刀語

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刀語』(カタナガタリ)は、西尾維新ライトノベル作品。イラストはが担当。全12話で、作者初の時代小説となる。

目次

[編集] 概要

講談社BOXのメイン企画「大河ノベル」の2007年作品として、清涼院流水パーフェクト・ワールド What a perfect world!」と共に12か月連続で発売された。

2010年1月からアニメ化が予定されている。

『刀語』の約200年前、真庭忍軍をメインにした外伝『真庭語』が講談社BOXから刊行されている。

[編集] あらすじ

刀を使わない剣術「虚刀流」の七代目当主である鑢七花は、姉の七実とともに不承島で暮らしていた。しかし、奇策士とがめの言葉により、伝説の刀鍛冶「四季崎記紀」の作った刀、完成形変体刀十二本を集めるた旅に出ることになる。


注意以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。


[編集] 世界設定

舞台となるのは「尾張時代」と呼ばれる中世の日本で、戦国時代から将軍家の天下統一までの流れなどは作品独自の経緯を辿っているが、おおまかな歴史や文化などは史実の江戸時代などに似ている。物語の原因となる「変体刀」が造られた戦国時代と、主人公2人の過去の因縁を作った奥州の反乱が起きた時期、物語の舞台となる反乱から20年後に大別される。

戦国時代 - 旧将軍の天下
柄師、鍔師まで兼任し、刀にまつわる全ての事をたった一人でやってのけた天才的な刀鍛冶、四季崎記紀(しきざき きき)。素晴らしい出来と特異な機能を持つ「変体刀」と呼ばれる彼の刀は最終的に千本にも達し、そのすべてを手中に収めれば戦国の世を想うがままに支配出来るとまで言われた。武将達はこぞって彼の刀を求め、所有する四季崎の刀の数が大名としての格を示す基準にされるほどだった。そんな中、後に旧将軍と呼ばれることになる武将が天下統一を成し遂げる。
しかし、その後も旧将軍は四季崎記紀の作った刀、千本すべてを入手することに執着し続けた。後に稀代の悪法とまで呼ばれる刀狩令まで発して旧将軍は十万本もの刀を集め、四季崎記紀の刀も988本まで集める事に成功した。
それでも、変体刀千本の中で最も完成度の高い十二本は、所在や所有者を突き止めても奪うまでに至らず、国力は疲弊、跡継ぎが居なかったが為に旧将軍の天下は一代で終わってしまう。
尾張時代
旧将軍の後に世を治めたのは、政治的手腕に優れていた家鳴家であった。家鳴将軍家が全国を支配する尾張時代が始まって百年以上が経過し、平和が続いていたある時、幕府の信頼も厚かった奥州の顔役、飛弾鷹比等(ひだ たかひと)が全国規模の反乱を起こす。幕府はあと一歩で転覆させられる所まで行ってしまったが、後に「大乱の英雄」と呼ばれる虚刀流六代目、鑢六枝が飛弾鷹比等を討ち、反乱は鎮圧される。
二十年後
飛弾鷹比等の反乱から二十年後。将軍の世代交代はまだ行われていない。幕府内では奇策師とがめや否定姫といった劇中のキーパーソンが重要な地位に登用されてそれぞれの計略をめぐらせ、主人公の鑢七花は、島流し先である不承島で虚刀流の七代目当主として育っている。

[編集] 登場人物

[編集] 主要登場人物

鑢七花(やすり しちか)
本作の主人公。虚刀流七代目当主。四季崎記紀の完了形変体刀、虚刀「鑢」でもある。
島育ちの為世間知らずで、考える事が苦手な面倒くさがりだが、常識に囚われない発想が敵を倒す糸口を発見する事もある。かなりの長身で、鋼のように鍛えられた肉体を持つ。動きやすいという事で上半身裸でいる事が多い。虚刀流の血統のせいで刀剣を扱う才能が全く無く、刀を振りかぶれば後ろに落とし、振り下ろせば前に零す。言われて一番傷つく言葉は、「花が無い」。口癖は、とがめに強引に決められた「ただしその頃には、あんたは八つ裂きになっているだろうけどな」。とがめに付けられたあだ名は「しちりん」。
人間としてではなく、一本の刀となるよう育てられた為、良く言えば無垢で善悪に頓着が無く、悪く言えば人間性に乏しく情け容赦なかったものの、刀集めの旅に出てから、人間らしい感情や感性が育った。24歳。身長六尺八寸。体重二十貫。趣味は「無趣味」。
とがめ
物語の発端である「刀集め」の提案者。策士ならぬ奇策士を自称する、尾張幕府家鳴将軍家直轄預奉所軍所総監督。役職相応の鋭い観察眼と発想を持ち、自称どおりの奇策によって七花の戦いを支える。普段は尊大な態度を取っているが、勘違いを指摘されると過剰に照れてパニックを起こし、子供じみた言動になるなど、落差の激しい性格をしている。
尾張幕府内では出自不明となっているが、その正体は幕府内で禁忌的存在となっている大反乱者である飛弾鷹比等の娘「容赦姫」。幼い頃に一族を殺された時の激しい憎悪で白髪となっている。髪は極めて長かったが、第七話で鑢七実によって肩口で切り落とされておかっぱ頭になり、肉体の軽量化に成功するとともに、より童女のような風貌になってしまった。
「障子紙の如く弱い」「戦闘力はうさぎ以下」などと表現され、役職につくにあたって非武装を心に誓った為攻撃力はまったく無いが、もともと運動神経も悪い。口も頭も回るが、校倉必とのやりとりから、七花からは交渉能力にも疑問を持たれている。口癖は「ちぇりお」。薩摩の示現流の掛け声である「ちぇすと」をどこかで聞き間違えたもので、5話目で真庭鳳凰により間違いを指摘されたが、このまま押し通すことにした。年齢不詳。身長四尺八寸。体重八貫三斤。趣味は「悪巧み」。

