serial experiments lain

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serial experiments lain
アニメ
原作 原案:production 2nd.
監督 中村隆太郎
シリーズ構成 小中千昭
キャラクターデザイン 岸田隆宏
音楽 仲井戸‘CHABO’麗市
アニメーション制作 トライアングルスタッフ
製作 PIONEER LDC
放送局 テレビ東京系列
放送期間 1998年7月6日 - 9月28日
話数 全13話
テンプレート - ノート 
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ポータル アニメ

serial experiments lain』(シリアルエクスペリメンツ・レイン)は、グラフィック+テキスト形式の雑誌連載企画・アニメ作品・ゲーム作品が同時進行・相互関連して制作されたメディアミックス作品である。

雑誌ではAX1998年3月10日から11月10日まで連載、テレビアニメテレビ東京で同年7月6日から9月28日まで放送(半年遅れでテレビ大阪テレビ愛知でも放送)され、第2回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞を受賞した。ゲームはプレイステーション(PS)用ソフトとして同年11月26日に発売された。

作品概要[編集]

『存在は認識=意識の接続によって定義され、人はみな繋がれている。記憶とはただの記録にすぎない。』という世界観のもとで繰り広げられる、14歳の少女・玲音(lain)をめぐる物語。リアルワールドとコンピュータネットワーク・ワイヤード(Wired = 繋がれたもの)に遍在する「lain」という存在について。

ゲーム版とアニメ版では、登場人物もストーリーも"lain"という存在を除いて大きく異なる。

雑誌連載されたグラフィック+テキストは、キャラクター原案の安倍吉俊による画集『an omnipresence in wired』(オムニプレゼンス=遍在)に未掲載分を含めた完全版が収録されている。長らく絶版だったが、ワニマガジン社より『yoshitoshi ABe lain illustrations』として描き下ろし分を追加して再版された。脚本の小中千昭によるアニメ版シナリオ集『scenario experiments lain the series』(シナリオエクスペリメンツ・レイン)なども出版されており、パイオニアLDCからは、『Serial experiments lain BOOTLEG』と題したデスクトップアクセサリー集も発売された。

当初、主人公レインの英語表記は未決定で「lain」と「rain」が検討された。安倍吉俊によるスケッチ等では試験的に2種類描かれたが、結局1997年3月頃に「lain」に決定された[1]

テレビアニメ[編集]

概要[編集]

高度に発展したネットワーク社会 - 現実と区別のつかない仮想空間といったよくある物語と逆に、本作は「仮想世界(ワイヤード)と区別のつかない曖昧な現実(リアルワールド)」に注目する。各登場人物が語る「真実」も、それが事実の保証はない。主人公玲音の世界は、身近な人間や友人に関する内容で占められており、作品そのものが玲音自身の主観の影響下にある構造である。こうした客観の不在性は、ネットワークコミュニケーションといったものの性質をリアルに描出しており、視聴者もまたlainという作品、岩倉玲音と繋がった『ネットワーク』にコネクトしていくことを強いられる。

放送当時はアニメーション制作にデジタル環境が導入されはじめた時期である。3Dモデリングによる無機的な表現が目立つ一方で、脚本の小中千昭が撮影・Macintoshで編集した手触りのある画面が使われたり、時には実写がそのまま利用されたりと、あらゆる情報媒体が混在している。小中によると、放送に堪えられるクオリティの内容をパソコン上で作れるようになった始まりが1998年当時であり、そこに最先端の機械好きが集まって自分でやれることを全てやったのがlainである[2]。本作の独特なカラーと雰囲気はそうしたハッカー的な色彩の強い環境から生まれており。

現実世界との繋がり[編集]

このウェザーブレイクシリーズもDVDに一部、BD-BOXでは全て収録されている。

本作の製作者にはコンピュータマニアが多く、実在のコンピュータOSが数多く登場する。例えば、後半に登場する初代iMacは本放送の開始直前に発表されたばかりの機種である。他にもAppleネタNeXTSTEPネタ、BeOSネタなどが随所に見られる。

あらすじ[編集]

コミュニケーション用コンピュータネットワーク端末「NAVI」(ナビ)が普及した現代、中学生の岩倉玲音は、死んだはずの四方田千砂からのメールを受け取る。その日以来、玲音は見えないはずのものを見るようになる。四方田千砂のメールの言葉に興味を持ち、大型の「NAVI」を手に入れるが、それ以来更に奇怪な事件に巻き込まれていく。

