「ビグ・ザム」の版間の差分

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; OMAX-01 グランザム
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: ゲーム『機動戦士ガンダム フォーミュラー戦記0122』の公式ガイドブックに掲載(ゲーム『機動戦士ガンダム フォーミュラー戦記0122 』劇中には登場しない)<ref>『機動戦士ガンダム フォーミュラー戦記0122 公式ガイドブック 』25ページより</ref>。オールズ・モビル軍のビグザムをベースに陸上用に再設計された超大型MA。シャルル専用の機体になるはずだったが開発が遅れ実戦には登場しなかった。ビグ・ザムの胴体部に巨大なホバーユニットを接続したような形状となっている。ゲーム『[[SDガンダム GGENERATION]]』シリーズには、高火力・重装甲ではあるが移動力が低いMAとして登場する。
: ゲーム『機動戦士ガンダム フォーミュラー戦記0122』の公式ガイドブックに掲載(ゲーム『機動戦士ガンダム フォーミュラー戦記0122 』劇中には登場しない)<ref>『機動戦士ガンダム フォーミュラー戦記0122 公式ガイドブック 』25ページより</ref>。オールズ・モビル軍のビグザムをベースに陸上用に再設計された超大型MA。シャルル専用の機体になるはずだったが開発が遅れ実戦には登場しなかった。ビグ・ザムの胴体部に巨大なホバーユニットを接続したような形状となっている。ゲーム『[[SDガンダム GGENERATION]]』シリーズには、高火力・重装甲ではあるが移動力が低いMAとして登場する。
;ビグ・ザム(連邦軍観艦式典仕様)
;ビグ・ザム(連邦軍仕様)
:漫画『機動戦士ガンダム0083 REBELLION』47話に登場。一年戦争時にドズル・ザビが最期に搭乗し、破壊されたものを改修した機体。その改修目的はジオン残党に完全なる絶望を与えるためであった。本来は観艦式のフィナーレに披露する予定であったが、ラングにガンダム試作2号機を搭載し観艦式中の連邦軍艦隊へ強襲をかけてきたアナベル・ガトーに対し、グリーン・ワイアット大将が出撃させた。ラングの発射したビームをIフィールドで防ぎ切り、続けての突撃を正面から二本足で受け止めるなど防御性能は未だに健在であった。
:漫画『機動戦士ガンダム0083 REBELLION』47話に登場。一年戦争時にドズル・ザビが最期に搭乗し、破壊されたものを改修した機体。その改修目的はジオン残党に完全なる絶望を与えるためであった。本来は観艦式のフィナーレに披露する予定であったが、ラングにガンダム試作2号機を搭載し観艦式中の連邦軍艦隊へ強襲をかけてきたアナベル・ガトーに対し、グリーン・ワイアット大将が出撃させた。ラングの発射したビームをIフィールドで防ぎ切り、続けての突撃を正面から二本足で受け止めるなど防御性能は未だに健在であった。



2017年7月5日 (水) 05:02時点における版

ビグ・ザム (BYG-ZAM) は、「ガンダムシリーズ」に登場する架空の兵器。有人搭乗操縦式の機動兵器「モビルアーマー(MA)」の一つ。初出は、1979年に放映されたテレビアニメ機動戦士ガンダム』。

作中の軍事勢力の一つである「ジオン公国軍」の試作機。大型機が多いMAの中でも特に巨大で、円盤のような胴体に2本の脚部、強力な火器を多数備えた異形の機体。ジオン宇宙攻撃軍司令「ドズル・ザビ」とその部下たちが搭乗し、主人公「アムロ・レイ」が所属する地球連邦軍の前に立ちはだかる。

