地上デジタルテレビジョン放送

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地上デジタルテレビジョン放送(ちじょうデジタルテレビジョンほうそう)は、地上(陸上)のデジタル方式の無線局により行われるテレビジョン放送のことである。

地上波デジタルテレビ放送日本における名称で、地デジ地デジ放送と略される事もある。

地上デジタルテレビ放送の画像イメージ(2004年11月 NHK大阪放送局施設見学会で)
地上デジタルテレビ放送の画像イメージ(2004年11月 NHK大阪放送局施設見学会で)
中京広域圏のデジタル放送を送信する瀬戸デジタルタワー
中京広域圏のデジタル放送を送信する
瀬戸デジタルタワー
2008年7月24日からNHKで実施する地上波アナログ放送終了告知ウォーターマーク(透かし)(イメージ)
2008年7月24日からNHKで実施する地上波アナログ放送終了告知ウォーターマーク(透かし)(イメージ)
2009年7月から始まり、2011年1月から完全実施する地上波アナログ放送レターボックス放送※ウォーターマーク(透かし)はNHKのみ(イメージ)注意:地上波アナログテレビ放送の終了日は2008年5月7日現在、2011年7月24日までに停波予定。※画像の期日は架空のものです。
2009年7月から始まり、2011年1月から完全実施する地上波アナログ放送レターボックス放送※ウォーターマーク(透かし)はNHKのみ(イメージ)
注意:地上波アナログテレビ放送の終了日は2008年5月7日現在、2011年7月24日までに停波予定。※画像の期日は架空のものです。

目次

[編集] 概説(日本)

1953年に放送が開始されたアナログ方式のテレビジョン放送(VHF1~12ch・UHF13~62ch)を、「電波の有効利用」を主目的にUHFチャンネル(13~52ch、53~62chは2012年まで暫定使用)のみを使用したデジタル方式に置き換えるものである。

2003年12月1日11時より東京名古屋および大阪の3大都市圏のNHK3局、民放16社から放送が開始され、2006年12月1日には全ての県庁所在地を含む一部の地域で放送が開始された。放送体制の未整備などにより、受信が不可能な地域も多く存在していることから、2011年までに全ての地域で受信可能にすることを目標に各地の送信所・中継局の整備が進められ、また整備が追いつかない一部地域では衛星による送信やIP放送といった代替手段を利用することも検討されている。

国の政策により、現在放送されている地上アナログテレビジョン放送は2011年7月24日までに放送を終了し、停波することになっている。つまり、アナログ放送のみに対応している従来型テレビ受像機は、新たにチューナーを導入しなければ一切のテレビ放送が(BSアナログ放送も同年までに放送終了なので)視聴出来なくなりビデオモニターと化す。

終了時期については、普及状況などによっては変更される可能性もある[1]が、総務省は、2008年3月に、「概ね2010年末までに従来のアナログ放送と同等のエリアを確保すること」との具体的指針を、官報で告示し、関係する基本計画を変更した[2]

停波予定とされている「2011年7月24日まで」の根拠は、電波法[3]が2001年7月25日に改正施行された際に、地上アナログ放送の周波数を使用できる期間を“施行から10年を超えない期間”と定めた事による。

これに伴い、空きとなるVHF1~12chとUHF53~62chの周波数帯は、地上デジタルラジオ放送高度道路交通システム(ITS) 、携帯電話、携帯電話向けの放送、業務用通信、公共機関向け通信などに使用する予定である。ただし、地上デジタルラジオ放送については、放送統合運営会社(マルチプレックスジャパン)設立を参加予定の民放側から「白紙にする」と示されたことから、本放送開始時期は確定していない。

[編集] 特徴など(日本国内)

従来の地上アナログテレビ(左)と地デジ(右)の比較
従来の地上アナログテレビ(左)と地デジ(右)の比較

地上デジタルテレビジョン放送と地上アナログテレビジョン放送の違いや、追加された機能は以下の通り。一部の特徴は、規格上はBSデジタル放送と同等である。

[編集] 高精細

MPEG-2 TS圧縮による 1125i/1080i のデジタル・ハイビジョン放送が行われている。解像度は1440×1080i、最大16.8Mbps(データ放送・音声を含む)のビットレートでほぼリアルタイム圧縮されているため、データ放送・音声を含めて最大約24Mbpsとなっている。1920×1080iでの放送も多いBSデジタル放送は最大1125p/1080p、映像のみで最大30~40Mbpsとなっている。しかしながら、MPEG-2より高圧縮なコーデックH.264も使用されることが多い次世代DVDと比べた場合、画質は劣る。なお、ハイビジョンで制作されていない番組はアップ・コンバートによりピラーボックス形式で放送されている。

[編集] 高音質・多機能音声

デジタル放送のため、十分な利得の余裕をもって受信出来れば、電波障害による音質劣化がほとんど生じない。またキー局などからのネット番組でも光ファイバーのデジタル中継回線を使用して送られているため音質劣化がほとんどない。音声はMPEG-2 AACで圧縮されている。稀に「CD並みの高音質」と呼ばれることがあるが、CD並の非圧縮PCM音声を採用している訳ではない為、これは誤りである。アナログ放送ではモノラルでの二か国語放送かステレオの一方でしか放送が不可能だったが、ステレオによる二か国語放送や5.1chマルチ・チャンネルでの放送も可能になった。

