山下舜平大

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山下 舜平大
オリックス・バファローズ #11
2023年4月23日
京セラドーム大阪にて
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 福岡県福岡市南区
生年月日 (2002-07-16) 2002年7月16日(21歳)
身長
体重
190 cm
100 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 投手
プロ入り 2020年 ドラフト1位
初出場 2023年3月31日
年俸 4000万円(2024年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

山下 舜平大(やました しゅんぺいた、2002年7月16日 - )は、福岡県福岡市南区出身[2]プロ野球選手投手)。右投右打。オリックス・バファローズ所属。

経歴[編集]

プロ入り前[編集]

福岡市立野多目小学校3年生のときに筑紫丘ファイターズで野球を始め、主に捕手兼投手としてプレー[2]福岡市立三宅中学校軟式野球部では投手兼捕手としてプレーし[3]、3年秋には福岡県選抜として『U15全国KWB野球秋季大会』で準優勝を果たした[2]

福岡大学附属大濠高校では1年秋からベンチ入りし[3]、2年春からはエースを務め[4]、2年夏は県大会ベスト8[3]。3年時は新型コロナウイルスの影響で夏の甲子園が中止となり、県予選の代替となったがんばれ福岡2020福岡地区大会では準優勝であった[5]

2020年10月26日に開催されたプロ野球ドラフト会議にて、オリックス・バファローズから1位指名を受けた[6]。11月23日に契約金8000万円・年俸700万円(金額は推定)で仮契約し[7]、12月19日には入団発表会見が行われた[8]背番号12[7]

オリックス時代[編集]

2021年は春季キャンプをB班でスタートし[9]、4月15日のウエスタン・リーグ阪神タイガース戦で公式戦デビューを果たした[10]。シーズンを通して二軍で先発ローテーションを回り[11]、東京オリンピック期間中のエキシビションマッチでは非公式ながら一軍での登板も経験[12]。ルーキーイヤーの一軍公式戦登板は無く[11]、二軍でも18試合・65回2/3を投げて防御率5.48という成績であったが[13]、本人が「結果を見たら全然だめな結果だったんですけど、経験値のなかった自分が1年通して勝ち負け関係なくローテーションで投げさせてもらった。いろいろな経験もできた」と振り返ったように[11]、経験を積んだ1年であった[14]。オフに現状維持となる推定年俸700万円で契約を更改した[11]

2022年は、春季キャンプ直前の1月29日に実施したスクリーニング検査にて無症状ながら新型コロナウイルス陽性が判明した[15]。療養を経て2月10日にキャンプへ合流した[14]。開幕を二軍で迎えると、5月には腰痛で離脱[16]。ただ山下が「腰は成長痛的なもので、身長が1~2センチ伸びました。ケガ前より、いい球はいっています」と話したように[17]9月22日の二軍戦で実戦復帰を果たすと[16]、チームがポストシーズンを控えた10月8日の紅白戦では154km/hを計測[17]。同15日に出場選手登録となり[18]、登板機会こそ無かったもののCSファイナルステージ[16]日本シリーズ第4,5戦でベンチ入りした[19]。この年も山下の一軍公式戦登板は無く、腰痛の影響で二軍でも8試合の登板にとどまったが、オフに現状維持となる推定年俸700万円で契約を更改した[16]。11月25日には『両足鏡視下三角骨摘出手術』を受けた[20]

2023年は1月中旬に投球練習を再開[21]。春季キャンプはBグループでスタートしたが[22]、3月4日のオープン戦にて、この年初の実戦登板を果たすと[23]、オープン戦では4試合・15回1/3を投げ、被安打8・与四球1・奪三振23・防御率2.35と好成績を残した[24]。エースの山本由伸宮城大弥WBCに出場し、チームへの合流が開幕1週間前となった事情もあり[25]、開幕前日の3月30日に中嶋聡監督は山下を開幕投手に指名したことを明言[26]。入団2年目以降でかつ一軍登板経験のない投手が開幕戦先発を任されるケースは1950年の2リーグ制施行後では前例がなく[27]、同時に2000年代生まれではプロ野球およびパ・リーグ史上初の一軍公式戦開幕投手という大役を務めることとなった。同日、開幕時の出場登録選手と開幕戦の予告先発投手としてNPBから公示された[28]埼玉西武ライオンズとの開幕戦でプロ初登板初先発となり、同点の6回一死から安打を許した直後に降板し[29]、勝敗は付かなかったものの、5回1/3を4安打1四球7奪三振1失点と好投した[30]。登板間隔を空ける目的[31]で翌4月1日に出場選手登録を抹消され[32]、中10日で4月11日の東北楽天ゴールデンイーグルス戦に先発すると[33]、5回2安打3四死球10奪三振無失点という内容[34]でプロ初勝利を挙げた[33]。以降も登板間隔を空けながら[35][36]、一軍での先発登板を重ねると、5月5日の西武戦[37]の登板後は出場選手登録を抹消されず、同14日の福岡ソフトバンクホークス戦に中8日で先発[31]。その後は中8日での先発登板が続き[38]、6月1日の広島東洋カープ戦では6回1失点(自責点0)の好投で勝利投手となり、自身5連勝を記録した。『プロ初登板から先発登板のみで5連勝』は、球団史上初であった[39][注 1]。続く同9日の横浜DeNAベイスターズ戦では自身初の中7日での先発登板となったが[38]、1点リードの6回表、二死一・二塁の場面で牧秀悟に適時打を許すと、レフトからの返球をカットしたサードの廣岡大志が飛び出していた二塁走者を刺そうとするがこれが悪送球となり、さらに本来送球カバーに入るべきライトの野口智哉が逆のライト線方向に位置していたことで、送球は無人の右中間を転々とし打者走者の牧も生還。不運な形で逆転を許し、6回4安打2四球7奪三振4失点(自責点2)という内容でプロ初黒星を喫した[41]。前半戦終了時点で12試合に先発登板し、8勝2敗・防御率1.49を記録すると[42]、選手間投票でオールスターに初選出され、球宴第2戦に先発し、2回無失点に抑えて敢闘賞を受賞した[43]。後半戦も中7日以上での先発登板が続き[44][45]、8月26日の千葉ロッテマリーンズ戦で自己最速の160km/hを計測したが、6回表の投球練習中に腰の張りを訴えて緊急降板[46]。翌27日に出場選手登録を抹消され[47]、9月22日に神戸市内の病院を受診して『第3腰椎分離症』と診断された[48]。ポストシーズンも含めてシーズン中の実戦復帰はかなわなかったが[49]、この年は一軍で16試合に先発登板し、9勝3敗・防御率1.61[50]の大ブレークでチームのリーグ3連覇に貢献[49]。11月28日に開催されたNPB AWARDS 2023新人王投票では267票中241票を集め、パ・リーグ新人王に輝いた[50]。12月3日の契約更改交渉では3300万円増となる推定年俸4000万円でサイン[51]。また、山﨑福也国内FA権を行使して北海道日本ハムファイターズに移籍したことに伴い目標であるダルビッシュ有大谷翔平もつけていた[52]、空き番号の背番号11への変更を球団に要望しており、同日に背番号変更も併せて発表された[53]