[編集] 虚刀流関係者

鑢七実(やすり ななみ)
前日本最強。七花の姉。極度に病弱で、死人もしくは物体のような印象の女性。極度の方向音痴。一度見た技を憶える事ができる見稽古の才を持ち、さらに同じ技を二度見れば完全に習得する事が出来る。体術だけでなく怪力や霊視といった自らの肉体を変化させる能力さえも身につける。七実自身も「人間一人に到底収まりきれぬ」と表現されるほどの強さを持つが、それを発揮すれば身体が耐えられず自滅するため、見稽古の能力で得た他人の技を使って戦う。
強すぎるという理由で虚刀流を継ぐことが出来なかったが、七花との六枝の稽古を見稽古する事によって虚刀流の技も習得している。病弱な反面、体の再生能力は異常に高く、死にそうではあるが死ねない。
七花ととがめが旅に出た後も不承島に残っていたが、真庭虫組の襲撃を受けてそれを返り討ちにした後、独自に刀集めを始め、それぞれ刀の守護者だった蝦夷の凍空一族と、陸奥の死霊山神衛隊を全滅させる。蝦夷で入手した『双刀・鎚』は自分に合わないという理由で打ち捨てていったが、その後、死霊山で入手した『悪刀・鐚』の所有者となり七花と戦う。27歳。身長四尺九寸。体重七貫六斤。趣味は「草むしり」。
鑢六枝(やすり むつえ)
七花・七実の父親。虚刀流六代目当主で、とがめの父である飛弾鷹比等を討ったことで大乱の英雄と呼ばれていた。
妻の鑢みぎりを殺した疑いをかけられて不承島に子供たちと共に流刑に処され、その地で19年間虚刀流の跡取りとして七花を鍛えていた。強すぎるという理由で修行を禁じていた七実に見稽古の才がある事を、七花が口を滑らせた事で知ってしまい、七実を殺そうとして七花に殺された。
鑢みぎり(やすり みぎり)
七花と七実の母親。六枝が仕えていた戦国六大名のひとつ徹尾家ゆかりの女。
何者かにより殺され、それが七花たちが不承島に流される原因となった。七花は当時まだ幼く、母の顔は覚えていない。
鑢一根(やすり かずね)
虚刀流開祖。七花たちの遠い先祖。山奥で一人剣の修行をしていたが、四季崎記紀と知り合ったことをきっかけに無刀の剣術、虚刀流を興す。

[編集] 尾張幕府(おわりばくふ)

否定姫(ひていひめ)
尾張幕府直轄内部監察所総監督。とがめの宿敵。
本名不承。自分も含めて誰彼かまわず、ありとあらゆることをただ否定するのでこう呼ばれ、住居も「否定屋敷」と呼ばれる。背が高く、青い目に金髪という劇中の日本人には有り得ない外見を持つ。とがめ同様出自不明だったが、後に四季崎記紀の末孫であることと、一族の計画に従って異国の血統を取り入れたために日本人ばなれした外見になった事を明かした。ただし、四季崎の占術師としての力はほとんど失われている。『炎刀・銃』を所有しており、他の完成形変体刀のそれぞれの特性、能力についてもある程度知っていた。年齢不詳。身長五尺五寸。体重十三貫。趣味は「悪巧み」。
左右田右衛門左衛門(そうだ えもんざえもん)
否定姫の腹心。尾張幕府直轄内部監察所総監督補佐。元忍者。
「不及(およばず)」「不答(こたえず)」「不得禁(きんじえず)」など、会話の際には、相手の言動に対して「不」の付く否定の言葉を放つ。
百七十年前、真庭忍軍に滅ぼされた「相生忍軍」の最後の一人。上下とも時代にそぐわない洋装で靴を履き、否定姫の命令で顔の上半分は『不忍』と大きく縦書きした面で隠している。大小二本の刀を腰に差しているが、どちらも変体刀ではない普通の刀。真庭鳳凰は親友であったが、人格と忍法と顔面を奪われた関係でもある。年齢不詳。身長六尺一寸。体重十五貫。趣味は「掃除(天井裏の)」。
家鳴匡綱(やなり まさつな)
尾張幕府八代将軍。かなりの高齢。先の大乱時、幕府の指揮を執った。

[編集] 家鳴将軍家御側人十一人衆

家鳴将軍家に代々仕える御側人の一団。それぞれが完成型変体刀の使い手になり得るだけの技や能力を持っており、最終刊「炎刀・銃」の劇中において、七花の前に次々と立ち塞がった。それぞれの変体刀の特性については、後述の「所持者」と「完成形変体十二本」を参照。

