いとうせいこう

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いとう せいこう
2019年
誕生 伊藤 正幸
(1961-03-19) 1961年3月19日
日本の旗 日本, 東京都葛飾区
職業 編集者小説家作詞家ラッパー俳優
国籍 日本の旗 日本
ジャンル 小説随筆
代表作ノーライフキング』(1988年)
『想像ラジオ』(2013年)
主な受賞歴 講談社エッセイ賞(1999年)
野間文芸新人賞(2013年)
デビュー作 『ノーライフキング』(1988年)
パートナー
公式サイト WATCH SEIKO
ウィキポータル 文学
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いとう せいこう
出生名 伊藤 正幸
別名 MAC THE SEIKO
生誕 (1961-03-19) 1961年3月19日(63歳)
出身地 日本の旗 日本, 東京都葛飾区
学歴 早稲田大学法学部卒業
ジャンル ヒップホップ
職業 編集者小説家作詞家ラッパー
担当楽器 ボーカル作詞
活動期間 1985年
共同作業者 □□□
DUBFORCE
公式サイト WATCH SEIKO

いとう せいこう(本名:伊藤 正幸(読み同じ) 、1961年3月19日 - )は、日本のタレント小説家作詞家ラッパー俳優、ベランダーとして幅広く活動するクリエイター。株式会社エムパイヤ・スネーク・ビルディング取締役。2008年3月より株式会社キューブに所属。身長169cm、体重63kg。

経歴・人物

葛飾区鎌倉町出身[1]。父の伊藤郁男は元参議院議員民社党政審副会長を務めた。

東邦大学附属東邦高等学校を経て、早稲田大学法学部へ進学。在学中からピン芸人として活動を始める。ニッポン放送からパーソナリティとしてのオファーがあったが、逆に裏方でラジオの仕組みを勉強したいと頼み、タモリの「オールナイトニッポン」のADをした[2]。その傍ら、高原兄がパーソナリティだった時代の「ヤングパラダイス」では「穴ほりマン」として中継レポーターを務めていたこともある[3]

1984年、大学卒業後は講談社に入社。『ホットドッグ・プレス』などの編集部を経て、1986年退社。ヒップホップMCとして活動する傍ら、執筆活動も行い、1988年に発表した処女小説『ノーライフキング』は第2回三島由紀夫賞、第10回野間文芸新人賞の候補作ともなった。2006年より、園芸ライフスタイルマガジン『PLANTED』(毎日新聞社)の創刊編集長を務める。2013年、東日本大震災をテーマとした小説『想像ラジオ』が、第26回三島由紀夫賞および第149回芥川龍之介賞候補となり、第35回野間文芸新人賞受賞。「鼻に挟み撃ち」で、第150回芥川龍之介賞候補。現在は、近畿大学国際人文科学研究所の客員教授を務めている。

音楽

日本にヒップホップカルチャーを広く知らしめ、本格的にラップ・ミュージックで表現したアーティストの一人である。アフリカン・アメリカンのラップというスタイルを単に模倣したのではなく、日本語の表現方法の可能性を意識的に追求した点でその後の表現者たちに多大な影響を与えている(この点については日本のヒップホップを参照)。後に、MCUKOHEI JAPANYOU THE ROCKスチャダラパー宇多丸らが影響された事実を語っている。

1992年には藤原ヒロシサブリミナル・カームを結成。ヴォーカルを中心としたアルバムを発表。収録された「かすかなしるし」は、須永辰緒によってカヴァーが出されている。

ラッパー時代は宮崎泉と共に、「MAC THE SEIKO & DUB MASTER X」を名乗っていた。

2009年Dub Master Xかせきさいだぁ≡などと共に「THE DUB FLOWER」を結成。

2009年7月9日、何度かコラボレーションしていた□□□に加入することを発表[4]

2016年3月にゲストとして参加していたDUBFORCEへ正式加入[5]

エピソード

  • 『ホットドッグプレス』編集者時代は投稿コーナーを担当。お笑いライブプロデューサーヒロ吉田、詩人の小杉なんぎんらが常連だった。
  • 家庭菜園に凝っていて、様々な野菜を作っている。初心者へのお勧めはシシトウ。後にエッセイ『ボタニカル・ライフ 植物生活』がNHKで『植物男子ベランダー』としてドラマ化された。
  • 世界一受けたい授業』での特許の授業でが固くならない容器のアイデアを出して、優れたアイデアと認められたので特許を出願した[6][注釈 1]
  • みうらじゅん安斎肇と共に「バギナーズ」という女装ユニットを結成したことがある。
  • 着信御礼!ケータイ大喜利の初代MCを担当。
  • ラヴァーズ・ロックを唄う際は裏声になる。
  • 同じ仏像好きのみうらじゅんとはテレビ番組で知り合い、意気投合し、翌日2人による月刊誌の連載が決定した。いとうの仏像好きは「般若心経」その他を読んでいた中学校時代から。通信空手の有段者であるが、同じく通信空手をしていたみうらじゅんが出会った通信空手家3人のうちの1人だという。
  • 車の免許を持っていない。
  • 再婚しているが、そのことを出演する番組スタッフに伝えていない。
  • 1991年湾岸戦争への自衛隊派遣に抗議し、柄谷行人中上健次津島佑子田中康夫らとともに『湾岸戦争に反対する文学者声明』を発表した。
  • みうらじゅんと共に「テープカッター(式典でのテープカットの専門家)」、「副音サー(あらゆる映像に副音声を付ける専門家)」など、新たな経歴・肩書きを増やし続けている。
  • 日本ふんどし協会がふんどし普及に貢献した人物に贈る賞である「ベストフンドシストアワード」を第1回の2011年度から3年連続で受賞している[7]。2014年度にて殿堂入りに認定された。