当記事では、各派生作品に登場するバリエーション機についても記述する。

機体解説

諸元
ビグ・ザム
BYG-ZAM
型式番号 MA-08
所属 ジオン公国
建造 ソロモン
全高 59.6m[1]
頭頂高 不明[1]/80m[2]
本体重量 1,021.2t[1]
全備重量 1,936.0t[1]250t[2]
装甲材質 超硬スチール合金
出力 140,000kW[1](35,000kW×4[要出典])(200,000馬力[3]
推力 580,000kg[1]
センサー
有効半径
134,000m[1]
最高速度 マッハ7[3]
武装 大型メガ粒子砲
メガ粒子砲×26
クロー×6
特殊装備 Iフィールドジェネレーター
搭乗者 ドズル・ザビ
マイヤー
ガルマ・ザビ(ギレンの野望)

一年戦争終盤で劣勢となったジオン公国軍は、戦況を盛り返すべく圧倒的な攻撃力と防御力を兼ね備えた本機を完成させる。楕円状の円盤のような胴体から生えた2本の脚部が特徴で、その形状はジオン公国章をモデルにしているという説がある[要出典]。乗員は3人であるが、操縦系の切り替えにより1人でも操作が可能である[4]

機体中央部には大型メガ粒子砲を装備しており、一撃で戦艦を沈めるほどの破壊力を有する[5]。胴体部には水平360度全方位に計26基のメガ粒子砲が張りめぐらされ、敵地にて一斉掃射することで壊滅的なダメージを与える[5]。脚部には設置された片足3本のクローは、射出することで対空防御兵器として機能する。

防御用にIフィールドジェネレーターを搭載しており[6]、中長距離からのビーム兵器を完全に無効化する。一方で肉薄攻撃でのビーム攻撃や実体弾兵器の攻撃に対しては特別な防御手段は持たないが、装甲も分厚いため、劇中では至近距離からボール部隊の180mmキャノン砲で集中攻撃されても無傷を保つ。

攻守ともに圧倒的な性能を有する本機は、これら複数のメガ粒子砲やIフィールドジェネレーターを稼動させるために4基の超大型熱核反応炉を搭載しており、出力は140,000kWにもおよんだ。しかし、宇宙空間では冷却能力に課題が残り、最大稼動時間はわずか20分以下であった[7]

当初の計画では量産化および地上での運用が検討されており、牽引させたムサイからジャブローへ向け降下させたあとの、中隊規模の部隊編成による要塞の瞬時発見・殲滅という運用が期待されていたが、初号機の完成時点でジオン軍の敗北が確定したため、量産化は見送られた[8]

劇中での活躍

テレビアニメ『機動戦士ガンダム』第35、36話および劇場版『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編』中盤に登場。地球連邦軍によるソロモン攻略戦で活躍する。

テレビ版第35話で、ジオン公国のギレン・ザビより援軍としてア・バオア・クーからソロモンに送られる[5]が、ザビ家三男でソロモン司令官でもあるドズル・ザビは、「戦いは数だ」と逆に憤慨する[9]。本機は分解された状態でパプア級補給艦に積載され、ソロモンに到着。ただちに要塞内部のファクトリーで再組み立てが行われるが、ソロモン戦の序盤には間にあわず出撃はしない。

テレビ版第36話では、起死回生の一撃としてドズルら4人(操縦1、火器管制1、航法1、機長(ドズル)1)が搭乗し、先陣を切って残存兵力を糾合して出撃するも、ソーラ・システム第二照射を受けて全艦隊の1/4に相当するソロモン残存艦隊を損失。急遽作戦変更してソロモンから撤退するジオン公国軍艦艇の時間稼ぎ役となる。要塞内部に侵入したジムボール部隊などの連邦軍ソロモン侵攻部隊を殲滅するが、過剰な火力を要塞内部で使うことは味方の損害が大きいために要塞から出撃。ビーム砲による長距離攻撃で連邦軍宇宙艦隊のマゼラン級宇宙戦艦サラミス級巡洋艦を多数撃沈する。その中には、ティアンム艦隊旗艦「タイタン」も含まれる。以上の戦果から、ドズルは「ビグ・ザムが量産の暁には連邦なぞあっという間に叩いてみせるわ」とうそぶくが、すでに資源、運用人材両面でジオンにはビグ・ザムを量産する余力など残っていないと考えられた。