[編集] 電子番組表、番組情報

電子番組ガイド(EPG)により受信機で番組表や番組情報を利用できる。地上アナログ放送用にDVDレコーダーなどで利用されているGガイドADAMSによる番組表よりも更新頻度が多く、留守録の時も録画機器が対応していれば番組放送時間の延長やズレにも正しく追随が可能となっている。

[編集] データ放送

テレビ番組と同時にデータ放送の閲覧が可能である。BMLという規格を用いて制作されている。基本的にはニュースや天気予報が表示でき、受信機で設定した地域情報に合った情報が配信される。また一部では番組の解説や紹介された店舗などの情報を連動データ放送として番組放送中に提供している。Category:データ放送連動番組も参照。局によっては受信機をインターネットに接続して受けるサービスもある。

データ放送のフォーマットは地上デジタル放送・ワンセグともにキー局が製作し、各地方局でローカル情報を追加するのが基本である。独立局では各局が個別にフォーマットから制作している。ただし日本テレビ系列での日本テレビと系列地方局の様に、同じ系列でもフォーマットが違う場合がある。

また、データ放送を利用してテレビやDVDレコーダーなどの機能を向上したり不具合を修正するファームウェアを配信することが可能である。電波が受信できる状態であれば視聴者は特に意識することなくファームウェアが最新の状態に更新される。

[編集] 双方向サービス

青・赤・緑・黄の4色ボタンを利用して視聴者参加型クイズやアンケート、投票を行う事ができる(ワンセグも含む)。ただし双方向と言っても受信機から局に向けて電波を飛ばすことはできないのでインターネットか電話回線を接続する必要がある。

しかし、多大なコストが掛かる事や、2011年7月24日までに予定されている地上アナログ放送の停波実施までの期間は地上アナログ放送とサイマル放送をする都合上、通常編成で導入している番組はワンセグ以外では日本テレビ系の『太田光の私が総理大臣になったら…秘書田中。』しかない。以前放送されていた番組では、テレビ朝日系の『奇跡の扉 TVのチカラ』が双方向機能を利用して捜査依頼や目撃情報を受け付けていた。現在でも特別番組で採用する事がある(NHKの『紅白歌合戦』『歴史の選択』、TBS系の『オールスター感謝祭』、テレビ朝日系の『テスト・ザ・ネイション』など)。

[編集] マルチ編成

SDTV(標準画質)×最大3番組の編成が可能。1チャンネル当たりの帯域幅には制限があるので、高精細度テレビジョン放送とマルチ編成はどちらか一方のみ。「ハイビジョン画質でマルチ編成」はできない。

特別番組や臨時編成では他の放送局(NHK総合・民放共)も行う場合がある。毎日放送は地デジ本放送開始当初、通販番組板東英二の欲バリ広場』で、NHK静岡放送局のデジタル総合テレビは2006年4月2日から2007年3月9日まで、『ゆうどきネットワーク』と『ゆうどきネットワーク東海・北陸』で、また、テレビ愛知では2007年3月まで、深夜の音楽番組『a-ha-N varie』『a-ha-N suprême』においてそれぞれマルチ編成を行っていた。民間放送でのマルチ編成が少ないのは、編成上ハイビジョン画質CMの放送が困難になることも一因である。

同じ番組内で視聴者が3種類のアングルの映像から好きなものを選択できる「マルチビュー」放送も視聴可能。2007年11月までNHKデジタル教育テレビ(全国)、TOKYO MX放送大学のみだったが、総務省のデジタル放送規制緩和に伴い2007年12月より全国でマルチ編成を開始。

[編集] 移動体向け地上デジタル・テレビジョン放送

ワンセグの項を参照。

[編集] ゴーストのない映像およびノイズ

アナログ波より電波妨害全般に強く、アナログ放送で電界強度が十分でありながら画質が劣化してしまう条件であっても、デジタル放送では障害物の影響を排除してゴーストのない鮮明な画像が受信できる。ある程度の受信レベルさえ確保できれば難視聴地域の減少も可能となり、中継局の合理化にもつながる。従来のアナログ放送の場合、電波が微弱であってでも不鮮明な映像や音声で限定的に受信する事ができたが、デジタル放送の場合は全く受信できないか、鮮明に受信できるかのどちらかになる場合が多い(中間状態においてはベリノイズやコマ飛びなどを伴う場合がある)。しかし、ブロックノイズモスキートノイズなどのデジタル非可逆圧縮映像特有のノイズが存在する。また、BSデジタル放送よりも実効ビットレートが低いためにこれらがより多い。

[編集] リモコンキー番号とチャンネル番号

日本の地上デジタルテレビジョン放送では放送波の中にSI情報を含めて送信しており、郵便番号などで地域設定をした受信機でその情報を受ける事で、受信した放送をリモコン上の特定の番号に割り当てる事ができる。この番号は、その放送が受信可能とされる対象エリア内で放送局毎に1~12のいずれかがリモコンキーIDとして割り当てられている。割り当ての設定自体はほとんど自動で行なわれ、一般的に地上アナログ放送の場合より容易である。リモコンキーIDとは別に 000-999 の3桁のチャンネル番号もあり(但し010番台~120番台の上2桁はリモコンキーIDの1~12と連動させた扱いになっている)、この点は地上アナログ放送より複雑である。(物理チャンネルなど、ISDB-Tも参照のこと)

[編集] 同一周波数中継(SFN)