ディスコグラフィー

他のアーティストへの提供曲

  • やや「夜霧のハウスマヌカン」(作詞:いとうせいこう、季秀元/作曲:棚部陽一)『業界くん物語』よりシングルカット
  • 大竹まこと「俺の背中に火をつけろ!」(作詞:いとうせいこう/作曲:ケラ)『建設的』よりシングルカット
  • 福永恵規「3度目のNO TRY」(作詞:いとうせいこう/作曲:蓑輪単志
  • 若林加奈「COOL〜アナタガタリナイ〜」(作詞:いとうせいこう/作曲:大森隆志
  • □□□「惑星のシェルター」(作詞:いとうせいこう/作曲:三浦康嗣、村田シゲ)
  • 国本武春「元気を出して節」(作詞:いとうせいこう)
  • salyu × salyu「心」「Mirror Neurotic」(作詞:いとうせいこう/作曲:小山田圭吾
  • ももいろクローバーZ「5 The POWER」(作詞:いとうせいこう/作曲:MURO・SUI)

客演

カヴァーされた楽曲

舞台

出演

テレビ

現在
過去

ラジオ

ウェブテレビ

CM

著書

小説

  • ノーライフキング』新潮社(1988年 ・第2回三島由紀夫賞候補作、第10回野間文芸新人賞候補作)のち新潮文庫、のち河出文庫
  • 『ワールズ・エンド・ガーデン』新潮社(1991年 ・第4回三島由紀夫賞候補作)、のち新潮文庫、のち河出書房新社より「いとうせいこうレトロスペクティブ」シリーズ収録
  • 『からっぽ男の休暇』講談社(1991年)のち講談社文庫、のち河出書房新社より「いとうせいこうレトロスペクティブ」シリーズ『南島小説二題』収録
  • 『解体屋外伝』講談社(1993年)のち講談社文庫、のち河出書房新社より「いとうせいこうレトロスペクティブ」シリーズ収録
  • 『アタとキイロとミロリロリ』 幻冬舎(1994年)のち幻冬舎文庫
  • 『スキヤキ』集英社(1995年
  • 『波の上の甲虫』求龍堂(1995年)のち幻冬舎文庫、のち河出書房新社より「いとうせいこうレトロスペクティブ」シリーズ『南島小説二題』収録
  • 『豊かに実る灰』マガジンハウス(1996年
  • 『去勢訓練』太田出版(1997年
  • 『想像ラジオ』河出書房新社(2013年・第26回三島由紀夫賞候補作、第149回芥川龍之介賞候補作、第35回野間文芸新人賞受賞、第2回静岡書店大賞小説部門大賞受賞、iBooks Best of 2013 今年のベストブック、第10回 ダ・ヴィンチ編集部が選ぶプラチナ本 OF THE YEAR 2013、紀伊國屋書店スタッフが全力でおすすめするベスト30「キノベス!2014」1位、第11回本屋大賞候補作)のち河出文庫

  2014年3月9日、ニッポン放送開局60周年記念ラジオドラマとして放送。出演:西田敏行小泉今日子

  • 『存在しない小説』講談社(2013年)のち講談社文庫
  • 『未刊行小説集』河出書房新社(2014年)「いとうせいこうレトロスペクティブ」シリーズ
  • 『鼻に挟み撃ち』集英社(2014年
  • 『我々の恋愛』講談社(2016年
  • 『どんぶらこ』河出書房新社(2017年)

随筆

  • 『難解な絵本』 角川書店、1990 のち文庫
  • 『ワールドアトラス』太田出版(1990年)のち幻冬舎文庫
  • 『全文掲載』新潮社(1992年)のち文庫
  • 『世界のポップス1991』JICC出版局(1992年
  • 『そんなにまでして』世界文化社 1996
  • 『岩だらけの懐かしい星』 角川書店 1996
  • 『ボタニカル・ライフ 植物生活』紀伊国屋書店(1999年 のち新潮文庫・講談社エッセイ賞受賞・『植物男子ベランダー』としてドラマ化)
  • 『職人ワザ!』新潮社(2005年)のち文庫
  • 『自己流園芸ベランダ派』毎日新聞社(2006年・上記『ボタニカル・ライフ 植物生活』とともに『植物男子ベランダー SEASON2』としてドラマ化)

