ガイナックス

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株式会社ガイナックス
GAINAX Co., Ltd.
Gainax (Lucida Sans).png
種類 株式会社
本社所在地 日本の旗 日本
180-0005
東京都武蔵野市御殿山1丁目4番20号
服部ビル202号室
北緯35度42分6.2秒 東経139度34分33.1秒 / 北緯35.701722度 東経139.575861度 / 35.701722; 139.575861座標: 北緯35度42分6.2秒 東経139度34分33.1秒 / 北緯35.701722度 東経139.575861度 / 35.701722; 139.575861
設立 1984年12月24日
業種 情報・通信業
法人番号 1012401005220 ウィキデータを編集
事業内容 アニメーションを主とした映像作品・コンピューターソフトウェアの企画、制作および販売
代表者 代表取締役社長 神村靖宏
資本金 2億2千万円
関係する人物 取締役 髙石優子[1]
取締役 森山敦[1]
取締役 宇佐義大[1]
外部リンク http://www.gainax.co.jp/wp/
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株式会社ガイナックス: GAINAX Co., Ltd.)は、東京都武蔵野市御殿山に本社をおく日本アニメ制作会社

東京都小金井市本町6丁目時代のガイナックス入居ビル(2003年-2006年、現・イトーヨーカドー武蔵小金井店の一部)
東京都三鷹市下連雀時代のガイナックス入居ビル(2011年-2016年

同社は、劇場用アニメ映画『王立宇宙軍 オネアミスの翼』の制作を目的として設立された会社であり、『新世紀エヴァンゲリオン』や、『ふしぎの海のナディア』『トップをねらえ!』などの制作でも知られている[2]。アニメーション制作に加え、1980年代末からのコンピュータゲーム制作では『プリンセスメーカー』シリーズなどのヒット作品を残した。テレビアニメーションを中心に制作の多くは共同制作名義で他社へ委託する形をとっていたが、2004年開始のシリーズOVAトップをねらえ2!』で制作部門を立ち上げ、2015年の『放課後のプレアデス』(テレビシリーズ)にかけて自社単独名義による元請制作を手がけたほか、他社のテレビシリーズのグロス請けも行っていた。

一方で、代表作のひとつであった『新世紀エヴァンゲリオン』のテレビシリーズと旧劇場版の版権が、元取締役で制作を手がけた庵野秀明が経営するアニメーション制作会社カラーに移された[3]。両社はガイナックス時代の庵野作品の商品化について、その売り上げに応じガイナックスがカラーに使用料を払う契約を締結しており、2016年にはガイナックスが滞納した使用料1億円の支払いを求めてカラーが提訴した。また、2016年9月にアニメーション制作部門は関連会社のガイナに移籍したため[4]、ガイナックスとしてのアニメーション制作は2015年の『放課後のプレアデス』(テレビシリーズ版)を最後に行われていない。

社名は島根県の東部、鳥取県の西部の方言雲伯方言)で「大きい、凄い」という意味の「がいな」に未知を表す「X」をつけたもの。なお「がいな」という方言自体は紀南四国の一部、また愛媛県から海を隔てた大分県の沿岸部でも使用される。

作風[編集]

各話ラストで「つづく」のテロップを挿入する演出は、『トップをねらえ!』以降、歴代ガイナックスオリジナル作品へと引き継がれた。最終話サブタイトルにSF小説の題名を流用している作品も多い。例えば、『新世紀エヴァンゲリオン』のサブタイトルはハーラン・エリスンの「世界の中心でアイを叫んだけもの英語版」から引用されているほか、『天元突破グレンラガン』の最終回もフレドリック・ブラウンの「天の光はすべて星」から引用されている。

沿革[編集]

草創期[編集]

1981年日本SF大会「DAICON 3」のオープニングアニメーションに関わり、大阪府門真市海洋堂の常連でもあった岡田斗司夫武田康廣赤井孝美山賀博之庵野秀明村濱章司ら関西の学生は、その後も「DAICON FILM」として映像制作を行った。このうち、DAICON 3後に大学を中退した岡田と武田は1982年2月、大阪市天王寺区(大阪環状線「桃谷駅」付近)にSFグッズショップ「ゼネラルプロダクツ」を開業した。ゼネラルプロダクツはDAICON FILMと密接な関係を持ちながら活動。経営が軌道に乗ったところで岡田に山賀が「プロになる」ことを持ちかけ、ゼネラルプロダクツが岡田と山賀に200万円の活動資金を提供する形を取って1983年9月、OVA向け長編アニメーション『王立宇宙軍』の企画を開始した。