親局・中継局が同じ周波数で放送が可能である。これにより電波の利用効率を大幅に高める事ができる。特に近畿地方で多く見られる。

[編集] 遅延問題

地上波デジタルTV放送では、従来の地上波アナログTV放送ではなかった信号処理による映像・音声の遅れが発生する。つまり、放送局側で放送番組の映像音声情報をデジタルTV放送形式の信号に変換するエンコード処理と、各家庭等のデジタルTVチューナーで受信した電波をTVで表示できるようにするデコード処理を行なう必要があり、実際の生放送でのタイミングより1-3秒(札幌地区以外の北海道地方では4秒)程度のタイムラグ(時間のずれ、遅れ、time lag)が発生する。受信時のデコード処理による遅れはチューナーの処理能力に依存する。このため時報が廃止され、時刻出しでは時刻表示の変化の仕方を変えるなどして、タイムラグによる影響を最小限に留めている。特にワンセグ放送はH.264の演算量が多いことに加え、携帯機器での使用が多くデコーダーの性能を確保しにくいことから、タイムラグがさらに長く発生する。地上波とBSの同時放送では地域にもよるが、BSデジタル放送よりもさらに若干タイムラグが発生する。

使用機器でタイムラグがあるが、機器であるデジタルチューナーや携帯がどのように性能を伸ばしても基本的にはタイムラグが0地上波アナログと同等になることはない。圧縮方式の問題もあり、根深い問題である。

[編集] 時刻情報

各放送局は "TOT"(Time Offset Table)と呼ばれる時刻情報を、映像や音声とは別のエンコード方法で、自局の映像信号に圧縮無しに多重送出することを義務づけられている。これを使って、地上デジタル受信機は特に遅延のない電波時計を内蔵しているかのように動作し、電子番組表のデータと連動して視聴予約・録画予約機能、番組名表示機能にいかされる。

[編集] サイマル放送

地上デジタルテレビジョン放送局の免許は「地上デジタルテレビジョン放送局の免許方針」に沿って割り当てられる。同方針に規定する免許の基本的要件として「自ら行う地上アナログテレビジョン放送の大部分の放送番組を含めて放送するものであること」である事が求められ、具体的には「自ら行うアナログテレビジョン放送(補完放送を除く)と同一の放送番組の放送(略)については、1日の放送時間中、3分の2以上の時間で放送が実施されるもの」でなければならないとしている。これをサイマル放送と言う。

[編集] B-CASによる機器認証

日本では2007年現在、主にコピー制御の基準に対する機器認証システムとしてB-CASを利用している。様々な基準を満たした地上デジタル放送対応の各種機器には、“B-CASカード”というICカードが同梱され、使用開始の際にこれを機器に挿入する。これは容易に取外しが可能で、同梱されていた機器以外でも使用することができ、機器認証としてはセキュリティ強度の弱いシステムであり、フリーオのような機器によって破られた。これは元々B-CASカードが限定受信システム(CAS)として開発され、それを機器認証システムに流用したためである。このシステム上で放送されているコンテンツ(番組など)は暗号化された状態で視聴機器に届いているので、地上デジタル放送では災害情報番組など一部を除き対応機器にB-CASカードを挿入する事が必須になり、挿入しないと視聴などが不可能になった。

一部報道によると[4]2008年秋頃をメドにB-CASカードが担っている機器認証機能をテレビ本体(のファームウェア)に組み込み、視聴するだけならB-CASカード(および抵抗感の根強いユーザー登録制度)を不要にする予定である。これにより、放送局が負担している[5]ICカード発行配布などに関わるコストを低減し、移動体向け地上デジタル放送受信機の開発も容易になると思われる。また、取外しが困難になるので機器認証としてのセキュリティ強度も向上する。2007年8月31日インテルはハードによらないソフトCAS方式の導入を目指す事を表明した[6]

地上デジタル放送ではB-CASのユーザー登録をしなくてもBSデジタル放送の様にNHK視聴中のテレビ画面左下には「ユーザー登録のお知らせ」は表示されない[7]

[編集] コピー制御

日本のデジタル放送では2007年現在一部の番組を除き、著作権に配慮した業界内(放送・機器製造メーカーなど)で合意された自主規制ルールに基いたコピー制御信号が付加されており、視聴者が放送番組を機器で録画する際には幾つかの制限を受ける。放送開始当初は暗号化およびコピー制御は行われていなかったが、2004年4月5日に運用が開始され、ほとんどの番組は「コピーワンス(1回だけ録画可能)」となった。

前述のコピー制御の仕組みには著作権保護技術(詳細はコピーガードの記事を参照)としてCGMS が使用されている。これにより、デジタル放送の番組をデジタル信号のままで録画・複製(視聴者が番組を録画することは、放送番組の1度目の複製という解釈になる。)や移動を行う場合に対して許可や禁止の制御を行っている。CGMS の録画・複製についての具体的な制御の種類は、「コピーフリー(録画自由)」、「コピーワンス」、「ネバーコピー(録画禁止)」があるが、「ネバーコピー」については2007年現在、採用されている番組の例は確認されていない(例外として、TOKYO MXのOP・EDがネバーコピー形式で放送されている。ジャンクションとしての放送ではコピーワンスとなっている)。また、コピーワンス制御信号が含まれた番組は、CPRM技術に対応したデジタル録画器や記録メディアで記録・保存(録画)・移動が可能になっており、CPRMに非対応のデジタル録画機器では、録画・複製・移動が全て不可能か全て可能になる。

