打ち切り
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打ち切り(うちきり)とは、継続的に行っている物事を途中で終了すること。
本項では主に番組や作品の打ち切りについて記述する。なお「打ち切り」という言葉自体は、鉄道において列車を途中で運転を取り止める場合などにも使用される。
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[編集] 概要
個人もしくは法人などによって、継続的に行われている物事が何らかの事情により、途中で終了されることを示す。
ドラマや漫画などのメディア作品で取り上げられることが多いが、製造業や開発業、金融業等の様々な場面で用いられる。
主な打ち切りの要因として外的要因、内的要因が存在する。外的要因は第三者からの意見や圧力、外部からの資金供給不足、天候などの回避不可能な事象、事件、事故などに基づいて実行者が判断し終了させる場合で、内的要因は経営上の判断や実行者の個人的判断で終了させる場合である。
本来の(制作者が望む形による)終了と異なるため、打ち切りされた物事は未完成や未完全、未製造である場合が存在する。このため、メディア作品では作者もしくは視聴者(読者)が納得できない状態で終了してしまうこと、製造や開発では世に出ないまま製品製造、出荷が停止してしまう場合がある。また、金融業では相手先企業の状況により、融資を終了させる場合があり、これも融資の打ち切りとされる。
また、鉄道路線においても、事故や悪天候などのダイヤの乱れにより列車本来の運転区間の途中駅で運転を打ち切る事例もある。
[編集] メディアにおける打ち切り
テレビ・ラジオの番組やCM、漫画、連載小説などメディア作品の分野においては、継続的に放送、連載することを予定していたものが、予定期間の満了以前に終了したり、作品が完結しないまま突発的に終了することである。
統計学においては、何らかの理由によりデータの採取の打ち切りが行われる場合に、累積ハザード解析などの手法が必要となる。
打ち切りになる要因は、次の理由がある。
[編集] 不人気・人気の低下
テレビ・ラジオの番組や漫画・小説の連載の打ち切り理由で最も多いのは不人気や人気の低下により打ち切られることである。また、オンエア予定期間いっぱいまで継続されても、期間が半年や1年と短い場合も「打ち切り」と呼ばれることがある。放送番組の場合、打ち切る際にローカル局を配慮しない場合もある。
放送番組の場合、出演者や芸能事務所、スポンサーの都合もあることから、不人気であっても打ち切りに踏み切れず、継続せざるを得ない場合もままある。また逆に視聴率が低迷する恐れが高い場合、視聴率が落ち込む前に打ち切られる場合もあり、基準はさまざま。
また「視聴率が低迷している」と判断する基準も曖昧で、一般的には1桁台だと低迷しているとみなされるが、場合によってはかつてほどの勢いがない、陰りが見えてきた、という状況でも低迷しているとみなされることもある。
アメリカのテレビ業界は更にシビアであり、人気がある番組はその後もシリーズが作られる一方で、視聴率次第では2〜3週で打ち切りになる番組も決して珍しくない。ドラマ『アリー my Love』 (Ally McBeal) の後番組 "Girls Club" が、わずか2週で打ち切りになったという記録がある。
かつては人気のあった番組でも、人気低下などにより終了した場合は「打ち切られた」とみなされることも多い。
[編集] 不適切な内容・行為など
放送番組での「やらせ」演出等による不祥事、収録中の事故、他の事象による影響、クレームなどにより内容・表現において不適切な部分があったために打ち切りになる場合がある。
架空の作品において実在のものを出してしまった場合や、事実と異なる情報により既存の会社などに不利益をもたらすと思われる場合、抗議を受けた際打ち切りという手段によって謝罪とする場合がある。また、放送番組において本放送で問題にならなかったことがその後問題となり、再放送がなされなくなるケースも存在する。 通常は、内容の一部を変更したり、一定期間を経てリニューアルされる場合が多く、発覚してすぐに終了する例はあまりない。
