野間文芸新人賞

野間文芸新人賞
受賞対象	新人作家の小説
国	日本
主催	財団法人野間文化財団・講談社
初回	1979年（前身の初回は1941年）
最新回	2025年
最新受賞者	鳥山まこと ピンク地底人3号
公式サイト	公式ウェブサイト

野間文芸新人賞（のまぶんげいしんじんしょう）は、講談社初代社長、野間清治の遺志により設立された財団法人野間文化財団が主催する純文学の新人に与えられる文学賞である。野間三賞のうちの一つ。

概要

財団法人野間奉公会が1941年に野間文芸賞とともに創設した野間文芸奨励賞が前身。戦後両賞とも一時中断し、1953年に野間文芸賞のみ再開、その後1979年の講談社創立70周年を期に野間文芸奨励賞を改称、野間文芸新人賞として新設された。以降年1回発表されている。

新人作家による小説を対象とする。芥川龍之介賞と違い、文芸誌掲載作だけではなく単行本も対象となる。受賞作は選考委員の合議によって決定される。受賞者には正賞として賞牌、副賞として100万円（第12回から、それ以前は50万円）が授与される。受賞作発表および選評は『群像』1月号に掲載される。

初期は村上龍、尾辻克彦など芥川賞受賞経験者に授賞することがあったが、しだいに芥川賞未受賞者のみを「新人」として扱う慣例が成立していった。特に90年代以降は受賞者の約4割が後に芥川賞も受賞している。しかし第43回（2021年）にて約30年ぶりに芥川賞受賞経験者（遠野遥）が候補に挙がり、第44回（2022年）では芥川賞受賞経験者2人（町屋良平、宇佐見りん）が入った候補のうち町屋が受賞するなど、長年続いていた慣例が見直された。2023年の贈呈式において選考委員の保坂和志は「この賞は芥川賞と同格」と強調し、芥川賞に対抗し独自色を打ち出している。

受賞作一覧（野間文芸奨励賞）

回（発表年）	著者	受賞作
第1回（1941年）	笹本寅	『会津士魂』
	桜田常久	『従軍タイピスト』
	赤川武助	『僕の戦場日記』
第2回（1942年）	山岡荘八	『海底戦記』『潜艦同乗記』
	棟田博	『台児荘』
	浜田廣介	『龍の目の涙』
第3回（1943年）	大林清	『庄内士族』
	望月茂	『佐久良東雄』
	須川邦彦	『無人島に生きる十六人』
第4回（1944年）	檀一雄	『天明』
	山手樹一郎	『獄中記』
	権藤実	『兵営の記録』
第5回（1946年）	北條誠	『寒菊』『一年』
	船山馨	『笛』『塔』
	太田黒克彦	『小ぶなものがたり』

