子供向けアニメ

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子供向けアニメ(こどもむけアニメ)

  1. 主に中学生以下の子供が視聴することを想定して製作されたすべてのアニメ作品。2.の範囲である男児向けアニメ、女児向けアニメの他に、幼児向けアニメの全作品、ファミリー・一般向けアニメのほとんどの作品、少年向けアニメ(少年漫画原作アニメ)・少女漫画原作アニメ少女向けアニメ)の一部の作品が含まれる。
  2. 主に幼稚園児から小学校低学年中学年児童のみ(ただし、一部に小学校高学年・中学生の児童も考慮に入れている作品もある。)が視聴することを想定して製作されたアニメ作品のこと。本項ではこちらを詳述する。

いずれにせよ、アニメーションという点を除けば、同年齢層向けの子供番組特撮番組及び実写ドラマの展開はこの項の内容に準じている。

目次

[編集] 概要

子供向けアニメは主に児童向け漫画雑誌に原作を持つことが多く、また、複雑な伏線等の仕込みや入り組んだ人間関係などとは無縁のシンプルな構造を持つ作品が多い。

一方で、このカテゴリに属するアニメには、大きく分けて2つの側面がある。それは情操教育的なものと商業主義的なものである。つまり、

情操教育的側面
子供の精神的発育に資するような題材やテーマを有していることが多い。それは子供の情操教育に有益とされる名作童話を原作(世界名作劇場等)としていたり、友情や思いやり、他人への配慮といった望ましい感情や感性を涵養するようなテーマを有しているということである。
商業主義的側面
子供を対象とする玩具を販売するメーカーの思惑が反映されることが多い。それは主人公が使用するマシンや道具、変身グッズが番組全体を通して必要以上に強調され、同時に玩具化され宣伝されるという、ある種の玩具販促番組の様相を見せているということである。

の2つである。

もちろん、これらの側面は常に均等に含まれているというわけではなく、作品によってその様相はかなり異なっている。しかし、近年ではスポンサーたる玩具メーカーの力が番組の性格や存続を左右できるほど強くなっており、それに伴い商業主義的側面が強く滲み出た作品が多くなってはきている。

また、これらの側面は男児向けか女児向けかという違いによってもその様相がかなり異なっている。このため、以下の項でそれについて説明を行う。

[編集] 男児向けアニメ

[編集] 一般的な特徴

非日常的な世界における闘いを描く作品が多い
主人公が正義の味方となって、悪の陣営の野望を打ち砕くための闘いを描く作品が多い。これらの作品はガジェットのバリエーションは多々あれど、根本的には勧善懲悪の単純明快な構造を持っており、単純化された善悪の概念を明確に示すと共に、想定視聴者の子供達の英雄願望を満足させるようになっている。また、闘いの中での仲間との友情や助け合いといった概念が盛り込まれることも多い。
10代の少年を主人公とする作品が多い
上記の通り悪との闘争が主なテーマとなっていることから、多少SF色の強い子供向けアニメの場合にはロボット等を操縦できるだけの能力を持った主人公が必要となることもあり、主人公の年齢層は10代前後から後半に差し掛かるくらいまでと幅広い。なお主人公の年齢が若い場合はロボット等を使役する立場であることが多く、そうでない場合はロボット等を自ら操縦することが多い。
ロボットアニメやマシンが出てくるアニメが多い
これはそのロボットやマシンの登場する玩具(超合金フィギュアやプラモデルなど)やゲームの販促を狙ったスポンサーの意向による。このため上記で述べた闘争を描く作品と言っても、現実的な兵器による戦争や抗争の類を描いたものはほとんど見られず、専ら非現実的な擬似SF色の強いこのようなアニメが中心となる。なお、これらロボット等は増えるほどスポンサーの商品展開がやりやすくなるため、そのバリエーションは無秩序に増加する傾向がある。
作品によっては女児向けにも展開する作品もある
主にコメディ作品において顕著であるが、藤子不二雄作品[1]ポケットモンスターシリーズ、ビックリマンなどは女児向けにおいてのメディア展開も考慮され、事実上のジェンダーレス作品でもある。また世界名作劇場も『トム・ソーヤの冒険』など原作の選択から伺えるように、こちらも男児と女児の両方に向けて展開していた。
玩具関係はほぼ男児向けに展開しているヤッターマンでも、2008年版放送中のめばえ(小学館発行)の付録に女の子キャラ(ヤッターマン2号)にも対応したお面がついていたことがある。