般若丸(はんにゃまる)
妙に目つきの鋭い、前髪を不揃いに垂らした男。絶対に折れない刀、絶刀『鉋』と、それによる突き技「報復絶刀」を使用した。
鬼宿不埒(おにやどり ふらち)
坊主頭で髭面、僧形の男。斬刀『鈍』を使い、七花との戦闘以前に五人を斬って「斬刀狩り」を発動させていた。
巴暁(ともえ あかつき)
片目(イラストでは左)に眼帯をかけた女。敦賀迷彩同様に千刀流の使い手で、千刀『鎩』を両手に持ち、部屋中にも突き刺して「地形効果 千刀巡り」を発動させていた。
浮義待秋(ふぎ まつあき)
総髪の髪を全て後ろに流した男。日本最強の剣士、錆白兵の好敵手だった男で、それに相応しく、薄刀『針』を壊さず扱う技量を持ち、「白兎開眼」を使う。
伊賀甲斐路(いが かいろ)
伊賀忍者で「伊賀忍法 筋肉騙し」を使い、体を大きくできるため、規格外の大きさである賊刀『鎧』を着用できた。
真庭孑々(まにわ ぼうふら)
真庭忍軍の出自だが、先祖は二百年以上前に真庭忍軍を離反している。物体の重さを操る「真庭忍法 足軽」が使えるため、超重量の双刀『鎚』を扱うことができた。自らの力量を、真庭忍軍の頭領よりも上だと言っている。
胡乱(うろん)
奇抜な意匠の西洋眼鏡をかけている男で、拳法の使い手。悪刀『鐚』を体に刺し、身体を活性化していた。
灰賀欧(はいが おう)
豊かな髪を左右に振り分けた女。両手に鉤爪のような武器を備えている。自分の命令にだけ従うように設定変更された日和号(微刀『釵』)を従えていた。
墨ヶ丘黒母(すみがおか こくぼ)
何かに怒っているような厳しい表情の男。尾張一の獰猛者として知られていたが、王刀『鋸』を手にしたため性格が変化し、七花に対して戦いの無意味さを訴えて説得しようとした。
皿場工舎(さらば こうしゃ)
額に鉢巻を巻き、法被を着た女。刀身の無い変体刀、誠刀『銓』を使用した。
呂桐番外(ろぎり ばんがい)
恰幅のよい男。毒刀『鍍』を使ったが、あまりに強烈な「刀の毒」にあてられてほとんど自我を失い、言動に変調をきたしていた。

[編集] 真庭忍軍(まにわにんぐん)

暗殺専門の忍者集団。集団行動をせず、突出した個人の能力で活動するため頭領が十二人いる。頭領は三人ずつ手を結んでおり、それぞれ鳥組、獣組、魚組、虫組の四組の派閥に区分されている。服装は一般的な忍者のイメージとかけ離れており、覆面はしておらず、装束には袖がなく、主に防具として全身に鎖を巻いている。巻き方、巻く場所は一人一人違う。とがめから「刀集め」を依頼されたが、時代の流れで滅びかかっている真庭の里を救うため、変体刀の売却で得られる金目当てに裏切っている。七花と七実に付けられた通称は「まにわに」。

