ネコ
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| ?ネコ | |||||||||||||||||||||||||||
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イエネコ |
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| 分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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| 学名 | |||||||||||||||||||||||||||
| Felis silvestris catus (Linnaeus, 1758) |
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| 和名 | |||||||||||||||||||||||||||
| イエネコ | |||||||||||||||||||||||||||
| 英名 | |||||||||||||||||||||||||||
| Cat Domestic Cat |
ネコ(猫、学名:Felis silvestris catus)は、世界中できわめて広く飼われているネコ目(食肉目)の小型動物である。元来、ネズミを捕獲させる目的で人に飼われ始めた(狭義の)ヤマネコ(F. silvestris)の家畜化されたものといわれ、分類学上はヤマネコの一亜種とされる。本項ではこれについて解説する。
広義には、「ネコ」とはネコ類(ネコ科動物)の一部、またはその全ての獣を指す総称である。しばしば、家畜種の「イエネコ」に加えて広義のヤマネコ類を含み、特に学術用語としては、英語のCatと同様トラ・ライオンなどの大型種を含む全てのネコ科動物を指すことがある。
目次 |
[編集] 起源
外部形態からリビアヤマネコ(Felis silvestris lybica)が原種とされており、「ミトコンドリアDNA」の遺伝子解析からも、それを裏付ける結果が発表された[1]。同じく愛玩用家畜としても一般的なイヌ(Canis lupus familiaris)と比べると、人間に飼われ始めた時期は遅い。メソポタミアにおいて、穀物倉庫などに現れるネズミやノウサギを狩るために人間の生活圏に頻繁に現れるようになり、次第に倉庫に住み着くようになったのがその始まりであるといわれる。肉食性で穀物は食さないので益獣として認められ追い払われることはなかったのである。家畜化されて現在のようなイエネコとなった起源はよくわかっていないが、紀元前3000年ごろの古代エジプトで固定化されたといわれる。
[編集] 身体的特徴
[編集] 概要
体の大きさはネコ科の他のほとんどの動物に比べて小さい。体重は2.5〜7.5kgの範囲に収まるものが多い。大型のものでは、体長75cm、尾長40cm、肩高35cmに達する。 待ち伏せ型の捕食者としての能力に長け、そのためのさまざまな身体的特徴をもつ。体はきわめて柔軟であり、鋭い爪や牙、瞬発力をもつ。足音は非常に小さく、体臭も少ない。イヌ科の動物と異なり、爪を自由に出し入れできる。平衡感覚が非常に優れている。
他のネコ科動物にも見られる「ゴロゴロ(purr)」とのどを振動させて鳴らす音が、どのようなメカニズムによるものなのかは複数の説があり、いまだにはっきりとはわかっていない。「ゴロゴロ」という音は、親子間のコミュニケーションにも用いられるが、骨折などの骨の損傷が治癒するのを早める効果があるという説もある。ヒトの場合も、超音波を用いた骨折の治療法が研究されており、それと同じものであると考えられている。
人間がネコを見て本能的に「かわいい」と思うのは、ネコの身体のバランスがちょうど人間の赤ん坊に似通っているためだと言われる。生まれたときにすでに親と同じ姿かたちで生まれてくる生き物とは異なり、子育てをする生き物(鳥類や哺乳類)が持つ共通の母性本能である。 眼が顔の前面にあり、眼による感情表現が多様であることから、共通の身体的特徴を持つ者として本能的に親近感を持つとも言われる。
[編集] 体の柔軟性
ネコの体は非常に柔軟で、頭の周り以外は体のほぼすべての場所を自分で舐めることができる。関節が緩やかで、筋肉や靭帯もやわらかいためである。特に肩の関節は可動性が高く、鎖骨は小さく退化しており、代わりに筋肉でつながっている。高いところから着地した場合の衝撃を吸収することに役立っている。
[編集] 瞬発力
瞬発力が高く、ジャンプ力、ダッシュ力に長けている。ジャンプ力は、概ね体高の5倍程度(約1.5m程度)のところに飛び上がることができる。持久力には欠けており、長時間追いかけるような狩りは行わない。走るスピードは、おおよそ50km/h程度と言われ、瞬間的に最高速に達する代わりに長くは続かない。
[編集] 運動能力
猫は逆さにして高いところから落としても必ず足から落ちる行動が見られる。 実際に実験した事例(ペットのネコを同様の状態にして落せば、その状況を確認する事が出来る)も多く、科学的に裏付けられている行動である。 猫は平衡感覚をつかさどる三半規管の能力とは別に、小脳の視覚による水平線検出能力が優れており、これによってどんなに振り回されて三半規管が失調した状態でも、空中で正しく上下を判断して体をひねり、うまく足から着地する。 なお、目の機能が十分に発達していない子猫や目が老化している老猫の場合は、うまく着地できずケガをすることがあるので、子猫や老猫で実験してはならない。空中で体勢を整える時間が得られない場合(極端に低い場所からさかさまに落下させた場合など)は、当然足から着地できない。