これらは『スーパー戦隊シリーズ』などの層を重ねる特撮番組においても、踏襲されている。

[編集] 代表的な作品(最近)

現在放映されている作品

放映が終了した主な作品

[編集] 男児向けアニメの現状

1960年代から1970年代においては、このジャンルに含まれるロボットアニメなどの作品群(実写の特撮作品も含む)は、漫画原作作品(コミカライズ含む)が主流であり、想定視聴者である小学校低・中学年間での男児のみならず、小学校高学年及び、中学生にまで親しまれており、少年雑誌(週刊少年漫画誌)でメディア展開が行われていたが、視聴者層の低年齢化に伴い、1971年に『テレビマガジン』が刊行され、以後児童雑誌のみでメディア展開されるようになった。その状況はオリジナル作品の増加を促し、70年代までのように児童以外の視聴者層が見るという事もなくなった。女児向けアニメにおいては現在進行形でこの状況が進みつつある(ロボットアニメ#隆盛と衰退参照)。

また、2007年頃から主に小学館集英社プロダクション作品(主に『おはコロシアム』枠の『サルゲッチュ 〜オンエアー〜』や 『ペンギンの問題』など)において、従来型のアニメーション技法を用いずに、3D-CGで構成したテレビアニメ作品も登場している。3D-CGアニメは見た目をリアルにする意味で用いられることが多く、主に欧米人の嗜好に近い絵になるが、本ジャンルに属するアニメではそうしなければならない理由は特に無い。またCG化においては通常思われがちな「コスト軽減」の為ではなく、アニメ制作の生産性を上げる試みと、そもそも過去作品のゾイドなどの作品を通じての流れもあり、単にそのアドバンテージを生かす方針なのが大きいと思われる。従来の2Dアニメーションは絵の細かな表現に優れる一方、制作の手間が掛かる。対して3D-CGアニメはあらかじめ作っておいたポリゴンCGを動かせばいいだけと思われがちだが、実は同じオブジェクトデータを使用するので、逆にごまかしが効かない分使い手のセンスが問われるし、3D-CGは作画の極端な崩れが比較的起きにくいというメリットはある。デメリットとしては、描けば済むモノも3D-CGで作らねばならない。したがって、アニメーション作業全体において、2Dアニメーションよりも安価で容易と言う事は別段無い[要出典]

[編集] 女児向けアニメ

[編集] 一般的な特徴

小学校高学年から中学生の少女を主人公とする作品が多い
想定視聴者である小学校低・中学年までの女児から見て、多少年上であるこの年代の少女が主人公となるということが多い。この年代は物事の分別がつけられる最も若い者であるため、これにより主人公に多少大人びた行動をさせたり、物語に訓話的な色合いを加えたとしても、それらの説得力が維持できるという効果を狙ったものであると推測される。
日々の生活における人との触れ合いを描く作品が多い
主に女の子同士が日々の暮らしの中で培っていく友情をベースに、様々な出来事を通して他人への思いやりなどの感性を身につけていく様子を描く作品が多い。ただし、恋愛感情については、それが登場する場合であっても理想化された男性への憧れに近い形で描写されることが通例である。なお、魔法少女アニメに該当する場合であっても、舞台はごく一般的で現実的な街であり、戦闘パート以外は主人公達の普通の暮らしが描かれることが多い。
魔法少女アニメに該当する作品が多い
米TVコメディ『奥様は魔女』の影響による『魔法使いサリー』の大ヒットで、制作会社の東映によってこのジャンルの作品が多数制作されて定着した事が大きい。1980年代以後からは変身用アイテムの玩具の販促を狙ったスポンサーの意向による。また、『美少女戦士セーラームーン』の成功により、チームで戦闘を行う変身ヒロインものも増加したが、この作品はコスチュームへの憧れとファンタジー性、そして戦闘要素、恋愛といった少女が求める要素を全て盛り込む事に成功した作品である。以後。戦闘要素がない作品までも、コスチュームチェンジとグループ化が盛りこまれる。これはキャラが増える分だけ玩具(コスチュームのアパレルも含む)の種類を増やせるというスポンサー側のメリットによって促進されている面もある(ヒロインが単独の作品も皆無では無いが少ない)。