デジタル放送の録画にアナログ信号による録画機器を使用(受信機・受信回路からアナログ信号として出力[8])した場合、放送信号に含まれるコピー制御信号はCGMS-A信号として出力されるが、アナログ録画器機側の動作上ではコピーワンス信号による制限は受けない。ただし、CGMS-A信号を無効化してしまう一部の特殊な機器・機種を除き、通常はCGMSの制御情報は有効になったまま伝送・記録される。従って、一旦アナログ録画をした番組を再度デジタル録画機器に取り込んで録画した場合、最初からデジタル録画した場合と同様に、CGMSの制御による番組の複製・録画や移動に対しの制限を受ける。

利用者負担で膨大な費用をかけて構築した割には、コピー制御の実効性は皆無であるといえる。現状でもコピー制御が無いワンセグに比べ、コンピュータなど様々な機器において地上デジタルテレビを見られるようにするには、実効性の疑われるコピー制御の担保をいちいちしなければならず、相当の費用負担を製品本体や記録メディアにかけなければならない。

一方、強力に利用者に負担のかかるコピー制御を採用した割には、合法だといわれるフリーオなどの機器によりあっさりその存在が無効になり、世間に対して相当な費用負担をかけた割に使い物にならないという無効さを示した。

現状では、どんどんコピーはされてしまっており全く役には立ってない(コピーをアップロードしたとしてファイル共有ソフトで逮捕者が何人か出ている事でその存在は公式に確認できる)。一方、一般的利用者が不便を強いられて、フリーオ等の機器でコピー制御を回避できた物だけが利便性を享受できるという構図になってしまっている。

録画機器側でのコピー制御の仕組みの詳細については、DVDレコーダーなどの当該録画機器の関連記述やコピーガードの記事なども参照。

[編集] ダビング10

詳しくは「ダビング10」の記事を参照。

このコピー制限については、アナログ放送と同様の利便性をデジタル放送にも求めるユーザーからの不満の声が強かったが(また参考としてB-CASの関連章なども参照)、1回しか録画できない「コピーワンス」をコピー9回さらにムーブ1回の合計10回まで可能とする回数緩和策を2007年7月に総務省が要請し、これを受けて電子情報技術産業協会2007年12月20日に「ダビング10」に基づく放送の運用開始を2008年6月2日午前4時と発表した。消費者団体や家電メーカは緩和を、一方、著作権団体や放送局は3回程度までの制御規制を求めていた。この9回+1回という制限条件は、家族3人が3通りの機器(DVDレコーダ、携帯電話、音楽プレーヤー等)にダビングやコピーを行う利用条件を必要十分に満たす程度のものとして考案されたもの。ただし、この規制緩和採用後も海賊版や不正コピーが増えた場合は、更に制御のルールを見直すとしている。また、衛星放送の有料デジタル放送については著作権に配慮し、既存のコピーワンスが引き続き継続される。しかし、孫コピーは従来通り不可能(ただし、コンポジット端子S端子など、アナログ接続を介する場合は、孫コピーが作成できる可能性もある。詳しくは「ダビング10」の項目を参照。)なままであり、たとえばHDDレコーダーから記録型DVDなどにコピーした段階でレコーダーが破損、DVDのみにしか映像が残されていない状態になると、そのDVDからのコピーはできず、DVDが破損した段階で記録が失われるという問題が発生する可能性がある。特に、近年増えてきている中国韓国台湾など新興工業国生産のディスクメディアの中には粗悪な製品もあり、録画、あるいはムーブ時は正常に番組等が記録できていたにも関わらず、ディスクメディアが短期間の間に劣化し再生不能になるという問題も起きている。

[編集] 字幕放送

地上アナログ放送では文字多重放送の一つとして行われている字幕放送が引き続き行われている。この機能の受信機器への搭載率は地上アナログ放送よりも高い。日本語と英語など多カ国語での放送も可能である。

[編集] 字幕スーパー機能

映像信号とは別にニュース速報などの字幕スーパーの信号を放送にのせ、映像と合成して視聴者に見せることができる。受信機によってはこれは録画されない。地上デジタル放送開始当初はテレビ東京で使用が確認された。この機能はB-CASカードのID番号によって表示の有無を制御できる。これを利用してNHKがBSデジタル放送では既に実施されているテレビ画面の一部に未登録者へ住所登録を促すメッセージを割り込ませる新たな受信料未契約・不払い対策の検討に入ったと報じられた[9]

[編集] 緊急警報放送

緊急警報放送が地上アナログ放送に引き続き行なわれている。

[編集] イベントリレー

スポーツ生中継など延長番組を別のチャンネルで行う場合、それを案内してくれる機能。録画機によっては自動的にそれに従い追従録画してくれる。

[編集] 名称

地上波によるテレビジョン放送について、デジタル放送の開始が決定した当初、市場では「地上波デジタル放送」と呼称していた。その後、総務省が「地上デジタル放送」を呼称とした事により、2002年12月頃より放送事業者側でも「地上デジタル放送」と呼称を変更している。その他メディアでは語感が良い、使い慣れているなどの判断から現在でも「地上波デジタル放送」と呼んでいるところもある(「デジタル放送の一覧」の項目も併せて参照の事)。

略称の「地デジ」は、公式な読み方は「ちデジ」となっている。一時期「じデジ」という読み方が用いられていた例もある[10]

[編集] 受信方法(日本)

[編集] 対応機器

地上デジタル放送対応のテレビ受像機、HDDレコーダー、単体チューナーあるいはケーブルテレビセットトップボックスが必要となる。PC用地上デジタルチューナーが2008年5月に発売されている。

