泉麻人

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泉 麻人
誕生 朝井 泉
(1956-04-08) 1956年4月8日(61歳)
日本の旗 日本東京都
職業 コラムニスト
国籍 日本の旗 日本
最終学歴 慶應義塾大学
デビュー作 『ナウのしくみ』
子供 朝井麻由美
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泉 麻人(いずみ あさと、1956年昭和31年)4月8日 - )は、日本のコラムニストである。本名、朝井 泉(あさい いずみ)。

人物[編集]

1956年(昭和31年)、東京都生まれ。慶應義塾中等部慶應義塾高等学校を経て、慶應義塾大学商学部卒業。

デビュー初期は「若者の間で流行している風俗を面白おかしく伝える」コラムニストであったが、後には昭和時代の思い出や、電車やバスなどの交通機関、昭和のB級ニュースについてなど、「近過去のレトロ」系の題材を得意とするようになった。

泉のコラムは東京近郊の私鉄バス会社の情報誌などにも多く掲載され、その会社の旧型車やバス停などの個々を細かく解説し、話術から「現地に行ってみたい」と思わせる効果があるため、掲載後に一時的にその会社の収益が増える現象も起こっている[1]

生い立ち[編集]

東京都新宿区の住宅街である中落合(なかおちあい)で育つ。父親は慶應義塾高等学校の数学教師であった。このため泉家には中元や歳暮などで商品券が贈られてくることが多く、若き日の泉はこれをもらってレコードや本を買い込み、のちの文筆業の材料につながっていることを回想している[2]。泉自身も慶應義塾に学び、高等学校在学中にはサッカー部に所属していた。

大学在学中の1978年(昭和53年)春には 『全日本パロディ放送広告賞』を受賞、友人とともにテレビの深夜番組11PM』(日本テレビ)に出演した。

職歴[編集]

大学卒業後の1979年(昭和54年)4月に東京ニュース通信社へ入社、『週刊TVガイド』の編集部に配属される。編集部の仕事のかたわら、会社に内緒で平凡出版の『ポパイ』などでコラムの執筆を開始する。

1984年(昭和59年)7月に退社してフリーランスとなる。同年10月、作家・田中康夫との共著で『大学・解体新書』を刊行。また同年秋から週刊文春に、1994年(平成6年)までの長期連載となる『ナウのしくみ』(イラスト:渡辺和博)の連載を開始した。1985年(昭和60年)にシリーズの最初の1冊が刊行され、単独単行本のデビュー。初期の泉を代表する仕事となり、毎年1冊ずつ10冊の単行本が刊行された(のち、2冊の文庫本にまとめられた)。

また、TBSバラエティー番組テレビ探偵団』の進行役の1人として出演(この時は本名で出演)し、「私だけが知っている」というマニアックな目線のコーナーを担当した。このとき、共演していた山瀬まみからジャパンフリトレーのマイクポップコーン(バターしょうゆ味)を薦められ、雑誌『Olive』で連載中の「おやつストーリー」で紹介している[3]。この「おやつストーリー」では、苗場スキー場の土産菓子を取り上げているが[4]、この苗場行は渡辺和博との仕事でのものであった。ここで仕入れたネタは、他に『TV Bros.』誌の連載[5]と『夕刊フジ』紙[6]の連載コラムでも使用している。1998年(平成10年)にはみうらじゅんプロデュースにより『IZUMIN』名義でソロシングルCD『コラムで行こう』をリリースしたこともある。

その他[編集]

現在は東京都杉並区成田西在住。

自分の青春のアイドルは栗田ひろみであると公言していた。人生で多くの影響を受けた人物は吉田拓郎[7][8]。拓郎の生き方を真似て、拓郎の故郷広島へ初めて一人旅に出た[9]。拓郎が1972年8月に出した最初の著書「気ままな絵日記」を読んで「こういうエッセーみたいな文章なら自分でも書ける」と思ったことが今の仕事を始めたきっかけだという[10]。また、鉄道の記念切符収集を行っていたことや、好みの鉄道車両京王5000系電車であることなどを著している[11]。この他に切手の収集も行っていた[12]