これらは『美少女戦士セーラームーン (テレビドラマ)』、『まるまるちびまる子ちゃん』、『チョコミミ』などの層を重ねる特撮番組及び実写ドラマにおいても、踏襲されている。

[編集] 代表的な作品

※原作者の表記がないものは全てアニメオリジナル作品である。

現在放映されている作品

放映が終了した主な作品

[編集] 女児向けアニメの現状と将来

[編集] 概要

現在の女児向けアニメは、少女漫画雑誌に掲載された漫画原作を元にした作品漫画以外が原作の作品アニメオリジナル作品の3つに大別できる。

漫画原作作品は『ちゃお』(小学館)、『なかよし』(講談社)、『りぼん』(集英社)の3大小中学生向け少女漫画雑誌に掲載された作品が中心であるが、『ちゃお』より低年齢層(幼稚園年長・小学校低学年)の女児をターゲットとした漫画雑誌『ぷっちぐみ』(小学館発行)や、少女漫画が一部掲載されている『小学一年生 - 小学六年生』(小学館発行)に掲載された作品も含まれる。近年はこの形態の作品は大幅に減り、2009年4月現在では、『極上!!めちゃモテ委員長』(『ちゃお』・『小学二年生』に漫画の連載、及び『小学一年生・三年生・四年生・ぷっちぐみ』に情報記事の掲載。以下『めちゃモテ委員長』)、『しゅごキャラ!(しゅごキャラ!!どきっ)』(『なかよし』連載)並びに、ほぼ「ファミリー・一般向けアニメ」同然と化した『ちびまる子ちゃん』(『りぼん』掲載)の3本が制作、放映されている。

漫画以外が原作の作品は、児童文学が原作のものとしては『夢のクレヨン王国』と『ふしぎ魔法ファンファンファーマシィー』、インターネット上のコンテンツが原作のものとしては『ふしぎ星の☆ふたご姫』などが挙げられる。また家族向けの作品でで一世を風靡した「世界名作劇場シリーズ」も男児より女児の人気が高く、2007年度に復活した第24作『レ・ミゼラブル 少女コゼット』では見た目がこのジャンルの作品群に近づけられていた[2]。『とっとこハム太郎』は漫画と絵本の両方で展開されており、放映開始後しばらくは非常に人気が高かったが、徐々に人気が低下した影響もあり、2006年に『とっとこハム太郎は〜い!』に改題され、『のりスタ』内の5分枠に移設し、「幼児向けアニメ」としてリニューアルされ、乗り物を扱った男児向け番組『のりスタ』に組み込まれ、男児の視聴が更に増加した。そのため『ちびまる子』などと同様に純粋な女児向けアニメと言えない作品となった。なお、2008年3月限りで『のりスタ』内での放映も終了した。