真庭蝙蝠(まにわ こうもり)
冥土の蝙蝠」。獣組。
四季崎記紀の完成形変体刀十二本が一本の『絶刀・鉋』の蒐集に成功しており、体内にどんなものでも収納できる柔軟な体質を利用して、呑み込んでに保管していた。耳障りな甲高い声でしゃべり、「きゃはきゃは」と特徴的な笑い方をする。使用する忍法は、体内に収納した多量の手裏剣を一気に吐き出す『手裏剣砲』と、外見から声色まで自在に作りかえる『忍法骨肉細工』。衣装までは変えられないため変装用の衣装は自分で用意している。
卑怯卑劣が売りの忍者にしては珍しい接待好きと評されており、サービス精神旺盛。ただ忍びとして育った結果、自分に役目が回ってきただけと語り、敵をいい気分にさせるためわざと負けるようなお茶目な所がある。怪人二十面相のように、自分でも本来の姿に確信を持っていない。組を気にせず、鳥組とも親しい間柄だった。身長五尺八寸。体重十五貫。趣味は「陶芸」
真庭白鷺(まにわ しらさぎ)
逆さ喋りの白鷺」。鳥組。
「ぜうらもてせら乗名」(「名乗らせてもらうぜ」)等、常に逆向きに喋っており、その喋り方自体が白鷺の使う忍法に密接に関係している。使用する忍法は『忍法逆鱗探し』。
真庭喰鮫(まにわ くいざめ)
鎖縛の喰鮫」。魚組。
無益な殺生が好きで、金銭目的以外で働いたことがないのを誇りにしているが、誰に対しても敬語で接する礼儀正しい性格。「いいですね」が口癖。『忍法渦刀』を使用して、幕府の関所を壊滅させたほどの戦闘力を持つ。使用する忍法に利用するため、装束に巻いている鎖が若干長い。七花に「まにわに」と最初に呼ばれたが、奇妙な愛称を喜んでいた。戦う理由をわざわざ考えるくらいなら、そもそも戦う必要はないと考えている。
真庭蝶々(まにわ てふてふ)
無重の蝶々」。虫組。
喰鮫とは違い、無益な殺生を好まない。使用する忍法は、自分と自分が背負った物の重量を消す『忍法足軽』。南方の生まれで、真庭の里の出身ではなかった。同じ十二頭領の一人である鳥組の真庭鴛鴦と婚約しており、今回の刀集めが終わったら正式に結婚するはずだった葉巻煙草を吸っていたが、鴛鴦との結婚の条件として禁煙している。
真庭蟷螂(まにわ かまきり)
首狩りの蟷螂」。虫組の指揮官。
回数に限度はあるが、自分の爪を数十秒から数分にかけて異様なほどの長さに伸ばす事ができ、これを武器とする『忍法爪合わせ』を使う。そのため虫組の中では最も戦闘向きと評される。誰を相手にしても過大評価も過小評価もしない人格者。
真庭蜜蜂(まにわ みつばち)
棘々の蜜蜂」。虫組。
虫組頭領で一番若く、一番長身。少々控えめな所がある。使用する忍法は、20畳先からでも百発百中の精度で巻菱を飛ばす『忍法巻菱指弾』。
真庭鴛鴦(まにわ おしどり)
巻戻しの鴛鴦」。鳥組。
全身に鎖を巻いたしのび装束でも隠しきれないほどの妖艶さを持つ女。目上の鳳凰に対しては敬語を使うが、基本的には蓮っ葉な話し方をする。使用する忍法は、一つの持ち手から十本に枝分かれした先端に刃物がついている鞭を、両手で二本操る『忍法永劫鞭』。今回の刀集めが終わったら同じ十二頭領の一人、虫組の真庭蝶々と結婚するはずだった。
真庭狂犬(まにわ けふけん)
伝染の狂犬」。獣組。
長い髪を後ろでひとつに縛った女。全身に黒い直線が出鱈目に這ったような刺青がある。使用する忍法は、刺青を介して体から体へ残留思念を移し、対象の体と記憶、経験、知識などを乗っ取る『忍法狂犬発動』。ただし狂犬自身が女性であるため、男性には使用不可。身体ではなく刺青が狂犬の本体とも言え、この忍法によって体を乗り換え続けており、真庭の里の創生期から存在している。残留思念だけで存在している自分を恥じており、それゆえ仲間の生命に関するこだわりは人一倍強い。
真庭川獺(まにわ かわうそ)
読み調べの川獺」。獣組の指揮官。
使用する忍法は『忍法記録辿り』。石や机、刀などの無生物が持つ「記録」を読むことが出来る。探魂法のようなもので、人の心を読むことは出来ない。後にこの力は『忍法命結び』によって鳳凰のものとなる。蝙蝠の一番の友人にして、良きライバル。誰に対しても常に飄々とした態度で接し、自分の命に対する執着がほとんどない。真庭の里の出身だが、父方の血に陸奥のものが入っているため、死霊山神衛隊の交霊術と『忍法記録辿り』の関連性が作中で言及されている。
真庭海亀(まにわ うみがめ)
長寿の海亀」。魚組の指揮官。
まだ若い風貌の男だが、一人称は「わし」で、若作りとのこと。自身を「最高格好よくて最高いかした最高強い最高もてもて最高金持ち」と評する。南蛮渡来の刺突剣であるレイピアを帯刀しており、忍術に関しては「ほとんど使えぬ」と語る一方、剣術に関しては、虚刀流や錆白兵にも引けを取るつもりはないと豪語する。
真庭人鳥(まにわ ぺんぎん)
増殖の人鳥」。魚組。
年端もいかない小柄な童子であるが、真庭忍軍頭領の中でも鳳凰に次ぐ実力者とされている。特に情報収集に関しては、鳳凰に「情報には千に三つの誤りもない」と言わせるほど。常に何かに怯えており挙動不審の気があるが、頭領の一人として自分の意見はしっかり口にする。使用する忍法は、自らの強運によって飛び道具を無効化する『忍法運命崩し』と、反射によって加速し威力を増す二つの楕円形の球を跳ね回らせ、『運命崩し』と組み合わせて使用する『忍法柔球術』。忍者としての宿命を受け入れたくなかった様で、「僕は戦いたくなんかなかった」と語っている。
真庭鳳凰(まにわ ほうおう)
神の鳳凰」。謎多き男。鳥組の指揮官で、実質的な真庭忍軍の頭。すらりとした長身で、伸ばした髪を真っ直ぐに下ろしている。
十二頭領の中で唯一、実在しない動物の名を冠している。使用する忍法は、自分の身体を切り落として他人の身体を繋ぎ直し、その特性を奪う『忍法命結び』と、詳細不明の『忍法断罪円』。左右田右衛門左衛門とは『忍法断罪円(忍法生殺し)』と人格を奪った関係。
『命結び』によって川獺の左腕と『忍法記録辿り』の力を得た後、富士の樹海で『毒刀・鍍』を入手する。しかし、その後の右衛門左衛門との戦いの最中、『毒刀・鍍』に左腕で触れてしまったことで刀の毒(=四季崎記紀の魂)に体を乗っ取られてしまった。ただし、とがめはこれを乱心の一種、他人になったという思い込みではないかとも述べており、本当に四季崎記紀の思念が蘇ったのかは判然としない。
その後、『四季崎記紀』となった鳳凰は新・真庭の里の住人達を「試し切り」と称して全滅させる。結局、最後まで鳳凰の意思が戻ることはなかった。32歳。身長五尺九寸四分。体重十六貫。趣味は「気苦労」。

