少女向けアニメ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

少女向けアニメしょうじょむけ-)は主に日本少女漫画を原作とし、少女が見ることを想定して製作されたアニメの総称。

目次

[編集] 概要

少女漫画原作の作品が多いが、メディアミックスにより少女漫画誌にコミカライズを掲載した作品も含む。小学生以下を対象とした作品や動物などのマスコットキャラクター主体の作品は、より低年齢向けな「女児向けアニメ」の要素を内包するものもある。

[編集] 現在放映されている作品

[編集] 代表的な作品

1960年代

1970年代

1980年代

1990年代

2000年代

その他の作品は少女漫画関連アニメ作品の年代別一覧を参照のこと。

[編集] 変遷

本ジャンルの源流は『魔法使いサリー』(第1作・1966年)・『リボンの騎士』(1967年)・『ひみつのアッコちゃん』(第1作・1968年)の3作といえよう。 1970年代は東映の魔女っ子アニメが台頭していたが、後半時期には男児層の「変身ブーム」の衰退を端緒にキャラクター物の人気に陰りが見えていた。そんな中で1976年に『キャンディ・キャンディ』が誕生し、本格的な「少女漫画原作アニメ」の原点とされる。1979年の『ベルサイユのばら』以降、単発で『はいからさんが通る』(1978年)、『パタリロ!』(1982年)などの様に後世に名作と伝えられる作品をいくらか輩出している。ただ、これら作品は魔法少女アニメと異なり、商業展開が確立されているとは言いがたい状態であった[1]。しかし、1980年代になると『魔法のプリンセスミンキーモモ』(1982年)、『魔法の天使クリィミーマミ』(1983年)、『とんがり帽子のメモル』(1984年)などの少女漫画とはほとんど関係がない「女の子向けオリジナルアニメ」が立て続けにヒットし、少女漫画業界にとっては受難の時代であった。

1990年代に入ると、『ちびまる子ちゃん』(1990年)、『きんぎょ注意報!』(1991年)の大ヒットで「少女漫画原作アニメ」が復権、翌1992年の『美少女戦士セーラームーン』(- 1997年)は世界的に大人気となった。そして、この3作品の成功を元に1993年頃から多様な作品が続々とアニメ化され、本数が激増した。ここに来てようやく「少女漫画原作アニメ」は商業展開モデルを確立したともみえたが、1995年頃から視聴率の低迷や売上不振に陥る作品が出始め、早くも1997年頃には玩具の販促を目的とする「少女漫画原作アニメ」が衰退し始める[2]。その一方で、1990年代中盤以降はそれらとは逆の流れとして、『ふしぎ遊戯』シリーズ(1995年-)、『彼氏彼女の事情』(1998年)など中高生やそれ以上の年齢層を中心とした作品や、『少女革命ウテナ』(1997年)など青年男性をメインターゲットにした作品が登場し、製作側が想定する年齢層が高くなった。

2000年代に入ってからは、前述の中高生向け路線を継いだ『KAIKANフレーズ』(1999年)をきっかけに少女漫画原作アニメも深夜に放映されるようになる。[3]2001年から2004年の間は『マリア様がみてる』シリーズ(2004年-)が深夜枠でアニメ化された以外は目立った動きがなかったが、2005年より、フジテレビにおいて主にF1層を意識した展開を図るアニメ枠「ノイタミナ」が現在まで放映され、ターゲットも小中学生から(一般的にアニメを見る機会が少ないと言われていた)高校生・成人女性中心となる。また、2006年には日本テレビの『animo』枠及び、AT-Xの『アニメ女子部』といった『ノイタミナ』と同様の層を意識したアニメ放映枠が設けられている(ただし、『animo』は『NANA』一作で潰えた)。こういった情勢から、そのファン層に少女をも巻き込んだ『ハチミツとクローバー』シリーズ(2005・2006年)、『NANA』(2006年)、『ラブ★コン』(2007年)、 『夏目友人帳』シリーズ(2008・2009年)といったヒット作が生まれ、特に『のだめカンタービレ』に至ってはファン層を女子小学生にまで広める成功を治め、『ラブ★コン』と『夏目友人帳』シリーズは元々深夜アニメながら再放送では全日帯に移されている。これらの主に高校生以上の女性をターゲットとした作品群は好調と言えるが、 逆に中学生未満の層のみをターゲットにした作品群は2000年代半ばから先の作品群に視聴者が奪われる形で需要が後退している。その中には『わがまま☆フェアリーミルモでポン!』シリーズ(2002 - 2005年)や『きらりん☆レボリューション』シリーズ(2006年 - 2009年)など小学校低学年や幼児といった低年齢層(女児)をメインターゲットにし、逆に中学生やそれ以上の需要をほぼ無視した作品も登場している。この状況は主に未就学児童に対する『おジャ魔女どれみ』シリーズ(1999 - 2004年)、『プリキュアシリーズ』(2004年 - )といった「女児向けオリジナルアニメ」のヒットとも平行して起こっており、これらは少女漫画における年齢層の二極化と同時進行している。

[編集] 販促方法や販促商品の変化

1960年代から1996年頃までの長い間、このジャンルのアニメにとっての販促商品は玩具(電子ゲームを除く)、キャラクターの絵が入った文房具、食品が主体であった。『セーラームーン』や『赤ずきんチャチャ』(1994年)といった原作・アニメ版共々小学校低学年・中学年を対象とした作品はもちろん、年齢層が比較的高めな『ママレード・ボーイ』(1994年)、『ふしぎ遊戯』(1995年度に放送されたTVアニメ版のみ)、『花より男子』(1996年に放送されたTVアニメ版のみ)などの作品でも、そのほとんどが現在の「女児向けアニメ」と同様にほとんどが玩具会社・文具メーカーなどとタイアップをしていた。これらの玩具展開は『きんぎょ注意報!』と『セーラームーン』で定着したと言われているが、その後は商業的に不振に陥った作品の方が多くなってしまい、この路線がほぼ淘汰される一因となった。

