ペズン計画

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ペズン計画(ペズンけいかく)は、1979年に放映されたテレビアニメ機動戦士ガンダム』に端を発する、プラモデルを中心として展開される予定であった企画『MS-X』に登場する、架空の軍事計画。

作中の軍事勢力のひとつ「ジオン公国軍」による、人型ロボット兵器「モビルスーツ(MS)」をはじめとした兵器開発計画。小惑星基地「ペズン」で研究開発が行われたことから、ペズン計画と呼ばれる。

当記事では、計画にもとづいて開発された各MSを型式番号順に記述する。

概要[編集]

一年戦争末期、地球連邦軍に対し劣勢を強いられたジオン公国軍は、戦況を盛り返すための兵器群を極秘裏に開発する。ア・バオア・クーで戦力の備蓄が進められ、サイド3に本部を移したうえで秘密工廠にて開発が行われた。MS-Xという呼称はあらゆる可能性を考えて設計された兵器システムを指し、偽装のために軍開発ナンバーから外された型式番号が付けられている。地球連邦軍でもデン・バザーク大佐の特殊部隊がペズン計画の情報収集を行っていたが、一年戦争終結からしばらく全貌の資料は発見されなかった。

ペズン計画で試作されたMSは、アクト・ザクガルバルディドワッジギガンガッシャがある。アクト・ザクはザクIIマグネット・コーティング施工型、ガルバルディはギャンの完成型、ドワッジはリック・ドムの発展型であるなど、既存兵器を母体に用いたものが全体の3/5を占める。

開発されたMS[編集]

ペズン・ドワッジ[編集]

諸元
ドワッジ(ペズン・ドワッジ)
DOWADGE / PEZUN DOWADGE
型式番号 MS-10
全高 18.9m
重量 61.4t
武装 ヒート・サーベル
ジャイアント・バズ
8連装420mmロケット砲
ビーム・キャノン

局地戦用MS。型式番号がひとつ前のドムおよびリック・ドムの発展型と考えられている。ドワッジの名称を有する機体には、同じドム系列であり陸戦用のMS-09Gがある。この混同はドワッジの名称がドム系列を根本改良した新型機に用意されていたためと推測されている[1]。本機はMS-09Gと区別をするためにペズン・ドワッジと呼ばれることが多い。

陸戦用のドムを宇宙戦用に改修したリック・ドムはそれなりの戦果はあげたものの、稼働時間が大幅に制限されるなど問題点が残っていた。そのためリック・ドムの発展型として宇宙用に再設計された。これまでのドム系列の特徴である重装甲、重火器装備に加え、その重装甲を生かした対MSの白兵・格闘戦も考慮しており突撃型ともいわれる。

ドワッジは特徴的な三角の頭部を持ち、ドムの特徴であった十字型のモノアイスリットは逆T字型に改められた。前腕部には格闘戦を考慮した三連スパイクを装備する。背部のスラスターは3基に増設され、腰部にも外付けで2基のスラスターを装備する。

武装は固定武装としてヒート・サーベルを装備。リック・ドムとは異なり腰部に水平に装備する。携行武装として改良型のジャイアント・バズ、および8連装420mmロケット砲がある。さらに、ビーム・キャノンも用いることができるが、ジェネレーター不足のため、2機1組となって運用するものであった。なお、左胸部にはドムにおける拡散ビーム砲とおぼしき形状が見受けられるが、これが同様の武装であるかどうかは明らかになっていない。

「トミノメモ」によれば、『機動戦士ガンダム』にてリック・ドムの別名としてホワイトベースの宇宙帰還後に登場する予定であった。主な搭乗員はバロム大佐、ジン・ライム曹長など。