受賞作一覧（野間文芸新人賞）

第1回から第10回

回（発表年）		著者	受賞・候補作	刊行・掲載元
第1回（1979年）	受賞	津島佑子	『光の領分』	1979年9月 講談社
	候補	中村昌義	『陸橋からの眺め』	1979年7月 河出書房新社
		増田みず子	『ふたつの春』	1979年9月 新潮社
		青野聰	『愚者の夜』	1979年8月 文藝春秋
		村上春樹	『風の歌を聴け』	1979年7月 講談社
		森瑤子	『情事』	1978年12月 集英社
		立松和平	「村雨」	『文藝』1979年9月号
第2回（1980年）	受賞	立松和平	『遠雷』	1980年6月 河出書房新社
	候補	宮内勝典	『グリニッジの光りを離れて』	1980年8月 河出書房新社
		村上春樹	『1973年のピンボール』	1980年6月 講談社
		冥王まさ子	『ある女のグリンプス』	1979年12月 河出書房新社
		青野聰	「試みのユダヤ・コムプレックス」	『文學界』1980年4月号 - 9月号
第3回（1981年）	受賞	村上龍	『コインロッカー・ベイビーズ』	1980年10月 講談社
		宮内勝典	『金色の象』	1981年7月 河出書房新
	候補	増田みず子
		中沢けい
第4回（1982年）	受賞	村上春樹	『羊をめぐる冒険』	1982年10月号 講談社
	候補	中沢けい	『女ともだち』	1981年11月 河出書房新社
		増田みず子	『麦笛』	1981年10月 福武書店
		冥王まさ子	『雪むかえ』	1982年11月 河出書房新社
		青野聰
第5回（1983年）	受賞	尾辻克彦	『雪野』	1983年6月 文藝春秋
	候補	中沢けい	『ひとりでいるよ一羽の鳥が』	1983年6月 講談社
		李良枝	『かずきめ』	1983年9月 講談社
		小檜山博	『荒海』	1982年12月 福武書店
		干刈あがた	「ウホッホ探険隊」	『海燕』1983年9月号
		佐藤泰志	「黄金の服」	『文學界』1983年9月号
第6回（1984年）	受賞	青野聰	『女からの声』	1984年2月 講談社
		島田雅彦	『夢遊王国のための音楽』	1984年8月 福武書店
	候補	干刈あがた	「ビッグ・フットの大きな靴」	『文學界』1984年9月号
		髙樹のぶ子
		ほか1作
第7回（1985年）	受賞	中沢けい	『水平線上にて』	1985年4月 講談社
		増田みず子	『自由時間』	1984年10月 新潮社
	候補	干刈あがた	『ワンルーム』	1985年8月 福武書店
		桐山襲	『風のクロニクル』	1985年1月 河出書房新社
		ほか1作
第8回（1986年）	受賞	岩阪恵子	『ミモザの林を』	1986年8月 講談社
		干刈あがた	『しずかにわたすこがねのゆびわ』	1986年1月 福武書店
	候補	小檜山博	『雪嵐』	1986年6月 講談社
		小林恭二	『小説伝・純愛伝』	1986年3月 福武書店
		山田詠美	『ベッドタイムアイズ』	1985年11月 河出書房新社
		ほか1作
第9回（1987年）	受賞	新井満	『ヴェクサシオン』	1987年9月 文藝春秋
	候補	朝稲日出夫	『シュージの放浪』	1987年1月 筑摩書房
		リービ英雄	「星条旗の聞こえない部屋」	『群像』1987年3月号
		小林恭二	『ゼウスガーデン衰亡史』	1987年6月 福武書店
		桐山襲
第10回（1988年）	受賞	吉目木晴彦	『ルイジアナ杭打ち』	1988年9月 講談社
	候補	夫馬基彦	『紅葉の秋の』	1988年8月 福武書店
		吉本ばなな	『うたかた/サンクチュアリ』	1988年8月 福武書店
		いとうせいこう	『ノーライフキング』	1988年8月 新潮社
		高瀬千図	『天の曳航』	1988年8月 講談社