[編集] 個人の都合
小説・漫画などにおいて、作者の死去や入院あるいは刑事事件による逮捕などの不祥事による場合で、振り替えの人による執筆続行が困難な場合、打ち切られることがある。
逮捕された後、不起訴または起訴猶予の処分になるか、もしくは冤罪・証拠不十分などで無罪が確定して釈放されたとしても、数ヶ月〜数年間拘束されることで作者としての活動が封じられることになるため、結局打ち切りになるのは避けられない。
特に、ほぼ毎日連載される新聞連載の小説・漫画に顕著である。
放送番組においては、出演者(特に主役、司会者)自身の都合(病気や負傷、その他の休養、不祥事による降板、死亡事故など)やグループの解散などで番組を継続させることが不可能になる場合に打ち切られることがある。しかしこのケースにおいても、通常は一部内容や出演者の変更やリニューアルにより再開されることが多い。
[編集] スケジュール・スポンサーの影響
製作体制に問題があった場合、その作品の製作が追いつかず、やむを得ず打ち切りになる場合がある。特にテレビや週刊漫画など、毎週のように製作しなければならないものに顕著である。
- テレビ・ラジオの番組では、制作会社や広告代理店の倒産、スポンサーの降板などで資金が捻出できない場合
- スタッフとの軋轢やスケジュール面などで出演者(あるいは作家)を確保できない場合
- 制作期間が無いなどの理由で製作体制の維持が困難になった場合
- 内容のマンネリ化やネタ切れ
[編集] 事件・事故・災害のため
大事件・大事故・大災害が発生した場合、被災者・遺族等に配慮するためや、その影響で収録ができないために番組そのものを打ち切りとするケースもある。基本的に番組や内容の一部を差し替えたりすることが多いため、終了になる例はまれである。
[編集] 編成の都合のため
TV局や雑誌編集の方針で複数の作品が同時期に打ち切られるケースもある。TV局の場合は新規帯番組の開始などによる大型改編として、同ジャンルや同時間帯の番組を視聴率や不祥事などの理由なしにまとめて終了した事例がある。雑誌の場合は雑誌自体の部数低迷や新たな読者層の開拓などを理由に行われる事が多い。
[編集] 社会情勢の変化のため
社会情勢の変化により、作品の継続が困難となって打ち切られるケースもある。主な例として不景気による予算削減や、上記の「事件・事故・災害のため」のように直接的な関連性はなく即時打ち切りとはならなくとも、法改正や世論の影響などで番組制作が難しくなり終了した事例もある。
[編集] 漫画雑誌の方針
漫画雑誌(特に少年誌)の中では読者アンケートで人気調査が毎週実施され、「不人気作品は早期打ち切り」という方針が徹底された雑誌が多く、事前の予告もなく打ち切りとなるケースも珍しくない。
打ち切りとなる理由については、不人気の他にも作者側の事情や都合によるものも多いが、雑誌自体が休刊したり紙面リニューアルを行うなど、出版社や編集部の都合が原因の打ち切りもある。
円満な連載終了にせよ、打ち切りによる連載終了にせよ、それぞれに特徴的な要素が見られる。
- 円満な物語終了による最終回の場合
- ストーリーものではきちんと全ての伏線が回収される。
- 作者の望む形で描かれるため、作者・関係者はもとより、大半の読者にとっても納得できる形での大団円になる。
- ピカレスク的な物語など、ハッピーエンドの大団円にはならない破滅的な結末の作品でも、主人公や主要キャラクターの末路などが作者の意図通りに描かれる。
- 作品によっては「最終回まであと○回」「次号、最終回」という形できちんと予告されることがある。この様なアナウンスは、特に長期の連載で掲載誌の売り上げに大きく貢献した作品で見られる事が多い。
- 作品完結後も人気が持続すれば、『外伝』やスピンオフ作品などが企画される事がある。
- 打ち切り終了による最終回の場合
- そもそも打ち切り(逆に人気作品の場合における連載の引き延ばし)が作者の望むものではないため、終盤で強引かつ不自然、あるいは投げやりな展開になる。
