コンテンツにスキップ

深夜アニメ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。V-TWIN POWER (会話 | 投稿記録) による 2012年6月3日 (日) 05:55個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (→‎変則的な放送パターン(TXN))であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

アニメ > テレビアニメ > 深夜アニメ

深夜アニメ(しんやアニメ)は、深夜帯に放送されるテレビアニメ全般を指す。

概要

明確な定義はないが、当項では主に地上波テレビ局およびBS各局で23時-28時(放送局定義の表記で夜11時から翌日の午前4時のこと。もっとも午前4時はもう早朝である)台に本放送されたもの[注釈 1]、および、放送局や制作元などによって深夜アニメであると称されているものを対象とする。

日本では1990年代後半から深夜帯の青年向けアニメが広まり始めた[1]。1998年頃からおたく向けの需要を見込んだ深夜アニメの採算性が注目されるようになり[2]、テレビアニメの放送形態として一般化していった。この動きには、1990年代に製作委員会方式がアニメでも採用されだしたことが一因であると言われる。製作委員会方式はその性質上、出資企業の多さが資金暢達には有利とされているが、出資企業の立場から見れば、1社が1作品から得られる利益は相対的に小さくなるため、より多くの作品からの利益を求めるようになった結果だというわけである[3]

2000年代半ば頃には少子化で子供向けアニメの需要が低下する中、アニメファン向けの映像ソフトなどの販売や世界展開などを見込んで製作側が時間帯を買い取るという形での深夜アニメが数多く作られ、アニメバブルとも形容された[4]。その結果、2006年には全日帯のアニメ制作分数と深夜帯のアニメ制作分数がほぼ互角となるほどにまで深夜アニメが広がることとなった[3][注釈 2]。また、制作本数の観点では、2006年には深夜帯アニメが全日帯アニメを越えていると分析しているものもある[5]

その後は粗製乱造やインターネットによる違法配信の広がりもあり[1]、2007年頃を境に増減を繰り返す傾向にある[3][1]

放送数には地域によって差が見られ独立局で放送の深夜アニメを含めると最多の埼玉千葉の両県(および、近都県のテレ玉チバテレが視聴可能な地域)では76本が放送されたのに対し、全く放送されなかった地域もある(2007年)。

解説

この呼称は自然発生的に定着したものでとくに命名者や提唱者が知られているわけではないが、公式に用いられている例としては、アニメ制作会社ゴンゾ(深夜アニメも多く手がける)の携帯電話向けウェブサイトの名称「深夜アニメGONZO」、NHK BSプレミアムで放送のアニメ枠「BS深夜アニメ館」がある。また、ソニー製のDVD/BDレコーダースゴ録/BDZシリーズ)の番組予約のジャンルに「深夜アニメ」の項がある。

地域的な特徴

2010年11月と2011年1月現在、地上波在京キー局で放送されている新作テレビアニメシリーズ(各系列局制作の逆ネット作品と再放送含む)の週あたりの本数は以下のようになっており、現在は約2割が深夜アニメとなっている。

地域によっては時差ネットなどの関係で深夜アニメが集中する曜日があったり、逆に放送が皆無の曜日が異なることもある。

局名 2010年11月 2011年1月
総本数 うち深夜アニメ 総本数 うち深夜アニメ
日本テレビ (NNNNNS) 4 1 (25%) 5 1 (20%)
テレビ朝日 (ANN) 6 0 (0%) 8 0 (0%)
TBS (JNN) 4 3 (75%) 4 3 (75%)
テレビ東京 (TXN) 30 (※3) 7 (23%) 41(※3・※4) 7 (約17%)
フジテレビ (FNNFNS ※1) 7(※2) 3(約42%)(※2) 8 2 (25%)
合計 51 14 (約28%) 66 13 (約20%)

※1:子会社のBSデジタル放送局限定放映作品に関しては除外した。
※2:月1回放映の作品も含む。
※3:ショートアニメ作品が複数放送されている『おはスタ』や『おはコロシアム』などの番組に関しては、それぞれ各番組ごとに1本としてカウントした。
※4:『毎日かあさん』と『夜の毎日かあさん』『ケロロ軍曹』と『ケロロ軍曹乙』は別番組としてそれぞれカウント。『最強武将伝 三国演義』の再放送は1番組としてカウントし、深夜アニメにはカウントしなかった。

参考

NHK・独立局

局名 2010年11月 2011年1月
総本数 うち深夜アニメ 総本数 うち深夜アニメ
NHK 総合 (G) -- -- (--%) 1 1 (100%)
NHK Eテレ (E) -- -- (--%) 13 0 (0%)
TOKYO MX (独立) 35 16 (約46%) 44 12 (約27%)
tvk (独立) 11 9 (約82%) 20 12 (60%)
テレ玉 (独立) -- -- (--%) 14 9 (約64%)
チバテレ (独立) -- -- (--%)
群馬テレビ (独立) -- -- (--%) 10 1 (10%)
とちぎテレビ (独立) -- -- (--%) 10 1 (10%)
サンテレビ (独立) 13 8 (約62%) 11 6 (約55%)
KBS京都 (独立) 10 4 (40%) 10 4 (40%)
びわ湖放送 (独立) -- -- (--%) 17 2 (12%)
奈良テレビ (独立) -- -- (--%) 18 0 (0%)
テレビ和歌山 (独立) -- -- (--%) 11 0 (0%)
ぎふチャン (独立) -- -- (--%) 8 0 (0%)
三重テレビ (独立) -- -- (--%) 6 0 (0%)

在阪局

局名 2010年11月 2011年1月
総本数 うち深夜アニメ 総本数 うち深夜アニメ
毎日放送 (JNN) 8 7 (約88%) 9 8 (約89%)
朝日放送 (ANN) 6 0 (0%) 8 0 (0%)
テレビ大阪 (TXN) 30 7 (約23%) 34 3 (約9%)
関西テレビ (FNNFNS) 7 2 (約29%) 7 2 (約29%)
読売テレビ (NNNNNS) 5 3 (約60%) 5 2 (約40%)
合計 56 19 (約34%) 63 15 (約24%)

在名局

局名 2010年11月 2011年1月
総本数 うち深夜アニメ 総本数 うち深夜アニメ
東海テレビ (FNNFNS) 6 2 (約33%) 7 2 (約29%)
中京テレビ (NNNNNS) 4 1 (25%) 4 1 (25%)
中部日本放送 (JNN) 7 6 (85%) 5 4 (80%)
メ~テレ (ANN) 6 0 (0%) 6 0 (0%)
テレビ愛知 (TXN) 47 14 (約30%) 41 7 (約17%)
合計 70 23 (約33%) 63 14 (約22%)
2010年11月時点での地上波放送の例
関西・中京圏は関東圏では独立局で放送の作品を含むが、在阪・在名局で放送の作品に限定した。
  • 関東広域圏の場合テレビ東京で多く放送されており、放送されない曜日もあるが平日・週末ともおおむね1 - 2本ずつ放送している。
その他の局では日本テレビが火曜に1本、TBSが木曜に2本、金曜に1本、フジテレビが木曜に2本放送している。左記のように日テレ・テレビ朝日を除く3局が木曜日に集中している。
  • 関西圏では毎日放送とテレビ大阪に集中する傾向が見られ、土曜は他の曜日よりも本数が多い(MBSが4本、TVOが2本)。
それ以外では月曜に読売テレビが3本、火曜に関西テレビとTVOが2本ずつ、木曜はMBSが3本、金曜はTVOが3本で、逆に水曜・日曜には1本も放送されていない。
  • 中京圏(東海3県)の場合も関西圏と似たようなもので、中部日本放送とテレビ愛知に集中する傾向が見られ、特に後者は中京圏におけるUHFアニメの受け皿的存在となっている。
放送は平日に分散される傾向があり、CBCは水曜・木曜に2本ずつ、金曜に1本の放送。TVAは月曜に2本、火曜・木曜に3本、水曜に4本、金曜に1本。時期によって特定の曜日に放送が集中し「3被り」となることもある。
その反面土曜日はCBC・TVAの1本ずつのみで、日曜日に至っては1本も放送されていない。
2010年4月現在のBS放送での例
BSデジタル放送含む、UHFアニメおよび一部再放送も含む。
  • 現在BS民放系で放送される深夜アニメは主に週末に集中する傾向があり、金曜に2本・日曜に1本放送されている。土曜日にいたってはBS11ANIME+BS-TBSのアニメ枠・BSフジノイタミナ等と合計9本のアニメが放送されており、一部BS同士でアニメ枠が重複する時間帯が存在する。

深夜アニメの特徴

主にアニメファンや一般若年層(中高生から20歳代)を対象として放送されている。後日発売されるDVDBlu-ray Discの販売促進を主な目的としており、制作費回収の収益源でもある[1]番組スポンサーも原作単行本や原作ゲームといった関連商品を販売する出版社やソフトメーカーがほとんどで、いわゆる子供向けアニメで見られる玩具メーカーや菓子などの食品メーカーは少ない。