アニメオリジナル作品は男児向けアニメでは1970年代以降から主流であり、女児向けアニメでも『おジャ魔女どれみ』の成功をきっかけに2000年代から増え始め、現状では過半数がアニメオリジナル作品となっている。アニメ製作会社と玩具メーカーなどのスポンサーの意向(原作に縛られない、販促シーンをねじ込みやすい、原作者に権利料を支払わなくて良い、元々女児向けアニメを題材にした玩具を購入する層が未就学児に多いこと、など)が主な理由である。その中では『おジャ魔女どれみシリーズ』や『プリキュアシリーズ』などキャラクター原案までまったくオリジナルなもの、『東京ミュウミュウ』や『マーメイドメロディーぴちぴちピッチ』シリーズなど少女漫画雑誌の編集部が中心になり企画したもの、『おねがいマイメロディ』シリーズや『たまごっち』シリーズのような既存のキャラクターを流用するものに分けられる。その中には『おねがいマイメロディ』シリーズや『たまごっち』シリーズなど、小学校高学年でも受け入れられている作品も数多いが、『プリキュアシリーズ』のように単純な勧善懲悪に徹した作風のものは、男児向けの特撮番組と同様、小学校中学年以上の年齢層には支持されにくい。

漫画以外が原作の作品及びアニメオリジナル作品は、コミカライズ化などのタイアップ活動に、前述の小中学生向け少女漫画雑誌や学習雑誌(小学館の『学習幼稚園』を含む)を活用することがよくある。また、幼児向け雑誌や絵本を出版している小学館や講談社が出版権を持っている作品の場合は、アニメ化の形態に関係なく、自社発行の幼児向け雑誌である『めばえ』・『幼稚園』・『学習幼稚園』(小学館発行)や『おともだち』・『たのしい幼稚園』(講談社発行)にアニメ版をモチーフとした漫画絵本が掲載されることがよくある。また、集英社では幼児向け絵本や幼児向け雑誌を出版していないため、集英社が出版権を持つ作品も(同じ一ツ橋グループに所属する)小学館の幼児雑誌に掲載されることがある。他にサンリオも自身で幼児雑誌を出版している。

講談社は男児向けコンテンツでは小学館の攻勢に対抗できず、『コミックボンボン』の休刊でもはや壊滅状態にあるが、女児向けコンテンツでは『プリキュアシリーズ』・『しゅごキャラ!』などの人気が高く、小学館に充分対抗し得ている。

「男児向けアニメ」と同様、玩具メーカー(タカラトミー・バンダイなど)、出版社(小学館・講談社など)、文具メーカー(ショウワノートセイカなど)間などで熾烈な競争を見せているが、売れ筋が『フレッシュプリキュア!』などに集中しているため、新規参入は男児向けの市場ほど活発ではない。

[編集] 放送形態

女児向けアニメは男児向けアニメ・特撮における『ガンダムシリーズ』・『ポケットモンスター』シリーズ及び『スーパー戦隊シリーズ』・『仮面ライダーシリーズ』・『ウルトラマンシリーズ』、ファミリー・一般向けアニメにおける『ドラえもん』・『サザエさん』・『クレヨンしんちゃん』のように長期間人気を博している、いわゆる「長寿作品」が『ちびまる子ちゃん』を除いて存在しない。

『ちびまる子ちゃん』は1990年 - 1992年の第1期と1995年の第2期開始から数年間は他の作品と同じように玩具などの販促も行われていたが、現在ではその活動が大きく縮小されている。元々が恋愛などの少女向け要素の薄い作品であり、必然的にファミリー向けアニメ寄りになったといえる。

そのため女児向けアニメでは1966年の発祥以来、試行錯誤が未だに毎年続けられているといえる。数年前まで変身ヒロイン物の王道に最も近いと言われていた『美少女戦士セーラームーン』シリーズは2000年 - 2002年に放映された再放送視聴率が時間帯にしては高かったこともあり、2003年 - 2004年に放映された実写(特撮)版によって復活が試みられた。未就学女児の層には当時放映中の『明日のナージャ』よりも支持されていたが広範な人気を得るには至らなかった。

