ドメイン (分類学)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内, 検索

生物分類学におけるドメイン: domainドメイン、: regioレギオー)とは、よりも上の、最も高いランクのタクソンである。日本語では中国語に由来する「域」あるいはregio/domainを直訳した「領域」と呼ばれることがある。英語では他にempire(エンパイアー)、superkingdom(スーパーキングダム)、またラテン語のimperium(インペリウム)やsuperregnum(スぺッレグヌム)も時に使用される。

この階級の新設は、これまでの分類の最も高い階層である界が本来は植物動物を分けるために設定されたものであったことに由来する。様々な生物の発見により、この分類は改変を受けてきた(五界説を参照)が、原核生物真核生物の差が、真核生物内部での植物と動物の差より大きいものと考えられるようになったこと、また古細菌の発見によって原核生物内の多様性が想像以上に大きいことがわかってきたことによって、界より上のランクを設定した方がよい、との判断が生まれてきたことによるものである。

タクソンへの分類は、基礎的なゲノムの進化の違いを反映して行われる。生物のドメイン分けはいくつかのやり方が提案されている。例えば次のようなものがある。

  • 2帝説 - 最上位の分類を原核生物帝と真核生物帝の2つのインペリウム(帝国)に分ける。
  • 3ドメイン説-最上位の分類を古細菌、真正細菌、真核生物の3つのドメインに分ける。

後者は1990年カール・ウーズによって提案された最も新しい説であり、次第に支持されている。一部階級の新設に反対する研究者の中には、ドメインの代わりにインペリウムやエンパイアーを使用するものもいる。

これらの分類は、一義的には遺伝子配列の分析データと分岐学に基づくが、さらなる理由付けが期待されている。

ドメインより上の階級も提唱されているが、広く受け入れられているものは無い。例えば、リンネは動物界、植物界、鉱物界の上にImperium Naturae(自然帝)を置いた。3つのドメインの上にImperium Cellulata(細胞生物帝)を置く研究者もいる。

[編集] 3つのドメインの比較

特徴 真正細菌
Bacteria
古細菌
Archaea
真核生物
Eukarya
大きさ 小(1-10μ) 大(10μ~)
ペプチドグリカン ×
細胞膜 ジエステル(sn-1,2) ジエーテル(sn-2,3) ジエステル(sn-1,2)
細胞小器官の有無 ×
鞭毛 フラジェリン 独自 チューブリン
DNA 環状 線状
ヒストン ×
複製開始点 1つ 1つまたは複数 複数
RNAポリメラーゼ 単純 複雑
プロモーター プリブノーボックス TATAボックス
mRNAスプライシング ×
リボソーム 70S 80S
翻訳開始アミノ酸 フォルミルメチオニン メチオニン
アフィディコリン感受性
ジフテリア毒素感受性
アニソマイシン感受性
アンピシリン感受性
ストレプトマイシン感受性
キロマイシン感受性
テトラサイクリン感受性
×
×
×






×
×
×
×
エリスロマイシン感受性 ×
クロラムフェニコール感受性 ×
個人用ツール
名前空間
変種
操作
案内
ヘルプ
ツールボックス
他の言語