子供向けアニメ

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子供向けアニメ(こどもむけアニメ)は、視聴対象を乳児幼児から小学生中学生(高校生は除く)までの子供として企画・製作されるアニメ作品。

子供の精神的成長は年単位で進むため、視聴年齢の区分には、

  1. 制作費用をスポンサー企業が担うため、玩具等の対象年齢が作品企画時に設定されている。
  2. 原作掲載の漫画雑誌等には、対象年齢が明確に設定されている場合が多い。

などの特徴がある。

概要[編集]

月刊コロコロコミック』や『ちゃお』(共に小学館発行)等の児童向け漫画雑誌で連載された漫画や『ポケットモンスター』(任天堂)のような低年齢層に人気のキャラクターやコンピュータゲームなどを原作とし、複雑な伏線等の仕込みや入り組んだ人間関係等と無縁のシンプルな作品で、基本的に情操教育的面もあり、子供の精神的発育に資するような友情や思いやり、他人への配慮といった感情や感性を涵養するような作品テーマではあるが、一方で、玩具を販売するバンダイタカラトミーセガトイズなどの思惑が反映され、主人公が使用するマシンや道具、変身グッズが強調される販促番組となることで存続している。玩具メーカーの他、小学館・集英社講談社など大手出版社、ショウワノートサンスター文具セイカブランドなどの文具メーカーや、食品メーカーが主要スポンサーとして参加している。

日曜日の朝8時30分枠はテレビ朝日系列・バンダイ・講談社陣営(朝日放送制作日曜朝8時30分枠のアニメ)、東映アニメーション製作の『プリキュアシリーズ』と、テレビ東京系列・タカラトミー・小学館陣営(テレビ東京系列日曜朝8時30分枠のアニメ)、SynergySP製作の『ベイブレードシリーズ』及び『ビーストサーガ』と、子供向けアニメ同士が同時刻に放送されているが、視聴対象が女児向けと男児向けと異なることもあり、住み分けが行われている[注 1]

放送形態[編集]

基本的に1年(4クール)で企画され、視聴率や玩具などの関連商品の売上が伸び悩んだ作品の場合はスポンサーの意向で放送期間を短縮したり[注 2]、地方局が放送期間の途中でネット離脱や番組購入を取りやめることもあるが[注 3]、基本的に企画時に設定された期間は放送される場合が多い。ただし、テレビ東京系のアニメ放送枠は他局と比べて入れ替わりが激しいため、低視聴率もしくは関連商品が不振であってもスポンサー広告代理店などが放送枠を確保するために延長することがある。逆に視聴率は堅調であっても放送枠の確保が出来ずに打ち切られたケース[注 4]もある。

他のTV番組と同様に視聴率と関連商品の売り上げが重要視されるため、人気作品は『スーパー戦隊シリーズ』、『仮面ライダーシリーズ』・『ウルトラマンシリーズ』といった男児向けの特撮ドラマのように主人公等のキャラクターデザインや設定を完全に変える展開が行われることもあり、男児向けでは、『ガンダムシリーズ[要出典]、女児向けでは『プリキュアシリーズ[1]が代表的な存在となっている。

『プリキュアシリーズ』以外の女児向け作品は、『美少女戦士セーラームーンシリーズ』、『おジャ魔女どれみシリーズ』、『わがまま☆フェアリー ミルモでポン!シリーズ』、『きらりん☆レボリューション』のように1年ごとに趣向を徐々に変えながら、作品の人気が落ちるまで続けられる傾向がある。

関連商品の対象[編集]

玩具メーカーの販売促進用資料では、両性向けの作品では『それいけ!アンパンマン』が全般に当たる0歳児から5歳児前後の乳幼児を、『ドラえもん』が1歳程度の乳児から小学生の男女と中学生から大人の女性を、『ポケットモンスターシリーズ』が主に幼稚園・保育園児全般から小・中学生に当たる2歳児から15歳児の男女を対象としている。

男児向けの作品は本来は幼児・小学生と一部の中学生の男子を主なターゲットにする作品のことであるが、近年は長期間放映されている作品を中心に視聴者が拡大・高年齢化する傾向にあり、『ONE PIECE』、『NARUTO -ナルト-』、『イナズマイレブンシリーズ』など女子に拡大したり、『ドラゴンボールシリーズ』、『北斗の拳』、『ONE PIECE』など大人の男性もターゲットとして拡大した作品が多く、それらの作品においては性別や年齢層を問わない関連商品が企画・発売されている。それ以外の作品は小学生前後に当たる5歳児から12歳児を対象とした作品が多い。