[編集] 刀の所持者

真庭蝙蝠(まにわ こうもり)
『絶刀・鉋』の所有者。真庭忍軍(前述)を参照。丹波の不承島で七花と戦う。
限定奥義:報復絶刀
『絶刀・鉋』による荒い突きと、大跳躍からの袈裟懸け斬り。
宇練銀閣(うねり ぎんかく)
因幡国下酷城主。
居合い抜きの達人。目にも留まらぬ速さの抜刀術『零閃(ぜろせん)』の使い手。先祖から『斬刀・鈍』を継いでいる。環境変化で全土が砂漠と化した因幡国の最後の住人。いつも寝てばかりいるが、立て付けの悪い障子を開ける音で目を覚ます程眠りが浅い。32歳。身長五尺四寸二分。体重十四貫二斤。趣味は「睡眠」。
限定奥義:斬刀狩り
『斬刀・鈍』を血で濡らし、鞘との摩擦係数を減らして光速を超える居合いを繰り出す。本来は敵の血を際限無く補給できる戦場で使うものだが、銀閣は自分を斬って発動させた。
敦賀迷彩(つるが めいさい)
出雲国三途神社の長。
帯刀せずに相手の刀を利用して攻撃を仕掛ける奪刀術千刀流の使い手。出雲を守護していた護神三連隊の、二番隊隊長で千刀流を教えていた剣道場の道場主の一人娘だった。大乱で戦災孤児となり、『千刀・釼』が頭目に受け継がれている山賊衆に参入したが、三途神社を襲って先代の敦賀迷彩を殺した事がきっかけで山賊を抜け、敦賀迷彩の名と立場を継いだ。本名不明。年齢不詳。身長五尺八寸。体重十三貫一斤。趣味は「飲酒」。
限定奥義:地形効果・千刀巡り
『千刀・釼』をあらゆる場所にしかけ、そこに敵を誘い込む。敵を精神的に追い詰めることも可能。
黒巫女(くろみこ)
三途神社境内で姿を見かける、揃いの黒装束と仮面を身につけた巫女。かなりの数がいる。その正体は、男からの暴力などで心に傷を負い、敦賀迷彩に保護されている女性たち。迷彩は彼女達に『千刀・鎩』を一本ずつ所持させ、あえて「刀の毒」にあてることで心の傷をにぶらせ、治療していた。
錆白兵(さび はくへい)
堕剣士。周防の巌流島で七花と決闘する。
真庭忍軍に裏切られた後、とがめに依頼されて「刀集め」にでた“日本最強の剣士”。最初に入手した『薄刀・針』に魅入られて裏切った。「拙者にときめいてもらうでござる!」が口癖。女と見まごうような総髪の美少年。空に浮かぶ太陽ですら真っ二つにできるという触れ込みを持ち、その名に恥じぬ強力で多彩な剣技を持っていた。果たし状を渡すなど、古風な男でもある。20歳。身長五尺三寸。体重十一貫五斤。趣味は「剣法」。
限定奥義:薄刀開眼
直接描写されず詳細不明。七花は「ただ脆いだけかと思っていた薄刀にあんな利点があるとは思わなかった」と語っている。
校倉必(あぜくら かなら)
薩摩の濁音港を一手に仕切る、鎧海賊団の船長。
九州男児を自称しているが、実際は琉球国で生まれ育った。この頃はただ「かなら」とだけ呼ばれており、苗字帯刀を許されているわけでなく「校倉」の名字は自分で考えたもの。妹の「こころ」と共に父の漁船に忍び込んだ際に遠海で鎧海賊団の襲撃を受け、ただ一人生き残った。その後は当時の鎧海賊団の雑用係にされていたが、『賊刀・鎧』の所有者となって彼らを殲滅し、自らが新たな頭目になる。このときから生涯『賊刀・鎧』を人前で脱がない事を誓った。技はフォントの名称に由来する(後如→ゴシック、回所帯→楷書体、眠調→明朝など)。38歳。身長七尺五寸。体重三十九貫三斤。趣味は「釣り」。
限定奥義:刀賊鴎
見た目は他の技と変わらない、全重量を乗せた猛スピードの体当たり。
凍空こなゆき(いてぞら こなゆき)
蝦夷の壱級災害指定地域、踊山に住む凍空一族の、最後の生き残り。
凍空一族特有の怪力で、この世で最も重い刀『双刀・鎚』を持ち運びできる現在唯一の人物。一人で散歩に出ている間に、村が鑢七実の襲撃で全滅したが、七花ととがめには「雪崩で全滅した」と偽った。それ以来、洞窟に住処を変えて兎などを狩りながら、一ヶ月暮らしてきた。その寂しさから、山を訪れた七花ととがめに「所有者としての『資格』がなければ刀は渡せない」と嘘をついて足止めしたが、根は善良な11歳の少女。身長四尺二寸。体重八貫三斤。趣味は「散歩」。
限定奥義:双刀之犬
『双刀・鎚』を振るって敵に飛び掛り、寸前で持ち手を変えて剣の反対側をぶつける打突攻撃。どちらが上か分かりにくい双刀・鎚の構造を利用した技。実際に放ったのはこなゆきの身体を乗っ取った真庭狂犬。
鑢七実(やすり ななみ)
『悪刀・鐚』の所有者。虚刀流関係者(前述)を参照。剣士の聖地、土佐の清涼院護剣寺で七花と相対する。
限定奥義:悪刀七実
『悪刀・鐚』を胸に刺し、病弱な身体を活性化させた状態。七実は「弱点も隙もない」と評した。
日和号(びよりごう)
四季崎記紀が生前もっとも愛した女性を模した、からくり人形。
江戸の壱級災害指定地域、不要湖を数百年にわたって徘徊し、射程距離に入った人間を無差別に攻撃する。このため不要湖にはうかつに人間が近づけず、壱級災害指定地域に指定されている。不要湖に捨てられたがらくたの化身などと言われ、がらくた王女とも呼ばれている。とがめと否定姫は、不要湖のどこかにある四季崎記紀の工房を守り続けているとの推測を立てていた。
四本の腕と四本の脚を持ち、首が百八十度回転し、口にあたる部位からは槍を突き出す。動力源は太陽光。人形でありながら『微刀・釵』でもある。年齢不詳。身長六尺八寸。体重十七貫三斤。趣味は「無趣味」。
限定奥義:微風刀風
逆立ちの状態になって4本の足を高速回転させ、手のばねで一気に飛び上がり、そのまま落下して敵を切り刻む。
汽口慚愧(きぐち ざんき)
棋士の聖地、出羽の将棋村に道場を構える心王一鞘流の現当主。十二代目。直毛の長い黒髪の女性。
『王刀・鋸』の性質ゆえに変体刀の毒気に当てられず、門下生のいない道場を守る、これまでの変体刀の所持者とは違う“真人間”。奇策師とがめに、剣ではなく将棋を取れば間違いなくとがめ以上の腕前になったであろうと評された、文武両道の人物。24歳。身長五尺八分三寸。体重十二貫。趣味は「素振り」。
限定奥義:王刀楽土
汽口の祖父が王刀を持った瞬間に感じた状態をこう呼んでいた。
彼我木輪廻(ひがき りんね)
『誠刀・銓』の所有者。奥州は陸奥の百刑場に住む仙人。
逢った相手の苦手意識の形を取っているため、人によって見た目が変化する。七花ととがめが接触した際は、女性の刀所有者だった慚愧、七実、こなゆき、迷彩を混ぜ合わせた姿に、とがめの父親、飛弾鷹比等に似た言動の持ち主に見えていた。二人に覚悟について教えた。四季崎記紀の顔見知りでもある。自称300歳で、人間だった頃も含めると350歳ほどという。身長、推定で四尺二寸。体重八貫三斤(どちらも推測とされており、こなゆきと同じ数値)。趣味は「草笛」。
限定奥義:誠刀防衛
『誠刀・銓』の特性になぞらえた技。実際は逃げるだけ。
真庭鳳凰(まにわ ほうおう)
『毒刀・鍍』の所有者。真庭忍軍(前述)を参照。伊賀の山間部に新設された、新・真庭の里で七花を待ち受ける。
限定奥義:猛毒刀与
四季崎記紀に乗っ取られた鳳凰自身が自分の状態をこう称した。
左右田右衛門左衛門(そうだ えもんざえもん)
『炎刀・銃』の所有者(否定姫と共同所有)。尾張幕府(前述)を参照。
限定奥義:断罪炎刀
『不忍法不生不殺』を『炎刀・銃』の特性に乗せて放った技。