第11回から第20回

回（発表年）		著者	受賞・候補作	刊行・掲載元
第11回（1989年）	受賞	伊井直行	『さして重要でない一日』	1989年9月 講談社
	候補	竹野雅人	『純愛映画・山田さん日記』	1989年1月 福武書店
		佐藤泰志	『そこのみにて光輝く』	1989年3月 河出書房新社
		池澤夏樹	『真昼のプリニウス』	1989年7月 中央公論社
		吉本ばなな
		山川健一
第12回（1990年）	受賞	佐伯一麦	『ショート・サーキット』	1990年8月 福武書店
	候補	鷺沢萠	『帰れぬ人びと』	1989年11月 文藝春秋
		盛田隆二	『ストリート・チルドレン』	1990年4月 講談社
		松本侑子	『偽りのマリリン・モンロー』	1990年5月 集英社
		佐藤健志	『チングー・韓国の友人』	1990年6月 新潮社
		小川洋子	『冷めない紅茶』	1990年8月 福武書店
		保坂和志	『プレーンソング』	1990年9月 講談社
第13回（1991年）	受賞	笙野頼子	『なにもしてない』	1991年9月 講談社
	候補	荻野アンナ	『ブリューゲル、飛んだ』	1991年8月 新潮社
		小林恭二	『荒野論』	1991年3月 福武書店
		原田宗典	『あるべき場所』	1991年6月 新潮社
		夫馬基彦	『風の塔』	1991年7月 講談社
第14回（1992年）	受賞	リービ英雄	『星条旗の聞こえない部屋』	1992年2月 講談社
	候補	大岡玲	『ヒ・ノ・マ・ル』	1992年6月 新潮社
		奥泉光	『蛇を殺す夜』	1992年9月 集英社
		佐藤洋二郎	『河口へ』	1992年3月 集英社
		多和田葉子	『三人関係』	1992年3月 講談社
		久間十義	『ヤポニカ・タペストリー』	1992年7月 河出書房新社
第15回（1993年）	受賞	奥泉光	『ノヴァーリスの引用』	1993年3月 新潮社
		保坂和志	『草の上の朝食』	1993年8月 講談社
	候補	角田光代	『ピンク・バス』	1993年8月 福武書店
		鷺沢萠	『ハング・ルース』	1992年11月 河出書房新社
		佐藤洋二郎	『前へ、進め』	1993年8月 講談社
		谷村志穂	『眠らない瞳』	1993年7月 講談社
第16回（1994年）	受賞	竹野雅人	『私の自叙伝前篇』	1994年6月 講談社
	候補	伊達一行	『妖言集』	1993年11月 集英社
		別唐晶司	『メタリック』	1994年2月 新潮社
		石黒達昌	『平成3年5月2日，後天性免疫不全症候群にて急逝された明寺伸彦博士，並びに，』	1994年5月 福武書店
		藤沢周	『死亡遊戯』	1994年6月 河出書房新社
第17回（1995年）	受賞	佐藤洋二郎	『夏至祭』	1995年3月 講談社
		水村美苗	『私小説 from left to right』	1995年9月 新潮社
	候補	阿部和重	『ABC戦争』	1995年8月 講談社
		藤沢周	『SATORI』	1995年8月 河出書房新社
第18回（1996年）	受賞	角田光代	『まどろむ夜のUFO』	1996年1月 ベネッセコーポレーション
		柳美里	『フルハウス』	1996年6月 文藝春秋
	候補	魚住陽子	『動く箱』	1995年11月 新潮社
		藤沢周	『ソロ』	1996年9月 講談社
		藤野千夜	『少年と少女のポルカ』	1996年3月 ベネッセコーポレーション
第19回（1997年）	受賞	町田康	『くっすん大黒』	1997年3月 文藝春秋
	候補	赤坂真理	『蝶の皮膚の下』	1997年3月 河出書房新社
		阿部和重	『インディヴィジュアル・プロジェクション』	1997年5月 新潮社
		下井葉子	『うみ』	1997年4月 講談社
		藤沢周	『サイゴン・ピックアップ』	1997年9月 河出書房新社
		松浦寿輝	『もののたはむれ』	1996年12月 新書館
第20回（1998年）	受賞	藤野千夜	『おしゃべり怪談』	1998年9月 講談社
	候補	岡崎祥久	『秒速10センチの越冬』	1997年11月 講談社
		清水博子	『街の座標』	1998年1月 集英社
		茅野裕城子	『大陸游民』	1998年1月 集英社
		中山可穂	『サグラダ・ファミリア 聖家族』	1998年7月 朝日新聞社