戯曲

  • 『ゴドーは待たれながら』太田出版(1992年
  • 『幻覚カプセル』(1992年)※コント集
  • 『怪しの世界』紀伊国屋書店(2001年夢枕獏橋本治と共著

共著

  • 『コンビニエンス物語』泉麻人 太田出版 1990 のち新潮文庫
  • 『ハプニングみたい』岡崎京子 講談社 1992
  • 『西麻布ダンス教室 舞踊鑑賞の手引き』桜井圭介,押切伸一共著 白水社 1994
  • 見仏記』中央公論社(1993年)みうらじゅん絵 のち角川文庫
  • 『秘見仏記』みうらじゅん絵 中央公論社 1995 「見仏記2 仏友編」角川文庫
  • 『世紀末は世紀末か』赤間啓之 早川書房 1995
  • 『見仏記 海外篇』みうらじゅん 角川書店 1998 のち文庫
  • 『ダンシング・オールナイト グルーヴィーな奴らを探せ!』押切伸一,桜井圭介共著 NTT出版 1998
  • 『哲学』中村雄二郎 岩波書店 1999
  • 『禅繪魂 是は何ぞ。』川崎ぶら共著 小学館 2000
  • 『他流試合 兜太・せいこうの新俳句鑑賞 』金子兜太 新潮社 2001
  • 『見仏記 親孝行篇』みうらじゅん 角川書店 2002 のち文庫
  • 『文芸漫談 笑うブンガク入門』集英社(2005年奥泉光渡部直己共著
  • 見仏記 ゴールデンガイド篇 みうらじゅん 角川書店 2009.4
  • 世界文学は面白い。 文芸漫談で地球一周 奥泉光 集英社 2009.6
  • 江戸のセンス 職人の遊びと洒落心 荒井修 集英社新書 2009.7

翻訳

その他

  • 『「国境なき医師団」を見に行く』講談社、2017年11月。ISBN 978-4062208413 

映画

テレビドラマ

アニメ

  • ドラえもん - セイコー役#2011年9月9日放送のドラえもん誕生日1時間スペシャル。

その他

脚注

注釈

  1. ^ 同特許公報の「発明者」は、いとうの本名である「伊藤正幸」となっている[6]
  2. ^ 2010年3月までは『天才てれびくんMAX ビットワールド
  3. ^ 2019年9月発売のメガドライブ ミニにおいては、プロモーションビデオのナレーションを担当。

出典

  1. ^ seikoitoのツイート(403041422388899842)
  2. ^ Vol.118 いとうせいこう ロングインタビュー 2/3 R25 2006年10月26日
  3. ^ 上柳昌彦『定年ラジオ』 2018年 三才ブックス ISBN 9784866730684 p85 - p86
  4. ^ □□□(クチロロ)にいとうせいこうが正式メンバーとして電撃加入!!(2009年7月9日閲覧)
  5. ^ 今語られるその魅力とは?話題の大御所ミュージシャン集合体Dubバンド”Dubforce”にインタビュー block.fm (2016年3月17日)
  6. ^ a b "公開特許公報(特開2008-189375)" (Press release). 日本国特許庁. 21 August 2008. 2013年6月5日閲覧
  7. ^ ベストフンドシストアワード”. 日本ふんどし協会. 2018年11月29日閲覧。
  8. ^ “バカリズムらが、番組で認めた【秘】情報をSNSで拡散!”. ウォーカープラス. (2014年9月24日). http://news.walkerplus.com/article/50678/ 2014年9月24日閲覧。 
  9. ^ “せいこうの歴史再考 | BS12 トゥエルビ”. トゥエルビ. (2015年12月19日). http://www.twellv.co.jp/program/documentary/rekishisaikou.html 2015年12月19日閲覧。 
  10. ^ “ユースケ&せいこうの新番組「オトナに!」スタート、初回ゲストに大友啓史と大森南朋”. 映画ナタリー. (2016年7月26日). http://natalie.mu/eiga/news/195476 2016年7月26日閲覧。 
  11. ^ “NGT48中井りか、大人の世界をいとうせいこうから学ぶ フジ新番組『白昼夢』”. ORICON NEWS (oricon ME). (2017年10月6日). http://www.oricon.co.jp/news/2098484/full/ 2017年10月6日閲覧。 
  12. ^ “いとうせいこうとみうらじゅん雑談だけの番組会見”. 日刊スポーツ. (2016年9月8日). http://www.nikkansports.com/entertainment/news/1706880.html 2016年9月8日閲覧。 
  13. ^ Nihon bungaku zenshū. Ikezawa, Natsuki, 1945-, 池澤夏樹, 1945- (Shohan ed.). Tōkyō. ISBN 9784309728711. OCLC 910879978. https://www.worldcat.org/oclc/910879978 

関連項目

外部リンク