

2番目の式で示されるように、チューブの半径によって劇的に抵抗は変化する。こうした原理で、寒さなどで血管がわずかに収縮すると極端に血流が低下することになるわけであるし、入浴などして血管の半径がわずかに大きくなると血流は一気に増えるわけである。また、 血管形成術ではバルーンカテーテルによりわずかに半径を大きくすることで血流を増大させることが可能になるのである。

計測 [編集]

血流計で測ることができる。超音波血流計やレーザー血流計などいくつかタイプがある。

参考文献 [編集]

  • 佐藤巳代吉 『かくれ冷え症は万病のもと』 文芸社、2007年、77-85頁。

出典・脚注 [編集]

  1. ^ 菅原基晃、前田信治 『血液のレオロジーと血流』 コロナ社、2003年
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z 佐藤巳代吉 『かくれ冷え症は万病のもと』 文芸社、2007年、77-85頁。
  3. ^ 人体は体温が数度低下するだけで、免疫力が数分の1程度まで低下するという研究もある。