名称の変遷
本来『MS-X』シリーズは1984年に発表され、『MSV』同様のガンプラの販売戦略の一環としての映像媒体を持たないMSとして企画されたものだった。この時点で発表された名称はドワッジであった。しかし、テレビアニメ『機動戦士Ζガンダム』制作のため企画がペンディングとなり『MS-X』が商品化されることはなかった(後にフィギュア『ZEONOGRAPHY』で商品化)。『機動戦士ガンダム』製作時の監督富野由悠季が残した「トミノ・メモ(ガンダムが打ち切られなかった場合のネタを記したメモ)」によればもともとドワッジはドムの企画段階の名前であったという。
後にアニメ『機動戦士ガンダムΖΖ』において、同じドム系列でありながら異なるデザインのMS-09GもしくはMS-09Hという型式番号のドワッジというMSが登場し、プラモデルなどで商品化された。そのため、この機体と区別するため、本機はペズン・ドワッジと呼ばれることが多い。
劇中での活躍
ゲームブック『機動戦士ガンダム 最期の赤い彗星』では、一年戦争終結直後、グラナダにて宇宙要塞アクシズへの渡航準備を進めるシャア・アズナブルに単機で襲撃する機体が登場。この機体は無人機でサイコミュ受信装置が内蔵されており、ニュータイプによる遠隔操縦が可能であった。
漫画機動戦士ガンダム カタナ』では、地球連邦軍の軍閥「シン・フェデラル」所属の機体が登場。ストライカー・カスタムで見られた敵機を砂状化する超振動「超妖刀」を再現するため、ゾゴック用のロッドアームに換装されており、リック・ドム用のビーム・バズーカも装備していた。宇宙世紀0084年にシン・フェデラル所属の強化人間「ロストナンバーズ」が搭乗、計4名からなる超振動を織り交ぜた連携攻撃「ジェットストリームアタック」を得意としたが、イットウ・ツルギ中佐の搭乗するフルアーマー・ストライカー・カスタムによって全滅させられる。
漫画『機動戦士VS伝説巨神 逆襲のギガンティス』では、頭部の形状が異なる機体が数コマ登場する。

アクト・ザク[編集]

諸元
アクト・ザク
ACT ZAKU
型式番号 MS-11
全高 18.2m
重量 59.1t
装甲材質 超硬スチール合金
出力 1,440kW
推力 64,800kg
センサー
有効半径
3600m
武装 ビーム・サーベル×2
ビーム・ライフル
専用ブルパップガン
専用ヒート・ホーク
搭乗者 マレット・サンギーヌ
地球連邦軍兵
ネオ・ジオン兵

ザクIIをもとに開発された機体。名称の中黒を抜いた「アクトザク」の表記も見られる。

ベース機とは桁違いの性能を有することから、新たにMS-11の型式番号が割り当てられた。この番号は本来ゲルググに与えられる予定だったが、開発が難航したためアクト・ザクに譲られ、ゲルググはMS-14として開発が進められている。試作段階で終戦を迎えたことから、本格的な量産には至らなかったとされる。

各関節部にマグネット・コーティングが施され、高い機動性と運動性を発揮する。ジオン製MSは流体パルスシステムによる駆動方式を採用しているが、マグネット・コーティングは地球連邦軍製MSの駆動方式に用いられるフィールド・モーターに施される技術である。よって本機には部分的にフィールド・モーターが採用されていたともいわれている。

武装は4連装のブルパップガンと専用ヒート・ホーク。さらにジェネレーター出力が強化されたことで、ザクIIでは不可能だったビーム・ライフルビーム・サーベルの使用も可能になっている。『MS-X』発表時からこの設定は存在したが、アクト・ザク専用のビーム兵器の画稿は起こされていなかった。ビーム兵器を使用している姿が描かれたのは、後年になってテレビゲームなどに登場してからである。

一年戦争終結後、本機を接収した連邦軍がその高性能に着目し、オーガスタ研究所などに配備する。接収後はコクピット内部が全天周囲モニター・リニアシートに換装され、第1.5世代MSともいえるものとなっている。武装もハイザックマラサイと同型のビーム・ライフルを装備している。なお、ゲーム版でもこのビーム・ライフルを装備している(後述)。