[編集] 被毛
被毛は品種により、さまざまな毛色や毛質のパターンをもつ。同品種でも多様な色彩や模様をもつ珍しい動物である。毛色や毛質の決定には、遺伝子の働きに因るところが大きいことがわかっているが、遺伝子がどのように活性化、不活性化するかなど、不明な点も多い。毛色は子宮内の状態にも影響を受けるともいわれる。例えば、世界初のクローンネコ「CC」の毛色は、遺伝子が全く同じにもかかわらず、クローン親のものと異なっていることが知られている。
毛色を司る遺伝子は、すでにいくつか解明されており、色を薄めるダイリュート遺伝子や、被毛に縞模様を描くタビー遺伝子などの存在が知られている。品種によっては、突然変異体の遺伝子や、伴性遺伝子の存在もあることから、生まれてくる子猫の毛色・毛質等をおおよそ判定することは可能であるが、不明な部分も多い。
以下に、現在解明されている主要な遺伝子を例示する。
| 優性遺伝子 | 役割 | 対立(劣性)遺伝子 | 役割 |
|---|---|---|---|
| A | アグーティ | a | ノン・アグーティ(単色) |
| B | 黒 | b | 茶色(チョコレート) |
| bl | 薄茶(シナモン) | ||
| C | 単色(濃淡なし) | cb | セピア(バーミーズ) |
| cs | ポインテッド(シャム模様) | ||
| D | 濃暗色 | d | 淡明色(ダイリュート) |
| I | 抑圧(銀化) | i | 基底に及ぶ色素沈着 |
| L | 短毛 | l | 長毛 |
| O | オレンジ(または伴性遺伝の赤) | o | 黒味を帯びた非赤色 |
| S | 白の斑 | s | ソリッドカラー(体全体) |
| T | 縞(マッカレルタビー) | ta | アビシニアン(ティックドタビー) |
| tb | ブロッチド(クラシックタビー) | ||
| W | 体全体が白 | w | 白以外 |
これらの遺伝子の組み合わせによって、複雑な模様を形作る。これら以外にも毛色を決定する遺伝子もあり、解明されていない遺伝子も存在する。
O遺伝子及び対立遺伝子o遺伝子はX染色体上にあることがわかっており、このため両方の遺伝子を持つネコは通常メスであり、オスでは染色体異常(X染色体過剰、ヒトで言うクラインフェルター症候群相当)またはモザイク染色体のネコだけである。両方の遺伝子を持つネコはトーティシェル(いわゆるサビネコ)あるいはトーティ・アンド・ホワイト(いわゆる三毛猫)と呼ばれるが、これらのネコにオスネコが珍しいのは、染色体異常のネコが珍しいためである。
ノン・アグーティ遺伝子はタビー遺伝子よりも上位であるため、ノン・アグーティを二つ(aa)持つネコ(黒猫など)には通常縞模様は見られない。タビー遺伝子を持つネコには、子ネコの時などにうっすらと縞模様が現れることがあり、ゴースト・マーキングと言われる。
cs遺伝子(サイアミーズ)は独特の遺伝子で、本来は色素の出現を抑える役割を持つが、温度が低いとその働きが抑制される。そのため、これを持つネコは温度の低い体の末端部(鼻、耳、足先など)のみに色素が出現し、シャムネコのようなポイント模様が現れる。温度が低い環境でも色素が出現し、色が濃くなる。
ホワイトの遺伝子(W)はすべての色に対して優性であるため、これを持つネコは他の遺伝子にかかわらず、白ネコになる。
[編集] 目
顔の大きさの割りに、かなり大きな目を持っている。他の動物における子どもの目の大きさの比率に近く、これがネコを「可愛い」と思わせる一因にもなっている。視覚については、とくに対象の動きをとらえることを得意とする。動かないものやゆっくりとした動きのものを捉えるのはあまり得意でない。明視距離はおおよそ2~6mといわれ、これより距離が短いものや、長いものはあまりよく見えないと言われる。20m以内のものであれば、じっと見ることによって距離感をかなり正確に測ることができる。
瞳孔は、人間と違い縦に細長くなっている。瞬時に瞳孔の大きさを変える事に有利と見られている。野生状態で草むらのような縦長の視界で視覚を働かせるのに有利ともされる。瞳孔は調整の範囲が広く、明るいところでは細長く、暗いところでは目一杯開いて光の入る量を多くする。暗いところでの視力は良い。時計という物そのものがなかった時代、猫の目の瞳孔の広さは時間帯によって変わるため、忍者が概略の現在時刻を知るのに活用したともいわれている。時間が真昼に近づけば近づくほど瞳孔の広さは狭くなり、逆に真夜中に近づくほど広くなる。
目には、他の多くの夜行性動物と同様に輝板と呼ばれる層が網膜の下にある。この層が光を反射するため、入射光と反射光の両方の光が網膜を通過することになり、わずかな光でも物を見る事ができる。この反射光のため、暗所で観察者側から照明を当てたとき目が光って見えることがある。これと同様の現象はシカなどの野生動物のライトセンサス(ライトで照らして光って見えた目で個体数を数える)にも利用されている。なお、「ネコの目が光を増幅する原理は暗視鏡に活用されている」と言われることがあるが、実際の暗視装置ではマイクロチャネルプレート(en:Microchannel plate detector)で電気的に増幅している。色については、光の三原色のうち青と緑を認識できるが、赤は認識できないといわれている。紫外線を認識することができると見られている。
ネコが夜間に車に轢かれるのは、車のライトを見てしまってショックで動きが止まるせいとも言われている。夜でもよく見えるネコの目は非常に敏感で、ライトなどの強烈な光に弱く、真っ暗闇で突然フラッシュ撮影をしたりすると失明の危険がある。
[編集] 目の色