制作面・放送面での特徴

放送期間は1クール(3か月、12 - 13回)か2クール(6か月、24 - 26回)のものがほとんどである[注釈 3]

制作においては放送局主導より製作委員会方式が主流(特にテレビ東京・関東圏独立局で放送される作品の大半と、かつてのフジテレビテレビ朝日で放送された作品の一部)。制作側にとっては映像ソフトの販売による収益が見込めることに加えて放送権料を安くあげることができ、テレビ局側にとっても深夜枠を有効に活用できるというメリットがある事が制作本数の増加に繋がった[1]

三大都市圏の独立局で放送される新作アニメも深夜帯放送が大半を占めるため、これらを加えると地上波における本数はいっそう増加する。

視聴率は深夜ということもあってあまり高く出ることはなく0.1%以下の「測定不能」が多い。2.0%あれば「合格点」であるといわれ[6]、4% - 5%で「高視聴率」といわれる[7][8][9]。しかしフジテレビの『ノイタミナ』枠[10][11][8]毎日放送(MBS)の土曜深夜の『アニメシャワー』枠[7][12]では高視聴率の作品が多い。

TXNを除いた地上波4大キー局において全ての系列局で放送された作品は、現時点で日本テレビ制作の『デジタル所さん』『NANA』、関西テレビ制作の『ギルガメッシュ』、TBS制作の『けいおん!!』(2010年4月期)のみである。大半は三大都市圏と数局の増減がある程度に過ぎない。ただ近年ではBSデジタル放送でも放送される作品もあり、BSデジタルチューナーを所有していれば全国で視聴できるようになっている(BSでの状況は後述)。

深夜放送でブロック編成に名称を付けるように、アニメ番組を集中編成して名称をつけることがある。2012年1月現在では先述のフジテレビ『ノイタミナ』、MBS『アニメイズム[注釈 4]『アニメシャワー』、読売テレビ(ytv)の『MANPA』の4つが存在する(過去には中部日本放送(CBC)の『あにせん』が存在したが、現在はこの枠名は使われていない)。余談だがアニラジでもラジオ関西アニたまドットコム』などが挙げられる。

歴史

先駆け

日本の深夜アニメ第一号は、1963年から1964年にかけて水曜夜23時40分 - 23時55分にフジテレビで放送された『仙人部落』(小島功原作の、週刊アサヒ芸能の連載漫画)である(第1-8話。第9話よりプライムタイムに移行)。

『仙人部落』と1969年の『六法やぶれクン』(名古屋テレビ。史上初のローカル局制作深夜アニメ)の後、20年近く途絶えていたが、1986年の『ハートカクテル』(日本テレビ)、1987年の『レモンエンジェル』(18禁OVAくりいむレモン』の流れを汲むライトアダルトアニメ。フジテレビ)、1989年の『小松左京アニメ劇場』(毎日放送(MBS))、『セイシュンの食卓』(よみうりテレビ、『11PM』枠内)、1992年の『スーパーヅガン』(麻雀漫画のアニメ化。フジテレビ)、1995年の『行け!稲中卓球部』(TBSワンダフル枠内) などが制作された。

これらの作品は話題とはなったものの、すべて単発の試みに留まっている。これらの番組は基本的に深夜番組として制作・放送されたものであった。

開花への前兆

深夜にアニメを放送するきっかけを作ったのが、1990年代中盤における独立局での『機動戦士ガンダム』などの再放送、MBS『ヒーローは眠らない』枠(枠名は途中でなくなったが、一時期の休止を挟んで現在も継続中)やテレビ静岡の『むにゃむにゃアニメランド』枠における1980年代アニメの再放送、地方局での『新世紀エヴァンゲリオン』の異例の高視聴率[13]と『逮捕しちゃうぞ』の本放送(一部地域では深夜に放送されていた[注釈 5])及び再放送である。これらが好評だったのを受けキー局で新作アニメを深夜帯に放送する機運が高まった。テレビ東京でかつてアニメ部門のプロデューサーを務めた東不可止は、このうち特に、1997年に深夜帯で再放送された『新世紀エヴァンゲリオン』の影響が大きかったことを挙げている[13]

「深夜アニメ」というジャンルの誕生

1996年に放送された『エルフを狩るモノたち』(テレビ東京)は、当時深夜のラジオでは声優がパーソナリティを務める番組、いわゆるアニラジが急増していることに、「アニメ系ラジオ番組が好評なら、テレビでやっても成功するのでは?」という思惑からスタートし、狙い通りの結果となった。

もともとアニメに強い同局は翌1997年から本格的に深夜枠の開拓を進め、アニメマニアを対象とする深夜アニメという存在を確立した。当時、大量生産に有利なデジタルアニメの実用化や制作委員会方式の確立で資金調達が容易になったことも相まって新作テレビアニメの本数が急増しており、深夜アニメ枠はちょうどその受け皿として機能することとなった。

TBSも1997年に『行け!稲中卓球部』が深夜番組『ワンダフル』の一コーナーとして再放送されたのがきっかけで、同番組内で短編アニメコーナーが設けられたが、同局の本格的な深夜アニメ参入はしばらく後となる。

また日本テレビも『剣風伝奇ベルセルク』を放送し、同局深夜アニメ枠の筆頭となった。同年にはテレビ朝日も参入。

同年秋にはMBSが8年ぶりに『フォーチュン・クエストL』(MBS制作。関東圏では翌1998年にテレビ東京にて放送)で再参入と同時に在阪局としては初めて深夜アニメの本格展開を開始。現在では、全ての在阪局が最低1作は制作歴を持つに至った(2003年には読売テレビ (ytv) が再参入に加えて関西テレビ (KTV) 、2004年にはテレビ大阪 (TVO) [注釈 6]朝日放送(ABC)は2006年に参入したが翌年に撤退)。

1998年に放送された『TRIGUN』は深夜アニメの成功例として注目を集め、おたく向けアニメの採算性に着目した地方局が次々と深夜帯に参入するようになる[2]。また同時期にはフジテレビが深夜アニメに再参入し、とくに人気漫画を原作とする『頭文字D』はアニメファンだけでなく一般若者層にも人気を博し、深夜アニメの認知度を高めた。同年には当初から独立局での深夜帯放送を念頭において製作された『LEGEND OF BASARA』が放送されている。

また、テレビ東京の夕方に不完全な形で放送された『カウボーイビバップ』の完全版がWOWOWにて深夜に放送され、作品自体のクオリティの高さもあり話題となった。そのテレビ東京も引き続き多くの深夜アニメを放送し、前衛的な実験作『serial experiments lain』が熱心なファンを獲得する一方で、クオリティに大きな問題のある作品も散見された。

2000年には名古屋テレビ(後に「メ〜テレ」の愛称を使用)が、キー局のテレビ朝日との共同制作の形で在名局としては約30年ぶりに再参入した。

また、テレビ東京系列および岐阜放送で水曜日の22時28分から22時54分というゴールデンタイムと深夜アニメとのいずれにも属さない夜10時台に放送された『ラブひな』は2000年のTVアニメ売上げNo.1となったが、視聴率的には苦戦し半年で打ち切られてしまうという結果に終わった。これ以降、「視聴率」という結果が求められるプライムタイム枠の放送が避けられるようになり、深夜アニメの増加に拍車をかける事となっていった。

更なる成長

深夜アニメがすっかり定着した2001年には、独立局各局でも深夜帯で本格的に展開を始め、その後深夜アニメの有力な担い手となる。また、萌えアニメの極北ともいうべき『シスター・プリンセス』がテレビ東京系深夜枠で放送されたのもこの年で、大きなムーブメントを巻き起こした。

更に同年、前年に本放送を開始したTBSの子会社であるBSデジタル放送局・BS-i(現:BS-TBS)が『まほろまてぃっく』を放送。まだマイナーなBSデジタルという媒体と深夜帯という条件を利用して、萌えとお色気を重視した作風をとり、アニメマニアの間でBSデジタル放送初期のキラータイトルとなった[注釈 7]。この頃からTBS自身もほとんどの作品において「BS-iとの併映」と言う形で積極的に深夜アニメに関わるようになる。

衛星局関係では他にも、AT-Xオリジナル作品の『フィギュア17 つばさ&ヒカル』が一部規制入りとは言え、テレビ東京の深夜枠でも放送されたり、BS-i早朝枠での放送を念頭に制作された『ちっちゃな雪使いシュガー』が、TBSでは枠の都合で深夜に放送されるなど、それまでにない動きも目立った。

2002年には中部日本放送 (CBC) が『最終兵器彼女』で在名局としてはメ〜テレに次いで単独で深夜アニメ制作に参入した(在名局で深夜アニメの制作実績があるのは今なおこの2局のみである。後にRKB毎日放送などのJNN主要系列局も、CBCとの共同制作の形で参入)。

2002年時点での深夜アニメは、その後に比べれば大きな盛り上がりではなかったともいわれ、本格的な活性化はその直後頃からとなる[14]。2000年代前半過ぎには独立局における深夜アニメも急増を見せた。