[編集] 対戦場所

丹波 不承島
鑢一家が暮らしていた離島。
因幡 下酷城
因幡砂漠の蜃気楼で守られている。宇練銀閣しか住んでおらず、手入れされていない荒城。銀閣のいる部屋は狭く、正面から一人しか入れず、立て付けが悪い障子の音で寝ていても侵入者に気付くなど、銀閣と『斬刀・鈍』の特性に有利な構造になっていた。
出雲 三途神社
特殊な事情で心に傷を負った女性達を保護している神社。千刀流、『千刀・鎩』との組み合わせで『地形効果・千刀巡り』を発動できる。
周防 巌流島
長刀と二刀の決闘が行われた場所として有名なことから、古風な錆白兵が決闘場に選んだ。
薩摩 濁音港
鎧海賊団の拠点。鎧海賊団船長の校倉必が仕切っているため、様々な情報が必のもとに集まる。「大盆(おおぼん)」と呼ばれる賭博闘技場があり、必は一番人気の闘士でもあるため、挑戦するには、配下達に勝ち実力を示さなければならない。
蝦夷 踊山
壱級災害指定地域であり、吹雪が吹き荒れる。ここで生まれ育った凍空一族以外は、七実のような鍛えられた肉体を持つものでさえ、いるだけで容赦なく体力を削られていく。
土佐 清涼院護剣寺
巌流島に並ぶ、剣士の聖地のひとつ。旧将軍の刀狩令によって蒐集された十万本の刀を鋳潰して建立された、「刀大仏」と呼ばれる巨大な大仏を本尊としている。修行の一環として「護剣寺流剣法」と呼ばれる剣術を教えているため、二百人近い僧侶のほとんどは屈強な剣術使いでもある。女人禁制だった。
江戸 不要湖
数百年間に渡って廃棄され続けたがらくたにより、埋め立てられてしまった湖。現在はがらくたの平原になっており、木屑や鉄屑が散乱しているため、普通に歩くだけでも危険な場所になっている。様々な素材が揃うため、かつて四季崎記紀が工房を構え、千本ある変体刀のほとんどは、この地で製作されたと伝えられている。その変体刀の一本であり工房の番人でもある日和号の危険性のため、幕府によって壱級災害指定地域に指定されている。
出羽 将棋村
棋士の聖地。心王一鞘流の道場が構えられている。道場では真剣禁止、防具着用、場外などのルールがある。
陸奥 百刑場
飛弾鷹比等が討伐された場所。もともとは飛弾鷹比等の城があった。
伊賀 新・真庭の里
山間部に新設された真庭の里。
尾張 尾張城
尾張幕府の本拠地。多くの衛兵がいる。とがめの住居「奇策屋敷」、否定姫の住居「否定屋敷」がある。