虹彩が大きな割合を占めており、人間で言う「白目」(球結膜)は通常見られない。ネコの目の色、といった場合、虹彩の色を指す。目の色は、色の濃淡などの違いがあるものの、おおむね以下の4種類に分けられる。
- カッパー(銅)
- ヘーゼル(薄茶)
- 緑
- 青
青い目は白ネコとシャム系のネコ(ポイントのあるネコ)に多く、白ネコの場合は高い割合で聴覚障害をもっている。白ネコの場合はオッドアイといわれる、左右の目の色が違う場合も多い。この場合、ブルーの目の側の耳に聴覚障害を持つといわれる。シャム系のネコの場合、立体視力に問題がある場合があるが、品種改良の結果、このようなネコは多くない。
これらの目の色の違いは、虹彩におけるメラニン色素の量で決まり、色素が多い順にカッパー、ヘーゼル、緑、青となる。人間など他の哺乳類の目でも同様である。色素の量の違いは、元々生息していた地域の日光の量の違いに由来するといわれる(日光量が多い地域では色素が多くなる)が、交雑の結果、現在では地域による違いはほとんどなくなっている。シャムネコのブルーの目は北アジア由来といわれ、熱帯のタイ原産のシャムネコであるが、先祖の目の色に由来するらしい。
生まれて間もない子ネコの場合、虹彩に色素が沈着していない場合が多く、青目に見えることが多い。これを「キトゥン(子猫)・ブルー」という。生後7週間くらいから虹彩に色素がつき始め、徐々に本来の目の色になっていく。
[編集] 鼻
鼻は、他の動物に比べてそれほど優れているというわけでもないが、ヒトと比べれば数万~数十万倍と言われる嗅覚を持つ。体のバランスに比べて小さくできているが、鼻腔にでこぼこを持つため、内部の表面積は多くなっている。そのため、鼻は小さくても優れた嗅覚を持っている。
[編集] 鼻の使い方
イヌと違って嗅覚を狩りに利用することはほとんどない。イヌとネコの狩りの仕方の違いによる。ネコは、嗅覚を「これは食べられるものかどうか」ということと、縄張りの確認に主に使うといわれる。ネコは頬腺などから出る分泌物や尿などによって自分の臭いをつけそこを縄張りとする。そのほかにも、仲間同士のコミュニケーションのために臭い付けをし、飼い主やほかのネコに対して行われる。例えば、ネコが飼い主の足に顔をすりよせるのは、頬腺などから出る分泌物をつけ、「自分の物」というマーキングをしているわけである。
[編集] フレーメン反応
フェロモンを感じる器官が口内の上顎にあり、ヤコブソン器官(鋤鼻(じょび)器官)という。フェロモンを感じると口を半開きにし、目を半分閉じて笑っているような表情をする。これをフレーメン反応といい、フェロモンを分析している行動である。これにより、主に相手のネコがどういう状態にあるかを分析する。
ネコはマタタビに酔うと言われるが、これはヤコブソン器官がマタタビの臭いに反応し、ネコに恍惚感をもたらすためと言われている。
[編集] 耳
ネコの五感で最も優れているのは聴覚である。可聴周波数は60Hz~65kHzとされ(10MHzという説もある)、イヌの40Hz~47kHz、ヒトの20Hz~20kHz に比べて高音域に強い。これはネズミ等が出す高音に反応するためといわれている。とがったアンテナのような耳は片方ずつ別々に動かすことができ、異なる方向の音を聞き分けることができる。そのため、指向性が強く、音源の場所をかなり正確に特定することができる。音の聞き分けの能力も高く、例えば飼い主が帰ってきた足音を判別することは簡単にできる。これらの能力は、夜間に待ち伏せ型の狩りをするために発達したものといわれる。
[編集] 舌
舌は薄く締まっており、表の面には多数の鉤状突起があってザラザラしているが、これは骨に付いた肉をしゃぶるのに適応したものである。この突起は毛繕いや水を飲む際に役立つ。熱い食べ物が苦手な人を「猫舌」と俗称するが、ネコのみが特に熱いものを嫌うというわけではない。野生動物は加熱調理した食物を食べることが無いので、熱いものに慣れていないのである。
家の中や自分の縄張りなどでリラックスしている猫は、しばしば舌をしまい忘れることがある。舌を指で触れると猫はしまい忘れていることに気づくが、たいていの場合はからからに乾いているので、思うようにしまうことができない。そのような場合には水を与えてやると良い。
ネコ科の動物に共通する特徴だが、味蕾が他の哺乳類とは異なっており、甘味を認識することができない。逆に、アミノ酸に対する反応は強く、特に苦味を認識する味蕾は多くある。これはアミノ酸が腐敗したときの苦味を強く感じることによって、腐肉を食べることを避ける役割を担っていると考えられている。ネコの食物に対する嗜好は、これらの味蕾の構成の違いが要因の一つと考えられている。
[編集] ひげ
正確には洞毛と呼ぶ。毛根部分に感覚神経や血管が密に分布しており、非常に鋭敏で、先端に何かが少し触れても感じ取れる。口の周りだけでなく、目の上、顔の横にもあり、それらの先端を結ぶと顔を一周する大きな円になり、これで狭い通路を通り抜け得るか否かを判断できるので、獲物の追跡、敵からの逃走に重要な役割を果たす(これを否定する説も一部で出されている)。顔以外では、前脚の関節付近の裏側にも生えている。長さは若いほど長く、歳をとったものほど短い。ひげは生え変わるが、無理矢理抜くと酷い場合はストレスで死んでしまう事もある。
[編集] 襟首
襟首とよばれる首の後ろの皮膜は痛点が鈍化しており、親猫が仔猫を運ぶときここをくわえる。この特徴は成猫になっても残るため、成猫でもヒトがここをつかんで持ち上げることができる。持ち上げなくとも襟首を掴むだけでおとなしくなる傾向があるため、気性の荒い猫や野良猫を扱う際に有効である。
母猫が子猫の襟首を咥えて持ち運ぶことがあるが、これは咥えても子猫に悪影響のない場所を母猫は本能的に知っているからできることであり、人間はその場所を知らないためむやみに襟首を掴んで持ち上げると、猫の首を絞めてしまうことになりかねない。また筋肉に悪い影響を与えるという説もあるので、襟首だけつかんで成猫を持ち上げることは避けるほうが良い。