圧倒的な性能で、連邦軍を返り討ちにするビグ・ザムだったが、Iフィールドジェネレーターによるバリアシステムはゼロレンジからのビーム攻撃を無効化できないという弱点を連邦軍パイロットスレッガー・ロウに見抜かれ、アムロ・レイの操縦するガンダムを乗せたGファイター(映画版ではコア・ブースター)に肉薄攻撃をしかけられる。迎撃によりスレッガー機は撃墜されるものの、分離したガンダムが至近距離からビーム・ライフルで攻撃。さらにビーム・サーベルで白兵戦を挑むという攻撃により撃破される。

小説版においてはソロモン工廠にてドズル主導の元で開発が行われたという設定であり、コレヒドール宙域に出撃したドズル艦隊の旗艦ガンドワに曳航されて出撃した。メガ粒子砲の数は16門とされ、Iフィールドは搭載されておらずビームライフルでダメージを負っている。ガンドワ艦隊に切り込んだアムロ隊を迎撃するべく出撃したが、ニュータイプとして覚醒したアムロ隊には歯が立たず、ジムにより片足を失うなど苦戦。その後特攻をかけたガンドワとの連携でジムを打ち落としたものの、直後にガンダムのビームライフルで撃破された。

漫画『THE ORIGIN』では、もともとドズルがジオンのMS開発を主導していたという設定になっており、本機も小説版同様ドズル自身の命により開発されている。スレッガーの特攻はビグ・ザムの足がコア・ブースター部分を握り潰し、その結果分離したコア・ファイターが特攻するかたちに変更されている。

劇場版Ζ機軸で描かれた漫画『機動戦士Ζガンダム デイアフタートゥモロー ―カイ・シデンのレポートより―』では、ジオン残党軍の所有機体がカラバと協力してティターンズキリマンジャロ基地攻略作戦に参加する。少なくとも8機が確認されており、かんじきを装着している。これらの機体は一年戦争アナハイム・エレクトロニクス社に吸収された旧ジオン開発者たちの手によってキャリフォルニアベース周辺で密かに生産・完成された。ただし、この作品自体は公式設定という訳ではない。