一方で女児向けの作品は変動が激しい、たとえば2000年代以降の作品は1990年代までとは打って変わって[注 5]、全体的に小学校中学年以下といった低年齢層向けに留まる作品が多く、近年は中学生以上の年齢層をターゲットに含めている作品は『スティッチ! 〜いたずらエイリアンの大冒険〜』や『おねがいマイメロディ』シリーズのようにティーン層においてもキャラクター自体の人気が高い作品や、「大きなお友達[注 6]絡みを除けば稀である。特に『プリキュアシリーズ』などといったバトルヒロイン系は男児向けの特撮ドラマと同様、幼稚園・保育園の卒園(=小学校の入学)から小学校3年生への進級までの間に多くの女児はそのアニメ作品も"卒業"する傾向にある[2]。2009年度の『フレッシュプリキュア!』及び、2010年度の『ハートキャッチプリキュア!』ではその現状を省みて小学生以上にも呼応させるために内容面を一新する試みを行い、前者は恋愛要素、後者は登場キャラクターの生死の要素が積極的に入れられたが[3]、前者の恋愛要素は主に未就学児(幼稚園・保育園児)の保護者などから批判を受ける格好となり、2011年度の『スイートプリキュア♪』及びその以降の『プリキュアシリーズ』においては最も視聴者人口が多い未就学児により適した内容となり、恋愛要素や生死の要素などはほとんど取り入れられなくなった[4]

未就学児向けの売れ筋は『プリキュアシリーズ』が寡占している状況にあるためか、そのグッズを購買しなくなりがちな年代に当たる小学校低学年・中学年向けでの競争が著しく、近年は『きらりん☆レボリューション』や『プリティーリズムシリーズ』などの成功を受けてアイドル系の作品が多くなっている。また2012年以降、バンダイがメインスポンサーを務めるアニメにおいても小学生低学年や中学年の女児を対象とした作品は『アイカツ! -アイドルカツドウ!-』が主力となり[5]、『プリキュアシリーズ』は主なターゲットを未就学児に絞ることで住み分けが図られている。

乳幼児・幼児向けの特徴[編集]

幼児向けアニメとも言われている。乳幼児(0 - 2歳児)向けと、幼児(1 - 5歳児)向けと、幼稚園児・小学校低学年(3 - 8歳児)向けでは様相が変わっている。

0 - 2歳児向けのものは単独のアニメ作品は存在せず、NHK教育テレビ(Eテレ)で放送される乳幼児向けテレビ番組『いないいないばあっ!』内の1コーナーで放送される。言葉を習得する前の0歳児でも理解できるよう、気をひきそうなを使った単純なアニメーション[6]が主体である。

1 - 5歳児向けの作品では、幼児に人気の高いキャラクターなどを主人公に、幼児でもわかりやすいストーリーの中に社会のルールやモラルなどをわかりやすく織り交ぜて「しつけ効果」をねらった作品が多くみられ、幼年層に親しみやすい、擬人化された動物や物が登場する作品が多い。テレビアニメの『それいけ!アンパンマン』・『しましまとらのしまじろう』及び、実写パートとアニメパートを織り交ぜた幼児向けテレビ番組『おかあさんといっしょ』がその代表例である。いずれの作品も男児と女児向けの区別はない。

3 - 8歳児向けの作品では、視聴者層にとって大人より身近な年齢である小学生(中高学年)もしくは中学生の子供に設定された人間(特撮ドラマは若年男性や女性)、または同等の精神年齢に設定された動物やロボットなどが主人公とされ、ストーリーの方向性において勧善懲悪が徹底され、作品中に「しつけ効果」を織り交ぜている。この層では類型的な男女別の嗜好を好むため、『ドラえもん』や『とっとこハム太郎』のように両性に支持される作品もあるが、男児向け、女児向けの区別がはっきりと分かれる作品が多く、女児向けアニメでは『プリキュアシリーズ』、『たまごっち!』や『ジュエルペットシリーズ』などが挙げられる(詳細は後述)。近年の男児向けアニメは対象年齢が小学生以上の作品が多く、この層を担う作品が少ないが、『スーパー戦隊シリーズ』や『平成仮面ライダーシリーズ』などの幼稚園児に支持されやすい特撮ドラマが類似した役割を担っている。