自身の不倫問題発覚で1984年秋に上京した岡田斗司夫と、ゼネラルプロダクツおよびDAICON FILMメンバー、テレビアニメ『レンズマン』プロデューサーの井上博明によって同年12月24日、『王立宇宙軍』の制作スタジオとしてガイナックスを設立した。約4分の『王立宇宙軍』パイロットフィルムを制作し、1985年4月に完成した。岡田はこのパイロットフィルムと企画書を、DAICON FILM時代に自主製作特撮映画販売でつながりのあったバンダイに持ち込んで出資を取り付け、劇場用映画『王立宇宙軍 オネアミスの翼』として制作し、1987年3月に公開した[5]。ガイナックスは『王立宇宙軍』が完成すると同時に解散する予定であったが、同作品の制作費が過大で予算超過分が同社の負債となったため、経営を継続することとなった[6]

OVA作品『トップをねらえ!』を制作し好評だったが、同作品も制作費が過大となって負債がさらに拡大した。他社の下請けや孫請けも手がけ、経営を続けざるを得なくなった[7]1989年から1990年にかけては、池沢さとしが「週刊プレイボーイ」に連載した漫画『ビートショット!!』と『サーキットの狼II モデナの剣』のアニメーション制作に参加した。

ある時、赤井孝美は専門外だと思っていたパソコン向けコンピュータゲームのファンがアニメ・特撮のファンと通ずることがあることに気づき、自分たちの技能を生かしてコンピュータゲームを作りたいと岡田に提案する[8]。1989年7月15日、ガイナックスは脱衣ゲーム『電脳学園』でコンピュータゲーム業界でのデビューを果たす。同作の大ヒットにより、『電脳学園』はシリーズ化された[8]。次に岡田たちは人気漫画『サイレントメビウス』をコンピュータゲーム化し、成功を収める[8]。また、パソコン雑誌『I/O』編集部の柏原康雄が迎え入れられた。そして、赤井が監督とキャラクターデザインを担当した1991年の『プリンセスメーカー』シリーズは、育成シミュレーションゲームジャンルの先駆けとして大ヒットし、赤井は人気クリエイターの仲間入りを果たした[8]。| また、ショップ時代のゼネラルプロダクツの利用者の一人で、当時MSX用ゲームを趣味で開発していたみんだ☆なお(眠田直)も引き入れ、みんだを中心として開発された『バトルスキンパニック』が発売された[9]。ゲームの制作もアニメと同様の体制で行われており、10人ほどのチームの中にグラフィック班とプログラム班に分かれていた[10]。ディレクターはローテーション制であり、グラフィックを作品ごとに分けるということはなかった[10]。また、ゲーム版『サイレントメビウス』のように、社内アニメーターに原画を発注し、出来上がった原画をスキャナで取り込んで調整するというケースもあった[10]。『新世紀エヴァンゲリオン』(以下:『エヴァンゲリオン』)で大ヒットした後も、『エヴァと愉快な仲間たち 脱衣補完計画!』といった性的要素を含むゲームの開発が行われることもあった。

一方、『バトルスキンパニック』までのガイナックスの作品群はマンガのテンポに合わせて作られていたことから、プレイ時間が短いという指摘が会社に寄せられていた[10]。また、同社の作品に対する批評記事の中では、無意味に歩き回る場面が多かったという指摘が寄せられている[11]

『ふしぎの海のナディア』の大ヒット[編集]

1990年4月放映開始のテレビアニメ『ふしぎの海のナディア』(グループ・タック・世映動画共同制作)は、アニメ雑誌の表紙や巻頭特集を度々飾り、人気投票でも1位を取って同年最大の話題作となった。翌1991年発表のOVA『1982おたくのビデオ』『1985続・おたくのビデオ』は、1970年代末から1980年代前半のアニメブームを背景として活躍したDAICON FILM時代のガイナックスメンバー自身をセルフパロディした。

ゼネプロの合併、スタッフの独立(GONZO)[編集]

