アマミノクロウサギ

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?アマミノクロウサギ

国立科学博物館展示の剥製
保全状態評価
ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
ファイル:Status iucn3.1 EN.svg
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: ウサギ目 Lagomorpha
: ウサギ科 Leporidae
: アマミノクロウサギ属
Pentalagus Lyon, 1904
: アマミノクロウサギ
P. furnessi
学名
Pentalagus furnessi (Stone, 1900)
和名
アマミノクロウサギ
英名
Amami rabbit
アマミノクロウサギの生息地

アマミノクロウサギPentalagus furnessi)は、動物界脊索動物門哺乳綱ウサギ目ウサギ科アマミノクロウサギ属に分類されるウサギ。本種のみでアマミノクロウサギ属を構成する。

目次

[編集] 分布

日本奄美大島徳之島固有種

[編集] 形態

体長42-51cm。尾長1.1-1.5cm。体重1.3-2.7kg。全身は光沢のある長い体毛と、柔らかく短い体毛で覆われる。体毛の色彩は背面が黒や暗褐色、腹面が灰褐色。

眼は小型。耳介も小型で、長さ4.1-4.5cm。属名Pentalagusは「5つの歯のあるウサギ」の意で、模式標本の個体の上顎臼歯が左右に5本ずつしかない(ウサギ科は通常左右に6本ずつ)ことに由来する。しかし本種も通常は上顎臼歯は左右に6本ずつある。四肢は短く、特に後肢は短い。指趾には爪が発達する。

出産直後の幼獣はほとんど体毛が無く、眼も閉じている。

[編集] 分類

形態およびDNAの解析によりウサギ科内でも原始的形態を残した種と考えられている。奄美諸島の一部に本種のような原始的形態を残した遺存種がいることに対しては

  • 南西諸島が台湾と陸伝いだった時期(中新世後期)に侵入したが、海水面の変動により島嶼に隔離された。
  • 他のウサギ科の構成種が侵入せず、競合相手がいなかった

などの理由が考えられている。

[編集] 生態

山地や海岸の斜面にあるカシやスダジイからなる常緑広葉樹林や二次林に生息する。単独で生活するが、野生下および飼育下でも1つの巣穴を複数個体が同時に利用した例がある。複数の鳴き声を発したり後肢で地面を叩くことから、個体間でコミュニケーションを行うと考えられている。 1-2ヘクタール夜行性で、昼間は斜面に掘ったアルファベットの「L」字状の長さ100-400cmの巣穴や、樹洞や岩の隙間などで休む。

食性は植物食で、ススキボタンボウフウなど)、木の葉(アマクサギエゴノキなど)、樹皮(スギミカンなど)、果実、タケノコなどを食べる。

繁殖形態は胎生。専用の長さ100-200cmの巣穴を掘り、4-5月と10-12月に1回に1頭の幼獣を産む。母親はときどき幼獣のいる巣穴に立ち寄り授乳し、授乳が終わると巣穴の入り口を塞ぐ。

[編集] 保全状態評価

道路・宅地等の開発や伐採等により生息環境が破壊され、個体数は減少している。奄美大島では人為的移入によるマングースが1979年頃から目撃されはじめ、現在では定着してアマミノクロウサギの生存を脅かしている。このため、マングースの駆除が環境省によって行われている。徳之島ではマングースは定着していないが、野犬や野猫などの移入動物によって捕食される観察例がある。なお、両島とも車との遭遇事故が報告されている。現在の生息個体数は、奄美大島に3,000頭前後、徳之島に200頭前後である。

[編集] 裁判に登場したアマミノクロウサギ

1995年、アマミノクロウサギほか数種の動物を原告として、ゴルフ場開発の許可処分の取消しを求める訴状が鹿児島地方裁判所に提出された(奄美自然の権利訴訟あるいはアマミノクロウサギ訴訟)。裁判所はアマミノクロウサギの背景に人間がいるはずと指摘したため、裁判は動物の言い分を本来の原告(人間)が取りまとめて訴えたという形で行われた。2001年に訴えは却下され原告敗訴となったが、判決文は人間の開発行為に対する「自然の権利」追認とともに自然保護の意義に言及し、今後の重要課題であると結んだ。2002年には福岡高等裁判所で控訴審が行われ、原告適格なしとして控訴棄却となり、判決文では自然の権利への言及もなされなかった。

[編集] 関連項目

[編集] 参考文献

  • 今泉吉典監修 D.W.マクドナルド編 『動物大百科5 小型草食獣』、平凡社1986年、135、137、142-143頁。
  • 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ4 インド、インドシナ』、講談社2000年、47、176頁。

[編集] 外部リンク