幼年向け知育・教育用ビデオにも、アニメの人気キャラクターを登場させたり、オリジナルアニメ(例:イソップ物語など)による作品なども数多く市販されている。

男児向けの特徴[編集]

非日常的な世界の勧善懲悪ロボットアニメ

鞍馬天狗』などの少年向け時代劇の勧善懲悪の構図を継承する形で、漫画や特撮ものにおいての定番パターンと定着し(時代劇#時代劇の分類の活劇ものも参照)、現在も10代前後主人公が正義の味方となって、悪の陣営の野望を打ち砕くための闘いを描く単純明快な構造を持っており、単純化された善悪の概念を明確に示すと共に、10代前後の少年の英雄願望を満足させるようになっている。また、闘いの中での仲間との友情や助け合いといった概念が盛り込まれることも多い。前述の通り、『スーパー戦隊シリーズ』などの特撮番組においても、これは踏襲されている。ただし、近年ロボットアニメ自体は下火で、ゲームを主体にした作品と比べて、必ずしも堅調とはいいがたい。

ロボット玩具(超合金フィギュア・プラモデル等)

ロボット等は増えるほどスポンサーの商品展開がやりやすくなるため、スポンサーの意向でバリエーションが増加する傾向がある。ただし、過剰になることへの非難もあり、また単価が上がりすぎると逆効果になるため、メインのロボットに合体してバリエーションを構成する小型のロボットやメカの単価はむしろ下げられる傾向もある。また、近年では魔法少女もの(女玩)のように先端技術を用いた変身アイテムのグッズも多く商品化されている。

男児向けの現状[編集]

1960年代から1970年代においては、このジャンルに含まれるロボットアニメなどの作品群(実写の特撮作品も含む)は、漫画原作作品(コミカライズ含む)が主流であり、想定視聴者である小学校低・中学年間での男児のみならず、小学校高学年及び、中学生にまで親しまれており、少年雑誌(週刊少年漫画誌)でメディア展開が行われていたが、視聴者層の低年齢化に伴い、1971年に『テレビマガジン』が刊行され、以後児童雑誌のみでメディア展開されるようになった(第一次怪獣ブーム第二次怪獣ブームの項も参照)。その状況はオリジナル作品の増加を促し、70年代までのように児童以外の視聴者層が見るということもなくなった。女児向けアニメにおいては現在進行形でこの状況が進みつつある(ロボットアニメ#隆盛と衰退参照)。 主に小学館のコメディ作品において顕著であるが、藤子不二雄作品や『ポケットモンスターシリーズ』、『ビックリマン』などは女児向けにおいてのメディア展開も行われており、事実上のジェンダーレス作品である。いずれもアニメ化など長期メディア展開の過程で本来の層以外に向けたアレンジが行われている。特に性別を問わない学習雑誌の掲載作品には顕著であり、『ドラえもん』は連載当初の原作のアンケートで少女の人気が低かったので、女子向けのひみつ道具を出すように[7]したこともある。『ポケットモンスター』ではアニメ版で主人公・サトシの最初のポケモンを、制作側女児にもターゲットを広げたいというの意向で、ピカチュウに変更している[注 7]。玩具関係ではほぼ男児向けに展開している『ヤッターマン』でも、2008年版放送中のめばえ(小学館発行)の付録に女の子キャラ(ヤッターマン2号)にも対応したお面がついていたことがある[注 8]。また、ガンダムシリーズの従来と異なりホビーとしてのガンプラを扱う『ガンダムビルドファイターズ』においては、ベアッガイのような少女ファンも意識したガンプラを登場させている。また、世界名作劇場も『トム・ソーヤの冒険』など原作の選択からうかがえるように、こちらも男児と女児の両方に向けて展開していた。また、元々が新聞漫画が原作であり、どちら向けとも言い難い『サザエさん』でファッションドールなどの女児向けの玩具展開を行っていた時期もある。 また、2007年頃から従来型のアニメーション技法を用いずに、3D-CGで構成したテレビアニメ作品も登場している[注 9]