1992年2月、ゼネラルプロダクツはワンダーフェスティバルの権利を海洋堂に委譲しガイナックスと合併した。同年9月には村濱章司前田真宏山口宏樋口真嗣らが退社し、GONZOを設立した。岡田もこの年に代表取締役を辞任して退社し、澤村武伺が後任の代表取締役となった。

『新世紀エヴァンゲリオン』の大ヒット、粉飾決算事件[編集]

1992年の岡田退社以降、『王立宇宙軍』の続編をうたって山賀が中心となって企画された『蒼きウル』は制作作業序盤で中断を余儀なくされ、未完に終わった。1995年10月放映開始のテレビアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』(竜の子プロダクション共同制作)は、アニメーションの枠を乗り越えて社会現象を巻き起こし、ガイナックスは一躍脚光を浴びた。しかしエヴァンゲリオン製作委員会への出資をしていなかったため、ガイナックスと庵野が受け取った収入は庵野の監督および脚本の印税だけだったがそれを制作スタッフへ分配した[12]

また、『エヴァンゲリオン』以降の仕事がなく、鶴巻和哉による新作アニメ(後の『フリクリ』)の企画も進まず、解散の危機を迎える中、庵野は『彼氏彼女の事情』のテレビアニメ化を企画し[13]、同作は1998年に放送された。

一方、エヴァンゲリオン製作委員会が関連商品の窓口を好意でガイナックスに移したことによりその版権収入が入ることになり、これ以降ガイナックスには企画や事業のコスト責任を問わない浪費体質が定着してしまったと庵野は指摘している[12]

1999年、ガイナックスと代表取締役の澤村は、所得隠しにより5億8000万円を脱税したとして東京国税局から告発された[12]。澤村は2000年に代表取締役を辞任し退社した。

庵野の独立[編集]

辞任した澤村に代わり、もう1人の代表取締役だった山賀博之が社長を引き継いだ[14]2001年には『まほろまてぃっく』(シャフト共同制作)、2003年には『プリンセスメーカー』のアニメ化作品である『ぷちぷり*ユーシィ』(AIC共同制作)を発表するなど、他社との共同制作ながらもテレビアニメシリーズの元請実績を重ね、OVA『フリクリ』(2000年-2001年、プロダクションI.G共同制作)も話題作となった。2003年には本社を武蔵野市中町2丁目から小金井市本町6丁目に移転。武蔵小金井駅南口第1地区第一種市街地再開発事業[15]に伴い、2006年には小金井市梶野町1丁目に設けた仮設社屋[16]に再移転した。同時期、『熱風海陸ブシロード』のアニメーション制作を担当予定することが発表されていたが、後に企画自体が凍結となり、制作から離脱した。2004年から2006年にかけて、ガイナックス設立20周年記念作品として単独元請のOVAシリーズ『トップをねらえ2!』を発表した[17]

一方で、創業時から作品制作の主軸を務めてきた庵野秀明が取締役に就任した後も放漫経営は続き、庵野が社内状況の記された書類を見てショックを受けることもあった[14]。庵野は取締役時代から給与体系や社内システムの改善を進言したもののまったく聞き入れてもらえず、また社内会議でも自身の意見は顧慮されなかったという[14]。このままでは次回作として温めていたオリジナル企画を同社でやっても『エヴァンゲリオン』の亜流にしかならないと考えた庵野は、その企画を凍結し、『エヴァンゲリオン』のリメイクをしたほうが良いという考えに至った[14]。庵野は、制作費を管理しスタッフにきちんと還元するには、自身の意思を経営に反映して責任が持てるようにする場が必要だと考えて、独立を決断する[14]。庵野は『トップをねらえ2!』完結後の2006年9月、アニメ制作スタジオ・カラーを設立し、翌2007年10月に取締役を辞任してガイナックスを退社した[14]。庵野に追随して鶴巻和哉摩砂雪らもカラーへ移籍した。2007年9月公開の『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』以降の『新世紀エヴァンゲリオン』リメイクシリーズ(ヱヴァンゲリヲン新劇場版)はカラーが制作し、版権も持つ形となり[14]、両社は、ガイナックス時代の庵野が手がけた作品の商品化でガイナックスが収入を得た場合、カラーに一定のロイヤリティー(使用料)を支払う契約を結んだ[18]