その一方でフジテレビやテレビ朝日を中心に放送トラブルが相次ぐようにもなった。

民放BSデジタル放送局・インターネット配信での放送本数増加

2007年末に開局した独立系BSデジタル放送局のうち、BS11が開局当初から積極的に深夜アニメを放送を始めたのを皮切りに、2010年代に入ると次第に放送本数が増えている。MBSの竹田青滋プロデューサーはデジタルハリウッド大学の講演にて『アニメ番組が地上波からBSへシフトするのは間違いなくトレンドとなる』とこの現状に関して言及している[15]

また、2000年代半ばに入るとインターネット配信を行う作品が増えつつあり、特にニコニコ動画は2010年代に入るとニコニコチャンネルにおいて公式配信に力を入れている。

現在の関東圏民放局の動向

深夜アニメ発信の重要な拠点地である関東圏における現在の状況は複雑にして多量な記述が必要なため、節を独立して解説する。

日本テレビ

2012年4月改編で水曜深夜枠へ移動となった。

過去の代表的事例
  • はじめの一歩(第1シリーズ)』・『MONSTER』で、深夜アニメでは稀な4クール以上の放送を実施した[注釈 8]
  • 短編アニメ『デジタル所さん』では(ネット局の少ないテレビ東京系を除き)深夜アニメ史上、初めて全ての同系列局(この場合はNNN)で放送した。[注釈 9]
  • 日テレ全局をあげてメディア展開した『DEATH NOTE』ではアニメ版の本編終了後に『金曜ロードショー』にて2時間スペシャルが制作・放送されると言う、深夜アニメとしては例の少ない展開をみせた[注釈 10]
その他
  • 長らく自社作品におけるハイビジョン制作には消極的であった[注釈 11]が、2007年10月開始作品[注釈 12]以降はハイビジョン制作・放送となっている。字幕放送に関しては現在のところytv制作『結界師』が唯一の事例。
  • CS放送では同局の関連チャンネルである日テレプラスで初出となる例が多い(それ以外ではアニマックスの事例が多い)。その一方、一部の他民放系BSデジタルで実施されている地上波とBSデジタルの同時期放送は、日テレ系のBS局・BS日テレでは非常に稀である[注釈 13]
  • 火曜深夜アニメ枠にはメッセージ性の強い作品が多いとされる[16]

参考・NNS系列局(ytvほか)

読売テレビ(ytv)の現状概要
  • 現在では自社制作および日テレ制作作品を月曜深夜の『MANPA』枠で集中放送しており、2009年7月にはytv東京支社内にアニメ事業部を設立している。また、子会社である読売テレビエンタープライズも参画している。
  • うち自社制作作品は関東圏では独立局でネットの事例が多い。しかし、2011年4月期には『ドラゴンクライシス![注釈 14]、同年7月期には『07-GHOST[注釈 15]を、日テレが独立局より遅れて逆ネットする動きが見られる。
  • そのほか日テレに直接逆ネットした作品は、『エンジェル・ハート』『結界師[注釈 16]犬夜叉 完結編』が挙げられる。
  • 稀に、日テレ系列で全国的にネットされる作品でも、ytvのみ放送されないパターンが存在する。関西地区ではそのまま未放送の状態におかれる作品も多いが、『はじめの一歩』シリーズのように、独立局で放送[注釈 17]される場合がある。
その他系列局
  • 日テレの深夜アニメ枠は基本的に番組販売によるネットの為、先述のytvや中京テレビ(CTV)などの主要ネット局でも放送されない作品も少なくない[注釈 18]。また、ネット局の放送の遅れの差も大きい[注釈 19]
  • NNS系列局全般における独立局系アニメの放送実績は他系列と比べて少ない方である。

テレビ朝日

現在は放送していない。

参考・ANN系列局(ABC・メ〜テレほか)

ABC・メ~テレの現状概要

現在はABCでは深夜アニメは放送しておらず[注釈 20]、メ〜テレも断続的な放送に留まっている。

メ~テレの簡略的歴史

ABC・メ〜テレでは僅かながら自社制作(共同制作含む)深夜アニメに関与実績があり、そのうちメ〜テレ(名古屋テレビ)は短編帯番組ながらテレ朝(旧:NETテレビ)よりも約30年も早く『六法やぶれクン』を制作した[注釈 21]。これは在名局のみならず、在京キー局以外が手掛けた史上初の深夜アニメでもある。

2007年4月期、テレ朝からのネット作品消滅以降は「38年ぶりの同局単独制作」およびハイビジョン制作・放送作品となる“アニフリ”枠を立ち上げ、関東圏ではTOKYO MXにネット供給するなど制作意欲旺盛な姿勢をみせたかに思えた[注釈 22]が、結果的にこの姿勢は一時的なものに終わった。

ABCの簡略的歴史

ABCの深夜アニメは他局制作作品をネットするという事例がほとんどであり、『単独で』制作にまで関与した作品は2006年に制作した『ガラスの艦隊』が現在のところ唯一の事例である[注釈 23]。在阪局としては最後発の深夜アニメ参入であった[注釈 24]。一時期はメ〜テレ同様にテレ朝より本数が多い時期があったが、2006年9月、『ガラスの艦隊』放送終了以降は深夜アニメの放送を縮小し、最終的には深夜アニメの放送そのものから撤退した。

その他の局の放送事例
  • かつてはABC・メ〜テレ以外でも少数ながら独立局系深夜アニメを放送するANN系列局も存在したが、2007年秋以降は激減している[注釈 25]青森朝日放送(ABA)では、過去にわずかながらテレ朝の深夜アニメを夕方枠で遅れて放送したことがある。
  • 九州朝日放送 (KBC) や北海道テレビ放送 (HTB) は在福局および在札局の中でも自社制作番組比率が高く、深夜帯にまで及んでいることから深夜アニメの放送事例は非常に少ない[注釈 26]

TBS

そのほか、TBSでは金曜深夜に毎日放送(MBS)制作アニメイズム作品や、時期によって中部日本放送自社制作深夜アニメ枠作品を逆ネット。

※TBS・MBS制作作品は字幕放送を実施(一部作品・ネット局を除く)。

TBS深夜アニメの簡略的歴史

2000年代以降、子会社のBSデジタル放送局・BS-TBS(BS-i)が開局当時から積極的に深夜アニメを放送し始めた流れを受け、地上波でも放送を開始。約10年近い歴史を持ち『ああっ女神さまっ』シリーズ[注釈 27]・『苺ましまろ』・『ローゼンメイデン』シリーズ、『CLANNAD』・『けいおん!』シリーズなど、特に京都アニメーションが制作したアニメ作品などがアニメファンからの熱狂的な支持を受けている。

前述した歴史的経緯から、近年の放送作品は殆ど全てBS-TBSと連動して同時期に放送を実施している[注釈 28]。よってBSデジタル視聴環境を揃えれば、放送は地上波から数週間~1月ほど遅れはするものの、大抵のTBS制作作品は全国どこでも視聴することが可能である。

また、子会社のCSチャンネル(TBSチャンネル)でも一部作品が(実質)再放送されている。

ただしTBS制作作品においては、インターネット配信は『THE IDOLM@STER』しか無料配信実績がない。また、TBS制作作品はポニー・キャニオンが制作に携わる作品が多い。(MBS制作作品はアニプレックスに制作に携わる作品が多い)

その他

  • 2009年9月までは、BS-TBSでも放送されるTBS制作作品については、画面サイズを16:9で制作していても地上波での放送時は画面の左右をカット(サイドカット)し、4:3サイズの画面に調整して放送していた。(地上波デジタル放送では、画面の両端に黒帯が付いた状態で放送していた)[注釈 29]
  • 2009年10月期の作品より地上波ネット放送するTBS制作作品でも16:9フルサイズで放送されるようになった[注釈 30]
(MBS・CBC制作作品については後述)
  • 2012年4月期の2本に関してはBS-TBSが製作協力として参加している。

参考・JNN系列局(MBS・CBCほか)

MBS・CBCの簡略的歴史

#歴史の項で述べた通り、MBSは『小松左京アニメ劇場』(1989年)、CBCは『最終兵器彼女』(2002年)で深夜アニメの制作に参入した。TBSが深夜アニメの制作に参入するのは1995年のことなので、MBSはTBSより先に参入したことになる。両局は以降も深夜アニメを多数手がけており、特にMBSは現在でも在京局と同等の自社制作作品数および独立局系深夜アニメを含めた本数を誇る“西の雄”である[注釈 31]

2006年以前はTBS側がこれらの作品の逆ネットに消極的であったため、関東圏では殆どすべて独立局で放送されていた[注釈 32]が、後述する経緯を経て、2012年4月現在、TBSではMBS制作作品を2枠逆ネットしている[注釈 33]

JNN系列局制作深夜アニメ逆ネット第1号は2006年4月開始の『ウィッチブレイド』(CBC制作)。MBSもCBCに遅れること半年後に開始した『コードギアス 反逆のルルーシュ(第1期)』で初めて逆ネットを果たした。

