池内紀
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池内 紀 | |
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誕生 |
1940年11月25日 兵庫県姫路市 |
死没 | 2019年8月30日(78歳没) |
職業 | ドイツ文学者、エッセイスト、翻訳家 |
国籍 | 日本 |
主な受賞歴 | 亀井勝一郎賞、桑原武夫学芸賞、日本翻訳文化賞、毎日出版文化賞、読売文学賞 |
子供 | 池内恵 |
池内 紀(いけうち おさむ、1940年11月25日 - 2019年8月30日[1][2][3])は、日本のドイツ文学者、エッセイスト、翻訳家。
カフカを中心にドイツ文学の評論・翻訳が専門。旅行記や人物伝、大衆芸能と幅広く文筆活動を行う。著書に『ウィーンの世紀末』(1981年)、『海山のあいだ』(1994年)、『カント先生の散歩』(2016年)など。
来歴・人物
[編集]兵庫県姫路市出身。姫路市立城北小学校卒業[4]。兵庫県立姫路西高等学校卒業、東京外国語大学外国語学部卒業、1965年東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。神戸大学講師、旧:東京都立大学助教授、1986年東京大学文学部助教授を経て、1990年に教授。定年前の1996年に早期退官。
以後は文筆業、翻訳家として幅広く活躍し、特にフランツ・カフカの全作品の翻訳・伝記著述[5]で著名。NHKFM放送「日曜喫茶室」の準レギュラー。将棋の観戦記を執筆したこともあり、2001年から2003年まで将棋ペンクラブ大賞の選考委員も務めた。
子息にアラブ研究者の池内恵、弟に宇宙物理学者・天文学者の池内了がいる[3]。
種村季弘、平賀敬、恩田侑布子、秋山祐徳太子、原田多加司らとも「酔眼朦朧湯煙句会」を行っていた。俳号は「黙念」。
2019年8月30日、虚血性心不全のため死去、78歳[2]。
著書・出演
[編集]- 「池内紀の仕事場」全8巻(みすず書房) 2004 - 2005 - 著作選集
- 『世紀末の肖像』
- 『〈ユダヤ人〉という存在』
- 『カフカを読む』
- 『自由人の暮らし方』
- 『文学の見本帖』
- 『架空の旅行記』
- 『名人たちの世界』
- 『世間をわたる姿勢』
詩集・小説
[編集]- 『傀儡師の歌 詩集』(思潮社) 1973
- 『喜劇人間百科 あるいはブヴァールとペキュシェ物語』(村松書館) 1980
- 『天のある人 二十三の物語』(河出書房新社) 1989
- 『開化小説集』(岩波書店) 1991
- 『閣下、ご臨終です』(講談社) 1991
- 『錬金術師通り 五つの都市をめぐる短篇集』(文藝春秋) 1993
- 『街が消えた!』(新潮社) 1992
- 『ペトリの祭檀』(東逸子絵、新書館) 1997
- 『播磨ものがたり』(神戸新聞総合出版センター) 1997
- 『川の司祭 十二の塔の物語』(マガジンハウス) 1999
- 『シロターノフの帰郷 短篇集』(イッセー尾形挿画、青土社) 2011
- 『昭和の青春 播磨を想う』(神戸新聞総合出版センター) 2020
随筆・評論
[編集]- 『天狗洞食客記』(コーベブックス、南柯叢書、近代文学逍遙5) 1976 - 牧野信一論
- 『諷刺の文学』(白水社、白水叢書) 1978、新装版 1995 - 第10回亀井勝一郎賞受賞
- 『眼玉のひっこし』(冥草舎) 1979
- 『書斎のコロンブス』(冬樹社) 1982、のち改訂『本を焚く』(冬樹社ライブラリー) 1990
- 『温泉 湯の神の里をめぐる』(白水社) 1982
- 『ことばの演芸館 笑いの文章読本』(白水社) 1983
- 『恋愛読本』(彌生書房) 1984
- 『猿飛レゲンデ 日本文学覗き箱』(沖積舎) 1985
- 『風景読本』(彌生書房) 1985
- 『M博士 往来の思想』(青土社) 1985