『天元突破グレンラガン』の大ヒット、制作チームの独立[編集]

2000年代後半、『エヴァンゲリオン』以来10年ぶりとなるロボット物のオリジナルテレビシリーズの企画が進行しており、当時は全く別のタイトルでテレビシリーズと劇場版を同時に制作する予定だった[17]。その後、仕切り直しとなり、劇作家の中島かずきが脚本担当として起用されたことから、若手スタッフの一人である今石洋之が監督に立候補した[17]。当時、主力のスタッフは『トップをねらえ2!』を制作していたため、テレビシリーズの制作は若手スタッフが中心となって行った[17]。その後、『トップをねらえ2!』の制作が終盤に差し掛かったことから、同作のスタッフがテレビシリーズの制作チームに参加した[19]。そして、2007年、同作はガイナックス初の単独元請テレビシリーズ『天元突破グレンラガン』としてテレビ放映された[17]。同作の第4話放映終了後、通常の商業アニメ作品の方法論と比較する一部の視聴者から、批判的な意見が同アニメの公式ブログなどに相次いで書き込まれた[20]。程なく、これらの意見に反発するガイナックス女性社員が、mixiの日記に視聴者に対しての批判的な意見を書き込んでいたことが発覚したため、批判していた視聴者に油を注ぐ形になった[20]。同時に、この日記内容に同調するコメントをつけたmixiユーザーの中に、取締役の赤井がいた事が判明したため、最終的に赤井が取締役を辞する事態へと発展した[20]

2010年、今石が監督を務めた『パンティ&ストッキングwithガーターベルト』(以下:『パンスト』)が放送された[17]。その翌年の2011年8月、今石と大塚雅彦が退社し、アニメ制作スタジオ・トリガーを設立した[17]。これに追随する形で庵野退社後の制作の主力だったすしお[21]吉成曜貞方希久子山口智錦織敦史、上村泰らが同年秋までに退社した。大塚はエキサイトの小林美姫とのインタビューの中で、ガイナックスを退社した理由について、「『パンスト』のように、普通は通らないはずの企画まで通ってしまい、ここまで好き勝手やってもらってよいのか不安になった」と述べたほか、業界の変化も理由に挙げ、「ガイナックスのような有名スタジオだとブランドイメージもあるため、やや慎重になる。だったら新しい会社を設立し、失敗しても試行錯誤と言い切れる身軽さを身に着けたい」とも話している[22]

経営悪化、カラーから貸付金1億円の支払い訴訟[編集]

2011年1月、本社を小金井市梶野町から三鷹市下連雀の旧・春日電機株式会社本社ビルに移転し、同年2月には富士重工業(現・SUBARU)との共同アニメプロジェクトの「第1弾」をうたった『放課後のプレアデス』(ウェブアニメ版)を配信。また赤井の郷里である鳥取県米子市に『ヨナゴフィルム』を開設し、同市主催の映画祭『米子映画事変』の事業を手がけはじめた。

2012年、ガイナックスの経営が再び悪化したことにより、カラーへのロイヤリティーの支払いが滞り始める[23]。このとき、社長の山賀と取締役の武田康廣から分割払の申し入れを受けた庵野はそれを了解した[23]。しかし、返済が十分なされないまま、2014年に武田から「会社が持たない」と新規に1億円の借金を申し込まれる[23]。これに危機感を覚えた庵野は、『エヴァンゲリオン』の商品化窓口やロイヤリティーの分配業務の移譲を1年前倒しにすることで、この頼みをのんだ[23]

この時、庵野はガイナックスに気を遣うつもりで、カラーの主要スタッフとかかわりの大きい『トップをねらえ!』『トップをねらえ2!』『フリクリ』の原作権の買い取りも申し出たが実現せず、『フリクリFLCL』の版権原作権はプロダクションI.Gが買い取った[24][3]