[編集] 尾
尾はおおむねその胴体ほどの長さであるが、ジャパニーズボブテイルなどのように極端に短いものや、マンクスのように尾が無い個体もある。尾の役割は、感情を表すほか、走行時や跳躍・着地時に体のバランスを取る役割がある。イエネコについては尾が無くても行動に殆ど支障はないと考えられている。
本来の日本のネコは、世界に現存する殆どの猫に比べ、ジャパニーズ・ボブテイルのように尾は半分以下もないことが普通であったが、戦後以来日本在来の猫に海外の猫の血が混入し続けた結果、一部地域を除いたほとんどの場所で尾の長い個体が大半を占めるようになっている。
脊髄と直結しているため、非常に痛覚が強い。切断されると、四肢を切断された時よりも痛がるほどである。よって、尾を持って引っ張ったりすると、温厚な個体でも抵抗することがある。手を噛まれると、大怪我をすることがあるので注意が必要。
尾の付け根の部分には性感帯があると言う噂があるが、今のところ不明である。
[編集] 尾による感情の表現
尾によって表す感情は以下のようなものである。
- 立てている
- 比較的機嫌の良いとき。歩くときは立てていることが多い。個体によっては、立てながらくねくねと動かしている場合もある。
- 横に振っている
- 不快なとき。犬から類推して「喜んでいる」とするのは誤解である。飼い主に呼ばれると、数回振って応える事もある。また、狩りや遊びなどで興奮しているときも横に振ることがある。
- 後肢の間に巻き込んでいる
- おびえているとき。通常、耳を後ろに伏せていることを伴う。
- 大きく膨らませている
- 威嚇しているとき、または驚いたとき。威嚇しているときは、全身の毛を逆立てることを伴う。
- 他のネコや、人間に巻きつける
- 相手に親愛の情を持っている。
[編集] 肛門嚢
不意打ちを食らうと、肛門嚢から臭いにおいを発することがある。
[編集] 鳴き声
日本ではネコの鳴き声は「ニャー」「ミャー」「ウー!フギャ!ブミャーン!シャー!…(何事か荒らそう物音)…アッー!」などの擬音語を用いるのが一般的。アメリカでは「meow」、イギリスでは「miaow」、ドイツでは「miau」、フランスでは「miaou」、中国では「miāo(喵 口偏に苗)」と表す。
「ニャー」とは明らかに異なるものとしては、以下のようなものがある。
- 警戒時の唸り声。「ハーッ」「シャーッ」など
- 発情期における、赤ちゃんのような独特の声。「オアーン」「オギャー」「アーウ」など
- 鳥が目の前に来たとき、CDや鏡等の反射光に反応したとき、思うように獲物を捕れないなどストレスを感じたときに発する、「クラッキング」と呼ばれる声。まだ十分に解明されていない。「クケケケケ」「カカカカカ」など
カモメの鳴き声はしばしばネコのそれに例えられ、英語では "mew" というネコの鳴き声を表す単語は、カモメという意味も持つ。日本語でも、カモメの一種にウミネコ(海猫)と名付けられた鳥がいる。
[編集] 喉鳴らし
ネコやネコ科の動物は喉をゴロゴロと鳴らすことで知られており、一般的には飼い主や懐いた人に愛撫されるなどリラックスしている時が知られるが、体調が悪い時や死ぬ直前にも喉を鳴らすという。これらの行動の意味は未だにはっきり解明されていないが、普段から低周波の音を発生させることで骨格を丈夫にする。苦しいときに痛みを緩和し、呼吸を楽にしている。などの説が存在する [1]。
[編集] 繁殖
種類および地域により差はあるが、だいたい春季並びに夏季前期において発情、交尾を行うようだ。よく知られているように、オスはその際、さかり声と呼ばれるけたたましい鳴き声を上げ(上げない種類もいる)、これが騒音として住民の迷惑になっていることが多い。
[編集] 発情
[編集] メスの発情
個体差もあるが、おおむね生後6ヶ月から12ヶ月で性的に成熟し、その後定期的に発情する。発情の周期についてはいくつか説がある。
- 周期はおおむね3ヶ月。完全室内飼育の場合など、周辺の環境によっては周期が早まることがある。
- 冬から春の始まりごろと、春の終わりごろから夏の終わりごろの二シーズン。ひとつのシーズンの間に数回発情する。
- 1~2月ごろ、5~6月ごろ、8~9月ごろに発情する。
発情期間は3~6日程度だが、その間に交尾が行われない場合、10日ほどになることもある。
発情すると、地面に体を擦り付けるなど行動に変化が現れ、ときには意地でも外に出ようと暴れる事もある。
[編集] オスの発情
メスよりやや2,3ヶ月程度遅れて成熟するが、これも個体差が大きい。定期的な発情期はなく、メスの発情に誘発されて発情する。
発情すると、スプレー(尿マーキング)と呼ばれる特徴的な行動を行うようになる。オス同士の喧嘩も多くなる。また、まれにメスでもスプレーをすることがある。
[編集] 交尾
交尾は両性の合意によって行われ、メスがオスを気に入らなければ、オスが無理に交尾をすることはないとされている。通常、交尾はオスがメスの背中に乗り、オスがメスの首筋を噛んでメスが逃げないようにして行う。ネコの交尾は相手が1匹に限定されるものではなく、機会があればオス・メスともに複数の異性と交尾を行う。よって、同時に生まれた子猫の父猫が別のネコであることはよくあることである。ネコは交尾の刺激によって排卵が行われるため、妊娠率は比較的高い。オスの陰茎にはトゲ状の突起があることが知られているが、これは刺激によって排卵を誘発するため、と考えられている。去勢したオスでは、この突起が消滅する。
[編集] 妊娠・出産
メスネコは、おおむね2~6匹程度の子を妊娠する。妊娠期間は60日程度である。
