ネルソン・クルーズ (外野手)

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ネルソン・クルーズ
Nelson Cruz
ボルチモア・オリオールズ #23
00076578 Nelson Cruz.jpg
基本情報
国籍 ドミニカ共和国の旗 ドミニカ共和国
出身地 モンテ・クリスティ州モンテ・クリスティ
生年月日 1980年7月1日(33歳)
身長
体重
6' 2" =約188 cm
230 lb =約104.3 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 右翼手
プロ入り 1998年 アマチュア・フリーエージェントとしてニューヨーク・メッツと契約
初出場 2005年9月17日 ヒューストン・アストロズ
年俸 $10,750,000(2013年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
国際大会
代表チーム ドミニカ共和国の旗 ドミニカ共和国
WBC 2009年2013年

ネルソン・ラモン・クルーズ(Nelson Ramón Cruz, 1980年5月12日 - )は、ドミニカ共和国モンテ・クリスティ州モンテ・クリスティ出身の野球選手右翼手、右投右打。MLBボルチモア・オリオールズ所属。

経歴[編集]

プロ入りからレンジャーズ移籍まで[編集]

ティーンエイジャーのころはバスケットボールをプレイしており、野球を始めたのは16歳[2]。当時は強打の右打者モイゼス・アルーに憧れていた[3]

マイナー時代[編集]

1998年ニューヨーク・メッツと契約し、ドミニカン・サマーリーグで3年間を過ごす。

2000年8月30日に、オークランド・アスレチックストレードされた。翌シーズンからアメリカ合衆国マイナーリーグに参加。

ブルワーズ時代[編集]

2004年12月16日キース・ジンターとのトレードで他1人とともにミルウォーキー・ブルワーズへ移籍する。

2005年はAA級ハンツビルとAAA級ナッシュビルの2クラスで計128試合に出場して打率.289・27本塁打・81打点OPS.923・19盗塁を記録、9月にメジャー昇格を果たす。メジャー初出場は17日のヒューストン・アストロズ戦で、8回裏の守備から登場し、9回表の初打席ではエセキエル・アスタシオに中飛に打ち取られた[4]。7試合目の出場となった28日のレッズ戦で、アーロン・ハラングからメジャー初安打となる二塁打を放つ[5]

2006年は開幕メジャー入りとはならず、ナッシュビルでの2年目のシーズンを過ごす。

レンジャース時代[編集]

2006年7月28日にブルワーズの主砲カルロス・リーとともに、フランシスコ・コルデロら4選手との交換でテキサス・レンジャーズへ移籍することになった[6]。ブルワーズは抑え投手のデリック・ターンボウが不振に陥っていたため、レンジャーズから新たな抑えとしてコルデロを獲得することに成功。一方のレンジャーズはこの時点で既に28本塁打しているリーを獲得し打線を強化した。ただこのトレードにおいては、クルーズが交換要員に含まれるかどうかがトレード成立の鍵となっており、レンジャーズGMジョン・ダニエルズは「交換相手にネルソンが入っていなかったら交渉は合意に達してなかっただろうね」と、クルーズを高く評価していた[2]。移籍したクルーズはメジャーへ昇格し、8月16日エンゼルス戦では自身初の満塁本塁打を放った[7]。さらに9月4日のアスレチックス戦ではランニングホームランも記録している[8]

2007年は正右翼手としての期待がかかっていた[2][9]。開幕メジャー入りしたものの6月3日まで43試合で打率.188・3本塁打・OPS.551と低迷し、AAA級オクラホマへ降格される。オクラホマでは44試合で打率.352・15本塁打・45打点・OPS 1.125と活躍し、7月下旬にメジャーへ再昇格すると53試合で打率.276・6本塁打・OPS.778と復調の兆しを見せた。

