スピード測定器

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スピード測定器(スピードそくていき)は、運動する物体の速度の特定方向成分を測定する測定機器である。一般には、ディケイター・エレクトロニクス商標であるスピードガンの名称で知られる。

原理と構造[編集]

測定する物体に向けて電磁波を照射し、物体による反射波を測定する。物体が運動している時はドップラー効果によって反射波の周波数が変化するため、これと発射波の周波数を比較することにより、運動の速さを算出する。電磁波を利用して測定するため、対象物の運動が光速を超えない限り、理論的には計測が可能である[1]

自動車の速度違反取締り[編集]

速度測定器:JMA-240
速度測定器:ES-8H01
速度取締の様子/測定器:RS-720ER

自動速度違反取締装置は、制限速度を超過して走行している自動車を検出するために用いられる。一般にはボーイングの商標であるオービスの名称で知られる[1]電波法令上の無線標定陸上局または無線標定移動局であり、警察用であるので、操作またはその監督に無線従事者を要する。 [2]

野球の球速測定[編集]

概要[編集]

野球において、投手が投げるボールの速さを測定するために用いられ、専らスピードガンと呼ばれる。但し英語ではレーダーガン(Radar gun)という。 空中線電力0.1W以下の適合表示無線設備である無線標定移動局技適マークのあるもの)であれば、操作に無線従事者は不要 [3] で誰でも使用できる。


メジャーリーグ[編集]

日本と同じく20世紀後半から球速の測定にはスピードガンが使われてきたが、スポートビジョン社の開発した「PITCHf/x」という投球解析装置が2006年ポストシーズンからメジャーリーグ各球場へ設置され始めた。「PITCHf/x」は現在メジャーリーグ全球場に共通の機種が設置されており、MLB公式ホームページの1球速報「Gameday」やアメリカの野球データサイト「FanGraphs」などでデータが一般公開されている。3方向から投球を解析するこの装置の導入により、球速に限らず投手のリリースポイントやボールの回転数、変化球の曲がり具合、落差などを解析することが可能となり、スピードガンの問題点であった機種や設置場所による精度の違いを克服した[4]。「PITCHf/x」の他にも、ドップラー・レーダーを利用して投手のリリースポイントと、そこからのボールの移動速度やボールの回転数、回転速度を計測して「ボールの伸び」を解析する装置がデンマークのトラックマン社によって開発されている[4]

スピードガンの正確性と信憑性[編集]

スピード測定機による球速記録については、正確性・信憑性を疑問視する指摘が存在する。その内容は主に、スピードガンの機器の正確さという技術的な問題と、野球関係者が球速を水増しするねつ造の問題の二つである。球速のねつ造については、プロ野球選手の立場からも「当然存在する」という指摘がある。立浪和義は、「神宮球場のスピードガンは9km増し、甲子園球場は6km増し」されていたことを引退後に挙げている。

脚注[編集]

  1. ^ a b 日米スカウトマンも使用するスピード計測器の仕組みとは
  2. ^ 電波法施行規則第33条第6号(5)に基づく平成2年郵政省告示第240号第1項第4号および第5号により、警察用の無線標定陸上局無線標定移動局の操作は、無線従事者を必要としない「簡易な操作」ではないため。
  3. ^ 同告示第1項第5号による。
  4. ^ a b 月刊スラッガー』2011年8月号、日本スポーツ企画出版社、雑誌15509-8、44頁。

関連項目[編集]