出産は一般的に軽く、人や獣医師が手を貸す必要のないケースがほとんどである。子猫は出産直後は羊水で濡れているが、母猫が舐めて乾かし、数時間でふわっとした毛並みになる。母猫は出産当日は授乳に専念し、食事はあまり摂らないようである。かわりに後産で出た胎盤を栄養分として食べることが多い。
メスネコは年3~4回の出産が可能であり、年2回の出産は珍しくない。授乳期間中であっても交尾・妊娠するので、1回目の出産後、これ以上出産させたくない場合は注意が必要である。
- ネコの出産(ファイルの情報)
- 再生に問題がある場合は、Help:音声・動画の再生をご参照ください
[編集] 習性
[編集] 睡眠
家ネコの睡眠時間は人間に比べて長い。一般的に、ネコは一日の大半を寝て過ごすと言われている。ネコの飼い方の本(獣医師による解説)などでは、一般に「14時間程度」とか「16時間程度」と解説されていることが多い。また「長いネコでは20時間程度眠る」といった解説もされていることも多い[2]。外からの訪問者が少ない家やマンションで、家族や近隣にかわいがられ、安心していられる環境で、なおかつエサが十分に与えられていると、ネコは長いものでは1日あたり20時間ほどひたすら眠りつづける。ペットとして飼われている猫は、エサを探しにゆく必要がなく、寝る場所も確保されているので、特に何をする必要もないので、安心して眠りつづけるのである。寝ている時に時折、痙攣したり鳴き声を漏らしたりするが、夢を見ているせいである。主に子ネコの頃の夢(母ネコの乳首を吸っている場面)や、狩りをしている時の夢を見ると言われている。
子ネコ(家ネコの子ネコ)は、平均的に睡眠時間が長く、ネコの飼い方の本などでは、「20時間程度眠る」と解説されていることが多い。ほとんど眠っていて、たまに眼をさますと母ネコのお乳を吸い、その後ちょっと遊んでいたかと思うと、またすぐ眠ってしまう、というような状態である。子ネコではほとんどがレム睡眠である、といわれている。そのため、呼びかけたり触れたりすると目を覚ます場合がある。
ただし、野良猫に限れば、睡眠時間は家ネコよりかなり短めになる。眠っている時も眠りが浅い傾向がある。ネコに限らず動物全般に、外敵がいつやってくるか判らない環境では安心して眠っているわけにはいかなく、眠りが短く、浅くなる[3]。野良猫が、全ての脚を体の内側に入れうずくまって目を閉じている状態は「香箱(こうばこ)座り」または「箱座り」と呼ばれることがあり、まわりを半ば警戒したままいつでも動ける体勢を取ったまま、浅い眠りをとっている状態と考えられる。
[編集] 爪とぎ
放し飼いの地域猫や野良猫の場合は太い木の幹で、飼い猫の場合は壁や柱を使って爪とぎをする。猫に限らず、狩りをする動物の多くに見られる行動である。
古い爪を研いで爪を鋭くし、いつでも狩りに使えるようにしておく手入れの意味、縄張りを示す意味があると言われている。転位行動として行う事もある。
習性としての爪とぎを防止する目的で爪を切ってしまう場合があるが、ネコの爪の根元部分は肉・神経・血管が通っており、先端部分だけを丁寧に切らなければならない。大変割れやすく、出血・苦痛を伴う場合がある。
[編集] 体を舐める
全身をくまなく舐める。舌の届かない部位(顔・首・頭など)については前足に唾液を含ませて拭くように動かす。但し、飲み込んだ毛が消化器内で固形化して体調を崩す原因となるのでやめさせブラッシングしてやる方がいいともされる。肛門については、幼い頃から飼い主が洗って拭いてやる癖をつけると舐めなくなる。
[編集] 獲物を持ち帰る
ネズミやスズメなどの獲物を捕まえた際、その場で食べずに、安全な場所まで運んで食べる習性がある。母猫の場合は子猫に獲物を与える事で何が食べられるのかを教える。特に生きたまま与える事で狩りの訓練をさせるという側面がある。飼い猫や地域猫の場合も、よく懐いたヒトの元に獲物を持ち帰ったところを発見される事がある。
飼い主の所まで持ってくる理由は定かではなく推測の域をでない。単に安心できる場所に運んだのかもしれないし、あるいは狩った獲物の処分に困っただけなのかもしれない(子猫のころから生き物を食べていないと食べ物とみなさないことがある。それでもスポーツのように狩は衝動的に行われる。)。あるいはよく懐いた人間を家族とみなしている故の行動かもしれない。前述のように猫は家族に餌を運ぶ習性がある。そうだとすれば一種の家族愛と言い換えられるかもしれない。ヒトやイヌといった群れを作る動物の考え方をそのまま投影して飼い主に褒められたいからと言われることもある。しかしネコのような単独性の生き物はそのような感覚は必要とされておらず少し無理がある。
実際に持ってこられた場合、大抵の人は驚くと思うが、猫はよかれと思ってやっている事なので、無碍に扱うとショックを受けてストレスを溜めてしまう事がある。よって、冷静に対応し、猫が見ていないところで、そっと処分するのが良いとされる。
[編集] 草を食べる
肉食動物である猫だが、燕麦など背の低い草を食べる習性がある。
理由は未だ明らかでないが、草の繊維によって、毛づくろいの時に飲み込んだ毛を排泄するのを助けるとする説や、植物性のビタミンや葉酸を草を食べることで直接摂取するなどの説が有力である。どの猫にも共通しているのが、イネ科の植物を好んで食べるということである。
ペットショップでは飼い猫用に「猫草」として種や栽培キットなどが売られている。
[編集] 見つめる
危険を感じると一目散に逃げ出すが、そのまま逃げ切らずに安全な間合いになったら一度立ち止まり、振り向いて様子をじっと観察する習性がある。相手と目が合うと、自分から目線を外そうとせずにらみ合いになる。
[編集] 相手に向かって両目を閉じる