- ストーリーものの場合、伏線が放置されたまま何の解決も描かれない。
- 数年間続いた長期連載作品であっても、意味不明かつ不可解な結末になる事も見られる。特にアンケート人気に対するプレッシャーなどから作者が精神的に消耗・疲弊し、作品の質が低下した結果の人気凋落による場合など。
- 誌面での扱いもぞんざいになり、「次回で最終回」であることを示す予告が描かれない。
- 最後のページでいきなり「第一部 完」などと描かれる。その後、続篇「第二部」が描かれるケースがほとんどない。
さらに、作者と編集部の間で何らかのトラブルが発生した結果、あるいはその様な状況と推測される形での打ち切りでは、以下の様な状況も見られる。
- ストーリー的に完結とはおよそほど遠い状況の最終ページの片隅や欄外に、「この作品は今回で終了となります」「ご愛読ありがとうございました」などと編集部名で告知が表記される。
- 突然に休載となり、その後の発売号で「編集部からのお知らせ」などの形で連載終了がアナウンスされる。
- 何らかの事情により打ち切りが急遽決定した場合、当該号の表紙や目次にはタイトルが記載されているが、実際のページでは同じ雑誌が開催した新人賞の入選作品の読み切り作品などの代理原稿に差し替えられている事も見られる。
- 突然に作品の雑誌掲載が無くなるも、編集部からのアナウンスは何も無くそのまま「最初から存在しなかったこと」も同然の扱いになり、連載再開や単行本未収録部分の単行本化の可能性が完全に無くなった時点などのタイミングで後日、作者が自身のサイトなどで連載打ち切りという事実を公表する。
現在の週刊連載の漫画作品の大半は、規模の大小こそあるにせよ、直接の作者となる漫画家を頂点に複数のアシスタントやブレーンとなるスタッフが携わる集団制作によって担われている。その為、連載を行うには、機材・消耗品・仕事場・スタッフなどを予め確保する必要があり、漫画家は自ら様々な初期投資を行わなければならない。だが、特に短期打ち切りの場合、その初期投資すら回収できない事は別段珍しくも無く、また、出版社と専属契約を締結している場合には他社雑誌への投稿や持ち込みもできない事から、再起の為の活動がおぼつかなく事も見られる。この為、特に職業漫画家としてのキャリアがまだ浅く経済的基盤が確立されていない者が短期打ち切りを食らった場合には、収入を断たれる事で直接的に経済的な窮地に追い込まれたり、ひいては漫画家としての活動継続・再起に直接の悪影響を及ぼされる事も多い。
[編集] 集英社
[編集] 週刊少年ジャンプの場合
不人気の作品が打ち切り終了の憂き目に遭うのは商業誌の常ではあるものの、特に『週刊少年ジャンプ』(集英社)においては読者アンケート形式で行われる読者による人気投票で上位を獲得し続けなければ短期間で打ち切られる方針(アンケート至上主義)が厳に徹底されており、掲載作品と漫画家の命運を読者アンケートの結果が直接に左右するシステムになっている。
打ち切りが決定すれば、いかにストーリー展開が中途半端であろうとも「本当の戦いはこれからだ」「第一部 完」などと称して連載は終了させられる。もっとも、その後再開が叶ったケースはほとんどない。なお、レアケースではあるが、『ゴッドサイダー』や『珍遊記 -太郎とゆかいな仲間たち-』などが約15年の歳月を経て他誌で事実上の続編ともいえる新展開の連載を開始したケースがある。
また、『ジャンプ』では執筆する漫画家は全て専属契約制で、たとえ『ジャンプ』での連載に短期間で失敗してもその契約期間が満了するまでは競合する他社雑誌への移籍が事実上不可能なシステムが構築されており、これを利用すれば編集部がその意に従わない漫画家・伸び悩む漫画家を俗に言う「飼い殺し」の状況に長期間追い込んで意図的に淘汰する事も可能である。例えば、1970年代、ジャンプ編集部側の都合で人気作品を連載打ち切りにされた事で編集部とトラブルとなった小室孝太郎は、その後しばらくの間、作品発表の場を全く持てない状況に追い込まれた。これは小室が気づかず結ばされていた専属契約を理由に、他誌との交渉を集英社が悉く妨害した為である[1]。この様に、究極的には漫画家の職業生命の一端までをも読者アンケートが握っており、読者アンケートと専属制度を利用して編集部・編集者がその胸先三寸で自在に左右できる構図が作られている。