- 『私の人物博物館』(筑摩書房) 1987
- 『地球の上に朝がくる 懐かしの演芸館』(河出書房新社) 1987、のちちくま文庫 1992
- 『温泉旅日記』(河出書房新社) 1988、のち徳間文庫 1996
- 『伝綺肖像館』(日本文芸社) 1989
- 『文学の森を歩く』(筑摩書房) 1989
- 『旅の音楽』(音楽之友社) 1989
- 『西洋温泉事情』(鹿島出版会) 1989
- 『新編綴方教室』(平凡社) 1989、のち平凡社ライブラリー 1993
- 『恋文物語』(新潮社) 1990、のちちくま文庫 1994
- 『ガラメキ温泉探険記』(メディアファクトリー) 1990
- 『悪魔の話』(講談社現代新書) 1991、のち講談社学術文庫 2013
- 『読書見本帖』(丸善ライブラリー) 1991
- 『旅に出たい』(平凡社) 1992
- 『少年探検隊』(平凡社) 1992
- 『一〇一冊の図書館』(丸善ライブラリー) 1993
- 『ことばの引き出し』(大修館書店) 1993
- 『海山のあいだ』(マガジンハウス) 1994、のち角川文庫 1997、のち中公文庫 2011 - 講談社エッセイ賞受賞
- 『20世紀博物館』(平凡社) 1994
- 『私はこうして読書をたのしんだ』(中央公論社) 1994
- 『幻獣の話』(講談社現代新書) 1994、のち講談社学術文庫 2020
- 『雲は旅人のように 湯の花紀行』(日本交通公社出版事業局) 1995
- 『架空旅行記』(鹿島出版会) 1995
- 『ああ天地の神ぞ知る ニッポン発見旅』(講談社) 1995
- 『とっておき美術館』(講談社) 1996、のち改題『ちょっと寄り道美術館』(光文社知恵の森文庫) 2003
- 『見知らぬオトカム 辻まことの肖像』(みすず書房) 1997
- 『文学探偵帳』(平凡社) 1997
- 『遊園地の木馬』(みすず書房) 1998
- 『山の朝霧 里の湯煙』(山と溪谷社) 1998、のちヤマケイ文庫 2020
- 『いまは山中いまは浜』(岩波書店) 1998
- 『はなしの名人 東京落語地誌』(角川選書) 1999
- 『湯めぐり歌めぐり』(集英社新書) 2000
- 『日本の森を歩く』(山と溪谷社) 2001
- 『なじみの店』(みすず書房) 2001
- 『ちょん髷とネクタイ 時代小説を楽しむ』(新潮社) 2001
- 『マドンナの引っ越し』(晶文社) 2002
- 『池内紀 生きる知恵』(日本放送出版協会) 2002
- 『川の旅』(青土社) 2002
- 『無口な友人』(みすず書房) 2003
- 『二列目の人生 隠れた異才たち』(晶文社) 2003、のち集英社文庫 2008
- 『生きかた名人 たのしい読書術』(集英社) 2004、のち改題 『作家の生きかた』(集英社文庫) 2007
- 『ニッポン発見記』(講談社現代新書) 2004、のち中公文庫 2012
- 『ひとり旅は楽し』(中公新書) 2004
- 『町角ものがたり』(白水社) 2004
- 『森の紳士録 ぼくの出会った生き物たち』(岩波新書) 2005
- 『山の仲間たち』(幻戯書房) 2005
- 『なぜかいい町一泊旅行』(光文社新書) 2006
- 『あだ名の人生』(みすず書房) 2006
- 『異国を楽しむ』(中公新書) 2007
- 『川を旅する』(ちくまプリマー新書) 2007
- 『池内式文学館』(白水社) 2007
- 『出ふるさと記』(新潮社) 2008、のち中公文庫 2011
- 『ひとつとなりの山』(光文社新書) 2008
- 『富の王国 - ロスチャイルド』(東洋経済新報社) 2008
- 『世の中にひとこと』(NTT出版、ライブラリーレゾナント) 2009
- 『日本風景論』(角川選書) 2009
- 『東京ひとり散歩』(中公新書) 2010
- 『祭りの季節』(池内郁写真、みすず書房) 2010
- 『文学フシギ帖 日本の文学百年を読む』(岩波新書) 2010
- 『ことばの哲学 関口存男のこと』(青土社) 2010