地上デジタル放送はUHF帯の周波数470MHzから770MHz間の帯域で無線放送されるが、対応機器の仕様はこの帯域にしか対応していないものと、より広帯域の90MHzから770MHzまで対応とするものがある。後者はケーブルテレビ (CATV) でのUHF帯域外周波数変換パススルー方式でも視聴可能である(#ケーブルテレビでの受信参照)。機器の仕様に受信可能範囲が「UHF13-62」と記載されている場合は前者である。「CATVパススルー対応」と記載されている場合は後者である。

[編集] テレビ受像機

テレビ受像機は、23/20型以上のものが大半で、それ以下の小型モデルのラインアップが2006年中盤までは少なかった事も普及の妨げになっている。

ハイビジョン画質で視聴できるかどうかは受像機の性能による[11]。また、既存のアナログ放送用の受像機にデジタルチューナーをつないで視聴する場合は、受像機がハイビジョン画質を再現できる能力を持つ事の他に、受像機とチューナーのHDMIケーブルやD端子ケーブル、コンポーネント・ケーブル接続など、ハイビジョン画質を伝えられる接続方法を採らないとハイビジョン画質にはならない。中にはコストダウンのため、解像度を525p,525iに落としているチューナーを内蔵する受像機(ソニーの2004年前後の地上デジタル対応テレビなど)も少なからず存在する。

いわゆる激安薄型テレビの中には、BS・110度CSデジタルチューナーを搭載せず、地上デジタル・アナログチューナーのみを備えているものが多い。また、こういったモデルはデータ放送と双方向機能を持たない。

モニター・テレビやプログレッシブ・テレビなどと呼ぶ一部のハイビジョン・テレビは地上デジタル対応しておらず高品質画面を目的としたものもある。この種のテレビは、別途、地上デジタル放送に対応した単体チューナーなどの機器が必要となる。

[編集] DVDレコーダー

多くの場合BS・110度CSなど衛星放送の受信やDVD固定ディスク (HDD)への録画、#双方向サービスの利用も行え機能は豊富で録画が行える。しかし、DVD へ録画、移動した場合は標準画質となる。ハイビジョン画質で録画、移動が可能な次世代DVDを記録メディアとして使用できるBlu-ray Discレコーダー、HD DVDレコーダーも登場し始めた。

また、この種の録画機は従来からのテープ方式録画機同様、映像出力として「コンポジット映像出力端子」、「S映像出力端子」、D3/D4などの「コンポーネント映像出力端子」を基本として持つが、最近では、「HDMI出力端子」を備えた機種も発売されている。

2008年3月現在、DVDレコーダーは安いもので4,5万円台で販売されている例もある。 チューナー代わりに使用する場合は、起動に時間が掛かる機種が多いのが難点。

[編集] 単体チューナー

「チューナー」とは放送を選局する機器またはその機能を言う。「単体チューナー」は録画機能・画像表示機能が無い機器。2007年7月現在、市販されている地デジ単体チューナーはワンセグ対応のものや車載用を除けば、ハイビジョン番組をハイビジョン映像信号で出力するものがほとんどである(2007年6月現在の市場実売価格:2~10万円程度)。

2007年末の最も低価格なチューナーは、ユニデンのDT100-HDMIとピクセラのPIX-XT030-P00の2製品で2万円弱で販売されている[12]

現在、単体チューナーを生産しているのは日立製作所(「IVR-1000」の1機種。iVDR対応なので、外部機器を接続しなくてもチューナー単体で録画も可能。)、松下電器産業(「TU-MHD500」と「TU-MHD600」の2機種)、ソニー(「DST-TX1」の1機種)、シャープ(「TU-HD200」の1機種)、マスプロ電工(「DT610」と「DT400」の2機種)、ユニデン(「DT100-HDMI」と「DT300」の2機種)、アイ・オー・データ機器(「HVT-ST200」の1機種)、船井電機(「DIR510」の1機種)の8社のみで、OEM製品を含めても種類は少ない。なお、ユニデンの初代モデル(八木アンテナ・AVOX・DXアンテナにOEMあり)は地上デジタル専用で、データ放送と双方向機能に加えてEPGも搭載していない(番組情報の表示は可能)。また、マスプロ電工のモデルはHDMI出力や光デジタル音声出力を搭載していないため、5.1サラウンドはできない。商品化されているのは、低価格の地デジ放送専用のものと、より高価だが地デジ放送に加えて110衛星放送のBS・110度CS受信可能のものがある。デジタル衛星放送も受信可能なものは地上デジタルチューナー内蔵録画機の価格帯に近いものもある。

出力として「コンポジット映像信号出力端子」を基本として持つが、更に多くの出力方式を備えている。これらは、S映像出力端子、D3/D4などD端子コネクタコンポーネント映像信号出力端子(緑、青、赤の3色、市販品でこの端子を持つ機種は少ない)、HDMIコネクタと呼ばれる。多くの機種はD1/D2/D3/D4までの出力機能を持ち、基本的にD3端子を備え、一段優れるD4端子のものもあり、固定と選択切り変えが行える。HDMI端子を備える機種は少ない(2008年1月現在)[13]