作品が高い支持を集め、読者アンケートで高順位を獲得すれば、
- 誌面の前面など好位置で掲載される
- 好位置に掲載されることで、読者の目につきやすくなる
- 読者の目につけばつくほど、さらに注目され、人気が得られる
- 人気が得られれば、それだけ多くの投票が得られる
- テレビアニメなどのメディアミックス展開に繋がり、さらに知名度が向上する
- テレビアニメの視聴率・関連商品収入が好評ならば、数年単位にわたる長期放映や数期にわたるシリーズ放映となる
- テレビアニメ放映が長期間になれば、放映権料以外にもアニメ関連商品などを通じて集英社と作者に億単位の莫大な利益が継続的にもたらされ、その間は読者アンケートの短期的な結果に左右されない作品の連載継続が事実上約束される。その例として『NINKU -忍空-』は、連載が中断してもアニメが商業的に成功していたために再開が許された。
という「好循環」が得られる。究極的には『ドラゴンボール』の様に、作品人気が国際的な規模にまで至り莫大な経済効果を発生させ、連載終了後も作者に巨額の版権収入をもたらし続ける事もある。
反面、作品への支持が集まらずに人気投票で低迷すれば、
- 徐々に誌面の後面へと追いやられる
- 掲載位置が後面に事実上固定化されてしまうことで、読者の目につきにくくなる。なお、『ピューと吹く!ジャガー』の様に、例外的に(アンケートの結果と無関係に)巻末に半ば固定的な枠を得て掲載される作品も少数存在する。
- 読者の目につかなければ、次第に注目されなくなり、人気が得られなくなる
- 人気が得られなければ、必然的に投票が得られなくなる
- 投票が得られなければ、それだけ打ち切りの恐れが高くなる
という「悪循環」にはまり込んでゆき、最終的には連載打ち切りの対象となり作品終了に追い込まれる。
『ジャンプ』での短期打ち切りは基本的に10週〜20週前後での終了が大半を占める。これは単行本1〜3冊に収まる分量であり、概ねこれを目安として定期的に連載作品の入れ替えを行っており、アンケート下位の不人気作を打ち切って新連載と入れ替えることで雑誌誌面の新陳代謝・活性化を図っている。
メディアミックス展開がなされた長期連載作品であろうと、過去に商業的に大成功した作品を持ついわゆる『大御所』格と見なされている作家による連載作品であろうと、ひとたび人気アンケートで下位に低迷すれば情け容赦なく連載打ち切りの対象とされる。その例ではゆでたまごは『キン肉マン』で時の人となり、次回作の『ゆうれい小僧がやってきた!』で読者から好評価を得て東映動画からもアニメ企画の話がすすめられたが、当時の同誌人気連載作品に押されたのと3ヶ月ごとにやって来る新連載前の整理作品として打ち切られ、アニメ化の話は白紙となった。一時代を築いた人気ベテラン作家はその名誉を誇った上に打ち切りされるのがより怖いために、同社の青年誌に移籍をするケースがある。現に宮下あきら・北条司・徳弘正也などが青年誌に移籍している。だが、一方で高い人気を長期間維持し続け、雑誌・コミックスの発行部数維持に必要と編集部が判断すれば、正反対に「作家が作品完結を希望しても編集部が許可しない」その反面、作者によるネタのつまづききで読者から不評され、打ち切りされるケースがほとんどである。『男一匹ガキ大将』は一時連載終了を決意し、最後のコマに「完」と入れたが、発行部数低下の関係で当時の担当編集者であり後の編集長となる西村繁男によって、修正液で「完」の文字を消され、そのまま続行された。『ドラゴンボール』は第23回天下一武道会編を最後に連載終了を決意したが、日本の経済を支えているほどの人気作品であったために少年ジャンプの発行部数どころか、スポンサーやアニメ放送しているテレビ局・アニメ会社の経営面に少なからぬ打撃を与える恐れがあったために、集英社の経営陣や当時の担当者であり後の編集長の鳥嶋和彦によって引き留められ、その後もシナリオの展開が終了する度に引き止めが行われていたが、最終的には経済規模がいよいよ巨大化してゆき、本作の連載の継続は関連各社にとって経営問題もさながらの様相を呈した。