親愛の情を持っている相手と目が合うと、両目を閉じることがある。ときに、そっぽを向く行為を伴う。ネコの習性を良く知らない人間から見ると無視されたように感じる仕草だが、実際には両目でウインクしている様なものだと思えば分かりやすい。
[編集] 愛情があるのに噛む
本当に噛み切るつもりではなく、甘えて飼い主や他のネコを興奮して噛む事がある。これは手のような手ごろな接触手段を持たない動物によくみられる習性である。また親ネコは子猫の首の付け根を咥えて携行し、ネコはその場所を噛まれるとおとなしくなる(この事を利用して交尾の際にオスがメスを噛んだりする)。ネコの習性を良く知らない人間から見ると何故噛み付かれたのかわからず、とまどう行動だが、ただ甘えているだけであり、噛んでも相手が反撃しないのを確認して自分に対する愛情を確認しているだけである。「痛い」と口に出して伝えたり、大げさに痛がる仕草をして見せれば、徐々に力を抜いた甘噛みを覚えていく。痛いからといって、引っ叩いたりすると自分に対する愛情を疑うようになり、拗ねてしまう場合もある。
[編集] 母親の乳房に見立てて吸い付く
幼いうちに母ネコと引き離された場合など、毛布や飼い主の唇を母ネコの乳房に見立てて吸い付くことがある。両前足を周囲を揉むように動かす。うっとりとした表情をし、放っておくと30分位続ける場合もある。その動きから、「フミフミ」とか「チュパチュパ」と呼ばれている。ウールサッキングとも呼ばれる。
[編集] トイレの所作
ネコのもっとも象徴的な行動で、「ねこばば」の語源にもなっている。用を足す前に砂を掘ってくぼみを作り、用を足した後、砂をかける。初めのうちどこがトイレか認識できない場合があるが、そういったときはネコの様子を見て催しているなと思ったら、すばやくトイレに移してやり、用が済んだら大げさに褒めてあげることが大事である。しつけをする事でネコも人間用のトイレを使用させる事ができる。
[編集] 臭い物に砂をかける仕草をする
用を足す場合でなくても、臭い物を見つけたとき実際に砂がなくても砂をかける仕草をする。
[編集] 喧嘩
長い口喧嘩を経てから、格闘になる。口喧嘩は、一方が低音で唸ると他方は高音で返すなどの特徴が伺える。普通1対1の喧嘩であるので、人間が喧嘩の声に似せて横槍を入れると、気味悪がって喧嘩を中止することもある。喧嘩格闘は高い位置を制したものが有利とされ(飛び掛るのに有利)、戦略的ポジションを探りながらの口喧嘩が長時間続く。格闘になるとほんの数秒で決着する。
[編集] ネコと自然生態系
現代において、ほぼ世界中に存在するイエネコだが、人為的に広まったもので、それぞれの地域にとってイエネコは外来種である。
イエネコは優秀なハンターとしての能力と本能を持っている。非常に狩りを好む気性は欲求といっても差支えないぐらいである。古来、人に飼われてきた理由もネズミ等の駆除能力によるところが大きかった。野生化した猫はもちろん、十分に餌を与えられている飼い猫も野外の鳥類や小型哺乳類、爬虫類、両生類などの小動物を捕殺してしまう。その事が生態系に深刻な影響を与えてしまうこともある。
日本での代表的な例としては、沖縄県において、野生化したイエネコが地域固有種のヤンバルクイナを捕食したり、イリオモテヤマネコとの交雑や猫エイズの感染によって、イリオモテヤマネコの生息数減少を引き起こしているケースがある。
人間に飼われ十分に餌を与えられているイエネコでも狩りを行うことはよく知られており、飼い主が居住する地域によってはやはり、生態系に影響を及ぼすケースがある。例をあげれば、ニュージーランドのスティーブンズ島における固有種、スティーブンイワサザイは、灯台守が飼育していた一匹のイエネコによって絶滅に追い込まれたと見られている。
イエネコは国際自然保護連合がリストアップした「外来侵入種ワースト100」にもランクインしており、固有種の多い地域では戸外に出さないなど飼育に注意が必要である。ましてや脱走や飼育放棄など野生化につながるような事態は絶対に避けるべきである。
[編集] ネコと人間の歴史
[編集] 古代
新石器時代、中近東地域から農耕が広まり始め、穀物が保管されるようになるにつれて、ネズミが爆発的に増加したために、穀物庫の番人役として猫が村の中で重宝されるようになったといわれる。
現在世界最古のものとしては、キプロス島のシロウロカンボス遺跡(en:Shillourokambos)で9500年前の飼い猫の化石が発見されており、新石器時代もしくは石器時代後期から人類が既に猫をペットとして手なずけていたことを示唆している。この猫の骨は人骨が埋葬されていた場所から凡そ40cm離れた場所に埋葬されていたが、遺体の保存状況、位置関係などから、高位の人物が飼い猫を一緒に埋葬したものと考えられる。発掘された猫が年齢凡そ8ヶ月であることから、その人物が死亡した際に、一緒に殺されて埋められたものであるとも推測できる。さらには、キプロスの同遺跡において猫が何らかの宗教的重要性を持った存在であった可能性も示唆されている。遺骸からは屠殺された形跡が見られないため、埋められていた猫はおそらく人間と同様に扱われていたと考えられるという。ただし、同時代の同地域の遺跡からは、人間がネコ科の動物を食用にしていた跡も発見されているという。
エジプトでは、ネコがライオンの代わりとして崇拝されていたし、バステト女神として神格化もされていた。そのため敵側が猫の顔を自らの盾に描いてエジプト兵を追い払ったという。ジェームズ・フレイザーの『金枝篇』によると、中世ヨーロッパでもネコは麦穂の精霊と同一視され、中国でも、獣偏に苗(正字では貉偏に苗)と書くように、稲穂の精霊とされていたという。ただし、漢の時代には「猫」の字はまだなく、ネコには「狸」の字が当てられている。
[編集] 日本
日本においてネコが文献に登場するのは、『日本霊異記』に、慶雲2年(705年)に豊前国の膳臣広国(かしわでのおみひろくに)が、死後ネコに転生し、息子に飼われたとあるのが最初である。