- 『人と森の物語』(集英社新書) 2011
- 『作家のへその緒』(新潮社) 2011
- 『今夜もひとり居酒屋』(中公新書) 2011
- 『恩地孝四郎 一つの伝記』(幻戯書房) 2012 - 読売文学賞評論・伝記賞受賞[3]
- 『東京いいまち一泊旅行』(光文社新書) 2012
- 『きまぐれ歴史散歩』(中公新書) 2013
- 『ニッポンの山里』(山と渓谷社) 2013
- 『ニッポン周遊記 町の見つけ方・歩き方・つくり方』(青土社) 2014
- 『目玉の体操』(幻戯書房) 2014
- 『戦争よりも本がいい』(講談社) 2014
- 『本は友だち』(みすず書房) 2015
- 『ニッポン旅みやげ』(青土社) 2015
- 『亡き人へのレクイエム』(みすず書房) 2016
- 『旅の食卓』(亜紀書房) 2016
- 『きょうもまた好奇心散歩』(新講社) 2016
- 『散歩本を散歩する』(交通新聞社) 2017
- 『すごいトシヨリBOOK トシをとると楽しみがふえる』(毎日新聞出版) 2017
- 『記憶の海辺 一つの同時代史』(青土社) 2017
- 『みんな昔はこどもだった』(講談社) 2018
- 『湯けむり行脚 池内紀の温泉全書』(山川出版社) 2019
- 『東海道ふたり旅 道の文化史』(春秋社) 2019
- 『ことば事始め』(亜紀書房) 2019
ドイツ文学・文化論関係
[編集]- 『ウィーン 都市の詩学』(美術出版社、美術選書) 1973、のち改訂『ウィーン ある都市の物語』(ちくま文庫) 1989
- 『シレジアの白鳥』(村松書館) 1978
- 『世紀末と楽園幻想』(白水社) 1981、のち白水Uブックス 1992
- 『ウィーンの世紀末』(白水社) 1981、のち白水Uブックス 1992
- 『ウィーン 都市の万華鏡』(音楽之友社、音楽選書)1983
- 『世紀末の窓 二十一の肖像』(美術公論社) 1983
- 『闇にひとつ炬火あり ことばの狩人 カール・クラウス』(筑摩書房、水星文庫) 1985、のち改題『カール・クラウス 闇にひとつ炬火あり』(講談社学術文庫) 2015
- 『ザルツブルク 祝祭都市の光と影』(音楽之友社) 1988、のちちくま文庫 1996
- 『道化のような歴史家の肖像』(みすず書房) 1988 - エゴン・フリーデル論
- 『ウィーンの森の物語 ウィーン耳の旅』(主婦の友社) 1989 - CD付き
- 『モーツァルトとは何か』(文藝春秋) 1991、のち改題『モーツァルト考』(講談社学術文庫) 1996
- 『カフカのかなたへ』(青土社) 1993、のち講談社学術文庫 1998
- 『ハプスブルクの旗のもとに』(NTT出版、気球の本) 1995
- 『ぼくのドイツ文学講義』(岩波新書) 1996
- 『姿の消し方 - 幻想人物コレクション』(集英社) 1998、のち改題『モーツァルトの息子 史実に埋もれた愛すべき人たち』(光文社知恵の森文庫) 2008
- 『ちいさなカフカ』(みすず書房) 2000
- 『ゲーテさんこんばんは』(集英社) 2001、のち集英社文庫 2005 - 桑原武夫学芸賞受賞[3]
- 『ドイツ 町から町へ』(中公新書) 2002
- 『カフカの書き方』(新潮社) 2004
- 『カフカの生涯』(新書館) 2004、のち白水Uブックス 2010
- 『となりのカフカ』(光文社新書) 2004
- 『自由人は楽しい モーツァルトからケストナーまで』(日本放送出版協会、NHKライブラリー) 2005
- 『ある女流詩人伝』(青土社) 2012 - ユーリエ・シュライダー(1882 - 1939)の伝記
- 『カント先生の散歩』(潮出版社) 2013、のち潮文庫 2016
- 『消えた国 追われた人々 東プロシアの旅』(みすず書房) 2013、のちちくま文庫 2019
- 『闘う文豪とナチス・ドイツ トーマス・マンの亡命日記』(中公新書) 2017
- 『ドイツ職人紀行』(東京堂出版) 2018