さらには「専属契約による拘束を盾に、編集部の命令という形で作品執筆・連載継続を作家に強制する」という事態も起きる。そのため、蛇足的にストーリーを引き伸ばし続け異常に冗長な展開となったり、休みの無い連載の継続で漫画家・原作者などが消耗・疲弊してネタ切れ状態やテンション低下に陥る事も多い。その結果として、作画とストーリー(あるいはそのいずれか)の質的な維持ができなくなり人気が凋落し最終的に中途半端なところで打ち切りとなった、作者側の当初構想から見れば「終了後」を超える新展開を強いられた挙句ストーリーに矛盾が発生し細かい所で辻褄が合わなくなってしまった、などの事態は、誌面のみならずテレビアニメ化されジャンプの一時代を支えた長期連載の人気作であってもさして珍しいものではなく、最終的に全ての伏線が回収された上で大団円的にきちんとした結末を迎える事ができた作品はむしろ少ない。
漫画家・漫画原作者・スタッフは打ち切りに対する不安・恐怖からアンケート人気を常に意識し、アンケート人気を獲得するべく作品中に様々な策を講じなければならないが、その読者アンケートに対するプレッシャー・ストレスはかなりのものである事を、少なからぬ連載経験者が語っている。連載中に作者が疾病で執筆不可能な状態となり、連載中断した場合にも、アニメ化されていない作品は人気上位でも打ち切られるケースがある。例えば新沢基栄の『ボクはしたたか君』は一定の読者人気を得ていたものの、連載中に持病の腰痛を悪化させたために連載中断を余儀なくされ、アニメ化されていなかったためかそのまま打ち切られてしまった。また、連載開始後3年以内の作品でアニメ化されていなければ、読者達からどんなに高い支持を得ていても3ヶ月ごとにやって来る新連載作品投入前の整理対象とされて、打ち切り終了となるケースがある。特に1980年代後半~1990年代前半のジャンプ全盛期の作品の中には、短期で打ち切られた作品の中にも『恐竜大紀行』・『CYBORGじいちゃんG』・『エース!』など連載当時の他の同掲載作家達や著名人から高い支持を得ていたものがあり、これらは文庫本で再版されている。
2004年夏から2年ほどは打ち切り作品でも全て15週以上の連載をしたり、『月刊少年ジャンプ』や『赤マルジャンプ』等の兄弟誌や増刊号で完結編を掲載するなど猶予策が行われていたが、完結編は支持の多いベテラン作家や1年以上連載された作品がほとんどであり、新人の短期打ち切り作品ではまず行なわれない。例外として『ライジングインパクト』は短期打ち切りとなった後に連載が再開されている(ただし、数年後に再び人気低迷で打ち切られた)。しかし、2007年以降は『HAND'S -ハンズ-』、『神力契約者M&Y』、『重機人間ユンボル』などが10週、『チャゲチャ』がわずか8週で打ち切られており、以降も15週未満の短期打ち切りが行われている事から以前の編集方針に回帰しているようである。
編集部によるこれらの編集方針は、読者及び少年漫画ファンの間でも周知の事実であり、以下のような賛否両論となっている。
- 肯定的意見
- ジャンプの打ち切りは昔からの伝統だ
- つまらない漫画はすぐに切り捨てる思い切りのよさがあってこそ、連載作品の質と水準が維持されている
- 容赦ない打ち切りこそが、面白い作品を作れる作家を選抜し漫画家を鍛える、ジャンプの原動力である
- 作家に常に打ち切りを意識させる事で作品作りに妥協を許さず、ひいては誌面全体のマンネリ化も防止できる
- アシスタントや投稿者など、プロデビューを目指す膨大な数の「漫画家の卵」をジャンプは抱えており、1人でも多くチャンスを与える為にも、誌面上の不人気作品について客観的数値で早期淘汰が可能なシステムが必要である
- 否定的意見
- 序盤はつまらなくとも、中盤から面白くなる可能性がある大器晩成型の作品を潰している