1997年以降、少女漫画ではなく児童小説が原作である『夢のクレヨン王国』(1997年)がアニメ化されて一定の支持を集め、後番組のアニメオリジナル作品である『おジャ魔女どれみ』が成功、また『少女革命ウテナ』など映像商品や音楽CDなどに頼り、玩具・文房具の販促に全く頼らない作品(後述)も成功し始めるようになると、本ジャンルのアニメにおける市場構造と、アニメ製作会社・スポンサー会社におけるマーケティングが大きく変化[4]し、このジャンルのアニメから、玩具・文房具といった商品の販促が絡む作品が大幅に減り、2000年代以降は『カードキャプターさくら』(本放送:1998年/再放送1999年/再々放送:2004年)、『Dr.リンにきいてみて!』(2001年)、『わがままフェアリー☆ミルモでポン』シリーズ、『アニマル横町』(2005年)、『きらりん☆レボリューション』、『しゅごキャラ!』シリーズ(2007年-)、『極上!!めちゃモテ委員長』(2009年- )など低年齢層を大きく意識した作品のみとなった。

中高生向けにおいては1997年の『少女革命ウテナ』と『CLAMP学園探偵団』を皮切りに一部のアニメやOVA作品と同じくDVDビデオ(1999年頃まではLD)の販売や有料放送、ネット配信など映像商品の売上で制作費を捻出する作品が現れ、スポンサー企業の幅も広くなり、この形式でアニメ化される作品の総数は年々多くなっている[5]。1998年の『彼氏彼女の事情』ではアニメファンの男性だけではなく、ターゲットとし、DVDビデオなどの映像商品のターゲットが一般層の女性も含まれるなど広がり、高校生以上向けの女性にもアニメの需要があることを証明した。その後も『フルーツバスケット』(2001年)や『マリア様がみてる』シリーズが好セールスを記録した。DVDビデオ再生機器やレンタルDVDが普及した現在では漫画好きの女性に支持されやすいが、アニメファン層には人気が薄い『NANA』や『ハチミツとクローバー』シリーズなどもこの形式でアニメ化されている。

また、ここ数年は小中学生向けの作品でも、『愛してるぜベイベ★★』(2004年)や『かみちゃまかりん』(2007年)などのように玩具ではなく、原作が掲載された雑誌やコミックス、音楽CD、映像商品(DVDビデオ等)などの販売に軸足を移す作品や、『ないしょのつぼみ』(2008年)のようにTVアニメ化ではなく、OVA化される作品が生じている。また、玩具の販促を主体とする作品である『きらりん☆レボリューション』や、1年目では玩具スポンサーが付いていた『しゅごキャラ!』シリーズも、音楽CDの販促にも力を入れていた。しかし、小中学生向けの作品には(TVアニメがヒットし、玩具・音楽CDとも売り上げ上位になった実績がある『きらりん☆レボリューション』の例を除くと、)玩具会社などのスポンサーが付かずに苦肉の策でこのような販売形式を取った作品が多く、またそれらの作品はアニメの需要そのものも少ないことなどが影響し、商業的に成功した作品はない[6]

[編集] 脚注

  1. ^ ただし、『おはよう!スパンク』(1981年)のように、原作物で商品展開を成功させ、ヒットした作品も存在した。
  2. ^ ちょうどこの頃にNHK及び民放キー局テレビ東京系を除く)にて全日帯アニメ枠自体の縮小が始まった点も、本ジャンルを含めた子供向けアニメの衰退に拍車をかけた。特に本ジャンルにとっては、全国放映されていた『セーラームーン』などを放映していたテレビ朝日系の土曜19:00→18:00枠と、『カードキャプターさくら』などを放映していた、NHK衛星第2放送の火曜18:00枠の2枠が消滅した影響は大きかった。結局、『セーラームーン』の成功をもってですらシリーズ毎に対象年齢層が下がり、小学校低学年以下の女の子(女児)と男性ファンばかりが残る有様であり、低年齢の少女のみを対象としたアニメでは一定の年齢以上の少女に向けた文化の担い手の位置へ押し上げる事はできなくなっていった。
  3. ^ ただし、『KAIKANフレーズ』の場合は、アニメ版前半はゴールデンタイムで放映されており、深夜に枠移動した要因は視聴率の不振というネガティブなものであった。
  4. ^ 低年齢向け作品の原作として用いられる小中学生向け少女誌は全て月刊のため、ストックの問題からも完全オリジナルの方がアニメスタッフにとっては製作するときの自由度が高く、原作者に支払う版権使用料が掛からない分だけ製作コストが安く、『おジャ魔女』以降、完全オリジナル作品が中心になっていった。
  5. ^ OVAにおいては1987年頃の『闇のパープル・アイ』のミュージックビデオ発売以来、1988年の『妖精王』を筆頭に1993年まで『花とゆめ』原作の作品が連作されている。
  6. ^ レアケースとして、本放映時の視聴率が振るわなかった『満月をさがして』(2002 - 2003年)はCSでの再放送後、視聴者からの反響が強く、放映終了から2年目に新作音楽CDがリリースとされるという異例の展開が行われている。

[編集] 関連項目