バリエーション

MA-08 ビグ・ザム(ザビ家仕様)
ゲーム『機動戦士ガンダム ギレンの野望 ジオンの系譜』に登場した機体。ビグ・ザムにミサイルランチャーを装備することで武装が強化され、ミノフスキー・クラフトによる陸上での行動範囲の拡大も行われているが、飛行できるわけではない。また、機体の各エッジ部分に装飾が施されている。
MA-09 量産型ビグ・ザム
ゲーム『SDガンダム GGENERATION』に登場したビグ・ザムの量産型。ビグ・ザムは本来ジャブロー攻略用に開発された機体であるため、本機は陸上での運用に特化されて森林迷彩塗装が行われているほか、機体のコスト削減や稼働時間延長のため、Iフィールドジェネレーターは耐ビームコートに変更されている。
漫画『機動戦士ガンダム カタナ』では、宇宙世紀0084年に地球連邦軍の軍閥「シン・フェデラル」所属機として登場。基地防衛用やベレーノ・アバッキオ機がするが、いずれも撃墜される。
ドグザム
メカニックデザイン企画『MSV90』に登場した、ビグ・ザムの発展型として構想された機体。汎用性の向上を目指しており、上部に1対のアームを持つMSの上半身が追加されている。終戦により、設計段階で開発は中止される。
MA-08A[10] ビグ・ザム(アクシズ仕様)
ゲーム『ガンダムトライエイジ』ビルドMS第1弾より登場する機体。アクシズによって強化改造を施されたという想定の機体であり、キュベレイに似たカラーリングが施されている。
MA-08-2 ビグザム改
漫画『機動戦士VS伝説巨神 逆襲のギガンティス』に登場した機体。巨神の発動を阻止するため、シャア・アズナブルネオ・ジオン部隊が2機率いてきた。発動した巨神を止めるために導入されるが、2機とも撃破される。戦闘に導入されたうち、1機は目と歯のマーキングが施されている。
ビグ・ザウーラ
メカニックデザイン企画『MS90'S』に登場するモビル・クルーザー。旧ザビ家派のジオン軍残党がネオ・ジオンに対抗すべく開発していたもので、α・アジールナイチンゲールなどを仮想敵としていた。ムサイによって牽引されるというビグ・ザムの運用思想を可変MA的なものへと発展させており、ムサイに類似した艦型のクルーズ・モードへの変形機能を有する。主武装は超大型メガ粒子砲(原文では「メガ砲」と表記)3門で、そのエネルギーはムサイのものを転用した大型ジェネレーターによって賄われる。艦艇としてあつかわれていたようで、1番艦の艦名は「ソロモン」。
OMAX-01 グランザム
ゲーム『機動戦士ガンダム フォーミュラー戦記0122』の公式ガイドブックに掲載(ゲーム『機動戦士ガンダム フォーミュラー戦記0122 』劇中には登場しない)[11]。オールズ・モビル軍のビグザムをベースに陸上用に再設計された超大型MA。シャルル専用の機体になるはずだったが開発が遅れ実戦には登場しなかった。ビグ・ザムの胴体部に巨大なホバーユニットを接続したような形状となっている。ゲーム『SDガンダム GGENERATION』シリーズには、高火力・重装甲ではあるが移動力が低いMAとして登場する。
ビグ・ザム(連邦軍仕様)
漫画『機動戦士ガンダム0083 REBELLION』47話に登場。一年戦争時にドズル・ザビが最期に搭乗し、破壊されたものを改修した機体。その改修目的はジオン残党に完全なる絶望を与えるためであった。本来は観艦式のフィナーレに披露する予定であったが、ラングにガンダム試作2号機を搭載し観艦式中の連邦軍艦隊へ強襲をかけてきたアナベル・ガトーに対し、グリーン・ワイアット大将が出撃させた。ラングの発射したビームをIフィールドで防ぎ切り、続けての突撃を正面から二本足で受け止めるなど防御性能は未だに健在であった。

脚注

  1. ^ a b c d e f g 『ENTERTAINMENT BIBLE .1 機動戦士ガンダム MS大図鑑 PART.1 一年戦争編』(バンダイ、1989年)
  2. ^ a b 『テレビマガジン』1981年3月号付録『機動戦士ガンダム大事典』下巻(講談社)
  3. ^ a b 『講談社ポケット百科シリーズ15 ロボット大全集1 機動戦士ガンダム』(1981年)
  4. ^ テレビ版第36話。ドズルは部下を脱出させ、1人でビグ・ザムを操縦し、敵艦隊に特攻する。
  5. ^ a b c 機動戦士ガンダム公式Web「メカ-ジオン軍-ビグ・ザム」
  6. ^ 劇中では「磁界」「磁気バリア」と表現されるのみ。
  7. ^ 『ガンダムセンチュリー』55ページ。
  8. ^ 書籍「モビルスーツバリエーション2・ジオン軍MS・MA編」講談社
  9. ^ ドズルはリック・ドム10機の方がよいと怒るが、彼はシャアを重用するキシリアへの対抗意識からソロモン戦直前にコンスコン機動部隊をホワイトベース戦に投入。巡洋艦4隻とリック・ドム18機を失っている。
  10. ^ ガンダムトライエイジのプロモーションカード裏書きより
  11. ^ 『機動戦士ガンダム フォーミュラー戦記0122 公式ガイドブック 』25ページより

関連項目