- 短期間、極論すれば連載第1話から結果が要求されるだけに、中長期的展望を必要とする性質の物語は描けず、結果として長期連載となった作品でも内容面の矮小化や世界観の無理な拡大などといった「短期勝負の後遺症」が残る
- 連載を維持する為に、アンケート人気を比較的確保しやすいとされる格闘漫画の路線に中途転換する作品が多い
- 若手作家について、誌面上を利用した実践的かつ中長期的展望を持った育成手法が取れず、結局は漫画家の持ち合わせた才能をただ浪費している
- 打ち切りへの恐怖に対する過度のストレスなどが要因となって、漫画家が内容を迷走・暴走させて、破綻してしまう作品がある
- 打ち切られた漫画家が専属契約切れを待って他の出版社へ流出し、集英社で二度と漫画を描かなくなってしまう
『ジャンプ』で打ち切られてから他社の漫画雑誌に鞍替えして成功した作家には八神健、木多康昭、鈴木央、山根和俊等がいる。また、本宮ひろ志、荒木飛呂彦、梅澤春人、森田まさのりなど集英社の青年誌など他雑誌で活躍を見せる場合も多い。
[編集] 秋田書店
[編集] 週刊少年チャンピオンの場合
『週刊少年チャンピオン』(秋田書店)は人気アンケート・単行本売上の双方を重要視するスタイルを取っている。連載開始当初から極端に人気が低い場合は他誌よりも厳しく、上記の『週刊少年ジャンプ』などの様に物語をまとめるための猶予すら与えられないまま、何の脈略もなく突然に連載終了となることがある。
また、上記理由による打ち切りが発生した際、既刊である単行本の売上が不振著しい場合、刊行も中途打ち切りの対象となり、最終話まで全て単行本化されないということがある。詳しくは少年チャンピオン・コミックスの項目も参照のこと。
近年では、打ち切り前に想定されていた数回分の展開を数行のあらすじ欄に押し込み、最終回ではその設定がすでに作中で描かれたかのように続きから描き無理矢理に締めくくった『悪徒-ACT-』や、原作小説がある漫画化作品で当初から短期集中連載の企画であったにも関わらず、編集部の大異動による方針転換により話数削減となり、原作や序盤の展開をまるで無視する内容となった『ゆび』など、強引なまとめ方で話題となった作品もある。
[編集] 小学館
[編集] 週刊少年サンデーの場合
上記の2誌に比べ、『週刊少年サンデー』(小学館)は編集部主導であることから短期で打ち切られることが少なく、また打ち切られたとしても同社の関連誌へ移籍することもある。しかし、2000年代に入り出版業界全体で雑誌売り上げが低迷していることから短期打ち切りも増えてきている。
サンデーの場合、長期連載作品が多くベテラン作家による執筆も多い。しかし、ベテラン重視により新人がデビューしにくいとの批判があった[2]事や、2002年ごろから誌面改革の影響で中堅作家が他誌に移った事(詳しくは該当の項を参照)、新人や若手作家による作品の短期打ち切りも目立つようになった点を指摘する声もあった。しかし、最近では新人の新連載を連続で開始したり、連載終了作品の続きをウェブコミック配信サイト『クラブサンデー』で連載するなど新人を積極的に起用する方針に変わりつつある。
[編集] 講談社
[編集] 週刊少年マガジンの場合
上述の『週刊少年サンデー』以上に、『週刊少年マガジン』(講談社)は編集部主導であり、打ち切られた場合同社の関連誌へ移籍することもある。しかし、2000年代に入り出版業界全体で雑誌売り上げが激しく低迷していることから短期打ち切りも増えてきている。
久保ミツロウ、大暮維人、久米田康治など他誌の連載経験作家の移籍や、連載作品の移籍が多い。しかし、他誌に比べ編集部の主導による企画の作品や少年誌としては特異な題材の作品が多く、編集部の期待とは裏腹に読者の支持が得られず短期打ち切りとなる例はさして珍しくない。その編集側の失敗や作者の自主性を生かすべきなどの批判がある。2007年には『マグロ一本釣り伝説 じょっぱれ瞬!』が9週で打ち切られたほか、担当者がBIGLOBEのお仕事DBのコーナーにて自分の担当した作品の多くが短期で打ち切られたことを告白している。
[編集] コミックボンボンの場合