2008年はマイナー契約となり、開幕をオクラホマで迎えることになる。なかなかメジャーに定着することができないため「AAA級では活躍できるのに、メジャーへ上がると力を発揮することができなくなる」という意味で「典型的なAAAA級の選手」と揶揄されることもあった[10]。オクラホマで103試合に出場して打率.342・37本塁打・99打点・OPS 1.124・24盗塁の好成績を収め、オクラホマが所属するパシフィック・コーストリーグのMVPを受賞[11]。さらに8月25日に昇格したメジャーでも31試合で7本塁打と、年間36本ペースで本塁打を量産しシーズンを終えた。この活躍によって、2001年以降右翼手がなかなか固定できなかったレンジャーズにおいて、クルーズは翌2009年のレギュラー候補筆頭となった[9]。シーズン終了後、日本プロ野球阪神タイガース福岡ソフトバンクホークスがクルーズを獲得候補としてリストアップしているとの報道もあったが[12][13]、日本行きは実現していない。

2009年のオールスターゲーム前日、ホームランダービーに出場

2009年はまず3月に、国際大会の第2回ワールド・ベースボール・クラシックドミニカ共和国代表の一員として出場。一次ラウンドのパナマ戦ではマニー・コーパスからソロ本塁打を放っている[14]。ドミニカ共和国はこのパナマ戦には9-0で圧勝したが、オランダに連敗して一次ラウンド敗退となった。大会終了後、4月6日のMLBシーズン開幕戦には4番・右翼として先発出場。その後も正右翼手として出場を続け、6月終了時点で76試合中72試合に出場、打率.262・19本塁打・47打点・OPS.862・12盗塁を記録し、前年のリーグ打点王ジョシュ・ハミルトンが故障で長期欠場した穴を補う活躍を見せた[15]オールスターゲームには故障したトリー・ハンターの代役として初選出され[16]、試合にこそ出場しなかったが、前日に開催されたホームランダービーでは準優勝した。シーズン通算ではチーム最多・リーグ8位の33本塁打を放ち、盗塁数も20に達している。

2010年は左右のハムストリングを痛め3度にわたり故障者リスト入りし[17]、出場数は108試合にとどまる。それでも2年連続の20本塁打・70打点は達成し、打率やOPSは前年の.260/.856から.318/.950へと上昇させた。また延長戦で5本塁打(うち3本はサヨナラ本塁打)を放っており、シーズン最多記録に並ぶ勝負強さを見せている[18]。レンジャーズはこの年のアメリカンリーグ西地区で優勝し、11年ぶりにポストシーズン進出。レイズとの地区シリーズを3勝2敗で、ヤンキースとのリーグ優勝決定戦を4勝2敗で、それぞれ制して球団史上初のリーグ優勝とワールドシリーズ進出を決めた。この2シリーズ11試合でクルーズは5本塁打・5二塁打・8打点を挙げ、また地区シリーズの最終第5戦では同点の場面から三盗を敢行して敵失を誘い決勝のホームを踏むなど[19]、打撃だけでなく走塁でもチームの勝利を呼び込んだ。ただジャイアンツとのワールドシリーズは、チームは1勝4敗で敗れ世界一はならず。結果的に最終戦となった第5戦では、クルーズは3点ビハインドの7回裏にティム・リンスカムからソロ本塁打を放つも、9回裏二死の場面ではブライアン・ウィルソンの前に空振り三振を喫し、シリーズ最後の打者となった[20]

2011年は、4月1日ボストン・レッドソックスとのシーズン開幕戦で本塁打を放つと[21]、これを皮切りに4日のシアトル・マリナーズ戦まで4試合連続本塁打。ウィリー・メイズ1971年)とマーク・マグワイア1998年)に次いで史上3人目となる、開幕戦からの4試合連続本塁打を達成した。クルーズ本人は「理由はわからない。正しいアプローチができていて、勝負どころで打つべき球を打っているということなんだろうね」と話している[22]。しかしその後は前年同様に足の故障に悩まされ、5月には右大腿四頭筋痛で、8月には左ハムストリング痛で、それぞれ故障者リスト入り[23]。チームは地区2連覇を達成したものの、クルーズ自身は9月の月間打率が.190と不振の状態でポストシーズンへ突入した[24]。前年と同じ顔合わせとなったレイズとの地区シリーズを3勝1敗で突破し、迎えたタイガースとのリーグ優勝決定戦でクルーズは一転して好調となり、ポストシーズン史上最多の1シリーズ6本塁打・13打点をたたき出す。特に第2戦では7回裏に同点のソロ本塁打を放つと、延長11回にはポストシーズン史上初となるサヨナラ満塁本塁打。レンジャーズは4勝2敗でタイガースを下して2年連続リーグ優勝を成し遂げ、クルーズはシリーズMVPを受賞した[25]