第21回から第30回

回（発表年）		著者	受賞・候補作	刊行・掲載元
第21回（1999年）	受賞	阿部和重	『無情の世界』	1999年1月 講談社
		伊藤比呂美	『ラニーニャ』	1999年9月 新潮社
	候補	赤坂真理	『ヴァイブレータ』	1999年1月 講談社
		黒川創	『若冲の目』	1999年3月 講談社
		清水博子	『ドゥードゥル』	1999年4月 集英社
		堂垣園江	『ゼラブカからの招待状』	1999年4月 講談社
		若合春侑	『脳病院へまゐります。』	1999年7月 文藝春秋
第22回（2000年）	受賞	赤坂真理	『ミューズ』	2000年3月 文藝春秋
		岡崎祥久	『楽天屋』	2000年7月 講談社
	候補	楠見朋彦	『マルコ・ポーロと私』	2000年7月 集英社
		田口ランディ	『コンセント』	2000年6月 幻冬舎
		中山可穂	『感情教育』	2000年2月 講談社
		ピスケン	『バースト デイズ』	2000年3月 河出書房新社
第23回（2001年）	受賞	堂垣園江	『ベラクルス』	2001年9月 講談社
		清水博子	『処方箋』	2001年8月 集英社
	候補	佐川光晴	『ジャムの空壜』	2001年9月 新潮社
		篠原一	『アイリーン』	2001年9月 作品社
		鈴木清剛	『消滅飛行機雲』	2001年8月 新潮社
		吉田修一	『熱帯魚』	2001年1月 文藝春秋
第24回（2002年）	受賞	佐川光晴	『縮んだ愛』	2002年7月 講談社
		若合春侑	『海馬の助走』	2002年9月 中央公論新社
	候補	有吉玉青	『キャベツの新生活』	2002年9月 講談社
		夏石鈴子	『家内安全』	2002年8月 マガジンハウス
		星野智幸	『毒身温泉』	2002年7月 講談社
		湯本香樹実	『西日の町』	2002年9月 文藝春秋
第25回（2003年）	受賞	島本理生	『リトル・バイ・リトル』	2003年1月 講談社
		星野智幸	『ファンタジスタ』	2003年3月 集英社
	候補	中島京子	『FUTON』	2003年5月 講談社
		中村航	『夏休み』	2003年6月 河出書房新社
		舞城王太郎	『山ん中の獅見朋成雄』	2003年9月 講談社
		綿矢りさ	『蹴りたい背中』	2003年8月 河出書房新社
第26回（2004年）	受賞	中村航	『ぐるぐるまわるすべり台』	2004年6月 文藝春秋
		中村文則	『遮光』	2004年6月 新潮社
	候補	小池昌代	『感光生活』	2004年6月 筑摩書房
		鈴木清剛	『バンビの剥製』	2004年6月 講談社
		舞城王太郎	『好き好き大好き超愛してる。』	2004年7月 講談社
第27回（2005年）	受賞	青木淳悟	『四十日と四十夜のメルヘン』	2005年2月 新潮社
		平田俊子	『二人乗り』	2005年7月 講談社
	候補	青山真治	『ホテル・クロニクルズ』	2005年3月 講談社
		絲山秋子	『逃亡くそたわけ』	2005年2月 中央公論新社
		佐藤友哉	『子供たち怒る怒る怒る』	2005年5月 新潮社
		前田司郎	『愛でもない青春でもない旅立たない』	2005年9月 講談社
第28回（2006年）	受賞	中原昌也	『名もなき孤児たちの墓』	2006年2月 新潮社
	候補	小野正嗣	『森のはずれで』	2006年6月 文藝春秋
		小池昌代	『ルーガ』	2005年11月 講談社
		前田司郎	『恋愛の解体と北区の滅亡』	2006年6月 講談社
		宮崎誉子	『少女@ロボット』	2006年2月 新潮社
		山崎ナオコーラ	『浮世でランチ』	2006年9月 河出書房新社
第29回（2007年）	受賞	鹿島田真希	『ピカルディーの三度』	2007年8月 講談社
		西村賢太	『暗渠の宿』	2006年12月 新潮社
	候補	いしいしんじ	『みずうみ』	2007年3月 河出書房新社
		川上未映子	『わたくし率 イン 歯ー、または世界』	2007年7月 講談社
		佐藤友哉	『灰色のダイエットコカコーラ』	2007年5月 講談社
第30回（2008年）	受賞	津村記久子	『ミュージック・ブレス・ユー!!』	2008年6月 角川書店
	候補	小野正嗣	『マイクロバス』	2008年7月 新潮社
		蜂飼耳	『紅水晶』	2007年11月 講談社
		前田司郎	『誰かが手を、握っているような気がしてならない』	2008年3月 講談社
		山崎ナオコーラ	『論理と感性は相反しない』	2008年3月 講談社