少年漫画雑誌との関係[編集]

少年漫画を原作とするアニメのターゲット層は小学校高学年から中高生の青少年をメインにしている作品が多い(少年向けアニメ及び各少年漫画の項目を参照)が、男児からの支持を得た作品も多い。

少年漫画原作作品

週刊少年ジャンプ』(集英社)の連載漫画から発祥した作品は現在でも『ONE PIECE』、『NARUTO -ナルト-』などが長年にわたって男児からも高い人気を得ている。『週刊少年サンデー』(小学館)発祥の『名探偵コナン』もロングランヒットとなっている。『月刊少年ガンガン』(スクウェア・エニックス)の『鋼の錬金術師』は前述の作品に比べ放送期間こそ短いもののそれらと匹敵する人気を獲得している。そして『月刊少年エース』(角川書店)からのアニメ化作品にも数は少ないが男児の支持を得た作品があり、例としては『ケロロ軍曹』が挙げられる。

タイアップ作品

『月刊コロコロコミック』(以下『コロコロ』)に掲載された作品が他を圧倒する。特に小学生以下の男児のみをターゲットとする作品の場合、『コロコロ』でタイアップができるかどうかは作品自体の成否にも直結しており、同誌の編集部には玩具会社やアニメ企画会社からの企画の提案が絶えない状態である。『コロコロ』に連載されているタイアップ作品の代表格である『ポケットモンスター』が隆盛した一方で、競合誌の『コミックボンボン』(講談社)や『月刊コミックブンブン』(ポプラ社)が休刊し、ライバルが『Vジャンプ』(集英社)を除いて消滅した2000年代中盤以降からはそれがさらに顕著となっている。

女児向けの特徴[編集]

日々の生活、人との触れ合いを描く魔法少女アニメ

米TVコメディ『奥様は魔女』の影響による『魔法使いサリー』の大ヒットで、制作会社の東映によって多数制作され定着する。

1980年代以後、変身用アイテムの玩具の販促を狙ったスポンサーの意向による。また、『美少女戦士セーラームーン』の成功により、チームで戦闘を行う変身ヒロインものも増加したが、この作品はコスチュームへの憧れとファンタジー性、そして戦闘要素、恋愛といった少女が求める要素を全て盛り込むことに成功した作品である。

以後は戦闘要素がない作品までも、コスチュームチェンジとグループ化が盛りこまれる。これはキャラが増える分だけ玩具(コスチュームのアパレルも含む)の種類を増やせるというスポンサー側のメリットによって促進されている面もある(ヒロインが単独の作品も皆無ではないが少ない)。

これらは『美少女戦士セーラームーン』、『まるまるちびまる子ちゃん』、『チョコミミ』などの層を重ねる特撮番組および実写ドラマにおいても、踏襲されている。

主人公の年齢[編集]

想定視聴者である小学校低・中学年までの女児から見て、多少年上である「小学校高学年から中学生」の少女が主人公となることが多い。この年代は物事の分別がつけられる最も若い者であるため、これにより主人公に多少大人びた行動をさせたり、物語に訓話的な色合いを加えたとしても、それらの説得力が維持できるという効果を狙ったものであると推測される。

魔法少女アニメに該当する場合であっても、舞台はごく一般的で現実的な街であり、戦闘パート以外は主人公達の普通の暮らしが描かれることが多い。

女児向けの現状[編集]

主にアニメオリジナル作品と少女漫画を原作とする作品に分かれ、前者は幼児や小学校低学年での人気が高く、後者は幼児より小学生の人気が高い傾向にある。しかし近年は『プリティーリズムシリーズ』や『アイカツ! -アイドルカツドウ!-』などのように小学生向けでもアニメオリジナル作品の割合が多くなっている。海外アニメでは主流となっている3DCGで構成したテレビアニメーションは近年国内アニメでも見られ始め、女児向けアニメでも2008年以降徐々に増加している[注 9]