MBS・CBCにおける放送形態・品質

かつてはTBS制作作品同様、画面サイズを16:9で制作していてもサイドカットして放送していたが、2007年4月以降、両局が制作に関る作品においては「16:9フルサイズ放送」が基本フォーマットとなっている(ただし過渡期には一部SDマスター制作作品もあった[注釈 34])。

2007年4月 - 9月に放送されたCBC制作『ロミオ×ジュリエット』において、CBCとTBSでは番組連動型データ放送を実施した。これは深夜アニメ史上初の事例であった(その後、『ラストエグザイル-銀翼のファム-』において、CBCのみ連動データ放送が行われた)。

なお、MBS制作作品においては2012年以降開始のTBS逆ネット作品(2012年4月期より『アニメイズム』枠作品)を対象にBS-TBSでのレギュラー放送を開始している(それ以前の一部の作品はBS-TBSもしくはBS11で放送)。インターネット無料配信に関してもMBS制作作品は2000年代後半以降の殆ど全ての作品で実施、CBC制作作品も概ね実施している。

MBS・CBCにおける放送展開の現況

2003年以降は両局では制作に関与しない独立局系深夜アニメも多数ネットしている。

TBS制作作品と比べると、MBS制作作品は東名阪地区以外でのネット局が比較的多い(一部のCBC制作作品も)[注釈 35]。一方でCBC制作作品に関しては、MBSでの放送がかなり遅れたり、独立局でのネットになったり、関西圏での地上波放送自体がない事例もある(詳細は後述。逆にMBS制作作品がCBC含めて中京圏では未放送作品もある(『フォーチュン・クエストL』『TIGER & BUNNY』 『黒子のバスケ(BS11製作委員会参加・MBS製作協力)』))。

その他の局の放送現況

系列局によってはTBS制作作品の放送実績が殆どない(『けいおん!』シリーズ、『ワンダフル』枠放送短編作品を除く)一方で、MBS・CBC制作作品に関しては放送実績がそこそこある局も存在する(山陽放送(RSK))。

MBS・CBC以外ではRKB毎日放送北海道放送(HBC)・東北放送(TBC)・中国放送(RCC)がCBCとの共同制作という形で深夜アニメの制作参加の実績があるが、これらの作品は関東圏では全てTBSに逆ネットされず独立局で放送された。

かつてはMBS・CBC以外でも独立局系深夜アニメを比較的多く放送する系列局が多かったが、アニメスピリッツ(旧アニメ魂)枠が廃止されるなどの影響により2008年秋以降は少なくなっている。ただし、アニメスピリッツをネットしていた熊本放送(RKK)では系列によらず深夜アニメを番組販売(番販)によって放送を継続している。また、南日本放送(MBC)でも2010年10月から2011年7月末まで番販という形で『会長はメイド様!』・『緋弾のアリア』などを放送した事がある[17]

変則的な放送パターン(JNN)

TBS系の深夜アニメは前述・後述する通り、系列局であるMBS・CBCが独自に深夜アニメを多数制作・放送しているため他系列に比べると非常に変則的かつバリエーション豊富な放送パターンが見られる。このため、特に項目を設けて解説する。

  • 関西圏のみ独立局へネット[注釈 36]
    • 現在最もポピュラーであり、歴史も長い放送パターン[注釈 37]
近年の例
  • 深夜アニメの続編を全日枠全国ネット放送
  • 独立局系深夜アニメの続編をキー局系列深夜アニメとして放送。
  • TBS制作だが、自局では放送せずに独立局系深夜アニメの形態で放送
  • TBS制作で関西圏独立局にて放送、逆にMBS制作で関東圏独立局にて放送
    • 2008年10月期、MBS制作『テイルズ オブ ジ アビス』は関東圏ではTOKYO MXへネットし、2009年1月期にTBS制作の『明日のよいち!』が関西圏ではサンテレビへネット。中京圏ではCBCが両作品ともネットした。
  • MBS制作で中京圏はテレビ東京系列にて放送、逆にCBC制作で関西圏独立局にて放送
    • 2011年10月期、前クールから引き続き放送されていたMBS制作『輪るピングドラム』がテレビ愛知にネットし、CBC制作の『ラストエクザイル-銀翼のファム-』がサンテレビへネット。関東圏ではTBSが両作品ネットした。
  • 関西圏のみ夕刻帯放送(本放送当時)
  • 限りなく早朝に近い時間帯で放送
  • TBS制作『アニアニランド』枠の場合
    • 同枠は15分アニメ『びんちょうタン』と『REC』を2本立てで放送した(TBSとBS-TBSのみ)。TBSやBS-TBSでは編成の都合で途中打ち切りとなったが、『びんちょうタン』はMBSではエンディング付き『完全版』を全話放送した[注釈 44]一方、『REC』はMBSでは未放送となった。
  • MBS制作だが、関東圏では異系列キー局で放送
  • 独立局系深夜アニメをTBS系列東名阪ネットで(実質再)放送
    • 2009年10月期には『魔法少女リリカルなのはA's』の再放送を行った。本作は2005年に独立局系深夜アニメとして制作・本放送されたが、このようにキー局系列で(実質)再放送する事例は初となった。
  • 関西・関東地区ではTBS系列、愛知県ではテレビ東京系列で放送

テレビ東京

かつて存在した土曜深夜枠についてはテレビ東京土曜深夜アニメ枠を参照。

変則的な放送パターン(TXN)

  • 全日枠作品の続編が深夜帯に放送されるパターン
ハヤテのごとく!!』・『スレイヤーズREVOLUTION』・『スクールランブル二学期』・『ギャラクシーエンジェル』など[注釈 46]
  • 深夜アニメの続編が全日枠で放送されるパターン
マリア様がみてる〜春〜』・『ネギま!?
  • 内容を一部変更し、全日枠と深夜帯の両方で放送されるパターン
ソウルイーター』・『あにゃまる探偵 キルミンずぅ』・『ケロロ軍曹(7thシーズン)[注釈 47]
  • 深夜アニメを全日枠で再放送するパターン
夏目友人帳』・『神のみぞ知るセカイ』・『ケロロ軍曹乙』(『ケロロ軍曹アンコール!』)
  • 全日枠作品の再放送・傑作選を深夜に放送するパターン
しゅごキャラ!』(『みればいーじゃん!しゅごキャラ!ナイト』)・『毎日かあさん』(『夜の毎日かあさん』)など[注釈 48]
  • 独立局系深夜アニメの続編をキー局系列深夜アニメとして放送するパターン
まりあ†ほりっく あらいぶ
  • 独立局系深夜アニメをTXN系列局で(実質)再放送
魔法少女リリカルなのはStrikerS
  • 関西圏では異系列局(MBS)で放送
貧乏神が!

その他

  • テレビ東京で放送された深夜アニメは、CS放送では同局の関連会社であるAT-Xで初出となる例が多いが、一部例外もある[注釈 49]
  • CS放送に力を注ぐ一方、子会社のBSデジタル放送局・BSジャパンではテレビ東京自ら制作に関わる作品の一部を放送する程度である[注釈 50]。2000年代末期頃から全日枠を含めたアニメ全体の遅れネット自体が減少している[注釈 51]
  • 2009年4月~2010年3月・2010年10月~2011年3月に存在していた土曜深夜枠は深夜アニメとしては非常に珍しい「系列全国同時ネット」での放送が行われていた。
  • かつて一度だけ系列外であるMBS制作の深夜アニメを放送したことがあった(『フォーチュン・クエストL』)[注釈 52]

参考・TXN系列局(TVO・TVAなど)

テレビ東京以外の系列局(以下「TXN」)で一週間の中で深夜アニメ番組を放送する割合が多いのは月曜日や火曜日で局によって2 - 3本。逆に週末は1 - 2本、日曜日はTVQ九州放送(TVQ)のみ。

テレ東アニメネット放送の現況

かつては関東ローカルの作品も少なくなかった[注釈 53]が、現在では再放送を除いたほとんど全ての新規作品が少なくともテレビ大阪(TVO) ・テレビ愛知(TVA)にネットされている[注釈 54]

東名阪以外の系列局(テレビ北海道(TVh) ・テレビせとうち(TSC) ・TVQでは未放送の作品も多数ある[注釈 55]

その一方でTXN系列外の地方局で深夜アニメが放送されることもある[注釈 56]

独立局系深夜アニメ放送の現況

TXN各系列局ではソフトメーカー・アニメファンからのニーズに応える形で独立局系深夜アニメも放送している。このため、TVAとTVOで放送されるアニメ本数がキー局のテレビ東京よりも多いという逆転現象が発生している時期もある(特に前者)。

  • TVAでは中京圏における実質的な独立局の代替的な存在となっており、特に2000年代半ばには相当数の作品を放送していた。
  • TVOでは2007年頃からTVAほどではないが放送作品が増えた時期もあった(現在は休止中)。
  • TVh・TVQでも1クール中独立局深夜アニメが少数定期的に放送されている[注釈 57]
  • 2011年現在、TSCはTXN系列局で独立局深夜アニメの放送実績がわずか6本のみである[注釈 58]
2011年以降のTXN拡大可能性について(補足)