2013年には、第3回WBCドミニカ共和国代表に選ばれた[26]。シーズンでは、オースターゲームに選ばれた。しかし、バイオジェネシス・スキャンダルによって禁止薬物購入が発覚し、同年8月5日に50試合の出場停止処分を受けた[27]10月31日にFAとなった。

オリオールズ時代[編集]

2014年2月22日ボルチモア・オリオールズと1年800万ドルで合意し[28]2月24日に球団が発表した[29]

詳細情報[編集]

年度別打撃成績[編集]

















































O
P
S
2005 MIL 8 7 5 1 1 1 0 0 2 0 0 0 0 0 2 0 0 0 0 .200 .429 .400 .829
2006 TEX 41 138 130 15 29 3 0 6 50 22 1 0 0 1 7 0 0 32 1 .223 .261 .385 .645
2007 96 332 307 35 72 15 2 9 118 34 2 4 1 1 21 1 2 87 5 .235 .287 .384 .671
2008 31 133 115 19 38 9 1 7 70 26 3 1 0 0 17 2 1 28 1 .330 .421 .609 1.030
2009 128 515 462 75 120 21 1 33 242 76 20 4 0 2 49 6 2 118 9 .260 .332 .524 .856
2010 108 445 399 60 127 31 3 22 230 78 17 4 1 6 38 5 1 81 12 .318 .374 .576 .950
2011 124 513 475 64 125 28 1 29 242 87 9 5 0 3 33 1 2 116 8 .263 .312 .509 .821
2012 159 642 585 86 152 45 0 24 269 90 8 4 0 4 48 2 5 140 7 .260 .319 .460 .779
2013 109 456 413 49 110 18 0 27 209 76 5 1 0 4 35 2 4 109 14 .266 .327 .506 .833
通算:9年 804 3182 2891 404 774 171 8 157 1432 489 65 23 2 21 250 19 17 711 57 .268 .327 .495 .823
  • 2013年度シーズン終了時

獲得タイトル・表彰[編集]

MLB
ドミニカ共和国代表

脚注[編集]