劇中での活躍
『MS-X』としてほかの機体とともに設定が作られたが、その後『機動戦士Ζガンダム』が放映開始されたため、それらをプラモデル化する企画は頓挫している。しかし、『機動戦士Ζガンダム』作中において、地球連邦軍の所属機として端役ながらもハイザック用のビームライフルやザク・マシンガン改を装備して登場。ベース・ジャバーに搭載され、ギャプランの援護を務める。
小説および漫画『機動戦士ガンダム外伝 宇宙、閃光の果てに…』では、一年戦争末期に実戦投入されたという描写で登場する。グラナダ特戦隊を率いるマレット・サンギーヌが搭乗。グラナダ海域でノルド艦隊指令の命令を無視して出撃しガンダム5号機に撃墜される。この作品に登場するアクト・ザクは頭部にアンテナを設置し、ハイザックやマラサイ用のものに類似したビーム・ライフル、ゲルググと同型のシールドを装備する。また、フルスペックのアクト・ザクは機動性が高すぎるために通常の人間にはまともな操縦ができず、リミッターを設けて対応していたが、マレットは神経系統を強化する薬物を投与することで、本来の機体性能を発揮することに成功する。
漫画『アウターガンダム』では、一年戦争中に実戦投入されたという設定のもと登場。ソロモン戦に参加していた機体がカタールと接触している。この機体はオリジナルデザインの銃器を携行している。
漫画『機動戦士ガンダム MSV-R ジョニー・ライデンの帰還』では、新生ネオ・ジオン所属の機体が登場する。
マイナーバージョン
アクト・ザク(狙撃装備)
オンラインゲーム『機動戦士ガンダム オンライン』に登場。
ゲルググJ用のビーム・スナイパーライフル(連射強化型ビーム・スナイパーライフル)だけでなく、チャージ・ビーム・スナイパーライフルなどの他の狙撃用武装も携行することが可能。

アクト・ザク(『THE ORIGIN』版)[編集]

『機動戦士ガンダム』のリメイク的作品『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』の『MSV』的企画『機動戦士ガンダムTHE ORIGIN MSD(Mobile Suit Discovery) 』に登場[2]。大河原邦男のオリジナルデザインをもとに、カトキハジメが新デザインを起こしている[2]。作中の基本設定は『MS-X』を踏襲しているが、一部の改編にもとづいたバリエーション機が設定された。さらに、「関節駆動系にフィールド・モーターが採用されている」という設定が明文化されている[3]

アクト・ザク(キシリア部隊機)
キシリア・ザビが指揮する親衛隊に配備されたテストタイプ[4](型式番号:YMS-11)。
親衛隊所属を示す頭部の鶏冠(クレスト)状の突起と、アッシュ・パープルの機体色が特徴[5]。搭載予定の融合炉と新型スラスターの開発が遅れからザクIIのランドセルを代用しており、両肩もザクIIと同型のL字型シールドとスパイクアーマーを装着している[4]。武装は『MS-X』と同様にの4連装マシンガンと専用の大型ヒート・ホークだが、ビーム兵器は装備していない[4]。なお、型式番号の「YMS-11」は後年与えられたもので、本来のナンバーは不明とされている[4]

ギガン[編集]

諸元
ギガン
GIGAN
型式番号 MS-12
全高 16.2m[6]
頭頂高 13.9m[6]
本体重量 71.1t[6]
全備重量 101.3t[6]
装甲材質 超硬スチール合金
出力 736kW[6]
推力 48,000kg[6]
最高速度 90km/h[6]
武装 180mmキャノン砲
4連装120mm砲
同軸機関砲
固定火器×2
クローアーム
ガトリング・ガン(「袖付き」仕様)
搭乗者 不明(ジオン公国一般兵、「袖付き」パイロット)

支援 / 防空用の簡易生産型MS。

MSの型式番号を与えられてはいるが、その特異な形状は陸戦用モビルアーマー (MA)、実質的には支援自走砲というべき存在である。地球連邦軍のRX-75 ガンタンクやRB-79 ボール同様の設計思想にもとづく、中 / 遠距離支援用としては正統派の機体。

性能的には決して高くないが、生産工程と必要資材はザクIIの半分程度とも言われ、自走砲の戦術的に正しい運用法は、最前線に出ず遮蔽物を利用して後方からの組織的支援に徹することであるうえ、本機は既存の自走砲より高性能なので、あまり問題にはならなかった。