2007年5月、テレビ東京の社長定例会見にて当時の社長が「宮城県広島県静岡県に系列新局を新設[注釈 59]、(更に)TVOの放送エリアを兵庫県京都府に拡大したい」という構想を発表しているが、2012年現在ではこちらの具体的な進展は見られないままである。

長らく道東地区など少なからぬ地域で中継局が無かったTVhについては、完全地デジ化後に放送エリアを拡大する計画を発表しており、釧路を皮切りとして順次各中継局からの送信を開始している(詳細記事)。

フジテレビ

※2010年4月より30分枠2本体制

過去の放送作品に関しては、フジテレビ平日深夜アニメ枠フジテレビ土曜深夜アニメ枠NOISEを参照。

フジテレビでの特徴

2000年代前半に相次いだ放送トラブル(以下“フジショック”)[注釈 60]以降現在では往時よりもかなり少ない枠数になってしまったが、この苦い経験を踏まえ全ての作品で局側も積極的に関わるような制作・放送体制となっている。

その他
  • 『ノイタミナ』枠開始以降はハイビジョン制作にも積極的であり、それ以降の作品でハイビジョン制作でないものはわずか1作品のみ。字幕放送もほとんどの作品において実施されている。
  • “フジショック”以前、関西圏では独立局にネットする作品[注釈 61]が多かった。
  • 過去に一度だけ、KTV制作の深夜アニメ『ギルガメッシュ』を逆ネットしたことがあった。[注釈 62]
  • 独立局深夜アニメに関してはKTVとTHK以外のFNS系列局では散発的に放送される程度である。
  • 2010年1月より1年間・月1回放送された『刀語』は、関西圏では制作協力に加わったMBSで放送された、フジとしては極めて珍しい異系列ネット放送形態が取られた。

独立局

南関東の独立局(TOKYO MXtvkテレ玉チバテレビの4局)では、俗に“UHFアニメ ”と称する深夜アニメが多数放送されている[注釈 63]

一方近畿広域圏の主な独立局(サンテレビ・KBS京都)でも深夜アニメが放送されているが、在阪局が放送しない在京キー局制作の番組もネット受けするなど[注釈 64]、首都圏と比べると本数が少ない。また『阪神タイガース戦完全中継』が放送される期間は放送時間が不安定になりやすい。これらの実情もあるためにこの2局にネット受けすることに敬遠される傾向もある程度見られる。このために関東圏独立局放送の作品を在阪局がネットする事例も多い(特にMBSで顕著である)。

これらの作品の多くは製作委員会方式で製作されており、放送局自身が製作に加わるのは極めて稀である[注釈 65]。キー局と比べると表現規制が緩いなどの理由から、2000年代前半から放送本数が急増している(現在は時期によって放送本数の変動が激しい)。

なお、これらの作品のネット形態はキー局系作品と比べて非常に複雑なものとなっているが、ここでは詳細は割愛する。

民間BS放送における深夜アニメの状況

BSデジタル放送局開局以後、地上波放送と同時にBS民放局でも深夜アニメを放送する事が多くなっている。

また、BSデジタル放送の普及とともに2012年には、深夜アニメの放送が増加傾向にあり、主に土曜日で各局が相次いで放送している。

BS民放局では、デジタル開局前からWOWOWが上記のような商品販売促進の目的のため、あえて無料で視聴可能なノンスクランブル放送であることが多かった。かつては平日夕方枠での放送が多かったが、次第に深夜帯へとシフトしていった。ただし後述のBS11の開局の影響などで2008年以降の新作は存在しない状態である。

BS-TBSでは2000年代以降、先述のようにTBS制作作品のほとんどを遅れネットするほか、2000年代前半にはBS-i限定放送の作品も存在した(地方間の公平を期するという観点や放送費用が安く済む点に加え、地上波と比べると表現規制が緩いのが大きな理由である)[注釈 66]。2012年1月期からは系列準キー局であるMBS制作作品のレギュラー放送を開始している[注釈 67]

BSフジは土曜深夜枠NOISE枠→ノイタミナ枠をレギュラーネットしている。

BS11は、『ANIME+』枠内で独立局系作品など一部深夜アニメ作品の遅れネットを行なっているほか、衛星放送限定作品[注釈 68]を放送する事例がある。基本的には8枠放送していたが、2011年末ごろより新作アニメの放送が増加傾向となり、2012年1月期には1枠増枠し、更に同年4月期には6枠の増枠を行った。また、『迷い猫オーバーラン!』や『ぬらりひょんの孫』シリーズ、『黒子のバスケ』では製作委員会にも参加している(いずれも集英社作品)。

BSジャパンはテレビ東京自らが制作に関与する作品以外はほとんど放送されず、テレビ東京制作深夜アニメ作品の放送自体も少ない(先述のように近年では時間帯不問で遅れネット作品が激減している)。独立局系深夜アニメでは2008年10月期の『かんなぎ』および2009年7月期の『化物語』の2作品(いずれもアニプレックス制作)のみである[注釈 69]

BS日テレも他局と比べると放送実績が少なめである。独立局系深夜アニメでは、『プレイボール』シリーズと『パピヨンローゼ New Season』などを放送し、2008年4月期にBS朝日より移籍された『アニメスピリッツ』枠(同年10月に終了)など、角川書店制作作品を多数放送してきたが、2011年7月期に『R-15』がTVQ九州放送とともに放送中止になって以降は、角川制作の作品の放送はない。2012年1月期からは『探偵オペラ ミルキィホームズ 第2幕』を放送した。

BS朝日に至ってはテレビ朝日もしくはANN系列局関連の深夜アニメを放送した実績が全くない[注釈 70]。一方で独立局系深夜アニメ枠『アニメ魂(アニメスピリッツ)』枠を2008年4月まで持っていた(後にBS日テレに移籍)ほか、2007年4月-10月の間は同じく独立局系深夜アニメの『桃華月憚』を先行放送していた。

NHKにおける深夜アニメの状況

NHKは衛星放送において、2008年4月からBS2で放送の衛星アニメ劇場で初めて新作テレビアニメを深夜帯で放送していたが(第1弾は『今日からマ王!(第3シリーズ)』と『アリソンとリリア』)[注釈 71]、2011年3月をもってBS2廃止後はBSプレミアムにてBS深夜アニメ館枠で放送している(現在は再放送枠)。

また、主に教育テレビ(Eテレ)やBS2で本放送した作品が再放送されることがあった[注釈 72]。また、総合テレビでは2011年4月に『もしドラ』を放送している。

表現規制

テレビアニメでの全体的な傾向に関しては、テレビアニメの表現規制を参照。

一般的に深夜番組は性的描写や暴力描写などへの表現規制規制が緩いと考えられているが、こと深夜アニメに関しては日本国内の放送局は厳しい自主規制を行っており1990年代後半[注釈 73]以降、特にキー局もしくは準キー局制作のテレビアニメ作品に対する表現の自主規制は厳しさを増す一方である。

日本国内においては、欧米諸国や豪州とは違い放送番組に対して明確なレイティング認定を行う公的機関が未だ創設されていないことが大きな原因であるが、自主規制を実施している局がその明確な理由や基準を公表していないこともファンの不満や不信感を増幅している一因と言える。このことに関しては将来、映像コンテンツ倫理連絡会議が設立されるため解決される可能性がある。

容易に予約録画が可能な機器が家庭で普及し、深夜番組が簡単に視聴できるようになった為ともいわれている。

在京キー局における現状

現在、日本テレビ・テレビ朝日以外の民放テレビ局は深夜アニメの性的・暴力描写に厳しいとされている。

この中でもテレビ東京は「ポケモンショック」を起こした局ということもあって各種規制の始祖的存在であり、特に規制が厳格であるともされる。1990年代以降の一連の規制強化後同局で放送された深夜アニメで女性キャラのいわゆる「パンチラ」表現が見られた作品は現時点で『格闘美神 武龍』・『史上最強の弟子ケンイチ』・『魔法先生ネギま!』・『テガミバチ』・『めだかボックス』程度に留まっており、同局の規制基準の厳格さが伺える。

またテレビ東京の深夜番組でも、他のジャンル(深夜ドラマ映画バラエティー番組など)ではそのような規制がかけられている例は(表層的に見る限りでは)ほとんどなく、アニメにだけこの様な厳格な規制を課すテレ東の姿勢に対し制作者やファンなどからは「アニメに対する差別」「一貫性がなさすぎる」との批判が噴出している[注釈 74]

一方でTBSは流血描写に関してはテレビ東京以上に厳格な規制を敷いているとされ、同局制作のアニメではその描写をほとんど削除する傾向が見られる(ただし系列局のMBSやCBCはその限りではなく、特に前者はキー局系ではかなり緩い方に入る。なおこの系列局制作アニメがTBSで放送される場合、TBS独自の規制が入るということは(基本的には)ない)。