作品の権利や資料の散逸を懸念した庵野は、さらなる支払いの猶予や経営支援も視野に入れ、ガイナックスに経営状況の説明と返済計画の提示を何度か求めたが、「経営状況に問題はなく、予定通りに返済する」という回答しか得られなかった[23]。そして、庵野は資料散逸防止の観点からガイナックスの債権の仮差し押さえの申し立てを2016年8月1日に行い、8月26日に執行された[4]。それでも、ガイナックス側から返済計画の提示はなく、庵野は同年9月9日に貸金返還請求訴訟を起こす[4]。これに対し、ガイナックスは裁判で争う姿勢を示したため、全国の注目を集める結果となった[4]。2016年12月、庵野を代表取締役とするカラーが、ガイナックスに対して貸付金1億円の支払いを求めて東京地方裁判所立川支部に提訴した。2017年6月、カラーの訴え通り1億円を支払うよう命じる判決が下り、ガイナックスは控訴せず判決が確定した[25]。また、ガイナックスの年商は2016年7月期で約2億4000万円と5年前(2011年7月期)の10分の1に激減しており、この裁判の提訴時点で約1億円の債務超過状態にあることも明らかになった[26]。さらに、裁判を通じて、ガイナックスの過去作品に関する資料が福島ガイナックスに売却されていたことが判明したため、カラーがこれらを入手し、特定非営利活動法人アニメ特撮アーカイブ機構の管理下に置いた[4]

2014年から2016年にかけて、ガイナックスの「支部」と称する新会社が鳥取県米子市福島県三春町神戸市新潟市京都市に立て続けに設立されたが、2016年12月、5社とガイナックスの間には資本関係が存在せず、経営上無関係であることを明らかにした[27]。それでも、『エヴァンゲリオン』とガイナックス(およびその「支部」)が結び付けられて報じられることがあり、そのたびに庵野はエヴァンゲリオンはガイナックスおよびその「支部」と称する会社とは無関係であると表明している[28][29][30]

2016年9月30日、ガイナックスのアニメーション制作部門のスタッフが全員解雇され、株式会社福島ガイナックス東京スタジオへ移籍した[4]。同年10月には、本社を三鷹市下連雀から武蔵野市御殿山にあるマンションの一室に移転した[31]。2018年8月20日、福島ガイナックスは木下グループの完全子会社となり、社名をガイナへと変更した[32]。また、同年9月7日には、『王立宇宙軍』の続編である『蒼きウル』を、ガイナックスに代わって制作することを明らかにした[33]

社長の不祥事、役員総入れ替え[編集]

2019年10月、アニメーション制作会社オオカゼノオコルサマなどの代表を兼任していた巻智博がガイナックスの社長の座についた[34]

それから間もない同年12月、巻が準強制わいせつ罪の疑いで逮捕された[35]。2019年2月6~23日にかけて、足立区の自宅マンションで、「芸能人として写真を撮られるための訓練」と称して、自分が役員を務める声優育成会社と契約した10代女性の上半身を裸にして写真撮影し、触った疑い。容疑については、「お願いされて撮った」と否認している[35]。巻の逮捕を受け、2019年12月27日の臨時株主総会にて役員の総入れ替えが決まり、2020年2月18日に新しい取締役が発表された[1]。新しい役員は全員ガイナックス社外から選任されており、このうち代表取締役社長はカラーの版権管理会社のグラウンドワークスの代表である神村靖宏が兼任し、取締役にはKADOKAWA アニメ事業局アニメ制作部部長の髙石優子、キングレコード 上席執行役員ライツ部の森山敦、トリガー 副社長の宇佐義大が就任した[1]。また、同発表の中で、ガイナックスは資料や知的財産権の散逸状況の確認をしていると説明した[1]

作品履歴[編集]

太字は元請制作作品。

テレビアニメ[編集]