簡易型だけあって頭部は首のない固定式。その代わりに水陸両用MSと同じく、モノアイレールの可動範囲が広い。下半身は歩行用の脚を有しておらず、移動は3つの車輪で行なう。このホイールユニットは全高16.2mと言われるギガンの25 - 30%程度を占める。グラナダなどの月面での使用を前提にしているため、機体前後にはプロペラントタンクと小型スラスターも装備しており、ある程度の空間戦闘が可能[7]。ジェネレーター出力は低いものの、ビーム兵器の運用を考慮していないため問題とはならない。コクピットは操縦手と砲手の複座式となっている[8]。下半身を宇宙用の高機動バーニアに換装して、ジオングと同様の空間戦闘も想定されていた[9]

脚部をもたないために操縦はきわめて容易で、車両から機種転換するパイロットの養成期間短縮にも繋がる利点があった。「路面移動力が速い」「故障しにくい」「メンテナンスが簡単」などのホイールによる利便性から、地上用としても期待があったようである(ゲームではおもに地上用MSとして活躍する)。

MSが戦闘に大きな影響を与えると考えられ、高性能な機体開発が求められていた時期にこうした先祖帰りともいえるMSが開発されたのは、一年戦争末期に劣勢となったジオン公国軍が安価で生産性の高い機体を大量に調達し、数での優位を狙う目的があったとされる。しかし、少数がズム・シティ他に配備されるだけに留まった(漫画『機動戦士ガンダム ギレン暗殺計画』ではこの設定を生かし、親衛隊用の機体が運用されている姿が見られる)。高価で操縦難易度も高いMSであるMS-14 ゲルググが量産された結果、地球連邦軍で同様の思想にもとづいて造られた廉価版モビルポッド (MP) RB-79 ボールを大量投入した作戦によりソロモンをはじめとする宇宙要塞群は陥落し、ジオン公国は敗北の道をたどる。

形状が若干異なる2種類の画稿が存在している。一方は赤のカラーリングで、モノアイレールの正面部に上下の切り欠きがある十字型で、胸部にもパイロットの直接視認用の窓らしきものがある。もう一方は緑のカラーで、モノアイレール正面部をバイザーとマスクを追加して補強したような形状で、胸部の窓もなく装甲が厚い印象である。頭胸部を除いた形状はほぼ同一である。

ゲーム作品などでは上述の赤バージョンで登場することが多い。アニメ版『機動戦士ガンダムUC』には、ネオ・ジオン残党「袖付き」に運用される緑バージョンの機体が登場。車輪ユニットをクラーケ・ズール用の大型プロペラント・ブースターに換装[10]。右腕がドラッツェと同型のガトリング・ガンに換装されている[11]他、胸部と左腕に「袖付き」のトレードマークである装飾が追加されている。ネェル・アーガマへ攻撃を仕掛けるMS部隊の露払いとして、援護射撃を行う。画稿はカトキハジメによって新たに描かれた[12]

武装
180mmキャノン砲
本機の主砲。頭頂部に装備された砲塔内にセットされた実体弾砲。射界は全周で対空射撃に使われるが、地上目標に対しても十二分にその威力を発揮する。間接照準射撃による曲射も可能。砲塔部にはセンサーが搭載されているので、本体が隠れたまま、砲塔だけ遮蔽物や稜線上に出して射撃することも可能である。
120mm機関砲
右手その物にマウントされた四連装機関砲。前記の180mm砲と違い大量の砲弾を短時間に叩き込む直接射撃兵器である。長砲身である所からザクマシンガンよりも威力や射程も上であると思われるが、これは補給の観点から砲弾の互換性がある可能性は高い。その長さから近距離では取り回しづらく、どちらかと言えば中長距離向けの火器である。
同軸機関砲
口径不明。180mm砲に同軸装備された副砲である。歩兵や非装甲車両など、主砲を使うには取るに足りない相手を撃つためのものである。
クローアーム
鉤爪状の簡易型腕部。ギガン専用の白兵戦武器は用意されておらず、万が一、近接戦闘になった場合は、この左腕であるクローアームで自衛するしか手はなかった。他のMS用に開発された携帯武器が使用可能かは不明。
ガトリング・ガン
「袖付き」で運用された機体の装備。120mm機関砲に換わって装備されたもので、ドラッツェのものと同型。
備考
「トミノメモ」によれば、当機はア・バオア・クーの最終防衛機たる存在で、各々にパイロットが搭乗するのではなく、末梢神経とされる「系」なるものによって操作されており、これによりガンダムは撃墜される予定であった。