民放の場合は視聴率と関連玩具の売り上げでその作品に対する人気が計られ、人気の高い作品は『セーラームーン』シリーズや『どれみ』シリーズ、『わがまま☆フェアリー ミルモでポン!』シリーズのようにその人気が落ちるまで趣向を徐々に変えながら何年も続けられる傾向が強い。これらはいわゆる引き伸ばしであり、作品全体として見た場合のクオリティはいずれの作品も後年になるほど落ちる傾向にある(『プリキュアシリーズ』に関しては後述。)。

人気がさほど伸びなかった作品はあらかじめ設定された期間内(大半が4クール=1年)で終わるケースがほとんどであるが、スポンサーの意向によっては放映時期を短縮されたり放映期間の途中で地方のネット局の多くが離脱する作品もある。前者の例として『Cosmic Baton Girl コメットさん☆』、後者の例として『デ・ジ・キャラットにょ』が挙げられる(余談だが、どちらの作品もテレビ東京系、テレビ大阪制作の朝9時30分枠で放映された作品である)。

また、商業的に成功していた時期が長かった『ミルモでポン!』シリーズでも、3年目の『わんだほう』から4年目の『ちゃあみんぐ』(最終シリーズ)に切り替わるのをきっかけに地方のネット局が4局離脱している。こちらは『わんだほう』が商業的に失敗した影響で『ちゃあみんぐ』では玩具の販促がほとんど行われなくなり、アニメ枠の余裕が少ない地方局にとって放映を維持しづらくなったのが原因である。

テレビ東京系の放映枠は他局以上に流動的であるため、そこで放映される作品の中で、次期作品の企画が期限内にまとまらなかった場合には『マーメイドメロディーぴちぴちピッチ ピュア』や『ふしぎ星の☆ふたご姫Gyu!』のように、前作がそれほどヒットしていなくても広告代理店などが放送枠を確保するために延長することがある。それとは逆に『ワンワンセレプー それゆけ!徹之進』のように視聴率が堅調でも、放映枠の確保の問題で打ち切られる場合もある。

『プリキュアシリーズ』は2004年度の『ふたりはプリキュア』、2005年度の『ふたりはプリキュア Max Heart』の大成功で長期的なシリーズ作品を目指そうとし、3年目となる2006年度には従来の女児向けアニメにはなかった試みとして男児向け特撮のスーパー戦隊のシリーズ化戦略のように、基本コンセプトを堅持しつつ設定・キャラクターなどを全面変更した『ふたりはプリキュアSplash Star』を投入したが前作並みにはヒットせず、結果的に玩具売上高がほぼ半減、視聴率でも低迷するなど不調に終わってしまった。

この失敗を踏まえ、4・5年目となる『Yes!プリキュア5』・『Yes!プリキュア5 GoGo!』ではコンセプトが大幅に変更され、前3作とは大幅に異なるスタイルとなった。メインキャラクターを5人にするなど、『セーラームーン』及びその影響下の『ウェディングピーチ』・『東京ミュウミュウ』のような、従来のバトルヒロインアニメにありがちな王道的な設定および展開に戻したことで人気・売上面で回復した。しかし『5GoGo!』では『5』から低下し、視聴率に関しては『Splash Star』から回復することはなく、『5GoGo!』では更に低下した。

6年目となる『フレッシュプリキュア!』でもコンセプトが再び大幅に変更された。今回はキャラクターデザインに手を加えられ、頭身が大幅に高くなり、キャラクターの人数は3人に抑えられた。またストーリー面でも小学生の取り込みを図るため、恋愛表現を前面に押し出すようになった。 [3]

制作費の低減のためにアジア韓国中国など)のアニメ制作会社に制作委託をしている作品がアニメファンを視野に入れていない作品を中心に見られる。

ハイビジョン製作作品の比率は長らく少ないままであり、2006年までのテレビアニメ作品ではファミリー向けアニメに属する『ちびまる子ちゃん』とNHK作品の『カスミン』ぐらいであったが、2007年度からは増加し、『Yes!プリキュア5』と『きらりん☆レボリューション(以下『きら☆レボ』)の2008年4月から2009年3月に放送された『きら☆レボ STAGE3』がハイビジョン製作となり、それらを引き継いだ現在の『フレッシュプリキュア!』や『めちゃモテ委員長』にも採用されている。『しゅごキャラ!』や『ジュエルペット』はアスペクト比こそ16:9ではあるが、SD画質のアップコンバート放送である。