泉との交友が知られる人物には、渡辺和博山田五郎、みうらじゅん、安斎肇なぎら健壱酒井順子綱島理友などがいる。この他、小学生時代に南原繁の孫と切手交換を行ったことや[13]中川一郎の次男(昭一の弟)と学校が同級だったので、中川宅に遊びに行ったこと[14]、中学生時代に、旧芸名「中島淳子」時代の夏木マリにサインをもらったこと[15]、高校教師である父の教え子に連れられて、すきやばし次郎で寿司を食べたこと[16]、高校生時代に永谷園の社長の息子とボクシングをしたこと[17]、この社長の息子が高校時代のサッカー部のキャプテンであったこと[18]、サッカー部は中学からだが、その動機は肥満解消とミーハー人気からであったこと[19]、大学生時代に大場久美子にインタビューしたこと[20]岡田奈々の実物を見たこと[21]などを自著で記している。衆議院議員・元防衛大臣・元農林水産大臣石破茂は高校時代のクラスメートである[22]。娘はフリーライター・コラムニストの朝井麻由美

著書[編集]

  • 『ナウのしくみ』文藝春秋 1985 のち文庫
  • 『カジュアルな自閉症』ネスコ 1985
  • 『東京23区物語』主婦の友社 1985 のち新潮文庫
  • 『ナウのしくみ 1987-95』文藝春秋 1986-95 のち文庫「ナウのしくみ2」
  • 『街のオキテ』新潮社 1986 のち文庫
  • 『丸の内アフター5』講談社 1987 のち文庫
  • 『あやふやな季節』角川書店 1988 のち文庫
  • 『リモコン症候群』1988 文春文庫
  • 『泉麻人のコラム缶』マガジンハウス 1988 のち新潮文庫
  • 『ヴァンサンカン』角川書店 1989 のち文庫
  • 『テン・イヤーズ・ビフォー』光文社 1989 「想い出の定番アワー」角川文庫
  • 『お子様業界物語』新潮社 1989 のち文庫
  • 『パーティにようこそ』角川書店 1990 のち文庫
  • 『B級ニュース図鑑』1990 (新潮文庫)
  • 『コラム百貨店』マガジンハウス 1991 のち新潮文庫
  • 『泉麻人の僕のTV日記 ちょっといい84の話』文化創作出版 1991 のち新潮文庫
  • 『東京23区動物探検』講談社 1991 のち文庫
  • 『けっこう凄い人』1992 (新潮文庫)
  • 『C・ジャック』マガジンハウス 1992 のち幻冬舎文庫
  • 『泉麻人の大宴会』1993 (新潮文庫)
  • 『散歩のススメ』マガジンハウス 1993 のち新潮文庫
  • 『三十五歳たちへ。』読売新聞社 1993 のち新潮文庫
  • 『オフィス街の達人』1993 講談社文庫
  • 『バナナの親子』講談社 1993 のち文庫
  • 『天使の辞典 コラム年代記』王国社 1994 「コラムダス」新潮文庫
  • 『30代女たちの日記』中央公論社 1994 のち文庫
  • 『会社観光』朝日新聞社 1995 のち文庫
  • 『B級ニュースの旅』1995 (新潮文庫)
  • 『おやつストーリー』オカシ屋ケン太共著(実は単著)1995 (講談社文庫)

[23]