愛玩動物として飼われるようになったのは、『枕草子』や『源氏物語』にも登場する平安時代からとされ、宇多天皇の日記である『寛平御記』寛平元年(889年)2月6日条には、宇多天皇が父の光孝天皇より譲られた黒ネコを飼っていた、という記述がある。奈良時代ごろに、経典などをネズミの害から守るために中国から輸入され、鎌倉時代には金沢文庫が、南宋から輸入したネコによって典籍をネズミから守っていたと伝えられている。『日本釋名』では、ネズミを好むの意でネコの名となったとされ、『本草和名』では、古名を「禰古末(ネコマ)」とすることから、「鼠子(ねこ=ネズミ)待ち」の略であるとも推定される。他の説として「ネコ」は「寝子」、すなわち「ね」は「寝る」の意味で、「こ」は「小さいもの、身近なもの」の意味であるという解釈もある。このように、蓄えられた穀物や織物用の蚕を喰うネズミを駆除する益獣として古代から農家に親しまれていたとおぼしく、ヘビ、オオカミ、キツネなどとともに、豊穣や富のシンボルとして扱われていた。
江戸時代には、ネズミを駆除するための呪具として、猫絵を描いて養蚕農家に売り歩く者もいた。絵に描かれたネコが古寺で大ネズミに襲われた主人の命を救う『猫寺』は、ネコの効用を説く猫絵師などが深く関わって流布した説話であると考えられている。ネコの穀物霊としての特質は時代を追って失われ、わずかに『今昔物語』「加賀の国の蛇と蜈蚣(むかで)と争ふ島にいける人、蛇を助けて島に住みし話」における「猫の島」や、ネコが人々を病から救う薬師になったと語る『猫薬師』に、その性格が見えるのみである。
日本の平安時代には位階を授けられたネコもいた。『枕草子』第六段「上にさぶらふ御猫」によると、一条天皇と定子は非常な愛猫家で、愛猫に「命婦のおとど」と名付け位階を与えていた。ある日この猫が翁丸という犬に追いかけられ天皇の懐に逃げ込み、お怒りになった天皇は翁丸に折檻を加えさせた上で島流しにするのだが、翁丸はボロボロになった姿で再び朝廷に舞い戻ってきて、人々はそのけなげさに涙し天皇も深く感動した、という話である。ネコに位階を与えたのは、従五位下以上でなければ昇殿が許されないためであるとされ、「命婦のおとど」の「命婦」には「五位以上の女官」という意味がある。
[編集] 家畜・食材としてのネコ
ネコがはたして家畜であるのかという問題に関しては、現在も議論が続いている。家畜の定義は「その繁殖に関して人間が決定的に関与する」というものであるが、現在世界に分布するイエネコの繁殖に関してはおそらくその大部分(8割近く[要出典]とも)がその管理外あるいは放し飼いで、猫自身による自由な繁殖にまかされている。
ネコを家畜としてみた場合の利用例としては、16世紀末に中国より日本本土に伝わった三弦の楽器が、猫皮を使用するようになり、これが三味線へと変化した。
江戸時代には食用すべきでない獣肉の一つとして猫が記録されているが、夏目漱石の「吾輩は猫である」の冒頭などには、貧乏書生が捕まえて煮て食ったなどの話も見られる。昭和初期までは困窮層に「おしゃます鍋」(「猫じゃ猫じゃ」の歌詞に由来、つまり猫鍋)なる言葉も残っていた。猫鍋は泡が立ち味が良くないと言い伝えられている。
琉球(沖縄)では近年まで猫食が残っており、1999年には無許可で猫肉を販売していた業者が摘発を受けている。中国やその影響を受けた一部の国では、滋養強壮等の薬膳として食べることもある。中国や朝鮮では、イヌやハクビシンなどとともに食材として日常的に市場で売られている地域もあるほか、寅年の年に、縁起物としてトラの代わりにネコを食べる地域もある。中国のある地域では、人間に食べられないよう、ペットのネコも日本での屋外イヌ同様鎖に繋いで飼うことが普通だという。他、食のタブー#猫参照。一部のフランス人も猫を食す。
[編集] 人間がネコを「かわいい」と思う理由
ネコはイヌと並んで世界中で親しまれているが、その外見が「かわいい」ことが理由の一つとして挙げられる。人間がネコなどの動物を可愛いと思う理由は幾つかあるとされるが、その一つは、人間の赤ん坊に比較的近い特徴を持っていることによって生じる母性本能であると言われる。ネコが持つ主な特徴は次に挙げるようなものである。
- 顔の大きさの割りに比較的大きな目
- 目や鼻、口の位置
- 体型や顔と身体のバランス
- 丸顔
- 「ニャー」に代表される鳴き声の質
これらの特徴が人間の赤ん坊と類似している。目などの顔のパーツが正面に位置していることが人間と共通であるため、人間が本能的に「親近感」を持つとも言われる。
「ニャー」などの鳴き声は、子猫が親猫に対して発する声を人間にむけたものであると言われる。飼い猫によく見られ、人間(飼い主)を親猫同様に信頼している状況といえる。
母性本能は哺乳類や鳥類に共通のもので、人間以外の動物にも「かわいい」に相当する感情は存在する。人間の飼育下における異種間子育てなどはよく確認されている。
[編集] ネコ嫌いを生む背景
ネコ好きな人間が多い一方で所謂ネコ嫌いもまた多いが、その理由の一つにノラネコの存在がある。ネコは体が小さく動きも敏捷で捕まえにくいため、ノライヌのような完全駆除が難しく、糞尿、飼っている小鳥や魚が殺されるなど小動物への被害、爪を研ぐ、ネコの習性であるマーキング、台所を荒らされるなどの害に悩まされる住民も多い。またネコ好きにとっては魅力的である鳴き声、仕草、人間に媚びない習性には生理的嫌悪感を抱く人も多い。イヌを嫌う人間の理由の大半が、幼児期の「噛まれた」「吠えられた」といった肉体的苦痛や恐怖心から来るトラウマなのに比べると、ネコが嫌われる理由は深刻な実害から生理的嫌悪感まで多岐に渡っており、ネコは人によって様々な反応を生む非常にクセのある生き物だといえる。