漫画以外が原作の作品およびアニメオリジナル作品は、コミカライズ(漫画化)などのタイアップ先として、『ちゃお』(小学館)、『なかよし』(講談社)、『りぼん』(集英社)の3大小中学生向け少女漫画雑誌や、小学館の学習雑誌(『小学一年生』・『小学二年生』・『学習幼稚園』)と組むことが多い。また、幼児向け雑誌や絵本を出版している小学館や講談社が出版権を持っている作品の場合は、アニメ化の形態に関係なく、自社発行の幼児向け雑誌である『めばえ』・『幼稚園』・『学習幼稚園』(小学館)や『おともだち』・『たのしい幼稚園』(講談社)にアニメ版をモチーフとした漫画絵本が掲載されることが多い[注 10]。他にサンリオも幼児向け雑誌を出版している。その中には『おねがいマイメロディ』など幼児向け雑誌とタイアップをしていても、少女漫画雑誌とのタイアップは採らなかった作品もある。

絵柄の面においては、中高生向け以上の女子を対象とした「少女向けアニメ」や、「女性向けアニメ」と比べ、ヒロインのキャラクター、ヒーローのキャラクターとも目が大きめであることが多い。これは小中学生向け少女漫画雑誌(『なかよし』、『りぼん』、『ちゃお』など)に連載されている漫画から受けた影響も大きい。また、近年の「少年向けアニメ」や「男性向けアニメ」の一部に当たる、いわゆる「萌えアニメ」とも相互に影響を受け、絵柄面でも似通っている部分も多い。一部のアニメ作品には「萌えアニメ」のスタッフが参加したり、逆に、本ジャンルのアニメに関わったスタッフが「萌えアニメ」に参加する例もしばしば見られる。

アニメオリジナル作品

アニメオリジナル作品は男児向けアニメでは1970年代後半以降から目立ち始め、女児向けアニメも草創期の1960年代から1970年代半ばまでは『魔法使いサリー』・『ひみつのアッコちゃん』などは少女漫画を原作にしていたが、男児向け同様後半期の『魔法少女ララベル』などがオリジナル作品として製作された。その傾向を引き継ぎ『魔法のプリンセス ミンキーモモ』(葦プロ魔法少女アニメシリーズの代表作)[注 11]、『魔法の天使クリィミーマミ』(ぴえろ魔法少女アニメシリーズの代表作)などの成功もあり、本ジャンルの主流になった。1990年代前半は『美少女戦士セーラームーンシリーズ』に代表される少女漫画原作アニメの隆盛の影となっていたが、1990年代末期から2000年代にかけて『おジャ魔女どれみシリーズ』の成功をきっかけに再び増加し、現状では『プリキュアシリーズ』を筆頭に過半数の作品がアニメオリジナルとなっている。

原案は作品によってまちまちで『おジャ魔女どれみシリーズ』や『プリキュアシリーズ』などキャラクター原案や作品の内容までアニメ製作会社・広告代理店・スポンサーなどが合同で企画したアニメオリジナルなもの、『マーメイドメロディー ぴちぴちピッチ』シリーズや『ひめチェン!おとぎちっくアイドル リルぷりっ』など少女漫画雑誌の編集部が中心になって企画したもの、『たまごっち!』シリーズなど既存のキャラクターを使用したもの、など多種多岐である。

漫画以外が原作の作品

アニメ化以前に漫画以外の出典がある作品として、児童文学が原作のものとしては『夢のクレヨン王国』と『ふしぎ魔法ファンファンファーマシィー』、インターネット上のコンテンツが原作のものとしては『ふしぎ星の☆ふたご姫』などが挙げられる。また、『とっとこハム太郎』は漫画と児童文学の両方で原作が掲載された作品である。

少女漫画が原作の作品

少女向けアニメ#幼児・小中学生向け作品も参照のこと。

主に『なかよし』・『りぼん』・『ちゃお』の3大小中学生向け少女漫画雑誌が強かった分野であり、テレビアニメの草創期から長年にわたって漫画原作作品のアニメ化やテレビアニメの漫画化でタイアップすることが多かったが、2010年代以降は全日帯に放送される番組において、少女漫画原作の作品がテレビアニメ化される機会自体が大幅に減っている[注 12]。『ちゃお』より低年齢層(幼稚園年長・小学校低学年)の女児をターゲットとした漫画雑誌『ぷっちぐみ』(小学館)や、『小学一年生』・『小学二年生』・『小学三年生』・『小学四年生』(小学三年生・小学四年生は2012年3月限りで休刊)(小学館)に掲載された作品もあるが、上記の3誌と比べると少ない。