選手としての特徴[編集]

2023年の投球データ[54]
球種 配分
%
平均球速
km/h
ストレート 58.6 154.3
カーブ 30.9 124.2
フォーク 10.5 135.1

190cmの長身から最速160 km/hのストレート[46]フォークカーブを投げ分ける[55]。調子の良い時はストレートの最高回転数は2600rpmを超える[56]

中学時代はカーブやスライダーチェンジアップを投げていたが、高校では野球部監督の「投げるボールにこだわりを持ってほしい」という方針もあり、1年秋からストレートとカーブのみを投げていた[3][2]

フォークは2023年に春季キャンプを訪問した野茂英雄から握りや手首の使い方などを直接教わり習得した。元々1年目、2年目に「真っすぐとカーブだけではキツい」と感じ、一軍を見据えて練習しても全然落ちなかったが、野茂から教わった直後の1球目でいきなり落ち、「うわ、落ちた」「あ、これがフォークか」と感じたという[57][58]

人物[編集]

名前は20世紀前半を代表する経済学者ヨーゼフ・シュンペーターに由来し[3]、母が「響きが良くて海外の人も発音しやすい」という理由で命名した[59]。愛称は高校時代から「ペーター」で[60]、「みんなに下の名前で呼んでもらえるので、親には感謝したい」と語っている[59]

保険会社の営業職として働く母の支えを受け育ち、「母がバッグなど自分の物を買う姿を見たことはなかった」という。プロ初勝利時のウィニングボールについて「もちろん、母にプレゼントしたい」と答えている[61]

小学生の頃は福岡ソフトバンクホークスのファンで毎週のように福岡ドームに行き、今宮健太の背番号「2」の入ったTシャツを着て小学校にも通っていた[58]。ちょうど高校2年から3年にかけて山本由伸などオリックスの投手陣が注目され出し、ドラフト時について「とりあえずパ・リーグに行きたくて、そこだけは絶対というか、その中でもオリックスいいなと思って、チームカラーも格好良かったですからね」「(顔ぶれも)若かったんで、絶対いいなと思って、環境的にも。で、オリックスだったんで、最高でした」と語っている[62]

詳細情報[編集]

年度別投手成績[編集]





















































W
H
I
P
2023 オリックス 16 16 0 0 0 9 3 0 0 .750 383 95.0 71 2 30 0 4 101 4 1 21 17 1.61 1.06
通算:1年 16 16 0 0 0 9 3 0 0 .750 383 95.0 71 2 30 0 4 101 4 1 21 17 1.61 1.06
  • 2023年度シーズン終了時

年度別守備成績[編集]



投手












2023 オリックス 16 3 14 0 2 1.000
通算 16 3 14 0 2 1.000
  • 2023年度シーズン終了時

表彰[編集]

記録[編集]

初記録
投手記録
打撃記録
その他の記録

背番号[編集]

  • 12(2021年 - 2023年)
  • 11(2024年 - )

登場曲[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ この記録を達成したのは2015年の高木勇人読売ジャイアンツ)以来、プロ野球史上2人目[40]
  2. ^ 2023年は、プロ初登板の開幕投手となった。これは、日本プロ野球1年目の選手(新人や新外国人)を除くと、1946年松川博爾グレートリング)以来、77年ぶり4人目であり、2リーグ制後では初[66]

出典[編集]

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関連項目[編集]

外部リンク[編集]