『コミックボンボン』は、1990年代後半から編集部主導による編成都合による読者人気に反する打ち切りや、誌面のリニューアルなどでさらに数々の作品が打ち切られた。かつて同誌で連載していた佐藤元が自身のブログで、読者人気が悪くなかったにも拘らず打ち切られたと語っている。
また、『海の大陸NOA』や『トップス』の様に、「休載」したまま当初の再開予定から数年経っても再開されなかった作品もある。『海の大陸NOA』は再開に至るまでに7年を要した。
なお、同誌は部数低迷により2007年を以って休刊となっている。
[編集] その他の事象
[編集] テレビアニメ特有の事象
アニメ番組の場合、他の権利元やスポンサーの契約で打ち切られない事がある。
また深夜アニメは視聴者に何の説明もなく打ち切られたり、番組休止が続いた後に2〜3話連続して放送することがある。フジテレビで2000年代前半に相次いで休止や集中放送が発生。アニメ製作者の間にフジテレビ(系)での放送を嫌う動きが起きたことなどで、フジテレビは深夜アニメの大幅縮小を迫られた。それに取って代わるかのように深夜アニメの本数を増やしたテレビ朝日もほぼ同様の状況に陥った結果、こちらは2009年現在、深夜アニメが1本も放映されない事態に至った。
特に在京キー局で顕著であるが、放送局とスポンサーとの契約が1クールなら1クール(例:1月開始なら何が起きようと、改編期を跨がずに3月で終了)と厳格に決められているのも原因の一つである。地方局やBSデジタル局などでは時差ネットの関係もあって、改編期を跨いで普通に放送されている例も多い。2話等の連続放送はゴールデンタイムでも見られる。これらの事象は放送局の姿勢に問題があるのではないかと指摘されている。
ゴールデンタイムでの全国放送から夕方や早朝(またはローカルセールス枠)に移動して継続するものの、系列のネット局で打ち切りとなる場合が多い。テレビ東京系列以外で放送されるアニメ番組に多く見られる(アニメに限らず)。また、『ガラスの艦隊』(テレビ朝日)や『アニアニランド』(TBSテレビ)など東京ローカルでは途中で打ち切られ、例外的にネット局でのみ最後まで放送した例もある(前者は制作の朝日放送(ABCテレビ)では未放映話はあったものの、最終話は放映。後者のうち『びんちょうタン』に関しては後述)。
子供向けアニメや特撮番組などはバンダイを中心としたスポンサーの玩具やグッズの売れ行きにも左右され、たとえ視聴率が十分であっても、関連グッズが売れなければ打ち切られる事がある。
[編集] テレビ番組の打ち切りの基準
日本のテレビ番組においてはキー局における視聴率、ラジオ番組においては聴取率がよくないと打ち切りの対象とされる。その多くは平均視聴率10%未満の番組であり、テレビ東京ではアニメ番組を除いて平均視聴率6%未満の番組は打ち切りの対象との説があり、以前、開運!なんでも鑑定団の中で島田紳助が内輪ネタとして披露したことがある(ただし真偽は不明)。この場合もローカル局を全く配慮しない打ち切りも多い。
テレビ番組の場合、2クール(6ヶ月)が基準とされ、計画より早く、6ヶ月以下で終了となった場合に「打ち切り」と呼ばれる事が多いが、急激な視聴率低下や不祥事などで終了した場合も打ち切りと呼ぶ事もある[要出典]。なお、テレビドラマ・アニメは当初計画より短い話数であれば「打ち切られた」とみなされる。 また、基本的に打ち切りはゴールデンタイムの番組の場合に使われており、昼間や深夜の番組はよほどの低視聴率か上記のような継続できない理由がない限り、改編期まで放送を続ける上、半年での終了が珍しくないため打ち切りと呼ばれる事は少ない。
[編集] 編成の都合がつかない場合
原作をベースとした派生作品(主に週刊誌の漫画を原作とするアニメ)や海外ドラマ、他局製作番組の放映が原作や製作局の放映に追いついてしまい、止むを得ず一旦打ち切りになる場合もある。この場合はある程度本数がたまったのちに続編として再開されたり、特番として不定期放送されることも多い。
また、『名探偵コナン』(讀賣テレビ)や『ケロロ軍曹』(テレビ東京)のように、原作にはないアニメオリジナルストーリーを(原作のイメージに則した範囲で)盛り込み、放送を続けることもある。特に後者は現在放送されている内容の大半がアニメオリジナルである。
