アンズ

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アンズ
Apricot fruit.jpg
アンズの果実
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: バラ目 Rosales
: バラ科 Rosaceae
亜科 : サクラ亜科 Prunoideae
: サクラ属 Prunus
: アンズ P. armeniaca
学名
Prunus armeniaca L.
和名
アンズ(杏子/杏)
英名
Apricot

アンズ(杏子/杏、学名 Prunus armeniaca)は、ヒマラヤ西部~フェルガナ盆地にかけての地域を原産とする、バラ科サクラ属落葉小高木である。アプリコットと英名で呼ばれることもある。別名、カラモモ(唐桃)。中国北部で形成された東洋系の品種群には、ウメとの交雑の痕跡がある。

目次

[編集] 特徴

アーモンドやウメ、スモモの近縁種であり、容易に交雑する。ただし、ウメの果実は完熟しても果肉に甘みを生じず、種と果肉が離れないのに対し、アンズは熟すと甘みが生じ、種と果肉が離れる(離核性)。アーモンドは果肉が薄く食用にしない。

耐寒性があり比較的涼しい地域を好む。春(3月下旬から4月頃)に、桜よりもやや早く淡紅の花を咲かせ、初夏にウメに似た実を付ける。美しいため花見の対象となる。自家受粉では品質の良い結実をしないため、他品種の混植が必要で、人工授粉も行われる。収穫期は6月下旬から7月中旬で、一つの品種は10日程度で収穫が終わる。果実は生食のほかジャムや乾果物として利用される。種子は青酸配糖体や脂肪油、ステロイドなどを含み、杏仁(きょうにん)と呼ばれる咳止めや風邪の予防の生薬(日本薬局方に収録)として用いられる他、杏仁豆腐(今日では「あんにん」と読まれる事が多い)の独特の味を出すために使われる。未成熟な種子や果実には青酸配糖体の一種アミグダリンが含まれる。

日本には古代に中国から伝えられ、万葉集には「杏人」の原文表記があり、カラモモともカラヒトともモモサネとも訓まれていて確定していない。仮名書きのカラモモ古今集に見える。

[編集] 育て方

病害虫に注意する。防除体系[1][2](防除暦)に基づき適切な農薬使用を行う[3]冷涼地乾燥地では無農薬栽培が可能。

一年生の植物と異なり、あんずなどの樹木に実る果実はその種を播いても同じ物は実らない。従って苗は接ぎ木によって増やされる。台木には、実生が用いられる。

[編集] 肥料

ホウ素欠乏土壌ではの外観不良が発生しやすく、ホウ素欠乏抑制のため施肥管理が重要。成木ではカリ燐酸を多めにする。

[編集] 産地

[編集] 日本

[編集] 世界

[編集] 品種

  • 東洋系の平和、新潟大実、信州大実、広島大実、山形3号、八助、鏡台丸、信月、信山丸、さつき、昭和
  • 西洋系のハーコット、ゴールドコット、プリン
主な品種の特性と長野県での収穫期、
品種名 経歴 果重 主用途 収穫時期
山形3号 山形原産で昭和初期から生産される。 40~50g 干し杏やジャム 6月下旬
平和(へいわ) 大正時代の初期の偶発実生。第一次世界大戦の終結を記念して大正8年命名 50~70g 干し杏やジャム 6月下旬~7月上旬
幸福丸(こうふくまる) 長野県内生産者の畑で日本+欧州系アンズの偶発実生 70~80g 生食 6月下旬
信陽(しんよう) 「山形3号」と「甚四郎」の交雑実生 40~50g 干し杏やジャム、肉崩れしやすくシロップ漬け不向き 6月下旬~7月上旬
さつき 「平和」と「昭和」の選抜実生 50~60g シロップ漬、ジャム 6月下旬~7月上旬
昭和(しょうわ) 昭和15年頃、森地区の生産者の畑での偶発実生 30~40g シロップ漬、ジャム 7月上旬
ハーコット カナダ生まれ「モ-ルデン604」と「NJAI」(フェルプス×パ-フェクション)の選抜実生で1979年長野県に導入 50~140g 糖度が高く生食に適 7月上旬
信山丸(しんざんまる) 長野県果樹試験場による山形3号の実生選抜、1980年登録品種 40~50g 生食と加工 7月上旬
新潟大実(にいがたおおみ) 新潟原産で昭和初期から生産される 40~60g ジャムやシロップ漬け、干し杏 7月上旬
信州大実(しんしゅうおおみ) 長野県果樹試験場が「新潟大実」と「ア-リ-オレンジ」を交配、1980年登録品種 80~100g 生食と加工 7月中旬
信月(しんげつ) 1961年長野県果樹試験場が「新潟大実」と「チルトン」を交配、1992年品種登録 70~90g シロップ漬に優れる 7月下旬
八助(はちすけ) 青森県南部地方および岩手県北部の在来種、通称八助梅 70~100g 梅漬、梅酒用
サニーコット アンズ筑波五号(ニューキャッスルアーリー×甲州大実)にハーコットを交雑. 農業食品産業技術総合研究所 果樹研究所育成種 2009品種登録 110~120g 糖度が高く生食に適 7月中旬
ニコニコット ライバルにアンズ筑波五号を交雑. 農業食品産業技術総合研究所 果樹研究所育成種 2009品種登録 90g前後 糖度が高く生食に適 7月中旬

[編集] 用途

[編集] 薬用

  • 本種またはその他近縁植物の種子のことを、生薬キョウニン(杏仁)と言い、鎮咳去痰嘔吐に用いるほか、麻黄湯、麻杏甘石湯、杏蘇散などの漢方処方に用いられる。
  • キョウニンを水蒸気蒸留して精製したものがキョウニン水で、鎮咳に用いる。
  • あんず酢

[編集] 食用

  • 生食
  • 加工ジャム、シロップ漬け、干し杏、ワイン梅干し。かつて未熟果が『姫子』の名称で果実酒用や漬物用として販売されていたが、残留農薬基準の強化に伴う一律基準の導入により、販売されなくなった。

[編集] 材木

  • 柱、敷居

[編集] 関連項目

[編集] 脚注

[編集] 外部リンク

[編集] 画像

花  
花 ハーコット種  
花 信州大実種  
果実  
種子  
若い実  
果実  
定植後、7年  
大きさの比較  
プラムポックスウイルスに感染したアンズ  
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