第31回から第40回

回（発表年）		著者	受賞・候補作	刊行・掲載元
第31回（2009年）	受賞	村田沙耶香	『ギンイロノウタ』	2008年10月 新潮社
	候補	戌井昭人	『まずいスープ』	2009年9月 新潮社
		柴崎友香	『ドリーマーズ』	2009年8月 講談社
		田中慎弥	『犬と鴉』	2009年9月 講談社
		本谷有希子	『あの子の考えることは変』	2009年7月 講談社
		山崎ナオコーラ	『男と点と線』	2009年4月 新潮社
第32回（2010年）	受賞	円城塔	『烏有此譚』	2009年12月 講談社
		柴崎友香	『寝ても覚めても』	2010年9月 河出書房新社
	候補	川崎徹	『猫の水につかるカエル』	2009年10月 講談社
		窪美澄	『ふがいない僕は空を見た』	2010年7月 新潮社
		小池昌代	『わたしたちはまだ、その場所を知らない』	2010年6月 河出書房新社
		田中慎弥	『実験』	2010年5月 新潮社
第33回（2011年）	受賞	本谷有希子	『ぬるい毒』	2011年6月 新潮社
	候補	戌井昭人	『ぴんぞろ』	2011年8月 講談社
		海猫沢めろん	『愛についての感じ』	2011年2月 講談社
		大森兄弟	『まことの人々』	2011年2月 河出書房新社
		羽田圭介	『「ワタクシハ」』	2011年1月 講談社
		古川日出男	『馬たちよ、それでも光は無垢で』	2011年7月 新潮社
第34回（2012年）	受賞	日和聡子	『螺法四千年記』	2012年7月 幻戯書房
		山下澄人	『緑のさる』	2012年3月 平凡社
	候補	石田千	『きなりの雲』	2012年1月 講談社
		藤野可織	『パトロネ』	2012年3月 集英社
		松家仁之	『火山のふもとで』	2012年9月 新潮社
第35回（2013年）	受賞	いとうせいこう	『想像ラジオ』	2013年3月 河出書房新社
	候補	小野正嗣	『獅子渡り鼻』	2013年1月 講談社
		木村紅美	『夜の隅のアトリエ』	2012年12月 文藝春秋
		福永信	『三姉妹とその友達』	2013年2月 講談社
		松田青子	『スタッキング可能』	2013年1月 河出書房新社
		山崎ナオコーラ	『昼田とハッコウ』	2013年9月 講談社
第36回（2014年）	受賞	松波太郎	『LIFE』	2014年1月 講談社
	候補	淺川継太	『ある日の結婚』	2014年4月 講談社
		戌井昭人	『どろにやいと』	2014年8月 講談社
		木村友祐	『聖地Cs』	2014年8月 新潮社
		滝口悠生	『寝相』	2014年3月 新潮社
		羽田圭介	『メタモルフォシス』	2014年7月 新潮社
第37回（2015年）	受賞	滝口悠生	『愛と人生』	2015年1月 講談社
		古川日出男	『女たち三百人の裏切りの書』	2015年4月 新潮社
	候補	岩城けい	『Masato』	2015年9月 集英社
		宮下遼	『無名亭の夜』	2015年8月 講談社
		四元康祐	『偽詩人の世にも奇妙な栄光』	2015年3月 講談社
第38回（2016年）	受賞	戌井昭人	『のろい男 俳優・亀岡拓次』	2015年11月 文藝春秋
	候補	彩瀬まる	『やがて海へと届く』	2016年2月 講談社
		李龍徳	『報われない人間は永遠に報われない』	2016年6月 河出書房新社
		石田千	『家へ』	2015年10月 講談社
		上田岳弘	『異郷の友人』	2016年1月 新潮社
		木村友祐	『イサの氾濫』	2016年3月 未來社
第39回（2017年）	受賞	今村夏子	『星の子』	2017年6月 朝日新聞出版
		高橋弘希	『日曜日の人々（サンデー・ピープル）』	2017年8月 講談社
	候補	上田岳弘	『塔と重力』	2017年7月 新潮社
		海猫沢めろん	『キッズファイヤー・ドットコム』	2017年7月 講談社
		谷崎由依	『囚われの島』	2017年6月 河出書房新社
第40回（2018年）	受賞	金子薫	『双子は驢馬に跨がって』	2017年9月 河出書房新社
		乗代雄介	『本物の読書家』	2017年11月 講談社
	候補	木村紅美	『雪子さんの足音』	2018年2月 講談社
		古谷田奈月	『無限の玄/風下の朱』	2018年7月 筑摩書房
		町屋良平	『しき』	2018年7月 河出書房新社