物語の展開上オリジナルシーンを盛り込みにくかったり原作が間に合わなくなったため、『ドラゴンボール』シリーズや『ONE PIECE』(いずれもフジテレビ)のようにプロ野球中継や別番組特番を差し込むことで番組を休止し、原作の展開進行を待った例もある。
このほか、ローカル局が新たなローカル番組の放送や新規の番組購入のためにネットを打ち切ることもあり、特に遅れネットのテレビアニメは当該の番組のためにほとんどが打ち切られる。逆に、テレビアニメのために他の番組を打ち切ることはほとんどなく、テレビアニメの優先順位は最高位に回されている。近年ではテレビ東京系ほかで放映されている『D.Gray-man』が当初4クール(全51話)で予定していたが、急遽放映の延長が決まり、その当初の放映スケジュール通りに後番組の編成を組んでいた一部の時差ネット局がこれに対応できず、打ち切らざるを得なくなった例もある。この場合、一応当初の予定通りには放映した事にはなるので、「狭義の」打ち切りには当てはまらない。また、同局で放送中の『銀魂』も当初は2年間での放送終了を想定していたが、3年目の放送が決まり一部ネット局で打ち切られている。
更に特殊な例としては、TBS制作の『アニアニランド』枠放映作品で、編成の都合で未放映回が発生した際のケースがある。その内でも『びんちょうタン』に関しては「TBSおよびBS-iでは9話で打ち切られた」が、「関西圏のネット局である毎日放送(MBS)では全話が放送」されるという、極めて稀な現象まで発生した。
[編集] 放映枠を失った場合
稀にではあるが、番組自体は視聴率・関連商品の販売いずれも好調であったにもかかわらず、スポンサーや広告代理店間の競合や力関係などにより放映枠を失った事で改変期に打ち切りになったとされる、あるいは放送業界の内外でその様な噂が立った番組も存在している。
特にテレビアニメなどの場合、スポンサーが関連商品などで収益を上げていたにもかかわらず、この様な形で番組打ち切りを余儀なくされると最大の広告媒体が失われるわけで、既存商品の販売面への悪影響はもとより、番組続行を前提に新商品の投入準備をしていた場合などには、スポンサーにとってより大きな打撃となる。
[編集] つなぎ番組
詳細は「つなぎ番組」を参照
前番組が何らかの理由で打ち切られ、後番組の準備が間に合わない場合、年末年始や改編期以外に単発の特別番組が放送されることがある。短期間の放送を前提としているため、一般にはあまり「つなぎ番組が打ち切られた」とは認識されない。中には、好評だったため正式にレギュラー化された番組もある(上記のつなぎ番組の項を参照)。
[編集] 規定を上回った場合
新聞などの連載小説は、当初から予定されている規定回数を大幅に超過することが明らかになった場合に「物語を途中で打ち切り」とするケースがある。この場合は物語の続きを同系列の雑誌など他媒体に移行して連載を続行したり、結末まで記した単行本を刊行という形で完結させることが多い(朝日新聞に連載されていた柳美里の『8月の果て』が好例)。
雑誌連載の小説・漫画では掲載雑誌の廃刊や休刊、雑誌の編集方針の変更、執筆者と出版社・編集部サイドの方針の不一致等を理由として打ち切られるケースがある。
[編集] 脚注
- ^ 『まんが秘宝Vol.2 つっぱりアナーキー王』 洋泉社、1997年 ISBN 978-4896912777
- ^ GIGAZINE:雷句誠インタビューで雷句誠が「新人による新連載がほとんどなかった時期があった」と編集者に言われた事をインタビューで語っている
[編集] 関連項目
- 視聴率
- 聴取率
- テレビ離れ
- 不祥事
- やらせ
- TBSビデオ問題(TBSがワイドショー番組を打ち切る要因になった事件)
- 王シュレット事件
- 放送倫理・番組向上機構(BPO)
- つなぎ番組
- 封印作品
- お蔵入り
- 絶筆
- 絶版
- 長寿番組(放送番組における打ち切りの対極として)
- 2007年の日本におけるテレビアニメの放送中止と延期