[編集] 地デジ簡易チューナー
  • 総務大臣の諮問機関である情報通信審議会で2007年8月2日に出された第4次中間答申の中の「受信側の課題」の1つ、「超低価格チューナーの不在」という問題がある。この答申の中で具体的な提言として「2年以内に5,000円以下の簡易なチューナー等が・・・望まれる」としている。この提言を聞いたメーカー側は大反発した。5,000円以下ではほぼ作れないからである。
  • 2007年12月25日 - 総務省デジタル放送推進協会は「地デジ簡易チューナ」製品の仕様のガイドラインを公表した。このガイドラインを基に価格は5,000円以下を想定し2009年度中に発売するように家電メーカーに呼びかける。仕様ではハイビジョン映像やデータ放送は受信できず、画質は現行のアナログTVと同等の標準画質となり、1台のアナログTVに1台のチューナーが必要となる。また、2011年7月の地デジへの完全移行後も最大1,400万台のアナログTVが残ると予測され、安価なチューナーを発売して大量のアナログTVの廃棄を避けることも考えている。[14][15]
  • 超低価格チューナーの概算コスト(2007年末での価格、日経エレクトロニクス誌作成)
    • MPEG-2/AACデコーダー・チップ:千数百円
    • RFチューナー+OFDM復号チップ:1,000円以上
    • MPEG-2、AAC、MULTI2、ARIB標準規格、などの特許使用料:700~800円
    • 32Mbitフラッシュ・メモリ:約200円
    • 256MbitDDRメモリ:500円弱
    • B-CASカードの取り扱い手数料:100円
    • その他
      • 電源、筐体、プリント基板、リモコン、抵抗、コンデンサ、配線材、スイッチ、コネクタ、梱包材、マニュアル類
上記の部品等の原価だけでも4,000円以上になる。これにメーカーの製造経費と利益、販売店利益、配送コスト、アフターサポート経費、安全審査費用、更に宣伝経費なども加えると5,000円以下ではとても販売できない。2年後に半導体チップの価格が下がっても、全体コストの変化はほとんどない。ただ、2011年の直前になって台湾や韓国のメーカーが数百万台~数千万台という日本の需要を目当てに、シリコンRFチューナーとISDB-Tの機能をすべて1チップに搭載した半導体チップおよびソフトCAS認証化で超低価格化を行い、5,000円というチューナーが現れる可能性がある[12]

[編集] 機器接続方法

他の映像機器と地上デジタル対応機器に共通する端子を接続して使用する。下記の先に書かれた方式の端子を使用したほうが一般により高機能、高性能となる。D端子、コンポーネント端子はほぼ同等である。S端子以下は標準画質となる。それ以外の端子でも標準画質となる場合もある。詳細は各項目を参照。

映像・音声・制御等の接続方式
HDMI端子D端子コンポーネント端子S端子コンポジット映像信号端子、RF端子

共通する端子がない場合はコンバーターや変換コードを用いる。異なる方式の端子の同時の接続が行えない機種もある。

これら各方式の映像出力端子は各社機種により方式ごと1系統1端子1系統2端子があり、1系統2端子の場合、2台の機器に同時に接続でき出力される。また先に書かれる方式順の端子であるほど2端子まで備える機種は少ない。

[編集] アンテナなど受信設備

地上デジタル・テレビジョン放送はUHF帯で放送されるので、アンテナ受信で視聴するにはUHFアンテナ(八木・宇田アンテナ)の設置の必要がある。地上アナログ放送も受信する地域の送信チャンネルによって、ローバンド(13~44ch メーカーによって異なる場合がある)、ハイバンド(25~62ch メーカーによって異なる場合がある)、オールバンド(13~62ch)対応のアンテナを選択する。また、ローバンドまたはハイバンド対応アンテナでアナログ放送を受信していた場合は、それぞれハイバンド、ローバンド対応アンテナを追加設置すればよい場合もある。新規に購入する場合は地上デジタル対応のアンテナが勧められるが、実際は従来のUHFアンテナでも(帯域が合えば)問題なく受信できる確率が高い。最近では放送区域内(強・中電界地域(電界強度60dB以上))向けに八木・宇田アンテナより小型で特殊なUHFアンテナが各メーカーから発売されているが、見た目を重視した製品で、これらのアンテナを必ずしも用いなくてもよい。地上デジタル放送が計画された後に製造されたアンテナで、地上デジタル放送にも使用できるオールバンド対応製品は、アンテナ先端部のキャップか、またはケーブル接続部の防水カバーが黄色になっていて古い非対応なものと区別しやすくなっている[12]

UHF帯に移行するための問題として、首都圏などで築年数の経っている家屋や古いマンションなどでは、共聴設備などがVHF[16]やUHFの一部チャンネル[17]にしか対応していないケースがあり、設備改修費用の捻出が問題となっている。一部のマンション管理組合からはその莫大な費用に、国の負担を求める声が上がっている。

また、これまでのアナログ放送とデジタル放送の送信所が大きく離れている場合は、アンテナの向きを変更する必要がある。例として、名古屋市ではアナログ放送は名古屋テレビ塔(VHF)・東山タワー(UHF)だったがデジタル放送は瀬戸デジタルタワーに、福岡市ではUHFで放送していた福岡放送TVQ九州放送鴻巣山からの送信だったが、デジタルは全局福岡タワーからの送信となり(これまで福岡タワーはVHFのみだった)、アンテナの向きを変える必要がある。

さらに首都圏では、計画中の新東京タワーへの送信所移転が実現すると、従来の東京タワー向けUHFアンテナの向きを変える必要性が生じる世帯が続出する事になる。とくに移行期間中に現タワー向けに地上デジタル用アンテナを設置・調整した世帯では、新タワー向けにアンテナを改めて調整し直さなければならず、二重の負担となる[18]。また、新東京タワーの完成は地上デジタル放送への完全移行とほぼ同時期の予定であるため、新東京タワーの完成が少しでも遅れると、地上デジタル放送への完全移行に間に合わなくなる恐れもある。