物理世界(リアルワールド)と電脳世界(ワイヤード)、二つの世界・二人の玲音(lain)が混濁し錯綜する果てにあるものは?-人は誰しも“繋がれて”いる-・-私は遍在する-

登場人物[編集]

岩倉玲音(いわくら れいん)
- 清水香里
本作の主人公。内気な14歳の少女。左側の髪の一部を長く伸ばしてバッテン型のピンで留めているのが特徴。はじめは地味な少女なのだが、NAVIを手に入れてからはその扱いに異常な才能をみせるようになった。そして玲音と同じ姿の存在が周囲に顕れるが、それは玲音がワイヤードを通し、世界に遍在化する兆しであった。
レイン
声 - 清水香里
岩倉玲音であって、岩倉玲音でない存在。口は悪いが気風の良い、情に厚い性格。最初は玲音と全く関係の無いところで目撃されるが、段々と岩倉玲音のもう一つの人格として描かれていく。
lain(れいん)
声 - 清水香里
岩倉玲音の姿をしている別の存在。レインとは違い、完全に別の存在として描かれている。明確な悪意の現れであり、ワイヤード上で暗躍し玲音を葛藤と苦悩に陥れる。
れいん
声 - 清水香里
ワイヤードの女神。常に優しい微笑みを絶やさない慈母のような人格。玲音とワイヤードの関係について全てを知っている存在。別存在というよりも、女神が玲音の姿であらわれているという方が近い。
岩倉康男(いわくら やすお)
声 - 大林隆之介
玲音の父親。玲音がNAVIに興味を持ったことを喜び、すぐに最新のNAVIを与え、使い方を教えた。かなりのNAVIオタクで、自室に凄いNAVI用の設備がある。玲音のことを気遣っていた。実は玲音の実父ではなく、何者かより玲音の養育を託されていた。物語終盤で玲音にそのことを告白し去るが、玲音にとって康男は心の拠り所であり、玲音が神と呼べるものとなってもそれは変わらなかった。
岩倉美穂(いわくら みほ)
声 - 五十嵐麗
玲音の母親。無口で無表情。夫の趣味を理解していないらしく、康男に愚痴られていた。夫婦仲は意外と良好。康男と同様、玲音の実母ではない。
岩倉美香(いわくら みか)
声 - 川澄綾子
玲音の姉。少々派手で、玲音とは対照的。玲音のことを少し鬱陶しく思っている。ある出来事のせいで後に精神に異常をきたしてしまい、日常的にモデムのような電子音を発声するようになってしまった。
瑞城ありす(みずき ありす)
声 - 浅田葉子
玲音の唯一の親友。非常に面倒見がよく優しい。玲音に明るくなって欲しいと、いつも気を遣っている。
玲音の理想の親友といってよい少女だが、監督の中村隆太郎によると、彼女の言動には玲音の主観からくる美化が入っているらしい[要出典]
山本麗華(やまもと れいか)
声 - 手塚ちはる
玲音の同級生。ありすといつもつるんでいて、ありすが玲音をどこかに連れ出すときも必ず一緒にいる。クールな雰囲気を漂わせており大人っぽい。
加藤樹莉(かとう じゅり)
声 - 水野愛日
玲音の同級生。麗華とは対照的に子供っぽく、私服も少女趣味。
四方田千砂(よもだ ちさ)
声 - 武藤寿美
玲音とは別のクラスの生徒。一度だけ玲音と一緒に帰ったことがある。物語の冒頭で自殺する。
タロウ
声 - 滝本啓人
サイベリア(クラブ)を溜まり場にしている小学生。NAVIについて詳しく、玲音に色々なアドバイスを送る。ちなみに、玲音のことは好きだがレインは怖いらしい。
キャストは声優ではなく、キャラクターとほとんど歳の変わらない子役が演じている。これは当時の清水香里についても同様。
ミューミュー
声 - 山本有紀
タロウの仲間の小学生。
マサユキ
声 - 藤間宇宙
タロウの仲間の小学生。
カール・ハウスホッファ
声 - 中田譲治
玲音を監視している謎の男性。金髪碧眼の外国人。ゴーグルのような奇妙な機械を目に装着している。
林随錫
声 - 山崎たくみ
玲音を監視している謎の男性。ゴーグルのような奇妙な機械を目に装着している。
英利政美(えいり まさみ)
声 - 速水奨
ワイヤードの神を名乗る男。元は橘総研の研究員だったが、事故で亡くなりワイヤード上の存在となる。何度か玲音に語りかけてくるが、それは玲音がワイヤードに遍在するものとなることを知ってのことだった。終盤、真にワイヤード、ひいては世界に遍在するようになった玲音に打ち破られる。