- 『ヒトラーの時代 ドイツ国民はなぜ独裁者に熱狂したのか』(中公新書) 2019
翻訳
[編集]- 『カール・クラウス詩集』(カール・クラウス、思潮社) 1967
- 『人類最期の日々』(カール・クラウス、法政大学出版局、カール・クラウス著作集9・10) 1971、のち新版(上・下) 2016
- 『眩暈』(エリアス・カネッティ、法政大学出版局) 1972、新版 2004、のち改版 2014
- 『猶予された者たち 戯曲』(エリアス・カネッティ、小島康男共訳、法政大学出版局) 1975
- 『アフォリズム』(カール・クラウス、編、法政大学出版局、カール・クラウス著作集5) 1978
- 『ガレッティ先生失言録』(編訳、創土社) 1980、改訂版『象は世界最大の昆虫である』(白水社) 1992、のち白水Uブックス 2005
- 『同時代人の肖像』(フランツ・ブライ、法政大学出版局、叢書ウニベルシタス) 1981。新版刊
- 『さまざまな場所 死の影の都市をめぐる』(ジャン・アメリー、法政大学出版局、叢書ウニベルシタス) 1983
- 『罪と罰の彼岸』(ジャン・アメリー、法政大学出版局、叢書ウニベルシタス) 1984、のち改訂(みすず書房)2016
- 『ホフマン短篇集』(ホフマン、岩波文庫) 1984
- 『影をなくした男』(アーデルベルト・フォン・シャミッソー、岩波文庫) 1985
- 『カフカ短篇集』(編訳、岩波文庫) 1987
- 『香水 - ある人殺しの物語』(パトリック・ジュースキント、文藝春秋) 1988、のち文春文庫 2003
- 『ウィーン世紀末文学選』(編訳、岩波文庫) 1989
- 『聖なる酔っぱらいの伝説』(ヨーゼフ・ロート、白水社) 1989、のち白水Uブックス 1995、のち岩波文庫 2013 - 他四篇を新訳
- 『夢小説・闇への逃走』(アルトゥル・シュニッツラー、岩波文庫) 1990
- 『蜘蛛の巣』(ヨーゼフ・ロート、白水社) 1991
- 『ウッツ男爵 - ある蒐集家の物語』(ブルース・チャトウィン、文藝春秋) 1993、のち白水Uブックス 2014
- 『古代への情熱』(ハインリヒ・シュリーマン、編訳、小学館地球人ライブラリー) 1995
- 『リヒテンベルク先生の控え帖』(G・C・リヒテンベルク、編訳、平凡社ライブラリー) 1996
- 『音楽家の恋文』(クルト・パーレン、西村書店) 1996
- 『ウィーン 1890 - 1920 芸術と社会』(R・ヴァイセンベルガー編、岡本和子共訳、岩波書店) 1995
- 『カフカ寓話集』(編訳、岩波文庫) 1998
- 『カフカの恋人たち』(ネイハム・N・グレイツァー、朝日新聞社) 1998
- 『ファウスト』全2巻(ゲーテ、集英社) 1999 - 2000、のち集英社文庫 2004 - 毎日出版文化賞受賞[3]
- 『黄色い街』(ベーツァ・カネッティ(夫人)、法政大学出版局) 1999
- 「フランツ・カフカ小説全集」全6巻(白水社) 2000 - 2002、のち白水Uブックス 全8巻 2006
※前者で2002年度日本翻訳文化賞受賞- 『失踪者』 2000、のち河出書房新社「世界文学全集 Ⅱ-02」に収録 2009
- 『変身』 2001
- 『城』 2001
- 『万里の長城』 2001
- 『審判』 2001
- 『掟の問題』 2002
- 『蟹の横歩き ヴィルヘルム・グストロフ号事件』(ギュンター・グラス、集英社) 2003
- 『永遠平和のために』(イヌマエル・カント、綜合社(集英社)) 2007、のち新版 2015
- 『ブリキの太鼓』(ギュンター・グラス、河出書房新社、世界文学全集12) 2010
- 『ドナウ - ある川の伝記』(クラウディオ・マグリス、NTT出版) 2012
- 『ミレナへの手紙』(フランツ・カフカ、白水社) 2013
- 『罪と罰の彼岸 打ち負かされた者の克服の試み』(ジャン・アメリー、みすず書房) 2016
児童向け