もっとも、最近では規制を逆手に取って作中で「ネタ」にして笑いに昇華するという演出[注釈 75]も見られる。

それ以外の局の傾向

上記に記したようなキー局の規制を嫌った制作サイドは、規制の緩い局に流れる傾向が見られる。在阪局や在名局による制作作品が比較的緩い傾向が見られるほか[注釈 76]独立局を中心に放送されている、いわゆる「UHFアニメ」やWOWOWで放送されていたWOWOWアニメなどBSアニメの一部は、相当規制が緩く露骨な性的描写を含む作品が放送される場合がある。

2000年より放送がスタートしたBSデジタル局では特にBS-i(現:BS-TBS)が突出して深夜にアニメに注力しており、性的表現が多々見られた深夜枠第1作『まほろまてぃっく』以降、その後も同種の傾向の作品が少なからず続いている[注釈 77]

代表的な例

本作放送までは比較的この種の表現に寛容と考えられていたフジテレビ系で放送することを念頭において制作され、本来は入浴シーンを始め、各種お色気描写がかなり満載となっている。
しかしフジはこの作品の本放送開始と時を同じくして規制を厳格に転じ、放送版では大幅な修正を余儀なくされ、肝心の入浴シーンはもうもうたる湯気で真っ白となった。性的描写の問題がもっとも先鋭化した問題のひとつとして知られている。(この件に関してはGIRLSブラボー#アニメを参照)。なお、本作の続編は後にWOWOWに移り、「R-15指定相当(年齢制限という訳ではない)」で放送された。[注釈 78]
本来AT-Xでの放送を念頭においた作品だったこともあるが、地上波の放送において、女子小学生(相当)キャラクターの裸体および入浴シーン(エロティックなものではなく、作劇上必要かつ自然なもの)に対して修正が入り、物議をかもした(詳細は別項を参照)。
原作では流血シーンやパンチラなどお色気描写が多々存在するが、アニメ版ではその類の描写がほとんど削除され流血絡みの作品設定も変更を余儀なくされた(後にOVA化された際にはこの種の表現規制は無くなっている)。
通行人やクラスメイトなどが惨殺される場面において、流血表現が光や影の挿入で規制されている[20][21]。一方でヒロインが裸身を晒す場面ではほとんど規制が行われなかった[21]。規制が緩いMBS制作作品でこのような規制が入るのは珍しい。
最終回放送直前に発生した京田辺警察官殺害事件の影響で地上波局では全て打ち切りとなった。
上記事件の影響で一部ネット局(テレ玉・東海テレビ(THK))で打ち切りとなった。
開始直前に起こった児童買春事件の影響で一部ネット予定局(テレ玉・三重テレビ・AT-X)での放送が見送られた。