  • 『僕がはじめてオクラホマミキサーを踊った日』中央公論社 1995 「僕がはじめてグループデートをした日」文庫
  • 『地下鉄の友』1995 (講談社文庫)
  • 『新中年手帳』幻冬舎 1996
  • 『週刊ヱビスランチ』文藝春秋 1996
  • 『東京タワーの見える島』講談社 1996 のち文庫
  • 『給水塔の町』角川書店 1996
  • 『東京自転車日記』新潮社 1997 のち文庫
  • 『ホームページ秘宝館』文藝春秋 1997
  • 『新地下鉄の友』扶桑社 1997 「地下鉄の素」「地下鉄の穴」講談社文庫
  • 『大東京バス案内』実業之日本社 1997 のち講談社文庫
  • 『家庭の事情』光文社 1998 のち文庫
  • 『世紀末B級ニュースファイル』文藝春秋 1999
  • 『ニッポンおみやげ紀行』大和書房 1999 のち講談社文庫
  • 『東京マニアック』朝日新聞社 1999 「東京、10の短編とちょっとした観光案内」文庫
  • 『地下鉄100コラム』扶桑社 1999 のち講談社文庫
  • 『たのしい社会科旅行』新潮社 1999
  • 『僕の昭和歌謡曲史』講談社 2000 のち文庫
  • 『気になる物件』扶桑社 2000
  • 『東京少年昆虫図鑑』(挿絵安永一正)2001 (新潮OH!文庫)
  • 『通勤快毒』扶桑社 2001 のち講談社文庫
  • 『新・東京23区物語』2001 (新潮文庫)
  • 『バスで、田舎へ行く』JTB 2001 のちちくま文庫
雑誌『』に連載された。同誌では過去に宮脇俊三もローカルバスの旅を行っている。宮脇と泉の目的地はまったく重ならなかった[24]
  • 『青春の東京地図』晶文社 2001 のちちくま文庫
  • 『昭和遺産な人びと』新潮社 2002
  • 『「お約束」考現学』実業之日本社 2003 のちSB文庫
  • 『タブロイド時評』講談社 2003
  • 『東京ディープな宿』中央公論新社 2003 のち文庫
  • 『泉麻人のなつかしい言葉の辞典』三省堂 2003 のちSB文庫
  • 『電脳広辞園』アスキー 2003
  • 『おじさまの法則』2005 光文社文庫
  • 『お天気おじさんへの道』講談社 2005 のち文庫
  • 『なぞ食探偵』2005 中公文庫
  • 『ありえなくない。』2006 (講談社文庫)
  • 『東京検定 ぐんぐん東京力がつく厳選100問』情報センター出版局 2006
  • 『東京版アーカイブス 「あの頃のニュース」発掘』朝日新聞社 2007
  • 『泉麻人の東京・七福神の町あるき』淡交社 2007
  • キサナドゥーの伝説』文藝春秋 2008
  • 『シェーの時代 「おそ松くん」と昭和こども社会』2008 文春新書
  • 『50の生えぎわ』2008 中公文庫
  • 『東京ふつうの喫茶店』2010 平凡社
  • 『東京考現学図鑑』学研ホールディングス 2011
  • 『昭和切手少年』日本郵趣出版 2011
  • 『箱根駅伝を歩く』平凡社 2012
  • 『東京いつもの喫茶店 散歩の途中にホットケーキ』平凡社 2013
  • 『昭和40年代ファン手帳』中公新書ラクレ 2014
  • 『大東京23区散歩』講談社 2014 のち文庫
  • 『80年代しりとりコラム』竹部吉晃ファミマ・ドット・コム 2015
  • 『還暦シェアハウス』中央公論新社 2015
  • 『僕とニュー・ミュージックの時代 青春のJ盤アワー』シンコーミュージック・エンタテイメント 2016

共著[編集]

現在掲載中のコラム[編集]

メディア出演[編集]

DVD[編集]

  • 懐かしのこども番組グラフィティー ~教室のヒーローたち~
  • 懐かしのこども番組グラフィティー ~夕方六時セレクション1~
  • 懐かしのこども番組グラフィティー ~夕方六時セレクション2~
  • 懐かしのこども番組グラフィティー ~おかあさんといっしょクロニクル~
  • 東京風景1 東京ブギウギ 1945〜1955
  • 東京風景2 新しき庶民のパノラマワールド 1956〜1961
  • 東京風景3 オリンピックへ ! 東京大改造 1962〜1964
  • 東京風景4 熱狂の東京パビリオン 1965〜1970
  • 東京風景5 東京ホリデー 1971〜1980
  • 泉麻人の昭和ニュース劇場 VOL.1 [昭和30年〜34年] 実相寺昭雄とのトーク解説
  • 泉麻人の昭和ニュース劇場 VOL.2 [昭和35年〜39年] 実相寺昭雄とのトーク解説
  • 泉麻人の昭和ニュース劇場 VOL.3 [昭和40年〜44年]
  • 泉麻人の昭和ニュース劇場 VOL.4 [昭和45年〜49年]
  • 泉麻人の昭和ニュース劇場 VOL.5 [昭和50年〜64年]
  • 泉麻人の東京今昔アルバム 新宿編 〜定点撮影
  • 泉麻人の東京今昔アルバム 渋谷編 〜定点撮影〜