少女漫画原作であっても、女児向けアニメの場合はほぼすべての作品にアニメオリジナルストーリーが入り、作品によってはストーリーの結末が原作と異なることもある[注 13]。小学生以下をターゲットとした少女漫画雑誌はいずれも月刊誌であり、原作をそのまま起用した場合、毎週放映されるアニメのストックとして不足することが理由の一つである。もう一つの対策として、完結した原作を用いてアニメ化することもあるが[8] 、本ジャンルにおいては、より高年齢層の女性をターゲットとした「少女向けアニメ」・「女性向けアニメ」や他のジャンルのアニメと比べて極めて少ない。

『なかよし』は1960年代の『リボンの騎士』を筆頭に「女児向けアニメ」を多く輩出しており、1970年代から1990年代まで『キャンディ・キャンディ』・『美少女戦士セーラームーン』・『カードキャプターさくら』などのヒット作を輩出し、業界全体でもトップクラスの人気になることが多く、『りぼん』も総数こそ『なかよし』に譲るものの1960年代に『魔法使いサリー』(初代)・『ひみつのアッコちゃん』(初代)、1990年代に『ちびまる子ちゃん』・『赤ずきんチャチャ』などのヒット作を輩出した。

2000年代は『ちゃお』原作作品から『わがまま☆フェアリー ミルモでポン!』・『きらりん☆レボリューション』などをヒットさせていたが、『なかよし』・『りぼん』及び『小学一年生 - 小学四年生』に掲載されていた作品からは1990年代とは一転してヒット作を輩出しにくい状況になっていた。更に2010年代になると3大小中学生向け少女漫画雑誌に掲載された原作漫画がテレビアニメ化されること自体が非常に少なくなり、2013年5月現在で放送中の作品は『ちび☆デビ!』と、1990年代から続く『ちびまる子ちゃん』のみである。

補足[編集]