放送版とパッケージ版の差異

テレビアニメの項を参照されたい。

深夜アニメの一覧

脚注

注釈

  1. ^ 季節によっては日の出の関係から『28時(早朝4時)台の番組は「早朝アニメ」に分類』との見方を取る場合もあるが、本項では朝の番組に表示される時計字幕スーパーがないことや、番組編成上は深夜番組として扱われているため(28:00開始等と表記される)、28時台も深夜アニメに含むことにする。場合によっては番組終了後に翌日の放送開始を意味するオープニングが放送されることもある。なお新聞テレビ欄は12時間制で、このような表記はしない。
  2. ^ 2006年においては、全日帯が68,794分、深夜帯が66,736分。なお、集計における時間帯の境界線は23時となっている[3]
  3. ^ 3クール以上継続的に放送した実績がある作品は少なく、日本テレビおよびテレビ東京制作作品の一部に留まる。
  4. ^ 2008年10月期より、MBS木曜深夜アニメ枠も30分番組の3本体制となったが、2012年4月期まで固有の枠名称は設定されていなかった。
  5. ^ 制作局では全日枠放送の作品が一部ネット局では深夜帯放送のパターンは、この『逮捕しちゃうぞ』(第1期)や『HUNTER×HUNTER(日本テレビ制作版)』が代表的な事例として挙げられる。
  6. ^ ただし、当初は全日枠の放送を前提に制作されていたのが、諸事情で深夜枠での放送になった。
  7. ^ TBSアニメフェスタが初めて開催された2001年においては、『まほろまてぃっく』も大きな目玉コンテンツであった。BS-i限定放送深夜アニメ枠は、2005年6月に終了の『これが私の御主人様』で一旦休止となるが、2006年10月より『Kanon(TVアニメ第2作)』で一時復活し、2007年秋に『CLANNAD』で再開する予定となっていたが、当作ではTBS、MBS、CBCなどでの地上波放送が追加された。
  8. ^ 2クールを超える放送話数の深夜アニメは、他系列では2007年9月で終了となったテレビ東京の土曜深夜小学館原作作品枠の一部作品、および『ゴルゴ13』程度である)
  9. ^ 30分の深夜アニメ作品としては、関西テレビ制作の『ギルガメッシュ』が初の事例。なお、日テレでも2005~2006年に放送した深夜アニメ『NANA』で全系列局同時ネットをも実現した。
  10. ^ 過去には同局制作『はじめの一歩』でも、第1シリーズ放送後に同様の展開があった。
  11. ^ かつてはytvからの逆ネット作品である『エンジェル・ハート』や、スカイパーフェクTV!で先行放送された『攻殻機動隊』シリーズの地上波放送ではフルサイズ放送を実施していた。
  12. ^ 逆境無頼カイジ』・『魔人探偵脳噛ネウロ
  13. ^ 独立局系アニメは断続的に放送されている。この逆に、BS日テレで放送し、地上波では未放送となった作品もある(『NIGHT HEAD GENESIS』)。
  14. ^ 関東圏では2011年1月期より群馬テレビを除く独立局で放送した後、1クール遅れで日テレで放送。
  15. ^ 関東圏では首都圏トライアングル3局で放送後、2年3ヶ月遅れで日テレでも放送開始。
  16. ^ 2007年秋に視聴率不振を理由に月曜夜7時の全国ネット枠からytv・日テレおよびSTVでは深夜枠へ移動となった(ytvは10月より月曜深夜枠、日テレは11月より木曜深夜枠、STVでは2008年1月より(ただし再開当初は平日午前帯放送)
  17. ^ 2010年11月からサンテレビの平日朝7時枠(月~金曜、1週あたり5話放送)にて、1期2期通算8クール分を放送。日テレでの本放送から10年1ヶ月遅れでの放送開始となった。
  18. ^ 番組ホームページでは「日本テレビ系(一部地域を除く)」という表記が多いが、放送開始時には関東ローカルなど一部地域でのみの放送となることが多い。
  19. ^ キー局では放送終了した作品が2年以上遅れて地方系列局でネットされることも珍しくない。中には先述の『はじめの一歩』シリーズのような事例もある。
  20. ^ 2007年4月(テレ朝が深夜アニメ一時完全撤退した時期)以降より放送枠が時期によって増減する不安定な状況が続き、ABCでは2009年7月以降、深夜アニメを放送していない。
  21. ^ 当時はクロスネット関係にあった日テレ系列で放送された。
  22. ^ この頃は旧・テレ朝ネット枠だった火・水の枠(うち1本は遅れネット)を独立局系深夜アニメ枠に変え、金曜枠と合わせて合計4本枠となった。
  23. ^ 関東圏では独立局でネットされた『銀色のオリンシス』はABCとメ〜テレの共同制作である。
  24. ^ 2008年現在、ANN系列局制作作品の深夜アニメで唯一の逆ネット例でもある。
  25. ^ かつては広島ホームテレビ(HOME)が散発的ではあるが現在の在広局で数少ない独立局系アニメ放送局となっていた他、テレビ東京系列の深夜アニメを放送したこともあった。
  26. ^ 特にKBCは在福局では放送終了時刻(平日(日~木)の終了時刻がおおむね早い日で午前3時20分、遅い日で午前3時50分(設備点検等で早まる日もある。))が最も早いため、放送枠の確保もままならない状況である。主な例としては『いちご100%』がKBCでは放送されない一方で隣県の山口朝日放送 (yab) ・大分朝日放送 (OAB) では放送がなされたケースがある。独立局系深夜アニメに至ってはHTBは『フジログ』(製作委員会に参加)および『AKB0048』のみ、KBCでも『BLACK LAGOON』シリーズや『スケアクロウマン』、自社製作作品のミニアニメ『怪盗レーニャ』(地上波ではKBC・とちぎテレビのみ)が放送されたのみである。
  27. ^ OVA時代から制作に携わっていたことで知られる(スピンオフ作品を除く)
  28. ^ BS-TBS(BS-i)未放送作品:『ワンダフルアニメ』全般および『BLUE GENDER』(BS-TBS開局前に放送)、『ジパング』(CSでは共同制作のアニマックスで放送)、『Fate/stay night』『もっとTo LOVEる -とらぶる-](CSではAT-Xで放送)、『びんちょうタン』10 - 12話(TBS同様に番組編成の都合で9話で打ち切り。MBSのみ放送。後にAT-Xでも放送)、『けいおん!!』(後にTBSチャンネルで放送)。
    また、スカイパーフェクTV!における子会社C-TBS関連の[BSチャンネルやキッズステーションが『xxxHOLiC』など一部作品で制作協力するほか、他のアニメ専門チャンネルで放送する場合あり。(アニマックス:『この醜くも美しい世界』『これが私のご主人様』『BLACK CAT』など。AT-X:『Fate/stay night』『苺ましまろ』『神曲奏界ポリフォニカ』など)
    BS-i限定放映作品に関してはBS-i限定放送深夜アニメ枠を参照。
  29. ^ 他のネット局やキッズステーションなどのアニメ専門チャンネル放送分で放送する際も、ごく一部の例外(『びんちょうタン』MBS放送時、アニマックスやAT-Xで放送された際の一部作品など)を除き、おおむね同様の措置が取られていた。
  30. ^ これに先立ち、2009年6月から関東ローカルのバラエティ番組『カード学園』枠内で放送された短編深夜アニメ『ヴァイス サヴァイヴ』シリーズを16:9フルサイズで放送していた。
  31. ^ 2011年7月期は自社制作深夜アニメをTBS逆ネット作品2本および関東圏独立局ネット作品2本、と過去最高の合計4本を制作(TBSは2本)。
  32. ^ 最近でも、2011年4月期にMBS制作『TIGER & BUNNY』が、関東圏ではTOKYO MXで、同じMBS制作で同年7月期の『セイクリッドセブン』がチバテレビを除く南関東の独立局で放送されている。
  33. ^ 近年ではCBC制作作品は断続的な放送となっている。
  34. ^ 『マクロスF』の場合はBDソフトを発売したが、放送時にはハイビジョン制作マークが無かった。
  35. ^ ただし近年のMBS制作作品は東名阪ネットのみのパターンの作品が増えつつある。
    ちなみにMBS/CBC両局制作アニメ中、本放送時点で歴代最多のネット放送作品は『銀河鉄道物語 〜永遠への分岐点〜』(13局ネット、CBC制作)。本放送終了後に遅れネット放送した局も入れた場合、MBS制作の『コードギアス(1期)』(山陰放送(BSS)・長崎放送(NBC)を除くJNN系列26局、更にBS-TBSでも「TBS以外のJNN系列局単独制作深夜アニメ」としては史上初めて遅れネットされた。また、『マクロスF』も2009年10月より本放送時は未放送であったJNN系列局16局(南日本放送(MBC)および琉球放送(RBC)を除く)で遅れネットを行った。
  36. ^ MBSの深夜枠全体が逼迫している状態の中、独立局系深夜アニメを多く放送しているために、このような事例が多発している傾向が見られる。同局土曜深夜の『アニメシャワー』枠においては枠全てを独立局系深夜アニメで占められる時期も時折起こるほどである。
  37. ^ 古くは1999年の作品『Blue Gender』で既に存在している。(KBS京都へネット)。なお、今のところ関西・中京圏共に独立局にて放送”というパターンは発生していない。
  38. ^ ほか、『ロミオ×ジュリエット』(KBS京都とサンテレビへ)および『イタズラなKiss』(サンテレビへネット)など。ちなみに『ロミオ×ジュリエット』の場合、CBC・TBSでは同作品の前に放送していた『銀河鉄道物語 〜永遠への分岐点〜』をMBSでは約4か月近く遅れてネットしたことも影響しているものと見られる。元々MBSはCBC制作深夜アニメの放送を後回しにする傾向が見られ、『ウィッチブレイド』『のらみみ』シリーズに至っては関西圏では未だ放送されていない。
  39. ^ 2008年4月より日曜夕方5時枠(日曜午後五)全国ネットにて放送した(この枠は土6枠の時間帯移動により誕生したもの)。TBS系列作品において「深夜帯ローカルセールス枠→全日枠全国ネット枠に変更」と言う事例は史上初となった。
  40. ^ 第1期は独立局系深夜アニメであったが、MBS木曜深夜枠での放送となり、更に関東圏は首都圏トライアングル3局からTBS、中京圏はテレビ愛知からCBCへ、それぞれ放送局が変更した事によりTBS系列に統一された結果、史上初となるこの事例が誕生した(逆のパターンは過去にいくつか見られた)。MBSでは同局公式サイト内番組紹介ページも開設、それなりに力を入れた。
    ただし2011年10月より2クール放送された第3期『Ⅲ(Final)』は、MBSは制作不関与で関東圏では再び南関東独立局ネットに戻った。
  41. ^ 第1期のみ。地上波系列局ではRKB毎日放送のみ放送。続編『第二幕』はTBSは不関与)
  42. ^ BS-iを含むほとんどの放送局では深夜帯放送であったが、MBSにおいては、TBSでは同時期に『ラブ★コン』を放送の土曜夕方5時30分枠での放送であった(ただし世界陸上中継や秋改編期恒例の特別番組の関係で遅れネットが拡大した)。
    両局の共同制作アニメはTBS土曜夕方枠放送作品では既に前例があり、TBS・MBS・CBC3局共同制作作品も存在したが、時間枠的に見るとMBS側が優遇している感が強い。後に北陸放送(MRO)でも夏休み午前帯に集中放送を行った。
  43. ^ この作品を放送する際にTBSでは一時的に放送枠を1つ増やし、火曜28:15 - 28:45枠にて放送した(これは関東地上波としては近年最も遅い放送枠であった)。また、TBS制作深夜アニメとしては珍しくCBC・MBSでの遅れネットが同一週内であった。なお、2009年にはアニメ第2シリーズ『神曲奏界ポリフォニカ クリムゾンS』が制作されたが、こちらは独立局系深夜アニメとして放送されており、TBSは関与していない(MBSは放送、中京圏では三重テレビ・ぎふチャンにて放送)。
  44. ^ 自社が関与する作品を優遇する姿勢が強いMBSとしては極めて珍しい例でもある。これは、同局の放送対象地域内に『びんちょうタン』のお膝元、和歌山県日高郡みなべ町があるためとされている。
  45. ^ 福岡県ではTVQ九州放送でネット。
  46. ^ 深夜版『ギャラクシーエンジェル』(第4期)は当初ブロッコリーがメインスポンサーだった全国ネット枠(日曜朝9時30分)で放送予定だったが、『デ・ジ・キャラットにょ』の不振から同社がこの枠のメインスポンサーから外れた際、既にこの枠で別のアニメを放送しており放送を先延ばしにしないための苦肉の策としてこの枠(読売広告社の買い取り枠だった模様)を利用したとの説がある。
  47. ^ それぞれ『ソウルイーター レイトショー』・『あにゃまる探偵 キルミンずぅ+』・『ケロロ軍曹乙』のタイトルで全日枠とは別に深夜での放送実績もある。
  48. ^ 単に全日枠のアニメを深夜枠で再放送するケースも多いが、深夜での放送を意識した形で再放送するケースもある。
  49. ^ 主な例としては下記のものがある。
  50. ^ テレビ東京が制作に関与しなかった作品では『バカとテストと召喚獣』および『侵略!イカ娘』が第2期放送前に遅れネットされた程度である。
  51. ^ 2010年代に入るとAT-Xが製作委員会参加作品がBSジャパンではなく、BS11で同時期放送される事例も出ている。
  52. ^ これは旧・東京12チャンネル時代から現在に至るまでMBSがテレ東の株を所有しており、またMBS腸捻転ネット時代にテレ東が一部の番組を相互にネットしていた(『ヤングおー!おー!』・『大江戸捜査網』等)名残と見られる。
  53. ^ エル・カザド』は近年において数少ない関東ローカル作品。また、『ケロロ軍曹乙』も本放送時はTXNでは関東ローカルだった。
  54. ^ 近年のTVO未放送作品:『ガン×ソード』(テレビ東京での本放送終了後、TVAにネット)。
    近年のTVA未放送作品:『月詠 -MOON PHASE-』・『モノクローム・ファクター』。いずれもTVOではネット。
  55. ^ 2009年10月期は3局それぞれ1本のみのネットに留まっている。
  56. ^ 特に近年ではテレビ東京が株主に加わっている独立局のびわ湖放送遅れネットされる深夜アニメが増えている。またぎふチャン三重テレビ(MTV)などでも一部番組販売で放送されるケースがある。
  57. ^ 同一地区のANN系列局ほどではないが、TVh・TVQも深夜帯にまで自社制作番組を放送する傾向がある。特にTVQは独立局制作番組を多数放送しているほか、福岡ローカルの福岡ソフトバンクホークスプロ野球中継を放送することもあり、ゴールデンタイムの番組が深夜に後日振替放送されることも多い。
  58. ^ たたし、TSCは深夜アニメ自体に消極的ではなくテレビ東京系列の深夜アニメは積極的に放送している。元々岡山・香川の放送局はTSC以外の4大キー局での深夜アニメの放送実績が全国平均レベルよりも少なく、独立局系深夜アニメに至ってはTXN系列局が未開局の近隣県よりも放送実績が少ない状態である(2011年10月時点では全系列局通算が9本のみであった)。
  59. ^ 広島新局については隣県の岡山県に所在するTSCの放送エリアを、静岡新局については隣接する愛知県にあるTVAの放送エリアを拡大する事でそれぞれ対処する可能性もある。
  60. ^ GAD GUARD』に至っては、納期に間に合わなかった回を局側の判断で急遽前回の再放送に差し替える事例まで出たほどの混乱状態となった挙句に地上波ではシリーズ途中で打ち切られた。読売新聞(2003年5月30日)は納期トラブルの一件を当初は5月28日午後4時に納品予定だったが、制作が遅れるなどしたため、放送局に完成作が届いたのは翌日深夜0時35分になった。このため、局の判断で前週分の再放送に踏み切ったと報道した[19]
  61. ^ 頭文字D』シリーズ(本放送時。後にMBS『アニメシャワー』枠でも放送)、『HELLSING』(TVアニメ版)、『ラーゼフォン』など。
  62. ^ ちなみに『ギルガメッシュ』は2008年現在、フジテレビを含む全てのFNS系列局でネットされた唯一の深夜アニメであり、30分の深夜アニメ作品としては、TXN以外で全系列局へのネット放送を果たした初の作品でもある。後にBSフジでも放送された。
  63. ^ ただし作品によっては、一部ネット局で全日枠(主に22時台)で放送される場合もある。
  64. ^ 特にフジテレビ制作の非アニメ系の深夜番組が、系列局の関西テレビでほとんどネットされない実情があり、サンテレビ・KBS京都がネット受けすることがある。
  65. ^ 先述のように一部在阪もしくは在名局製作の深夜アニメが関東圏では系列キー局ではなく独立局での放送となる事例もある。また、近年ではBSデジタル局もしくはアニメ専門チャンネルが製作委員会に加わる作品もある。
  66. ^ ただし『CLANNAD』のように当初BS-i限定で放送として発表していた作品を急遽「TBS系列東名阪ネットで先行」して放送し、BS-iでは遅れネットで最後に放送するという例が生じた。
  67. ^ 『コードギアス 反逆のルルーシュ』はBS-TBSでは日曜昼間帯に1年遅れネットされたが、深夜枠同時期放送は『妖狐×僕SS』が初となった。
  68. ^ CS放送やブロードバンド配信を併用する作品がほとんどである。
  69. ^ 前者に関しては当初はBS11での放送予定が急遽変更になった事によるものであり、後者に関しては続編の『偽物語』はBS11がネットした。なお、前者に関しては2012年4月期に改めてBS11で放送。
  70. ^ テレビ朝日で関東ローカル放送された『ZOMBIE-LOAN』はBS日テレで遅れネットされた。
  71. ^ 木曜23時から24時と深夜にしては比較的浅い時間帯に放送。
  72. ^ 例:定時枠では今日からマ王!(第1~第2シリーズ、教育)、SAMURAI 7(総合)など
  73. ^ 1997年暮れに起こった、いわゆる「ポケモンショック」の影響によって表現規制が強化されたとされている。
  74. ^ 近年ではテレ東の規制は以前ほどは厳しくないとの声も聞かれる。例えば『モンキーターン』や『創聖のアクエリオン』でも少しだが女性の下着姿があった。しかし確に公表している訳でないのは、相変わらずでありかえってファンやアニメ制作者たちから「(局の)さじ加減一つでどうにでもなる不透明で合理性のない規制」と不信感を強める結果ともなっている。
  75. ^ ガン×ソード』第17話など。これは一部の全日枠アニメでも行われている手法である。
  76. ^ とりわけ、TBSとMBS・CBCとの間の温度差が際立っている(例:『ウィッチブレイド(CBC)』、『DARKER THAN BLACK -黒の契約者-(MBS)』)。
  77. ^ ただし、BS-i限定放映深夜アニメ枠を休止した頃から『まほろ』などで見られた乳首表現などが見られなくなっており、地上波でも放送できる様なお色気要素の少ない作品を放送することが多くなってきている。
  78. ^ ただしDVDソフトでは映像倫理協議会によってR指定を受けているため中学生以下は視聴できない。