[編集] 虚刀流(きょとうりゅう)

剣を全く使わない一族相伝の剣術。刀を使わない剣術と言われているが、実際のところは、開祖の鑢一根が刀を扱う才能に全く恵まれず、子孫も同様だっために無刀となったもの。主に打撃を用いる拳法だが、七花は「剣法」と言っている。

[編集] 虚刀流剣術一式

虚刀流には七つの構えがあり、それぞれに奥義が一つずつある。奥義は四文字で、技は草花の名から取られている。

『鏡花水月(きょうかすいげつ)』
虚刀流一の奥義。一の構え『鈴蘭』から繰り出される。強烈な拳底。七花が使う虚刀流の技では最速を誇る。
『花鳥風月(かちょうふうげつ)』
虚刀流二の奥義。二の構え『水仙』から繰り出される。半身で前後に貫手を配す構えからの奥義。
『百花繚乱(ひゃっかりょうらん)』
虚刀流三の奥義。三の構え『躑躅』から繰り出される。両手が刀で塞がれていても発動できる奥義。
『柳緑花紅(りゅうりょくかこう)』
虚刀流四の奥義。四の構え『朝顔』から繰り出される。身体を捻り拳を相手に突き出す技。筋肉や防具など、間に挟んだ物には損傷を与えず、好きな位置だけに衝撃を伝えることができる。
『飛花落葉(ひからくよう)』
虚刀流五の奥義。五の構え『夜顔』から繰り出される。『柳緑花紅』の逆で、相手の表面に衝撃を伝える鎧崩しの技。奥義の中で唯一手加減が出来る。
『錦上添花(きんじょうてんか)』
虚刀流六の奥義。六の構え『鬼灯』から繰り出される。左右方向自在の足の運びからの奥義。
『落花狼藉(らっかろうぜき)』
虚刀流七の奥義。七の構え『杜若』から繰り出される。前後方向自在の足の運びから、足を斧刀に見立てた踵落とし。
『七花八裂(しちかはちれつ)』
虚刀流最終奥義だが、実際には七花が思いつきで開発した技。相手に虚刀流の7つの奥義を同時に叩き込む。弱点は『柳緑花紅』を放つ時の溜め動作によるタイムラグだが、その分即応性がある。七人の相手を同時に相手にできる。
『七花八裂(改)』
鑢七実に『七花八裂』を破られ、改良を加えた技。改良前は適当な順番で繰り出していた7つの奥義を威力と隙の無さにおいて最も優れた順番(『柳緑花紅』→『鏡花水月』→『飛花落葉』→『落花狼藉』→『百花繚乱』→『錦上添花』→『花鳥風月』)で繰り出す。