[編集] ネコと文化
ネコの性格は気まぐれとされ、行動・習慣はむしろ頑固で多分に自己中心的であり、イヌが飼い主のしつけによく反応し強い忠誠心を示すのとは対照的であるとされている。これは、イヌが元来群れをつくる動物であり、飼い主を群れの仲間(多くの場合は自分よりも上位)と認識するのに対して、元来単独で行動するネコでは、そのようなことがないのが原因であると言われる。もちろん全てのネコがそうであるわけではない。たとえばロシアンブルーは人見知りではあるが飼い主に忠実であり、アビシニアンやソマリは人と遊ぶことを非常に好むなど、ネコの品種によっては、人間の生活様式に順応した性格を生まれ持って備えていることも多い。
ネコはイヌと同様に、人間に身近な動物であることや、擬人化しやすいことから、漫画・文学作品等のフィクションのキャラクターとしても多く登場する。これについては、Category:架空のネコ、ネコを主題とする作品一覧を参照。
農家にとってネズミを捕るネコは豊穰と富を象徴する生き物だったが、豊穰というものは連続する再生(生産)であり、そのための死(消費)をも意味する。ネコの特徴として、光の量によって大きさの変化する瞳が挙げられるが、これは月の満ち欠けに擬えられた。月もやはり死と再生を繰り返すと考えられていた存在である。後世では、この死を司るという特質が強調されるようになり、中世ヨーロッパでは魔女の使い魔と見做されるようになった。
イスラム世界では、預言者ムハンマドがネコを可愛がっていたと伝えられており、現在でもネコは好まれる。
なお、現代では野猫(ノラネコ)は野生化したイエネコそのものを指しているが、『和漢三才図会』でタヌキを「野猫」としているように、古くはタヌキをネコと呼んでいることから、ネコとタヌキは民俗学的には同一の存在である。中国では「狸」の字でタヌキのほかにヤマネコの類をも指したので、イエネコを「家狸」とも称した。
[編集] 伝説・伝承の中のネコ
[編集] ネコ座・ネコ年
西洋では星座、東洋では十二支の動物になり損ねた動物のひとつでもある。18世紀の天文学者によって「ネコ座」が作られたが、古代ギリシャ時代にはネコ座はなかった。東南アジアの一部の国でネコを十二支のひとつとする国もある(主にウサギに代えて「卯」に当てる)。
[編集] ネコの神さま・妖怪
猫又。猫が50年を経ると尾がわかれ、霊力をもつといわれる。それを妖怪ととらえたり、家の守り神となると考えたり様々である。この尾が分かれるというのは、猫が超老齢になると、背の皮がむけて垂れ下がり、尾の方へと垂れ下がるために、このように見えるのである。この様に尾が数本に見える猫がTBSの朝のテレビ番組で紹介されたこともある。
猫又などに代表されるように、3年、または13年飼った古猫は化ける、あるいは1貫、または2貫を超すと化けるなどといわれるのは、付喪神(つくもがみ)の一種であると考えられている。 『鍋島の猫騒動』をはじめ『有馬の猫騒動』など講談で語られる化け猫、山中で狩人の飼い猫が主人の命を狙う『猫と茶釜のふた』や、鍛治屋の飼い猫が老婆になりすまし、夜になると山中で旅人を喰い殺す『鍛治屋の婆』、歌い踊る姿を飼い主に目撃されてしまう『猫のおどり』、盗みを見つけられて殺されたネコが、自分の死骸から毒カボチャを生じて怨みを果たそうとする『猫と南瓜』などは、こういった付喪神的なネコの話である。
招き猫のように、猫には特別な力があると考え人間の側からお願いをするというものもあるが、これらも根は同一あるいは類似したものと考えられる。
- 岐阜県大野郡丹生川村(現在の高山市丹生川町)では、ネコが死者をまたぐと「ムネンコ」が乗り移り、死人が踊り出すといわれ、ネコを避けるために死者の枕元に刃物を置く、葬式の時はネコを人に預ける、蔵に閉じ込める、といった風習がある。
- 佐賀県東松浦郡でも、死者にネコの霊が憑くといわれ、これを避けるために死者を北枕に寝かせた上でやはり枕元に刃物を置き、布団の上には箒を乗せるという[4]。
- 愛知県知多郡日間賀島の伝承では、百年以上も歳経たネコの妖怪を「マドウクシャ」と呼び、死者の骸を取りに来るため、死人の上に筬(おさ、機織機の部品)を置いてこの怪を防ぐという話がある。これと同じく火葬場や葬列を襲って屍を奪う妖怪は「火車」と呼ばれるが、その正体はネコであることが多い。
- 生きている人間にネコの霊が憑くという伝承もある。
- 貧乏な寺に飼われていたネコが、世話になった恩返しのため、野辺送りの棺を空に上げて、飼い主の和尚に手柄を立てさせる『猫檀家』という説話もあり、水木しげるの著書でも『猫の神通力』の題で語られている[6]。
これらの話は、ネコが死と再生のシンボルでもあったことの名残りであろう。
[編集] いいつたえ・俗信・迷信・トリビア
ネコに道を横切られると縁起が悪いとも良いとも言われる。“黒ネコ”に前を横切られることを不吉として忌むのは、おそらくアメリカから伝わった迷信であり、イギリスでは逆にこれを幸運のしるしとすることが多い。 また、黒ネコを飼うと商売がうまく行くとも言われ店舗などを営む自営業者が好んで飼う場合もある。
[編集] オスの三毛猫はいない
遺伝上、三毛猫のほとんど全てがメス猫である。ところがごくまれ(三万分の一の確率とも)にオスの三毛猫が生まれる。この猫は海運業や漁業から海での危難を救う力があると江戸時代から信じられており、最近まで高値で取引されることもあったという。
[編集] ネコの死に場所
死を悟ると死に場所を求めて姿を消すと言われるが、ネコには「死」の概念がないとされており、体調が悪化したり、致命的な傷を負った時などは、本能的な防御反応として、危険な場所から安全な場所へ身を隠そうとし、場合によってはそのまま死んでしまうと考えられている。(2006年8月9日のトリビアの泉でも放送された。)