リックギガン[編集]

漫画『機動戦士VS伝説巨神 逆襲のギガンティス』に登場。

ネオ・ジオン軍が運用する機体で、ギガンの宇宙用改修型と考えられている(型式番号:MS-R12)。

もともとギガンには、宇宙空間での活動用に高機動バーニアが用意されており、3輪の走行ユニットをそちらに換装することができた。リックギガンは、その高機動バーニアに換装された姿だと思われる。ただし、一年戦争から10年経過しているため、細部にわたって改良が施された結果、右腕部もガトリング砲状の装備に変更されている。頭部に有している1門の砲がギガンと同一の実体弾式180mm砲かは不明である。

劇中での活躍
巨神発動後、随伴機として巨神の援護や後方支援をおこなう。地球連邦から派遣されたアムロ・レイの駆るメガゼータや、シャア・アズナブルが率いるネオ・ジオンの戦力から巨神を守ろうするが、巨神の一斉攻撃により敵味方の区別なく撃破される。

ガッシャ[編集]

諸元
ガッシャ
GATSHA
型式番号 MS-13
全高 17.5m[6]
頭頂高 15.1m[6]
本体重量 89.7t[6]
全備重量 116.5t[6]
装甲材質 超硬スチール合金
出力 1,076kW[6]
推力 42,900kg[6]
最高速度 55km/h[6]
武装 4連装ミサイル・ポッド×2
特殊ハンマー・ガン
搭乗者 ダル

突撃用試作型MS。フォルムは水陸両用MSズゴック、もしくは試作機のゾゴックに相似している。

本機はMA的な発想から誕生したと云われ、宇宙戦においてリック・ドムやドワッジなどによる後方支援を受けながら、爪状のマニピュレーターであるコンバット・ネイルを用いて近接戦を行う強襲・格闘型の機体である。MA並みの装甲と加速性能を誇り、ズゴック譲りの格闘性能で近接・格闘・離脱を繰り返す運用方法が考えられていたようである。しかし、当時のジオン公国軍には複数のMSを量産する力はなく、その汎用性のなさや他機種との互換性の低さが足かせとなり、正式採用を逃す。

通常は2名で操縦する[13]。固定武装は両肩部にそれぞれ装備された開閉式4連ミサイル・ポッドであり、ビーム兵器を搭載してはいない。これは豊富な水を活用できたズゴックとは異なり過熱を制御出来なかったためとされる。その代替として特殊なハンマー状の武器である特殊ハンマー・ガンを装備している。これは直線射出以外にも障害物を越えての放物線射出が可能で、その運用法から山越えハンマーとも呼ばれる。ただし、ガッシャのマニピュレーターは通常のものではなく爪状のものであったため、特殊なグリップで保持して使用する。ガンダムのガンダムハンマーに代表される無重力空間における質量兵器は、そのコントロールのむずかしさはあるものの、エネルギー切れの心配がなく、敵機に与えるダメージも深刻な兵器であった。

劇中での活躍
テレビアニメ機動戦士ガンダム』後半で展開される予定であったプランを納めた「トミノメモ」に名称のみ存在する[14]。これによれば、月面グラナダにて勇将ダルが搭乗。2機のグフ・タイプを率い、どこから飛んでくるか分からない山越えハンマーにより、ホワイトベース隊を苦しめたとされる。
ゲームブック『機動戦士ガンダム 最期の赤い彗星』では、シャア・アズナブルの搭乗する量産型リック・ドムと対決する。これによれば、山越えハンマーの射程距離は約150メートルであるとされる。
備考
  • メカニックデザインは大河原邦男が担当。大河原のデザイン画ではおもにネイビーブルーとホワイトを基調とした塗装パターンであるが、川口克己による立体化ではネイビーブルーのみを基調とした塗装パターンが行われている。また、増尾隆幸[15]。のイラストではホワイトの塗装パターンで描かれている。
  • ゲーム『SDガンダム GGENERATION』の第1作では、水中用MSの一種として扱われていた。『SDガンダム GGENERATION-ZERO』以降は修正されている。