[編集] 少女漫画誌との関係

少女漫画を原作とした作品は、ここ数年の原状では『ミルモでポン!』シリーズや『きらレボ』など、『ちゃお』で連載されている作品の人気が高い。これは日本の少女漫画誌では『ぷっちぐみ』に次いで2番目に低年齢向けで、まだまだ玩具を買うような年齢の小学校低学年・中学年ぐらいの女児にとっての漫画雑誌は、この2誌と小学館の学習雑誌がほぼ独占的地位にあること、『ちゃお』・『ぷっちぐみ』編集部や「小学館キャラクター事業センター」と玩具メーカー(タカラトミー・セガトイズエポック社など)や文具メーカー(ショウワノートなど)との関係を一層強化し、男児向けの『コロコロコミック』と同様にホビー誌の要素を濃くして、『ちゃお』でアニメ化された作品のグッズを玩具メーカーと共同開発したり、それらの会社が発売した商品の最新情報を他誌より優先的に掲載させたりしていることが大いに関係している。

10年ぐらい前までは、『美少女戦士セーラームーン』を筆頭に『なかよし』に原作を掲載させている漫画を原作にした作品がこのジャンルでは最も人気が高かったが、なかよしから発祥した漫画のアニメ化作品では『カードキャプターさくら』に続くヒット作が出ず苦しい状態が続いている。『かみちゃまかりん』[4]・『しゅごキャラ!』といった近年のなかよしから発祥した漫画のアニメ化作品は、元々男性向け漫画雑誌で活躍していた作家を引き抜いた事情もあり、比較的おたくめいた作風のものが多い。そのため、原作と同様に小学校高学年・中学生の人気に比べて、幼児・小学校低学年の人気がいまひとつな状況が続いており、玩具などの関連商品で苦戦する原因となっている。1997年からは同誌に東映アニメーション製作の朝日放送日曜朝8時30分枠のアニメのコミカライズを掲載しており、玩具などの関連商品は幼児層を中心に好調であるが、(同誌から発祥した作品とは逆に)それらのアニメ版は元々幼児 - 小学校低学年の幼い女児向けであるのに対し、『なかよし』が読まれる年齢は主に思春期前後(小学校中学年 - 中学生ぐらい)の少女と、年齢層のギャップが大きく、『ちゃお』のアニメ化作品のような相乗効果が見いだせているとは言いがたい。

また、『りぼん』掲載作品においても、『りぼん』最盛期から続いていて現在でもアニメ・原作共々高い人気を誇り、『サザエさん』の前座として定着している『ちびまる子』を除いては、『こどものおもちゃ』終了以後は安定したヒット作を出せていない状況にあり、現在はその『ちびまる子』のみが本放送として放映されている状況である。『りぼん』最盛期には、系列局が少ないテレビ東京系で放送されていた『姫ちゃんのリボン』から『こどものおもちゃ』でも、(『ハム太郎』や『きら☆レボ』と同様に)ほぼ全国に番組販売されていた。テレビ朝日系で放送されていた『神風怪盗ジャンヌ』終了以降の『ちびまる子』以外の『りぼん』原作作品はほとんどテレビ東京系での放送になっているが、系列外数局で放送された『超GALS! 寿蘭』終了後は系列外への番組販売がほとんどない状況である。その現状を踏まえてか、2008年6月に『りぼん』を発行する集英社が小学館集英社プロダクションを立ち上げた時に、同社の鳥嶋和彦取締役が「『きら☆レボ』のようなきめ細かいビジネス展開は集英社に欠けていたもの」と発言[5]している。