一方で地域によってはこれまで開局毎に設置場所がバラバラだったアナログ送信所が、これを機にNHKと民放すべてがまとまり、1ヶ所からの送信となるところが多く、UHFアンテナ1本で済む様になって来ている。例として、静岡県浜松市ではアナログ放送時、NHKは牛山、静岡放送は富塚、その他の民放UHF局は入野の各所に分かれていたが、デジタルでは全局牛山送信所に集約された。これは先述の福岡市の例や北海道釧路市[19]なども同様である。

他の地域でも建設費のコストを抑えるため、NHK・民放各局が共同で費用を出しているケースもある。また、既存の施設をそのまま利用する場合でもアナログ放送では局単独の施設であってもデジタル放送では同様の理由から複数の局で共同使用するケースも出てきている(例、読売テレビ生駒山本局(相乗りの局は毎日放送)、鹿児島放送本局(相乗りの局は南日本放送NHK鹿児島放送局)など)。

放送区域内(強・中電界地域、放送エリアのめやすのエリア内)の放送局を受信する場合は、地元局用の14~20素子程度のUHF八木・宇田アンテナまたは小型で特殊なUHFアンテナを地上10m程の高さに設置すれば受信できる。放送区域外(弱電界地域(電界強度60dB未満)、放送エリアの目安のエリア外)の放送局を受信する場合は、電界強度に応じて素子数の多い[20]アンテナを地上10m超の高さに設置する必要がある。30素子のUHFアンテナを設置しても受信困難な場合は地上デジタル放送対応のブースターを併用する。ただし、電界強度が極度に弱い地域は30素子のパラスタック型UHFアンテナとブースターを使っても、またいくら受信点を高くしても受信できない。強電界地域(電界強度80dB以上)は、八木・宇田アンテナの他に軒先アンテナ、室内アンテナ、簡易型アンテナなどを地上10m未満の高さに設置しても受信可能である。ただし、低い位置に設置されている室内アンテナは、風や移動障害物(歩行者・車など)の影響を受けやすい。移動体端末でワンセグを受信する場合、地上10m未満の高さでの受信になってしまうため放送区域内でも電界強度が弱い場合は受信できない。アンテナの腐食やケーブルの腐食・断線などによっては交換が必要である。

共聴受信設備で受信する場合、アンテナ線・混合器・ブースター・分配器・壁面直列ユニット(アンテナコンセント)などはすべてUHF帯域対応タイプに交換しなければならない。「地上デジタル対応」をうたったものに必ずしも交換する必要はない。ブースターはUHF帯域に対応しているだけではなく、一般的にUHF帯域を使ったチャンネル数が増えるため、多くのチャンネルが増幅可能なものでなければ正常に視聴できないことがある(2011年問題 (地上デジタル放送)#地上アナログ放送での受信障害参照)。

また、多数の送信所からUHF放送を受信している家庭では、地上デジタル放送が上手く受信出来ない場合がある。例として大阪府等の関西地区では、在阪局のVHF波に加えてテレビ大阪やサンテレビなどを受信している家庭が多いが、通常のミキサーで混合するとゴースト障害を起こす場合が有るため、特定地域向け混合機が使われている。しかし、地上デジタル放送が開始される前に製造・発売された物は、関西地区の地上デジタル放送で使われるチャンネルをカットしてしまい上手く受信する事が出来なくなる。このような設備ではアンテナ設備の取替えが必要となる。

地上デジタル用のアンテナ線接続は、もしアナログのビデオやDVDレコーダーへの分配が必要な場合、地上デジタル対応の高性能型分配器を用いる必要がある。これに対して地上デジタルチューナー内蔵のDVDレコーダーやビデオデッキにはアナログ・デジタル双方の分配器が内蔵されているので、録画機器からテレビへは従来のアナログ機器と同じ感覚で接続可能である。

[編集] ケーブルテレビでの受信

ケーブルテレビ(CATV)経由で視聴する場合はCATV局によって送信方式が異なり、「トランスモジュレーション方式」と「(同一周波数または周波数変換)パススルー方式」がある。トランスモジュレーション方式はSTBを経由させなければ受信不可能なため、CATV局との契約が必要となるが、パススルー方式は個別受信同様に市販の地上デジタル対応機器のみで視聴が可能[21]

[編集] 集合住宅での受信未対応件数

日本CATV技術協会では、2007年2月と3月に4階建て以上の集合住宅での地上デジタルTV放送の受信対応状況を調査した。日本全国でおよそ518,000棟あると推定される4階建て以上の集合住宅の内、約23,000棟での調査結果では、改修不要が30.8%で改修済みが23.4%であり、改修計画が未定のところが40.8%もあった。改修不要でも71.1%が、改修済みでも68.3%がCATVによる対応であるため、内実は多くの集合住宅が工事を行なった訳ではない点である。2011年までそれほど長い時間が残されていないが、全国の改修計画未定の40.8%に該当する集合住宅が2011年の直前になって、一斉に改修工事を行なう事態が予想される。日本CATV技術協会では、地上アナログ放送停波の直前になって工事依頼が殺到しても工事業者の人手不足などで対応できないと、既にマンション組合などへの啓蒙活動を行っている。