  1. ^ テレビ東京陣営の方が後から参入している。なお、同枠で最初に放送された『超GALS!寿蘭』は唯一の女児向け作品及び集英社の雑誌で掲載された作品であり、放映当時は『おジャ魔女どれみ』シリーズと競合し、視聴率面で伸び悩んでいた。
  2. ^ Cosmic Baton Girl コメットさん☆』など。
  3. ^ ミルモでポン!』シリーズや『しゅごキャラ!』シリーズは高視聴率を維持したが、商業面でだんだん低迷したことが、テレビ東京系以外の地方の放送局が離脱する一因となった。『デ・ジ・キャラットにょ』は開始当初から視聴率・商業面とも不振であり、アニメ本編は1年間放映されたが、半年を経過した時点で地方の放送局の多くが離脱した。
  4. ^ ワンワンセレプー それゆけ!徹之進』など。
  5. ^ 小中学生向け少女漫画雑誌の『なかよし』と『りぼん』に掲載された原作を起用することが多かった1990年代初頭から2000年代前半までの作品は、アニメ版においても公式の対象年齢の設定で原作漫画の読者でもある女子中学生を含めていた作品が多く、2000年代後半でも『しゅごキャラ!』シリーズが該当した。
  6. ^ 子供向けアニメのコアなファンである中高生や成人のことを指す。『カードキャプターさくら』や『プリキュア』の第一シリーズに当たる『ふたりはプリキュア』・『ふたりはプリキュアMax Heart』などでは公式的に青年男性(いわゆる「大きなお友達」)がターゲットに含められていた。『プリキュア』は第二シリーズの『ふたりはプリキュア Splash Star』以降でターゲットから青年男性が外されたが、明らかに大人向けとされる15歳以上を対象年齢としたフィギュアなどの商品は、第10作の『ドキドキ!プリキュア』に至るまでシリーズ全作品において発売されている。一方で『おジャ魔女どれみ』シリーズは元々は低年齢層向けに制作されたこともあり、TVシリーズはターゲットに成人は含まれていなかったが、長期に亘って放映される過程で成年男性のファンを獲得し、最終作のOVAシリーズに当たる『おジャ魔女どれみ ナ・イ・ショ』では「大きなお友達」の嗜好を明確に意識し、青年男性もターゲットに含められた。また放送終了後に発売されたフィギュアなどの一部商品に15歳以上を対象年齢にしたものがある。
  7. ^ 原作ゲームではフシギダネゼニガメヒトカゲの3種のポケモンの中から1匹を選択する。アニメでは主人公も前述の3匹から選ぶ予定だったが、遅刻したという設定になっている。
  8. ^ 特撮作品であるが『超電子バイオマン』と『電撃戦隊チェンジマン』の女性メンバーの女児向けのファッションドールをバンダイが販売した事例がある。
  9. ^ a b 小学館集英社プロダクション及びSynergySPが制作に関与している作品に多く、男児向けアニメでは『サルゲッチュ ~オンエアー~』や 『ペンギンの問題』(『おはコロシアム』枠)などに、両性向けアニメでは『とっとこハム太郎』シリーズのうち2008年製作分以降の一部に、女児向けアニメでは『きらりん☆レボリューションSTAGE3』(2008年度放送分のみ)、『極上!!めちゃモテ委員長』、『リルぷりっ』(2011年度に「のりのり♪のりスタ」内で放送された第2期のみ)、『はっぴーカッピ』(「のりのり♪のりスタ」内)などに採用された。しかし『ちび☆デビ!』では2D制作に戻った。小学館集英社プロダクションとは関係ない作品でも、2008年に放送開始した『おねがいマイメロディ きららっ☆』も3DCG制作主体になっていたが、こちらは従来通りの2D制作の回もあり、後番組の『ジュエルペット』シリーズでは完全に2D制作に戻った。『プリキュアシリーズ』においては本編ではほとんど用いられていないが、『フレッシュプリキュア!』(2009年度放送分)以降のエンディングの映像に採用され、女児向けにミュージックDVDとしても販売されている。
  10. ^ 集英社では幼児向け絵本や幼児向け雑誌を出版していないため、集英社が出版権を持つ作品も(同じ一ツ橋グループに所属する)小学館の幼児雑誌に掲載されることがある。集英社の男児向け作品の中には、小学館ではなく講談社の幼児雑誌に掲載されることもあるが、女児向けの作品はそのようなケースはない。
  11. ^ 後半の東映の魔女っ子シリーズやミンキーモモはオリジナル作品ではあったが、キャラクターデザインに少女漫画家が参加し、その作家によるコミカライズも行われていた。
  12. ^ 過去には『少女コミック』(小学館)、『花とゆめ』・『LaLa』(白泉社)、『マーガレット』(集英社)、『キャロル』(講談社・1984年休刊)、『ひとみ』(秋田書店・1991年休刊)で掲載された作品もアニメ化されたことがある。
  13. ^ アニメ終了時点で原作が完結していなかった作品に多く見られるが、アニメと原作がほぼ同時に完結した作品にも見られる。

出典[編集]

  1. ^ ふたりはプリキュア』、続く『ふたりはプリキュア Max Heart』の大成功で長期的なシリーズ展開を目指し、基本コンセプトや大まかなキャラクターデザインを堅持しつつ設定・キャラクターなどを全面変更した『ふたりはプリキュア Splash Star』を投入したが不調に終わり、以後はストーリーやキャラクターデザインを大幅に変更する方針に変わっている。  野口智雄 (2010年8月30日). “大ヒット「プリキュア」に学ぶ子どもマーケット攻略法”. プレジデント. http://www.president.co.jp/pre/backnumber/2010/20100830/15981/15986/ 2011年2月26日閲覧。 
  2. ^ バンダイこどもアンケート
  3. ^ “『セーラームーン』上回る6作目 テレ朝アニメ『プリキュア』 ブランド+新キャラが強み”. 東京新聞. (2009年2月13日). オリジナル2009年2月15日時点によるアーカイブ。. http://megalodon.jp/2009-0215-1214-21/www.tokyo-np.co.jp/article/entertainment/news/CK2009021302000056.html 
  4. ^ 中学生がベストな年齢〈映画「スイートプリキュア♪」制作者インタビュー3梅澤淳稔プロデューサー後編〉
  5. ^ バンダイ - 『データカードダス アイカツ!』2012年10月より稼働(PDF)
  6. ^ NHKキッズワールド - いないいないばあっ!
  7. ^ 『封印作品の憂鬱』洋泉社 2008年、安藤健二
  8. ^ 私の少女漫画史 辻本吉昭 第39回 小学館・少女漫画部門のアニメ

関連項目[編集]