ブリティッシュショートヘア

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ブリティッシュショートヘア(British Shorthair)は、イギリスにその起源を有する、の一品種。自然発生種に類され[1]ブリテンの地に源流を有する数多の猫種のなかでも最古のそれであるものと目されている[2]。 殊にこの品種のブルー〔灰色〕の毛色はこの品種―ブリティッシュショートヘアの「永遠の傑作」とも言われ、これの持ち主は特に「ブリティッシュブルー」の呼び名を持つことがある[3]

その一個体

来歴[編集]

2世紀ブリテン島を侵略したローマ人らは、その折に農耕をもたらすと同時に、それに係るネズミ対策のためにこの地に猫を持ち込んだ。やがてそのローマ人らが引き揚げてのちに隔絶状態に入ったこの島でそれら猫らの揺籃が進行することとなった[4]。 こうして繁殖した猫らの子孫と伝えられるこの品種―ブリティッシュショートヘアは、1800年代には既にその存在を知られていた[5]

その創出の直接の起源にあたる時期は1880年代で、当時のイギリスの地に生息していた野良猫や飼い猫などの雑多な猫らを交配したうえで生み出された[3]。 1871年にロンドンで世界初のキャットショー〔猫展覧会〕が開催された折には、この品種も出陳されるに至り数多の優秀賞を獲得[4]。 1890年代になると地元イギリスで一猫種としての公認を獲得した[1]

20世紀の中頃―第二次世界大戦の時期には食料不足を原因として絶滅の危機に瀕し、まさしく絶滅寸前という状況にまで差し掛かったものの、時の繁殖家らの尽力によって、この品種の最近似型と見做されたペルシャとの交配計画が始動。これによって血統の断絶は回避され、更にはこの外部交配によってそれまでに無かった毛色と体型が誕生したのであった[6]

時も下って1970年代に入ると、米国の地へと持ち込まれそこで瞬く間に人気の猫種へ[3]。 1980年代になるとその米国で幅広い公認を受けた[1]21世紀に入ってからというもの多様な東洋の猫種―いわゆるオリエンタル種との異種交配の試みが活発化し、それまでに存在しなかった様々な新色の作出が見られるようになった[7]

ブルーのブリティッシュショートヘア―「ブリティッシュブルー」にはしばしばシャルトリューとの類似性が見い出されもする[3]

特色[編集]

元々は「ブリティッシュブルー」と呼ばれていた。これはキャットショーに出陳されていたこの品種の個体がある時期まではブルーの毛色のそれに限られていたこと[8]と、この毛色に人気が集中していたことによる[6]。 ブルーのブリティッシュショートヘアは、その他の毛色のそれより被毛が厚めであるという特色を備える[8]

「短毛」を意味する「ショートヘア」というその名の通り短毛種であり、骨太の脚、厚く幅の広い胸部、引き締まった胴体、重量感のある丸い顔、そして、殊に密生した短い被毛を特徴とする[5]。 完全な成熟までに要する時はおおよそ3年から5年[9]B型の血液を保持する個体が4割に達する。これは他の短毛種には見ることのできない珍しい特徴である[3]

気質の面においては、誠実さおよび辛抱強さと控えめな様子がその特色とされ[3]、その非常に静かな様子が特筆の的となっている[6]。 従順にしておとなしい反面、触れられるのを嫌がることから、「独立心の強い落ち着いた猫」との形容を受けてもいる[3]

出典[編集]

  1. ^ a b c 世界の猫カタログ,頁51:ブリティッシュショートヘアー>DATA/歴史/特徴と性格
  2. ^ キャット・ファンシアーズ・アソシエーション品種概要>ブリティッシュショートヘア (英語)
  3. ^ a b c d e f g 新猫種大図鑑,頁112:イエネコの種類>短毛種>ブリティッシュ・ショートヘア
  4. ^ a b 世界のネコたち,頁65:ネコたちのプロフィール>ブリティッシュ・ショートヘア
  5. ^ a b gooペットブリティッシュ・ショートヘアー セミコビー 猫図鑑
  6. ^ a b c 世界のネコたち,頁66:ネコたちのプロフィール>ブリティッシュ・ショートヘア
  7. ^ 新猫種大図鑑,頁114:イエネコの種類>短毛種>新しい色のブリティッシュ・ショートヘア
  8. ^ a b 世界のネコたち,頁64:ネコたちのプロフィール>ブリティッシュ・ショートヘア
  9. ^ キャット・ファンシアーズ・アソシエーション品種基準>ブリティッシュショートヘア (英語)

文献[編集]