出典

  1. ^ a b c d e “アニメ産業(2) TVで年約200本放送”. asahi.com (朝日新聞社). (2011年7月7日). http://www.asahi.com/business/topics/keizainavi/TKY201107060328.html 2011年8月9日閲覧。 
  2. ^ a b 岡田有花 (2005年5月23日). “萌えアニメ、増えても暮らし楽にならず、じっと手を見る”. ITmedia News (ITmedia). http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0505/23/news062.html 2011年8月8日閲覧。 
  3. ^ a b c d 『アニメ学』NTT出版、2011年4月28日、pp.33-35頁。ISBN 978-4-7511-4270-1{{ISBN2}}のパラメータエラー: 無効なISBNです。 
  4. ^ 福田淳 (2005年11月9日). “系列超え アニメよ育て”. 読売新聞 (読売新聞社). http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/tv/20051109et02.htm 2011年8月9日閲覧。 
  5. ^ 日本総合研究所. “「neo anime」産業のビジネスモデルに関する調査研究” (PDF). 経済産業省. p. 13. 2011年11月19日閲覧。
  6. ^ “特集:「けいおん!」 京の楽器店が“聖地”に? テーマ曲は記録的ヒット”. まんたんウェブ (毎日新聞デジタル). (2009年6月26日). http://mantan-web.jp/2009/06/26/20090626mog00m200010000c.html 2011年8月8日閲覧。 
  7. ^ a b 田村麻里子 (2006年7月27日). “P-TVにアニメ「地獄少女」が登場〜高視聴率記録の深夜アニメ”. RBB TODAY (株式会社イード). http://www.rbbtoday.com/article/2006/07/27/32644.html 2011年8月9日閲覧。 
  8. ^ a b 糸井一臣 (2010年2月22日). “フジテレビ"ノイタミナ"が1時間枠に! 「ノイタミナ ラインナップAR記者発表会」開催”. マイコミジャーナル (毎日コミュニケーションズ). http://journal.mycom.co.jp/articles/2010/02/22/noitamina/index.html 2011年8月9日閲覧。 
  9. ^ “日本テレビ、深夜枠アニメをオンデマンド配信、第1弾は「闘牌伝説アカギ」”. 日経トレンディネット (日経BP社). (2007年11月8日). http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/news/20071108/1004323/ 2011年8月9日閲覧。 
  10. ^ 市原尚士 (2007年2月1日). “深夜アニメ枠「ノイタミナ」好調 フジテレビ”. 読売新聞 (読売新聞社). http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/tv/20070201et07.htm 2011年8月9日閲覧。 
  11. ^ “「のだめカンタービレ巴里編」が6.6%、深夜アニメ最高視聴率を記録。”. Narinari.com. (2008年12月5日). http://www.narinari.com/Nd/20081210697.html 2011年8月9日閲覧。 
  12. ^ “『Angel Beats!』第6話が毎日放送で高視聴率を記録!”. 電撃オンライン (アスキー・メディアワークス). (2010年5月10日). http://news.dengeki.com/elem/000/000/260/260557/ 2011年8月9日閲覧。 
  13. ^ a b “深夜アニメ :エヴァ再放送きっかけに大人向けで新市場 元プロデューサー・東さんに聞く”. まんたんウェブ (毎日新聞デジタル). (2011年10月16日). http://mantan-web.jp/2011/10/16/20111015dog00m200019000c.html 2011年10月17日閲覧。 
  14. ^ 丸山博雄 (19 March 2012). "「まどマギ」「タイバニ」テレビ局から見たヒットの背景【前編】" (Interview). Interviewed by 渡辺由美子. 2012年3月19日閲覧 {{cite interview}}: 不明な引数|program=は無視されます。 (説明)
  15. ^ 厳しい環境でこそ作品作りが面白い、竹田靑滋プロデューサーのアニメ戦略 GIGAZINE 2012年1月31日、同年2月19日閲覧。
  16. ^ “11年春アニメ:見直されるオリジナル作品 見えないストーリーがファンを魅了”. まんたんウェブ (毎日新聞デジタル). (2011年4月23日). http://mantan-web.jp/2011/04/23/20110422dog00m200023000c.html 2012年2月13日閲覧。 
  17. ^ その後、2011年9月末から11月末にかけて『けいおん!』を(映画版がらみではあるが)放送したことがある。
  18. ^ 第1期はCBC・MBS共同制作の深夜アニメとして放送。
  19. ^ 福田淳 (2003年5月30日). “フジ深夜アニメ 制作遅れ前週分再放送 業界の過酷な状況の表れ”. 読売新聞 (読売新聞社). オリジナルの2003年6月4日時点におけるアーカイブ。. http://web.archive.org/web/20030604035656/http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/tv/tv03053002.htm 2011年8月8日閲覧。 
  20. ^ 水島努 (2011年8月19日). “6話。”. 月夜の上機嫌. 2011年9月3日閲覧。
  21. ^ a b 清水サーシャ (2011年9月3日). “【アニメ】「BLOOD-C」第8話は「かげろうお銀」な展開(ネタばれ注意)”. 日刊テラフォー. マキシムライト. 2011年9月3日閲覧。

関連項目

放送枠別

2012年4月現在