[編集] 完成形変体刀十二本

四季崎記紀が作った日本刀の中でももっとも完成度の高いと言われている刀で、それぞれ何らかの特殊な機能を持っている。一般的な刀の形をしてないものもあるが、とがめは“日本で作られたから日本刀だろう”としている。完成形変体刀十二本は一本で国がひとつ買える価値がある。実際には、この十二本も完了形変体刀虚刀『鑢』を作り出すための習作でしかなかった。
「斬れない物はない」とされる『鈍』と、「絶対に壊れない」とされる『鉋』のように矛盾した特性も存在しているが、このような場合、完成度に優れる後期に製作された側の特性が優先するだろうととがめは推測している。
四季崎の家系は代々占術師であり、四季崎記紀はこれらの刀を、予知した未来の技術で作成していた。特殊な機能も「物理学」と「心理学」に則っただけの、ただの日本刀とされている。完成形以外の988本は通常形変体刀と言われていた。
絶刀『鉋』(ゼットウ・カンナ)
所有者・真庭蝙蝠。『頑丈さ』に主眼が置かれている。
切刃造の直刀。刀身は五尺ほど。鍔や鞘がなく、綾杉肌に二筋桶が彫られている。決して折れず、曲がらないため、所有者である真庭蝙蝠は永久機関のような刀と評していた。斬るよりも突く方に向いている。前所有者は美濃涙磊落(なみだ らいらく)
斬刀『鈍』(ザントウ・ナマクラ)
所有者・宇練銀閣。『切れ味』に主眼が置かれている。
柄や鍔、鞘が真っ黒な刀。あらゆる物を抵抗なく一刀両断できる。宇練家に代々受け継がれており、宇練銀閣の十代前の先祖、宇練金閣(うねり きんかく)はこの刀で一万人切りを成したと言われている。所有者である宇練の居合い抜きの速さゆえ、初登場時には刀身が見えず、『鉋』や『鎩』のような、比較的まともな刀剣型の変体刀の中では唯一、造りや刃紋に関する言及が無かった。後に刀身を見た七花は、「なんか普通」と述べている。四季崎記紀の思念は、物体の分子構造を破壊する性質を持ち、このおかげで「なんでも斬れる」という特性を発揮していると語った。
千刀『釼』(セントウ・ツルギ)
所有者・敦賀迷彩。『多さ』に主眼が置かれている。
千本で一本と言われていて、千本の刀すべてが材質、重量、切れ味とも同じに作られている点を除けば、完成系変体刀で唯一、普通の刀。刃渡り二尺四寸、三ツ棟、刃文は小乱の鎬造。
薄刀『針』(ハクトウ・ハリ)
所有者・錆白兵。『薄さ』と『軽さ』に主眼が置かれているが、劇中では『脆弱さ』がその特徴とされる事もある。
向こう側が透けて見え、刀身自体も目をこらさないと見えないほどに薄く、それ故に美しい。十二本の中で最も扱いにくく、壊れやすいとされており、剣筋をずらさずに完全な軌跡を描いて攻撃しなければ攻撃すら出来ない。また、当たったときに相手が身体の筋をずらしても壊れてしまうため、使い手にはこれを壊さず扱う高い技術が求められる。双刀『鎚』の対とされている。前所有者は越後傷木浅慮(きずき せんりょ)
賊刀『鎧』(ゾクトウ・ヨロイ)
所有者・校倉必。『防御力』に主眼が置かれている。
見た目は七尺ほどの西洋甲冑。部品の継ぎ目が刃になっており、日本刀を鍛えるように作られた鎧とも言われた。受けた衝撃を外に逃がす機能を持っており、装甲を透過して内部に損傷を与える鎧通し(劇中における柳緑花紅)のような技も防ぐことができる。また、一度身につけると内部からしか開けられないため、強引に脱がせることも不可能。その機能から圧倒的な防御性能を持つが、空中で攻撃を受けると、鎧が何処にも接していない為に衝撃の逃げ場が無くなり、逆に鎧の中で爆発してしまう。また、内部からしか開けられない機能が仇となり、何らかの原因で所有者が着用したまま死亡するとそのまま使用不能になってしまう。その大きさから、着こなすことが出来たのは歴代継承者の中でも2、3人ほどしか居ないであろうと言われている。
双刀『鎚』(ソウトウ・カナヅチ)
所有者・凍空こなゆき。『重さ』に主眼が置かれている。
刃渡り二尺三寸ほど、鞘も鍔も刃文もなく、上下の区別もあいまいな石刀。そのためにどちらでもない自在という意味で『双』の字が当てられている。軽く投げて重力に任せただけで、硬い地面にめり込むほど重い。薄刀『針』の対とされている。凍空一族は主に狩りに使用していた。
悪刀『鐚』(アクトウ・ビタ)
所有者・鑢七実。『活性力』に主眼が置かれている。
完成形十二本の中で最も凶悪な一振りとされる。忍者の道具である苦無の形をしており、常に雷を帯び、電極のように身体に差し込むことによって、所有者の疲弊も死も許さず人体を無理矢理に生かし続ける凶悪な刀。かつては陸奥の壱級災害指定地域、死霊山の祠に祀られ、死霊山神衛隊によって守護されていた。
微刀『釵』(ビトウ・カンザシ)
所有者・日和号。『人間らしさ』に主眼が置かれている。
刀の所持者(前述)を参照。「微刀」は「美刀」とかけている。自らの愛した女性を象っていることから、四季崎記紀の人間らしさが唯一かいま見える刀とされる。
王刀『鋸』(オウトウ・ノコギリ)
所有者・汽口斬愧。『毒気のなさ』に主眼が置かれている。
柄を入れても三尺にも満たない木刀。毒気の無さを超えて所有者の毒気を抜く作用にまで達しており、心を正して精神的王道を歩ませる。よく手入れされており、古い時代を感じながらもつい今さっき作られたような真新しさも感じさせる、矛盾した印象がある。毒刀『鍍』の対とされている。
誠刀『銓』(セイトウ・ハカリ)
所有者・彼我木輪廻。『誠実さ』に主眼が置かれている。
刃なき刀であり刀の柄と鍔だけしかない。秤は天秤を意味し、己自身を測る刀。相手を斬る刀ではなく、自分を切る刀、自分を試す刀。自分を知る刀であり、無刀とも表現された。戦国時代、輪廻は『銓』の力を使いあちこちの戦いを封印していた。
輪廻は記紀から刀を貰った後、刀を地中に埋めていた。刀が埋まっていた場所に飛弾城がたち、飛弾鷹比等はそれにより、歴史の歪みに気付いたととがめは推測を立てている。
刀身のない刀のため、実戦で使用するなら相手に投げつけるぐらいしか使い道がない。
毒刀『鍍』(ドクトウ・メッキ)
所有者・真庭鳳凰。『毒気の強さ』に主眼が置かれている。
禍々しい色の鞘に収められた、大きく反った鍔のない黒刀。王刀『鋸』の対とされている。富士の樹海から鳳凰が回収した。
持つと人を斬りたくなるという変体刀の「刀の毒」が、もっとも深く刻み込まれている。真庭鳳凰は川獺の左手の『忍法記録巡り』を通じてその毒気を受けたため、四季崎記紀の魂に乗っ取られてしまったが、持った人間が必ずしもそうなるとは限らない。
炎刀『銃』(エントウ・ジュウ)
所有者・左右田右衛門左衛門。『連射性と速射性と精密性』に主眼が置かれている。
回転式連発拳銃と自動式連発拳銃からなる一対の『刀』。連射性と速射性に加え高い命中精度を持っている。遠距離から攻撃出来るために半端な間合いは意味をなさない。かつては信濃にあった。回転式は装弾数六発、自動式は装弾数十一発。

[編集] 完了形変体刀

虚刀『鑢』(キョトウ・ヤスリ)
所有者・とがめ。完成形変体刀十二本を含む四季崎記紀の千本の変体刀を習作とした完了形変体刀。虚刀流七代目当主によって完了された。

[編集] テレビアニメ

2010年1月から「大河アニメ」と称して毎月1話放送予定。

[編集] スタッフ

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