スタッフ[編集]

主題歌[編集]

オープニングテーマ「DUVET」
作詞 - Jasmine Rodgers / 歌 - bôa
エンディングテーマ「遠い叫び」
作詞・作曲 - 仲井戸麗市 / 歌 - 仲井戸‘CHABO’麗市

各話リスト[編集]

話数 サブタイトル 脚本 絵コンテ 演出 作画監督 放送日 収録VHS
LAYER:1 WEIRD 小中千昭 中村隆太郎 中村隆太郎 関口雅浩 1998年7月6日 LIF.01
LAYER:2 GIRLS 菅井嘉浩 1998年7月13日
LAYER:3 PSYCHE 松浦錠平 田中雄一 1998年7月20日 LIF.02
LAYER:4 RELIGION 西山明樹彦 高橋勇治 1998年7月27日
LAYER:5 DISTORTION 村田雅彦 関口雅浩 1998年8月3日
LAYER:6 KIDS 中村隆太郎 中村隆太郎 菅井嘉浩 1998年8月10日 LIF.03
LAYER:7 SOCIETY 松浦錠平 丸山泰英 1998年8月17日
LAYER:8 RUMORS うえだしげる 田中雄一 1998年8月24日
LAYER:9 PROTOCOL 仁賀緑朗 西山明樹彦 関口雅浩 1998年8月31日 LIF.04
LAYER:10 LOVE 佐藤卓哉 村田雅彦 菅井嘉浩 1998年9月7日
LAYER:11 INFORNOGRAPHY 中村隆太郎 松浦錠平 丸山泰英 1998年9月14日
LAYER:12 LANDSCAPE 中村隆太郎 岸田隆宏 1998年9月21日 LIF.05
LAYER:13 EGO 丸山泰英
関口雅浩
1998年9月28日

ビデオ / DVD / Blu-ray Disc[編集]

放送後発売されたビデオには安倍の描いた、シュールなギャグ4コマ漫画がついていた。この4コマは安倍の画集にも収録されている。

テレビ放送版とDVDなどではオープニングとエンディングの演出が多少違うほか、ウェザーブレイクもDVDなどには全ては収録されていない。

2010年10月には、ベータカムとして残されていた1998年当時のSD素材を利用し、手作業で高解像度化を施したBDボックスが発売された。 品質の悪い素材しか残されていないパートもあり、制作は非常に苦労するものであったという。

グラフィック+テキスト[編集]

アニメ版とほぼ同時進行で、ソニーマガジンズの雑誌『月刊AX』に連載された。アニメ版話数にあわせ、ゲーム版との橋渡し的な意味も込めて作品のイメージや世界観などをイラストとテキストによるカットとして構成したもの。後に出版された画集『オムニプレゼンス(遍在)―― Lain 安倍吉俊画集』(ソニー・マガジンズ 1999年)では、新たにカットが追加されている。

  • グラフィック:安倍吉俊
  • テキスト:小中千昭

サブタイトル[編集]

LAYER:01から13 のサブタイトルは、テレビアニメ版の各話サブタイトルと共通である。

  • PRE-LAYER - 初出:3月10日 4月号
  • LAYER:01 WEIRD - 初出:4月10日 5月号
  • LAYER:02 GIRLS - 初出:5月10日 6月号
  • LAYER:03 PSYCHE - 初出:6月10日 7月号
  • LAYER:04 RELIGION - 初出:7月10日 8月号
  • LAYER:05 DISTORTION - 初出:8月10日 9月号
  • LAYER:06 KIDS - 初出:画集書き下ろし
  • LAYER:07 SOCIETY - 初出:画集書き下ろし
  • LAYER:08 RUMORS - 初出:画集書き下ろし
  • LAYER:09 PROTOCOL - 初出:画集書き下ろし
  • LAYER:10 LOVE - 初出:画集書き下ろし
  • LAYER:11 INFORNOGRAPHY - 初出:9月10日 10月号
  • LAYER:12 LANDSCAPE - 初出:画集書き下ろし
  • LAYER:13 EGO - 初出:10月10日 11月号
  • LAYER:00 PROGRAM - 初出:11月10日 12月号

serial experiments lain BOOTLEG[編集]