また、改修工事にかかる費用も1戸あたりに直すと数千円から古い建物では10万円以上かかる場合があり、年金生活者の居住が多く古い団地のケースでは、チューナー等の購入予算も合わせてデジタル放送への移行が危惧され、老人のささやかな楽しみであるTVさえも奪うことになりかねない[12]

[編集] 複雑な初期設定など

地デジ受信機はデジタル家電であるため、特に初期設定の項目は、従来の地上アナログ放送も受信できる機器の場合やデジタル放送の新機能も使用したい場合、当然のことだがアナログ受信機より増え、その方法も複雑である。以下に地上デジタルTV放送受信機に特徴的な設定項目や設定方法を示す。

[編集] 郵便番号の設定

地上デジタルおよびBSデジタルではデータ放送が実施され、自分の住む地域や行きたい地域の情報を家庭で受け取れる。チャンネルやデータ放送の初期表示など、地域別の情報は郵便番号により振り分けるため、初期設定時に自分が住む地域の郵便番号を正しく入力する必要がある(メーカーや機種によっては電話番号市外局番・都道府県入力も合わせて必要となる)。

[編集] 電話回線もしくはインターネットへの接続

双方向番組への参加や、現時点で地上波では特番のみでレギュラー編成番組では導入されていないものの、有料チャンネルの視聴料金やりとりのためには、電話回線への接続、もしくはインターネットに接続できるLAN回線接続が必要である。

地上デジタルテレビジョンチューナー(テレビ、HDDプレーヤー内蔵含む)には、電話回線の分配器が同梱されている場合が多いが、電話回線に通信機器(電話機など)が2台以上接続されている時は、ナンバーディスプレイが使えないことがある。メーカーに分配器使用時のナンバーディスプレイ使用可否を確認すると、切り換え機を使えと説明を受けるが、テレビと電話が別部門のため、実機でナンバーディスプレイ使用可否の動作は検証はされていない様である(2006年現在)。

[編集] 個人情報の適切な管理

受信機やチューナーは、内部に高度なソフトウェアを使用しており、受信できるチャンネルの設定やテレビショッピングに関わる様々な個人情報が不揮発性メモリに蓄積されている可能性があるので、受信機やチューナーを廃棄したり転売する時に適切な処理(画面上にメニューを呼び出して「個人情報の消去」といった項目を選ぶ)を行わないと、機器内の個人情報が漏洩し、悪用される可能性がある。

購入後に製品添付のハガキもしくは各メーカーサイトでユーザー登録をしておけば、製品に関する最新情報をメールもしくは郵便で受け取れる。

[編集] 電源プラグは抜かず、機器の主電源は常時「入」

地デジチューナー(内蔵テレビおよびDVDレコーダー)には、視聴待機状態時にも動作するソフトウェアが組み込まれており、この間に各種データが最新の状態に更新される。このため、視聴を終えて電源を切る際はリモコンで電源を切る事が大切である。機種によってはプラグを抜くなどして電力供給されない状態が1週間以上続くとこれらのデータが消え、再度郵便番号などの設定を行わなければならなくなる。また、設定は消えなくても番組表情報は1週間分しか保持されないので、電源を入れてから数秒~数分間は番組表を利用できなくなる(当該チャンネルに合わせる事により優先的に番組表情報を受信できる)。

[編集] 接続した録画機器の初期設定

従来のアナログ受信機とは録画方法も大きく異なる。特にデジタルチューナーには、Irシステムと呼ばれる録画機器側に於ける設定を一部簡素化する便利な機能がある。ただし、これを動作させるには録画機器とデジタルチューナーとを専用のIrシステムケーブルで結び、接続した録画機器の情報をデジタルチューナーに登録しなければならない。

[編集] 一部地域での受信方法

一部の中継局で、アナログ放送停波までにデジタル放送開始が行われないなどのことがあり、受信できない地域に限って、衛星放送やIP放送による地上デジタル放送の再送信を行う予定である。スカイパーフェクTV!と通信衛星を保有するJSATが衛星での再送信を、送信所や中継局を多く抱える北海道に於いて実証実験を行った後、2007年に開始する。また、光ファイバーを利用したIP放送では2006年までに標準画質(SDTV)、2008年にはデジタル放送と同じ高精細な映像で再送信する予定である。北海道では山間部における受信対策として、2007年3月より、受信点から光ファイバーケーブルで伝送した信号を、「ギャップフィラー」と言う携帯電話基地局に似た小型の送信機で再送信する実験を開始した。これが実用化されれば、新規に中継局を設置することなく、安価に難視聴地域を解消することが出来るようになる。

[編集] デジタル化およびアナログ波停波に関する問題

2011年問題 (地上デジタル放送)を参照。

[編集] 開始時期

[編集] 日本

日本国内の各放送局の親局は、以下の順に放送を開始している。

[編集] 2003年

  • 12月1日 午前11時より東京・大阪・名古屋の3大都市圏の一部地域で開始された。

[編集] 2004年

  • 10月1日 3大広域圏以外の地方都市としては初めて富山KNBNHK富山が、また、関東広域圏内で唯一県域の地上波テレビ放送局がなかった茨城NHK水戸がそれぞれ開始した。本放送初日の開始時刻はほとんどの局が午前11時である(一部の放送局(主に民放)や中継局からのデジタル放送の本放送開始時刻は、その日の早朝(午前4時~6時の間)の放送開始時間〈1日の起点開始時間〉から)。
  • 11月1日 岐阜NHK岐阜で開始
  • 12月1日 神奈川兵庫で開始

[編集] 2005年

[編集] 2006年