放送年 タイトル 備考
1989年 小松左京アニメ劇場 - 1990年、制作協力: AIC
1990年 ふしぎの海のナディア - 1991年、共同制作: グループ・タック、世映動画
1995年 新世紀エヴァンゲリオン - 1996年、共同制作: 竜の子プロダクション
1998年 彼氏彼女の事情 - 1999年、共同制作: ジェー・シー・スタッフ
1999年 おるちゅばんエビちゅ アニメーション制作: グループ・タック
小梅ちゃんが行く!! アニメーション制作: グループ・タック
愛の若草山物語 アニメーション制作: グループ・タック
2001年 まほろまてぃっく 共同制作: シャフト
2002年 アベノ橋魔法☆商店街 共同制作: マッドハウス
まほろまてぃっく〜もっと美しいもの〜 - 2003年、共同制作: シャフト
ぷちぷり*ユーシィ - 2003年、共同制作: AIC
2004年 この醜くも美しい世界 共同制作: シャフト
忘却の旋律 アニメーション制作: ジェー・シー・スタッフ
2005年 これが私の御主人様 共同制作: シャフト
シュガシュガルーン - 2006年、各話制作協力、オープニング・エンディング制作、元請: ぴえろ
BLACK CAT - 2006年、各話制作協力、元請: ゴンゾ
BLOOD+ - 2006年、各話制作協力、元請: プロダクション・アイジー
2007年 天元突破グレンラガン
電脳コイル 各話制作協力、元請: マッドハウス
PRISM ARK 各話制作協力、元請: フロントライン
2008年 俗・さよなら絶望先生 各話制作協力、元請: シャフト
ロザリオとバンパイア 各話制作協力、元請: ゴンゾ
薬師寺涼子の怪奇事件簿 各話制作協力、元請: 動画工房
ひだまりスケッチ×365 各話制作協力、元請: シャフト
屍姫 赫 共同制作: フィール
ミチコとハッチン 各話制作協力、元請: マングローブ
2009年 屍姫 玄 共同制作: フィール
ヤッターマン(第2作) 各話制作協力、元請: タツノコプロ
まほろまてぃっく特別編 ただいま◆おかえり
2010年 はなまる幼稚園
WORKING!! 各話制作協力、元請: A-1 Pictures
kiss×sis 各話制作協力、元請: フィール
パンティ&ストッキングwithガーターベルト
2011年 ダンタリアンの書架
2012年 めだかボックス
めだかボックス アブノーマル
バックステージ・アイドル・ストーリー 各話制作協力、元請: 吉祥寺トロン
2013年 ステラ女学院高等科C3部
2014年 魔法少女大戦
花物語 各話制作協力、元請: シャフト
憑物語 各話制作協力、元請: シャフト
2015年 放課後のプレアデス

劇場アニメ[編集]

公開年 タイトル 備考
1987年 王立宇宙軍 オネアミスの翼
(公開時タイトル『オネアミスの翼 王立宇宙軍』)
1989年 トップをねらえ! 第3巻先行上映
1991年 おたくのビデオ 第2巻先行上映
1997年 新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生 共同制作: プロダクション・アイジー
新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に 共同制作: プロダクション・アイジー
1998年 REVIVAL OF EVANGELION 新世紀エヴァンゲリオン劇場版 DEATH(TRUE)2/Air/まごころを、君に 共同制作: プロダクション・アイジー
2003年 ワンダフルデイズ 日本語吹替版制作及び配給
2006年 トップをねらえ!&トップをねらえ2! 合体劇場版!! 再編集版
2008年 劇場版天元突破グレンラガン 紅蓮篇 再編集版
2009年 劇場版天元突破グレンラガン 螺巌篇 再編集版

OVA[編集]

発売年 タイトル 備考
1988年 アップルシード 制作協力: AIC・センテスタジオ
トップをねらえ! - 1989年、制作協力: スタジオ・ファンタジア
1989年 ビートショット!!
超神伝説うろつき童子3 - 完結地獄篇 動画、元請: フェニックス・エンタテインメント
1990年 哭きの竜 - 1991年
サーキットの狼II モデナの剣
1991年 おたくのビデオ 制作協力: スタジオ・ファンタジア
続・おたくのビデオ 制作協力: スタジオ・ファンタジア
炎の転校生 制作協力: スタジオ・ファンタジア
マネーウォーズ 狙われたウォーターフロント計画
1992年 KO世紀ビースト三獣士 制作協力、元請: アニメイトフィルムゼロGルーム
2000年 フリクリ - 2001年、共同制作: プロダクション・アイジー
2003年 サブマリン707R 制作協力、元請: グループ・タック
2004年 Re:キューティーハニー 共同制作: 東映アニメーション
トップをねらえ2! - 2006年

ウェブアニメ[編集]

ミュージッククリップ[編集]

実写作品[編集]

その他の作品[編集]

ゲームソフトウェア[編集]