  1. ^ Nelson Cruz Contract, Salaries, and Transactions” (英語). Spotrac.com. 2013年10月21日閲覧。
  2. ^ a b c Jorge L. Ortiz, USA TODAY, "Dominican prospects Cruz, Capellan develop slower but still have much to give," USATODAY.com, February 7, 2007. 2009年7月25日閲覧。
  3. ^ "Get to know: Rangers' Cruz swings to Latin beat," USATODAY.com, May 10, 2009. 2009年7月25日閲覧。
  4. ^ "Sep 17, 2005, Brewers at Astros Play by Play and Box Score," Baseball-Reference.com. 2011年10月18日閲覧。
  5. ^ "Sep 28, 2005, Reds at Brewers Play by Play and Box Score," Baseball-Reference.com. 2011年10月18日閲覧。
  6. ^ Associated Press, "Unable to sign Lee, Brewers deal slugger to Rangers," ESPN.com, July 29, 2006. 2011年10月18日閲覧。
  7. ^ "Aug 16, 2006, Angels at Rangers Box Score and Play by Play," Baseball-Reference.com. 2011年10月18日閲覧。
  8. ^ "Sep 4, 2006, Rangers at Athletics Box Score and Play by Play," Baseball-Reference.com. 2011年10月18日閲覧。
  9. ^ a b T.R. Sullivan / MLB.com, "Cruz's job safe while he attends Classic / Manager Washington insists he will be Texas' starting right fielder," texasrangers.com, February 27, 2009. 2009年7月25日閲覧。
  10. ^ Matt Patterson, Staff Writer, "Former RedHawk Nelson Cruz turns career around / Cruz has had himself a remarkable 12 months," NewsOK.com, July 14, 2009. 2009年7月25日閲覧。
  11. ^ Pacific Coast League, "Cruz crowned Pacific Coast MVP / Outifelder ranks among the league leaders in homers, batting and RBIs," Official Web Site of the Pacific Coast League, August 28, 2008. 2009年7月25日閲覧。
  12. ^ “クルーズ&メンチも獲得候補”. デイリースポーツonline (デイリースポーツ社). (2008年10月22日). オリジナル2008年10月24日時点によるアーカイブ。. http://web.archive.org/web/20081024135256/http://www.daily.co.jp/baseball/2008/10/22/0001533262.shtml 2009年5月1日閲覧。 
  13. ^ “ソフトBメジャー22発大砲リストアップ”. nikkansports.com (日刊スポーツ新聞社). (2008年11月7日). http://www.nikkansports.com/baseball/news/p-bb-tp0-20081107-426976.html 2009年5月1日閲覧。 
  14. ^ "Dominican Rep. 9, Panama 0," MLB.com. 2010年10月10日閲覧。
  15. ^ 小林信行 「MLB30球団レポート&全選手個人成績 テキサス・レンジャーズ/TEX ハミルトン不在の打線で存在感を示す」 『月刊スラッガー』2009年8月号、日本スポーツ企画出版社、2009年、雑誌15509-8、71頁。
  16. ^ Christian Caple / MLB.com, "Star turn: Cruz added to AL team / Rangers outfielder replaces injured Angels standout Hunter," texasrangers.com, July 10, 2009. 2009年7月25日閲覧。
  17. ^ Chris Girandola / Special to MLB.com, "Rangers lose Cruz to disabled list / Left hamstring strain shelves outfielder; Arias activated," texasrangers.com, August 16, 2010. 2010年10月10日閲覧。
  18. ^ T.R. Sullivan / MLB.com, "Slugger Cruz is Rangers' unsung hero," texasrangers.com, February 22, 2011. 2011年10月18日閲覧。
  19. ^ "Oct 12, 2010, Rangers at Devil Rays Box Score and Play by Play," Baseball-Reference.com. 2011年10月18日閲覧。
  20. ^ "Nov 1, 2010, Giants at Rangers Box Score and Play by Play," Baseball-Reference.com. 2011年10月18日閲覧。
  21. ^ "Apr 1, 2011, Red Sox at Rangers Play by Play and Box Score," Baseball-Reference.com. 2011年10月18日閲覧。
  22. ^ 小林信行 「MLB30球団レポート&全選手個人成績 テキサス・レンジャーズ/TEX メイズとマグワイアに肩を並べる大爆発」 『月刊スラッガー』2011年6月号、日本スポーツ企画出版社、2011年、雑誌15509-6、73頁。
  23. ^ Richard Durrett, "Nelson Cruz expected out 3 weeks," ESPN Dallas, August 30, 2011. 2011年10月18日閲覧。
  24. ^ T.R. Sullivan / MLB.com, "Cruz's timing takes hit as he works to find form / Without rehab for hamstring, Texas slugger struggles in ALDS," texasrangers.com, October 6, 2011. 2011年10月18日閲覧。
  25. ^ Greg Johns / MLB.com, "Cruz's six homers net ALCS MVP honors," texasrangers.com, October 16, 2011. 2011年10月18日閲覧。
  26. ^ DOMINICAN REPUBLIC ROSTER
  27. ^ Alex Rodriguez and 12 other players suspended in Biogenesis PEDs scandal” (英語). Theguardian.com. 2013年9月10日閲覧。
  28. ^ Orioles, Cruz agree to one-year, $8 million deal
  29. ^ Orioles Sign Free Agent OF Nelson Cruz to a One-year Contract”. MLB.com Orioles Press Release (2014年2月24日). 2014年2月25日閲覧。

外部リンク[編集]