[編集]- 『魔女様御優待乗車賃無料』(編訳、高岸昇絵、書肆山田、世界のライト・ヴァース) 1982
- 『グリム童話集』全3巻(グリム兄弟、アーサー・ラッカム絵、新書館)1985、のちちくま文庫(上・下)1989
- 『かめのスープはおいしいぞ』(アンドレ・オデール、ほるぷ出版) 1985
- 『ふしぎないきもの』(アネリース・シュヴァルツ、ほるぷ出版) 1990
- 『ゾマーさんのこと』(パトリック・ジュースキント、ジャン=ジャック・サンペ絵、文藝春秋) 1992
- 『レンヒェンのひみつ』(ミヒャエル・エンデ、岩波書店) 1992
- 『ケストナーの「ほらふき男爵」』(エーリヒ・ケストナー、泉千穂子共訳、筑摩書房) 1993、のちちくま文庫 2000
- 『魔法の学校 エンデのメルヒェン集』(ミヒャエル・エンデ、佐々木田鶴子, 田村都志夫, 矢川澄子共訳、岩波書店) 1996、のち岩波少年文庫(上・下) 2017
- 『ちいさなヘーヴェルマン』(リスベート・ツヴェルガー、太平社) 1997
- 『鼻のこびと』(ヴィルヘルム・ハウフ、太平社) 1999
- 『アデレード そらとぶカンガルーのおはなし』(トミー・ウンゲラー、ほるぷ出版) 2010
- 『飛ぶ教室』(エーリヒ・ケストナー、新潮文庫) 2014
共編著
[編集]共著
[編集]- 『翻訳の日本語』(川村二郎共著、中央公論社、日本語の世界15) 1981、のち中公文庫 2000
- 『世紀末ウィーンを歩く』(南川三治郎写真、新潮社、とんぼの本) 1987
- 『ウィーン四季暦』(喜多木ノ実画、東京書籍) 1991
- 『ハプスブルク物語』(南川三治郎写真、新潮社、とんぼの本) 1993
- 『ドイツ四季暦 春・夏』(喜多木ノ実画、東京書籍) 1994
- 『ドイツ四季暦 秋・冬』(喜多木ノ実画、東京書籍) 1994
- 『地球の上に朝がくる - 川田晴久読本』(中央公論新社) 2003
- 『世界の名作を読む - 海外文学講義 -』(工藤庸子, 柴田元幸, 沼野充義、放送大学教材) 2007、改訂版 2011、のち角川ソフィア文庫 2016
- 『澁澤龍彦の記憶』(巖谷國士, 酒井忠康, 中沢けい, 養老孟司、河出書房新社) 2018
- 『万葉集の詩性』(角川新書) 2019 - 随想「自伝的万葉の旅」
座談・対談
[編集]- 「世紀末 貴族のたそがれ」(安野光雅、平凡社、『空想茶房』) 1986
- 『快著会読』(川本三郎, 奥本大三郎、リクルート出版) 1990
- 『うその学校』(松山巌、高岸昇画、筑摩書房) 1994
- 「太平洋戦争期の日本の言論と熱狂は、第一次大戦のドイツとソックリです」(保阪正康、山川出版社、『戦争とこの国の150年』) 2019
- 『すごいトシヨリ散歩』(川本三郎、毎日新聞出版) 2021
- CD2枚組『対談 池内紀 vs 川本三郎 本は友達』(書肆フローラ) 2021
編訳(共著)
[編集]- 『禿鷹』(フランツ・カフカ、国書刊行会、バベルの図書館) 1988、のち新編 2013
- 「万里の長城」(カフカ、筑摩書房、『澁澤龍彦文学館 10 迷宮の箱』) 1990
- 『ユダヤの言葉』(ヴィクトール・マルカ編、マルク・シャガール絵、紀伊国屋書店) 1996
- 『カフカ クラシック・コミックス』(訳、西岡兄妹構成・作画、ヴィレッジブックス) 2010
編著
[編集]- 『ドイツの世紀末〈1〉ウィーン 聖なる春』(原研二, 須永恒雄, 中居実, 檜山哲彦訳、国書刊行会) 1986、新装版 1997
- 『名随筆選 音楽の森 5 旅の音楽』(音楽之友社) 1989
- 『西洋温泉事情』(編著、鹿島出版会) 1989
- 『日本幻想文学集成 7 石川淳』(国書刊行会) 1991
- 『読んで旅する世界の歴史と文化 ドイツ』(新潮社) 1992
- 『美しき町 / 西班牙犬の家 他六篇』(佐藤春夫、岩波文庫) 1992
- 『日本幻想文学集成 13 小川未明』(国書刊行会) 1992、新編 2017