ゲームの他にもCG集やデスクトップアクセサリー集なども発売。他社からも版権作品が発売されている。

Windows95/98 2000年3月17日発売 原画 - 斉藤友之
Windows95/98 2000年7月24日発売 原画 - 今井ひづる
WindowsSE/Me/2000/XP 2004年8月13日コミケ販売 キャラデザ - 吉崎観音/赤井孝美/かのえゆうし/toi8 OP音楽 - 葉山宏治
声:パトリシア - 吉住梢、ニーナ - 門脇舞、ミリアム - 中原麻衣、シャルロッテ - 今井麻美

関連施設[編集]

Shooting Bar EA
東京都武蔵野市御殿山にあるエアガンシューティングバー。

関連人物[編集]

アニメーター・演出家[編集]

その他の人物[編集]

参考資料[編集]

  • 岡田斗司夫、唐沢俊一眠田直『オタクアミーゴス!』(1997年、ソフトバンク
  • 岡田斗司夫『世紀の大怪獣!!オカダ 岡田斗司夫のお蔵出し』(1998年、イースト・プレス)
  • 中島紳介、斉藤良一、永島収『イデオンという伝説』(1998年、太田出版)
  • 岡田斗司夫、山本弘、小牧雅伸『空前絶後のオタク座談会1 ヨイコ』(2001年、音楽専科社)
  • 武田康廣『のーてんき通信 エヴァンゲリオンを創った男たち』(2002年、ワニブックス
  • 多田信『これがアニメビジネスだ』(2002年、広済堂出版)
  • 『ガイナックス・インタビューズ』(2005年、講談社

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f ガイナックス、不祥事を受けて役員を総入れ替え 新取締役に「エヴァ」やトリガー関係者らが就任”. ねとらぼ (2020年2月22日). 2020年2月22日閲覧。
  2. ^ 庵野秀明 (2019年12月30日). “【庵野監督・特別寄稿】『エヴァ』の名を悪用したガイナックスと報道に強く憤る理由 (1ページ目)”. ダイヤモンド・オンライン. 2020年1月14日閲覧。
  3. ^ a b 庵野秀明監督が初めて語る経営者としての10年(下) 週間ダイアモンドオンライン 2016年11月16日付
  4. ^ a b c d e f 庵野秀明 (2019年12月30日). “【庵野監督・特別寄稿】『エヴァ』の名を悪用したガイナックスと報道に強く憤る理由 (7ページ目)”. ダイヤモンド・オンライン. 2020年1月14日閲覧。
  5. ^ .ANIME コラム
  6. ^ 庵野秀明が自身のキャリアを振り返る!【アニメ監督編】徹底的に追い込まれた『エヴァ』製作秘話を語る!Part1”. Movie Walker (2014年11月1日). 2020年2月11日閲覧。
  7. ^ 竹熊健太郎編 『庵野秀明 パラノ・エヴァンゲリオン』 1997年、太田出版[要ページ番号]
  8. ^ a b c d 【田中圭一連載:プリンセスメーカー編】「プレイヤーを泣かそう」岡田斗司夫の発案に赤井孝美が出した答え。それは、“みんなちがってみんないい”感動できる育成シミュレーターだった【若ゲのいたり】”. 電ファミニコゲーマー (2018年3月1日). 2020年1月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年1月16日閲覧。
  9. ^ 「ガイナックス特別取材 -監督みんだ☆なお氏に聞く-〔なぜ、サルなのか?〕」、『美少女ゲーム最前線パート5』,p.54.
  10. ^ a b c d 「ガイナックス特別取材 -監督みんだ☆なお氏に聞く-〔なぜ、サルなのか?〕」、『美少女ゲーム最前線パート5』,p.55.
  11. ^ 松田 (2018年4月19日). “とんがりギャルゲー紀行 第25回:電脳学園Ⅲ トップをねらえ!”. 電脳世界のひみつ基地. 2020年2月11日閲覧。
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関連文献[編集]

雑誌記事[編集]

  • 『美少女ゲーム最前線 パート5』 辰巳出版、1991年11月1日。 
    • 「ガイナックス特別取材 -監督みんだ☆なお氏に聞く-〔なぜ、サルなのか?〕」、54-55頁。

関連項目[編集]

※設立時の「福島ガイナックス」、東京に設置した「ガイナックススタジオ」についても同項目先参照。同社系列の「福島ガイナ」が継承・運営している 福島さくら遊学舎については別項を参照。

外部リンク[編集]