脚注[編集]

  1. ^ 泉 麻人 新・ロバスの旅 サイト内泉本人のプロフィールに記載
  2. ^ 泉麻人 『地下鉄100コラム』 講談社文庫 [い-52-11] ISBN 4062735202、284p。地域振興券が配布されたときのコラムである。
  3. ^ 泉麻人 『おやつストーリー』 講談社文庫 [い-52-5] ISBN 4061858556、258-259p
  4. ^ 『おやつストーリー』、310-313p
  5. ^ 泉麻人 いとうせいこう 『コンビニエンス物語』 新潮文庫 [い-34-7] ISBN 4101076170、142-143p
  6. ^ 泉麻人 『地下鉄の友』 講談社文庫 [い-52-4] ISBN 4061858092、126-128p
  7. ^ 泉麻人 『僕とニュー・ミュージックの時代 青春のJ盤アワー』 シンコーミュージック・エンタテイメント 2016 ISBN 978-4-401-64242-7、26-30p。
  8. ^ 第155話 フォークソング - 「フォークソングと言えば《寺》です」 - ピートの不思議なガレージ
  9. ^ 泉麻人 『昭和40年代ファン手帳』 中央公論新社 2014 ISBN 978-4-12-150497-5、212-214p。
  10. ^ 『週刊現代』、2011年1月29日号、p132-133。
  11. ^ 『さんぽけっと』 (日本民営鉄道協会発行、現在廃刊)のコラム。2000年頃
  12. ^ 『日本崖っぷち大賞』(毎日新聞社、1998年)より。
  13. ^ 泉麻人 『昭和40年代ファン手帳』 中公新書ラクレ 497 ISBN 978-4121504975、60p
  14. ^ 泉麻人 『ありえなくない。』 講談社文庫 [い-52-15] ISBN 978-4062754965、151p
  15. ^ 泉麻人 『青春の東京地図』 ちくま文庫 [い-55-2] ISBN 978-4480422507、218-219p
  16. ^ 泉麻人 『僕の昭和歌謡曲史』 講談社文庫 [い-52-12] ISBN 4062737094、76-77p
  17. ^ 泉麻人 『泉麻人の僕のTV日記』 新潮文庫 [い-34-9] ISBN 4101076197、176p
  18. ^ 泉麻人 『三十五歳たちへ。』 新潮文庫 [い-34-12] ISBN 4101076227、217-219p
  19. ^ 泉麻人 『コラムダス』 新潮文庫 [い-34-14] ISBN 4101076243、19p
  20. ^ 泉麻人 『お子様業界物語』 新潮文庫 [い-34-5] ISBN 4101076154、28p
  21. ^ 泉麻人 『B級ニュース図鑑』 新潮文庫 [い-34-3] ISBN 4101076138、239-240p
  22. ^ 『昭和40年代ファン手帳』、巻末対談。
  23. ^ 同書は校正が不十分であったためか、実質400ページほどの分量ながら誤字脱字などのイージーミスが多い。
    • シャカタク 『Easier Said Than Done』を「イージー・セド・ダン・ドーン」と書く(33p)
    • 「ミルク」をミクルと誤字(38p・240p)
    • 「週刊平凡」を週間と誤字(55p)
    • 「なめたけ」をためたけと誤字(130p)
    • 「男ざかり」を男さがりと誤字(202p
    • 「セコイヤ」をセイコヤと誤字(232p
    • 「烏龍茶飴」を烏龍茶餅飴と誤記(244p)
    • BaBeを「ベイヴ」と書く(261p)
    • 「みなさん」をみんさんと誤字(268p)
    • フィリックスガム」をフィックスガムと誤字(308p)
    • 釧路和商市場」を和正市場と誤字(371p)
    • 鰐淵理沙」を鰐淵利沙と誤字(400-401p)
    太字にしたものは、第2刷で訂正されているものである。
  24. ^ 泉麻人 「解説」 『ローカルバスの終点へ』 洋泉社新書y 242 ISBN 978-4862486264、302p。それだけローカル路線が豊富に存在しているのである。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]