パイオニアLDCから1999年に発売された限定版ファンディスク的位置付けの2枚組CD-ROM。竹本晃作曲のテレビシリーズ本編で使用された音源のほか、ミニゲーム、壁紙などのデスクトップアクセサリーが収録されている。

本製品は、「BOOTLEG=海賊版」の名の通り、制作スタッフから流出したデータを第三者が転売したものという演出がなされており、パッケージも無地のボール紙に手書き風のラベルが無造作に貼られただけの簡素なものとなっている。

ゲーム[編集]

公称ジャンルは「アタッチメントソフトウェア」。企画の中ではもっとも早く進行しつつ、発表は最も遅く、雑誌連載終了後の1998年11月末である。CD2枚により構成されている。

プレイヤーは、ネットワーク内に散らばった lain に関する記録を集め、断片的な記憶をたどって lain の日常生活と彼女の秘密に近づいてゆく。

ゲームの内容は、音声ファイルと映像ファイルの再生の繰り返しという独特のスタイル。ファイルの内容には、玲音の日記、柊子の日記、カウンセリングの記録などがあり、特定のファイルにアクセスすることで新しいファイルやネットワーク領域へのアクセスが可能となる。

ゲームの中でできることはあくまで「ファイルの再生」までであり、それぞれの情報が持つ具体的な意味まではほとんど窺い知ることはできない。「物語の結末を記録したファイルの再生」が一応のエンディングではあるが、物語の全容を理解するためにはプレイヤー自身が頭の中で情報を整理する必要があり、そこから導かれる結論の正当性もまた、各々の判断に委ねられている。

なお、本作の開発スタッフの一部は、同じく「アタッチメントソフトウェア」である「NOёL」シリーズの開発も手がけており、両作品の間には「現実世界と仮想世界の境界が曖昧になるようなプレイ感覚(ただし方向性は正反対)」「断片的な情報を元に全体図を想像する楽しみ」「観測システム『思い出君』の存在(本作ではネットエージェントプログラム、NOёLでは自動追尾式浮遊カメラ)」といった共通点を見ることができる。

年齢制限はかかっていないものの、一部に過激な映像や表現が存在する。

スタッフ (ゲーム)[編集]

ディレクター:中原順志
監督:えんどうてつや
脚本:小中千昭
製作:SR-12W / PIONEER LDC.

主要登場人物[編集]

岩倉玲音
声 - 清水香里
主人公。おとなしく内向的な少女。ゲーム開始時点では11歳で、14歳まで成長する。12歳の時に幻聴などのためカウンセリングに通い始める。
アニメ版とは異なり、兄弟姉妹はいないが家庭環境はまともな状態となっている。一方で内向的だが一応友達はいるようである。
米良柊子(よねら とうこ)
声 - 岡本麻弥
27歳。アメリカの大学院を卒業後に日本へ帰国し、玲音を担当することになった新人カウンセラー。カウンセリングを通じて玲音と仲良くなっていく。
牧野慎一郎(まきの しんいちろう)
声 - 渋谷茂
コンピュータネットワーク上で玲音と交流を持っている普通のサラリーマン。物語の後半で玲音と初めて接触するが、その際ある事件に巻き込まれることになる。

脚注[編集]

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  1. ^ 安倍吉俊 Web サイト「過去の呟き」1997年3月26日より。
  2. ^ 小中千昭インタビュー(フランスのアジア映画誌HK 2000年04号/Alice6 Chiaki J. Konaka's Web (小中千昭のページ)

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

テレビ東京 月曜25:15 - 25:45枠
前番組 番組名 次番組
時空転抄ナスカ
(1998年4月6日 - 6月29日)
serial experiments lain
(1998年7月6日 - 9月28日)
聖ルミナス女学院
(1998年10月5日 - 12月28日)