- 『日本幻想文学集成 19 神西清』(国書刊行会) 1993
- 『日本幻想文学集成 29 花田清輝』(国書刊行会) 1994、新編 2016
- 『読んで旅する世界の歴史と文化 オーストリア』(新潮社) 1995
- 『ドイツ名句事典』(恒川隆男, 檜山哲彦共編、大修館書店) 1996
- 『深田久弥の山さまざま』(編・解説、五月書房、池内紀のちいさな図書館) 1996
- 『山下清の放浪日記』(編・解説、五月書房、池内紀のちいさな図書館) 1996
- 『早川良一郎のけむりのゆくえ』(編・解説、五月書房、池内紀のちいさな図書館) 1997
- 『福田蘭童の釣った魚はこうして料理』(編・解説、五月書房、池内紀のちいさな図書館) 1997
- 『江上波夫の蒙古高原横断記』(編・解説、五月書房、池内紀のちいさな図書館) 1997
- 『福沢一郎の秩父山塊』(編・解説、五月書房、池内紀のちいさな図書館) 1998
- 『素白先生の散歩』(岩本素白、編・解説、みすず書房、大人の本棚) 2001
- 『百間随筆』1・2(内田百閒、編、講談社文芸文庫) 2001 - 2002
- 『新編 みなかみ紀行』(若山牧水、編・解説、岩波文庫) 2002
- 『カフカ事典』(若林恵共編、三省堂) 2003
- 『尾崎放哉句集』(編、岩波文庫) 2007
- 『森毅の置き土産』(青土社) 2010、のち改題『森毅ベスト・エッセイ』(ちくま文庫) 2019
- 『ろんどん怪盗伝』(野尻抱影、編・解説、みすず書房、大人の本棚) 2011
- 『女の二十四時間 ツヴァイク短篇選』(シュテファン・ツヴァイク、編、みすず書房、大人の本棚) 2012
- 『椋鳥通信』上・中・下(森鷗外、編・注解、岩波文庫)2014 - 2015
- 『ル・アーヴルの波止場で 二十世紀歌謡・映画・ノスタルヒア・港町』(松井邦雄、龜鳴屋(私家版)) 2014
- 『ちいさな桃源郷 山の雑誌「アルプ」傑作選』(串田孫一ほか、編・解説、中公文庫) 2018
アンソロジー
[編集]- 『温泉百話 - 東の旅』(種村季弘共編、ちくま文庫) 1988
- 『温泉百話 - 西の旅』(種村季弘共編、ちくま文庫) 1988
- 『ちくま文学の森』(安野光雅, 井上ひさし, 森毅共編、筑摩書房) 1988 - 1989、のち新編(ちくま文庫) 2010 - 2011
- 『ちくま哲学の森』(鶴見俊輔, 安野光雅, 井上ひさし, 森毅共編、筑摩書房) 1989 - 1990、のち新編(ちくま文庫) 2011 - 2012
- 『燐寸文学全集』(安野光雅共編、筑摩書房) 1993
- 『新・ちくま文学の森』(鶴見俊輔, 安野光雅, 井上ひさし, 森毅共編、筑摩書房) 1994 - 1996
- 『ちいさな桃源郷』(編、幻戯書房) 2003
- 『山の仲間たち』(編、幻戯書房) 2005
- 『日本文学100年の名作』全10巻(川本三郎, 松田哲夫共編、新潮文庫) 2016
- 『読鉄全書』(松本典久共編、東京書籍) 2018
TV出演
[編集]- NHK - ハイビジョンスペシャル 煙はるかに 世界SL紀行 第1回「魔女の森ドイツ・ハルツ地方」2001年4月23日、2022年10月25日・26日、2023年5月9日・10日、2023年10月17日 放送
脚注
[編集]- ^ “ドイツ文学者の池内紀さん死去”. 共同通信. (2019年9月4日) 2019年9月4日閲覧。[リンク切れ]
- ^ a b “ドイツ文学者の池内紀さん死去 エッセイストとしても活躍”. 共同通信. (2019年9月4日) 2019年9月5日閲覧。[リンク切れ]
- ^ a b c d e “ドイツ文学者・池内紀さん死去 エッセーでも人気博す”. 朝日新聞. (2019年9月4日) 2019年9月5日閲覧。
- ^ 文藝春秋編『少年少女小説ベスト100』(文春文庫)P.383
- ^ “池内紀さん死去 ドイツ文学者 78歳”. TOKYO Web (2019年9月5日). 2024年1月18日閲覧。