ドガッシャ[編集]

漫画『機動戦士VS伝説巨神 逆襲のギガンティス』に登場(型式番号:MS-16)。デザインは長谷川裕一

木星圏にあったネオ・ジオン軍の秘密工場において、伝説巨神の機密防衛のためにペズン・ドワッジ、リックギガンとともに配備されている。半球状の頭部に4基のモノアイがあり、上半身は巨大なU字状をしており、肩は円形のターレット状、両腕は射出式ハンマーという特異なフォルムをもつ。胸部にはバルカン砲らしきものを2門装備する。

劇中ではドガッシャのハンマーは数個のアポジモーターをもち、巨神の装甲の陰に隠れたメガゼータを攻撃する。

劇中での活躍
巨神発動後、随伴機として巨神の援護、近接防御を行なう。地球連邦から派遣された アムロ・レイの駆るメガゼータや、シャア・アズナブルが率いるネオ・ジオンの戦力から巨神を守ろうするが、巨神の一斉攻撃により敵味方の区別なく撃破される。その後、腕部のハンマーをメガゼータに流用される。

ガルバルディ[編集]

ギャンの後継機。のちに地球連邦軍が発展機のガルバルディβを開発したことで、原型となった本機は「ガルバルディα」と呼ばれるようになる。

MS以外の兵器[編集]

スキウレ[編集]

MS用の対艦移動砲座。ビグロと同型のメガ粒子砲を1門装備。

スクート[編集]

MS移動用のロケットボード。黎明期のサブフライトシステムと言える。サイズはMSと同程度で、紡錘形の艇体の後部左右にエンジンポッドが付いており、上部左右のグリップをMSのマニピュレータで握ることで水中スクーターの要領で曳航される。艇首には砲口のようにも見える孔があるが、武装その他のスペックは不明。

その他関連兵器[編集]

その他『MS-X』企画の中で予定されていた地球連邦軍サイドの兵器など。

脚注[編集]

  1. ^ 『グレートメカニック・スペシャル モビルスーツ全集(4) MS-07/09 グフ&ドムBOOK』62頁。
  2. ^ a b 機動戦士ガンダムTHE ORIGIN MSD(Mobile Suit Discovery) 公式サイト”. サンライズ. 2018年1月5日閲覧。
  3. ^ HG 1/144 アクト・ザク(キシリア部隊機)バンダイホビーサイト”. バンダイ. 2018年1月11日閲覧。
  4. ^ a b c d プラモデル「アクト・ザク(キシリア部隊機機)」付属解説書, 1/144スケールモデル HG ORIGIN, バンダイ 
  5. ^ 『ガンダムエース』2018年1月号、KADOKAWA、23頁。
  6. ^ a b c d e f g h i j k l m n 『ENTERTAINMENT BIBLE .1 機動戦士ガンダム MS大図鑑 PART.1 一年戦争編』(バンダイ、1989年)
  7. ^ ツクダホビー『トワイライト オブ ジオン』データカードより。また『UniversalCentury.net GUNDAM ONLINE 〜Zero G Attack〜』では、ノーマル仕様のまま宇宙空間でも運用可能であった。
  8. ^ 『グレートメカニック・スペシャル モビルスーツ全集(6) MS-14ゲルググ&ジオン特殊機BOOK』56頁。
  9. ^ 『機動戦士ガンダム 公式百科事典 GUNDAM OFFICIALS』702頁。
  10. ^ 『ガンダムウェポンズ 機動戦士ガンダムUC 虹の彼方に編』110頁。
  11. ^ 『グレートメカニックDX29』19頁。
  12. ^ 『機動戦士ガンダムUC メカニック&ワールドep7』 26頁。
  13. ^ 『模型情報』1984年8月号、バンダイ、5頁。
  14. ^ 日本サンライズ『機動戦士ガンダム記録全集 5』188頁より。
  15. ^ 株式会社ルーデンス代表取締役社長

関連項目[編集]

参考文献[編集]