『なかよし』『りぼん』『ちゃお』に関連するアニメ化作品に共通することであるが、1997年頃からは、この三誌で連載された原作を元にした作品が大きく減り、アニメから派生した「女児(少女)向けオリジナルアニメ」作品をコミカライズして載せる形式が多くなっている。特に外部作家を多数取り入れている『なかよし』関連の作品ではそれが顕著に見られる。

[編集] 最近の動向

2000年頃以降は、(1990年代は主流だった)女児以外にもアニメオタク(主に男性)も牽引できるような作風の作品と、それとは逆に純粋な女児向けにこだわり、男性受けする要素を極力入れない作品との二極化が進行している。前者は『プリキュアシリーズ』・『おジャ魔女どれみシリーズ』・『ふしぎ星のふたご姫』・『しゅごキャラ!』など講談社東映アニメーションバンダイのいずれかが製作に協力している作品に多く、後者は『とっとこハム太郎シリーズ』・『ちびまる子ちゃん』・『劇場版 どうぶつの森』・『たまごっちシリーズ』・『スティッチ!』など小学館もしくは東宝が製作に協力している作品に多い。

前者に関しては、1990年代、『セーラームーン』、『赤ずきんチャチャ』、『CCさくら』などが全盛だった頃の「女児向けアニメ」はアニメ雑誌の表紙を飾ることも珍しくなく、アニメオタク界でも屈指の人気を誇っていたジャンルであったが、2000年代初頭以降は、それらが掲載されていた『なかよし』・『りぼん』が衰退したことや、よりアニメオタクの嗜好に合った萌え系の深夜アニメが急増したことなどの影響で、全体的にかつてほど盛り上がらない状態に陥っている。近年でも『プリキュアシリーズ』のヒットや、『おねがいマイメロディ』の成人男性へのファン層の拡大、『ふたご姫』・『しゅごキャラ!』などのキャラクター人気の影響もあったものの、全盛期と比べると勢いは凋んでいると言われている。

それに関連して、小学館の児童向け作品(本項では学習雑誌・『ちゃお』の作品がその対象。)で2000年代から二次創作や本来の読者層以外のイベントへの参加への制限[6]に出ている(ただし例外もあり、例えば男性ファンが多い『ないしょのつぼみ』(OVAとしてアニメ化)[4]単独のイベントなどは制限されていない)。他にもモーニング娘。関連の男性ファンが付きがちな『きら☆レボ』では、コンサートは親子(子供は中学生以下のみ)のみ参加できる公演と、16歳以上(または高校生以上)が参加できる公演に振り分けられていた。

また、現在放映されている本ジャンルに属する作品の中では最も男性ファンが多いと思われる『プリキュアシリーズ』でも(初年度からから5年目『Yes!プリキュア5GoGo!』までを担当していた)メインプロデューサーが水着シーンなど男性受けする要素をできるだけ排除するよう配慮をしている、という意向があることのコメントを残している[7]

それとは逆に、後者は2000年代になってから成長し始めており、特に動物(自然界に実在しないエセ動物を含む)主体の作品が好評を博す傾向にある。もともと動物系の漫画は幼児から成人女性まで幅広い人気を持つ作品も多くあり、『みかん絵日記』、『しあわせソウのオコジョさん』などのように中高生以上向けの少女漫画雑誌が原作でも、幼児・小学生の女児の視聴を考慮した作品としてアニメ化されることもある。なお、動物系の漫画のほとんどが小学館の『ちゃお』及び「学習雑誌」、白泉社の『LaLa』などで掲載されている作品であり、逆に講談社の『なかよし』には10年以上前に制作され、最近『ちびアニ劇場』で再放送された『わんころべえ[4]を除き最近はほとんどないなど、雑誌ごとに力の入れ方に違いがある。(ただ、動物系の漫画=アニメオタクが付かないと言うことではなく、『フルーツバスケット[4]のようにアニメオタクを牽引できる作風のものもある。)