第41回から第50回

回（発表年）		著者	受賞・候補作	刊行・掲載元
第41回（2019年）	受賞	古谷田奈月	『神前酔狂宴』	2019年7月 河出書房新社
		千葉雅也	「デッドライン」	『新潮』2019年9月号
	候補	高山羽根子	「如何様」	『小説トリッパー』2019年夏季号
		宮下遼	「青痣」	『群像』2019年3月号
		四元康祐	『前立腺歌日記』	2018年11月 講談社
		李琴峰	『五つ数えれば三日月が』	2019年7月 文藝春秋
第42回（2020年）	受賞	李龍徳	『あなたが私を竹槍で突き殺す前に』	2020年3月 河出書房新社
	候補	宇佐見りん	『かか』	2019年11月 河出書房新社
		紗倉まな	『春、死なん』	2020年2月 講談社
		谷崎由依	『遠の眠りの』	2019年12月 集英社
		崔実	「pray human」	『群像』2020年3月号
第43回（2021年）	受賞	井戸川射子	『ここはとても速い川』	2021年5月 講談社
	候補	木崎みつ子	『コンジュジ』	2021年1月 集英社
		島口大樹	『鳥が僕らは祈り、』	2021年7月 講談社
		杉本裕孝	「ピンク」	『文學界』2021年6月号
		遠野遥	「教育」	『文藝』2021年秋季号
		三国美千子	『骨を撫でる』	2021年6月 新潮社
第44回（2022年）	受賞	町屋良平	『ほんのこども』	2021年11月 講談社
	候補	石田夏穂	「ケチる貴方」	『群像』2022年3月号
		宇佐見りん	『くるまの娘』	2022年5月 河出書房新社
		温又柔	「祝宴」	『新潮』2022年5月号
		永井みみ	『ミシンと金魚』	2022年2月 集英社
第45回（2023年）	受賞	朝比奈秋	『あなたの燃える左手で』	2023年6月 河出書房新社
		九段理江	「しをかくうま」	『文學界』2023年6月号
	候補	安堂ホセ	「迷彩色の男」	『文藝』2023年秋季号
		石田夏穂	『我が手の太陽』	2023年7月 講談社
		小池水音	『息』	2023年5月 新潮社
		長島有里枝	『去年の今日』	2023年8月 講談社
第46回（2024年）	受賞	豊永浩平	『月ぬ走いや、馬ぬ走い』	2024年7月 講談社
	候補	安堂ホセ	「DTOPIA」	『文藝』2024年秋季号
		小砂川チト	『猿の戴冠式』	2024年1月 講談社
		小林エリカ	『女の子たち風船爆弾をつくる』	2024年5月 文藝春秋
		市街地ギャオ	「メメントラブドール」	『太宰治賞2024』
第47回（2025年）	受賞	鳥山まこと	「時の家」	『群像』2025年8月号
		ピンク地底人3号	「カンザキさん」	『すばる』2025年8月号
	候補	浅田優真	「親切な殺人」	『文學界』2025年5月号
		紗倉まな	『うつせみ』	2024年12月 講談社
		間宮改衣	「弔いのひ」	『新潮』2025年8月号

選考委員（野間文芸新人賞）

• 第1回 - 秋山駿、上田三四二、大岡信、佐伯彰一
• 第2回 - 秋山駿、上田三四二、大岡信、川村二郎、佐伯彰一
• 第3回 - 秋山駿、上田三四二、川村二郎、佐伯彰一
• 第4回 - 秋山駿、上田三四二、大岡信、川村二郎、佐伯彰一
• 第5回 - 秋山駿、大岡信、川村二郎、佐伯彰一、高橋英夫
• 第6回から第8回 - 秋山駿、磯田光一、川村二郎、佐伯彰一、高橋英夫
• 第9回 - 秋山駿、川村二郎、佐伯彰一、高橋英夫
• 第10回から第12回 - 秋山駿、柄谷行人（第12回欠席、書面回答）、川村二郎、佐伯彰一、高橋英夫、三浦雅士
• 第13回から第21回 - 秋山駿、柄谷行人（第18回欠席、書面回答）、黒井千次、高橋英夫、富岡多恵子、三浦雅士
• 第22回から第26回 - 奥泉光、川村湊、佐伯一麦、笙野頼子、久間十義、山田詠美
• 第27回から第29回 - 阿部和重、江國香織、角田光代、川上弘美、町田康
• 第30回から第32回 - 角田光代、多和田葉子、堀江敏幸、町田康、松浦理英子
• 第33回から第35回 - 島田雅彦、多和田葉子、星野智幸、堀江敏幸、松浦理英子
• 第36回から第38回 - 小川洋子、島田雅彦、保坂和志、星野智幸、松浦理英子
• 第39回から第41回 - 小川洋子、島田雅彦、高橋源一郎、長嶋有、保坂和志、星野智幸
• 第42回から第45回 - 小川洋子、川上弘美、高橋源一郎、長嶋有、保坂和志
• 第46回から - 小川洋子、川上弘美、川上未映子、高橋源一郎、長嶋有

選考委員差し替え問題

第27回の選考会前に、突然選考委員が差し替えられた。しかしこの時、前職の選考委員には事前連絡がされていなかった（文学賞選考には何ヶ月も前から下準備が必要であるため、選考委員の交替があるときには事前に了解を得るのが通例である）。そこで前職の選考委員たちは、笙野頼子を発起人として記者会見を開き、不満を訴えた。それに対し、講談社側は、『群像』2006年1月号に、講談社文芸局長のお詫びの言葉を掲載した。

関連項目

• 野間文芸賞
• 野間児童文芸賞
• 野間文芸翻訳賞
• 芥川龍之介賞
• 三島由紀夫賞

外部リンク

• 野間文芸新人賞 ： 講談社