また、『ちびまる子ちゃん』は、後者で挙げたようにもともと純粋な女児(少女)向けとして制作されたが、題材が(原作者であるさくらももこの子供時代である)昭和時代を舞台にしていたり、少女向けにありがちな描写(恋愛など)がかなり少ないため、アニメオタクと違った、ターゲット層の子供を持つ親以外の大人のファンも多い。

更に純粋な女児向けに向けた、一つの新しい流れとして、アニメマニアの需要も据えていた頃では考えられない、実写メディア化や3D-CG化という流れもある。実写化に関しては、アニメ作品で製作された『セーラームーン』、『ちびまる子』のドラマ化や、従来ならアニメだけで製作されていたと思われる『チョコミミ』がドラマにアニメを組み合わせる形で製作されるといった直接的な実写ドラマ化のみならず、料理バラエティ番組と組み合わせる形で製作されている『味楽る!ミミカ』や、おはスタやPVで生身の月島きらり=久住小春モーニング娘。)=をメディア露出させる『きら☆レボ』などが登場している。少女漫画を原作にしたドラマのヒット、中でも『のだめカンタービレ[8]のように女児にまで支持される作品も登場している為、これからもこの流れは続く様子である。

更に、2008年頃から前述の男児向けアニメの項にもある通り、小学館プロダクション作品の『きら☆レボ STAGE3』(2008年度放送分)や『めちゃモテ委員長』など、3DCGで構成したテレビアニメ作品も本ジャンルにて登場している。『きら☆レボ』の場合、途中から3DCGへ変更されているが、これはもともと『きら☆レボ』や『めちゃモテ委員長』がアニメマニアの需要をまったく考慮してなく[9]、作画のクオリティーも重視する必要がなかったことが3DCGが採用された理由とされる。また、小学館集英社プロダクション制作ではないが、同時期に放送開始した『おねがいマイメロディ きららっ☆』も3DCG制作主体になっていた(こちらは従来通りの2D制作の回もあった。)が、その後番組の『ジュエルペット』では2D製作に戻った。

[編集] 脚注

  1. ^ ドラえもんは連載当初のアンケートで女子の人気が低かったので、女子向けのひみつ道具を出すようにしたという。『封印作品の憂鬱』洋泉社、2008年、安藤健二
  2. ^ しかし、第25作『ポルフィの長い旅は以降は『コゼット』とは大きく異なる絵柄となった。
  3. ^ 東京新聞2009年2月13日:『セーラームーン』上回る6作目 テレ朝アニメ『プリキュア』 ブランド+新キャラが強み
  4. ^ a b c d 玩具展開がなかったため「女児向けアニメ」に分類されないことが多い。
  5. ^ 毎日新聞社6月17日まんたんウェブ 集英社:小学館プロに出資 映像化窓口を一本化「きらり」「ポケモン」のノウハウで二次展開
  6. ^ 具体的には性的要素を書き加えた二次創作物の著作権法を活用した取り締まりや、幼児中学生女子以外の「学習雑誌」(女子向け作品)・『ちゃお』が開催するイベントへの参加の規制
  7. ^ だが、『プリキュアシリーズ』では、漢字を多用し幼児向けを考慮していない高価なムックや、フィギュア、男性キャラクターのみが出演するドラマCDなど男性ファンや青年層以上の女性ファンを対象とした商品を発売しており、それらの需要を無視した作品にしているわけではない。
  8. ^ 後にアニメ版が放送されたが、これは基本的に深夜アニメ(一部地域では全日帯放送された)であるため、女児向けアニメとはいえない。ただ、ドラマのヒットをうけてか、ゲームなど、低年齢層も狙った商品も少数ながら存在する。
  9. ^ 当然3DCGアニメは2Dアニメ特有の細かな絵の表現がおざなりになるため、アニメオタク層を重視した作品には通用しない手法である。

[編集] 関連項目