恋の季節

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動
恋の季節
ピンキーとキラーズシングル
B面 つめたい雨
リリース
ジャンル 歌謡曲
時間
レーベル キングレコード
作詞・作曲 岩谷時子(作詞)
いずみたく(作曲)
ゴールドディスク
チャート最高順位
  • 週間1位(オリコン
  • 1968年度年間3位(オリコン)
  • 1969年度年間4位(オリコン)
  • オリコン歴代シングルランキング18位
  • ピンキーとキラーズ シングル 年表
    恋の季節
    (1968年)
    オレと彼女
    (1968年)
    テンプレートを表示

    恋の季節」(こいのきせつ)は、ピンキーとキラーズの楽曲で、デビューシングル1968年7月20日に発売。

    公称売上枚数は270万枚[1]。オリコン累計売上は207.7万枚。オリコンチャート17週1位はシングルチャート上では未だに破られていない[2]1968年1月に正式スタートしたオリコン集計において、日本初のダブルミリオンシングルである。

    1969年2月には、同名の映画が奈美悦子主演によって松竹から公開された(後述)。

    解説[編集]

    ピンキーとキラーズのデビュー曲となるまでの経緯[編集]

    「恋の季節」は、元々ピンキーとキラーズのために用意された曲ではなかった。1968年頃、遠藤周作がレギュラー出演した『こりゃアカンワ』(日本テレビ)の番組内に『今月の歌』というコーナーがあった。同番組のホステス役を務めた倍賞美津子がそのコーナーで歌うための曲として、作曲者のいずみたくと作詞家の岩谷時子に楽曲制作が依頼された[3]

    そして出来上がったのが「恋の季節」だが、『今月の歌』の5月に披露される予定だったことから、タイトルは当初「恋の五月」だった。また、この時ピンキーとキラーズはこの曲のバックコーラスを担当する予定だったが、いつの間にか自分たちのデビュー曲となることが決まり、ルイスたちメンバーも驚いたという[3]

    詞について[編集]

    「恋の季節」の歌詞にある『夜明けのコーヒー』というフレーズは、作詞を手がけた岩谷が越路吹雪とともに、フランスパリのカフェを訪れた際に生まれたとされていた[4]。 しかし、ルイス高野[注 1]、笹森文彦[注 2]田家秀樹(音楽評論家)の対談によると、「『夜明けのコーヒーふたりで飲もうと』のフレーズは、越路が若い頃に実際に言われたエピソードが基になっている。ある時ブラジルで開かれた音楽祭に越路が訪れた際、現地で出会った若いフランス人の役者に上記の言葉で口説かれた [注 3]。帰国した越路はこのエピソードを岩谷に話し、その後岩谷が「恋の季節」を作詞することになった時にそのまま引用された」という[3]

    同作の歌詞全般についてルイス、笹森、田家から「女性ならではの瑞々しい感性が素晴らしく、柔らかくてどこかアンニュイさが漂いながらもいやらしい感じにならず、むしろ品がある。歌詞の中の女性の、現在の冷めきってしまった恋心と、過去の燃え上がるような恋心との対比が実に鮮やかである」と評されている[3]

    ボーカル今陽子は、作詞を手がけた岩谷を「音楽の母」、作曲を手がけたいずみを「音楽の父」と慕っている[5]

    曲について[編集]

    先述のルイス、笹森、田家の対談によると「ヒットの要因は、Aメロとサビだけで構成されておりメロディラインもシンプルながらキャッチーで歌いやすいこと」とされる。「しかし、決して単調にならないのはそれまでの日本の歌謡曲には少ない、ボサノヴァの雰囲気があるため」としている。ルイスによると「こういう曲のイントロは、本来ならギターの低音とベースの音を重ねることが多い。しかし、この曲では譜面上にはない微妙な“ズレ”を意図的に作り、ラテン的なグルーヴ感を出している」と分析している[3]。 

    当時ボーカルの陽子はこの曲のリハーサルの時に、歌い方についていずみから何度も「もっと演歌っぽく!」と熱のこもった指導をされた。これについてルイスは、「おそらくいずみさんの頭の中に同じような形態のGSソングで1967年にヒットした、美空ひばりさんの「真っ赤な太陽」のイメージがあり、その歌い方を陽子に真似させたかったのでは?」と回想している[3]

    1968年12月、『第10回日本レコード大賞』新人賞(グループ部門)を獲得。番組での歌唱披露時、陽子は感極まって涙声となるシーンがあった。演奏時には、作曲のいずみが指揮を担当した。

    1968年末の『第19回NHK紅白歌合戦』に初出場、表題曲を歌唱した。紅白歌合戦に男女混成グループが出場するのは初めてのことであった。

    収録曲[編集]

    1. 恋の季節 [3:23]
    2. つめたい雨 [2:56]

    メディアでの使用[編集]

    恋の季節

    カバー[編集]

    恋の季節

    映画[編集]

    恋の季節
    監督 井上梅次
    脚本 田波靖男
    製作 猪股尭
    出演者 奈美悦子
    ピンキーとキラーズ
    音楽 いずみたく
    主題歌 「恋の季節」(ピンキーとキラーズ)
    撮影 丸山恵司
    編集 浜村義康
    製作会社 松竹
    公開 日本の旗1969年2月21日
    上映時間 87分
    製作国 日本の旗 日本
    言語 日本語
    テンプレートを表示

    本曲を題材にした歌謡映画は、1969年2月21日松竹系で公開。カラー、シネマスコープ、87分。

    東宝の「若大将シリーズ」や「クレージー映画」でお馴染みの田波靖男が脚本を手掛け、監督は日活出身の井上梅次。主演は奈美悦子で、ピンキラも助演している。

    スタッフ[編集]

    出演者[編集]

    同時上映[編集]

    永訣

    映像ソフト[編集]

    • 2006年1月28日より「松竹ホームビデオ」から、DVDが発売&レンタルされている。

    脚注[編集]

    注釈[編集]

    1. ^ ピンキーとキラーズのベース担当。
    2. ^ 日刊スポーツ新聞社編集委員で文化社会部の芸能音楽を担当。また長年日本レコード大賞審査委員を務めた。
    3. ^ この時越路は、「夜明けのコーヒーを2人で飲む」という言葉が「男女が一夜を共にすること」を暗喩しているとは知らなかった。帰国の準備があったため越路はその誘いを断り、その後意味に気づいたとのこと。

    出典[編集]

    1. ^ “ピンキラ”37年ぶりの再結成日刊スポーツ、2008年7月31日
    2. ^ ピンキーとキラーズデビュー作「恋の季節」、シングルチャート17週1位は未だ破られていない!”. 大人のMusicCalendar (2015年7月20日). 2020年10月19日閲覧。
    3. ^ a b c d e f 週刊現代9月4日号・週現「熱討スタジアム」第408回ピンキーとキラーズの「恋の季節」を語ろうp140-143(ルイス高野(ピンキーとキラーズのベース担当)、笹森文彦(日刊スポーツ新聞社編集委員で文化社会部の芸能音楽を担当。また長年日本レコード大賞審査委員を務めた)、田家秀樹(音楽評論家)の3人による対談)
    4. ^ 【岩谷時子さん死去】今陽子さん「パリのカフェで生まれた『夜明けのコーヒー』」msn産経ニュース、2013年10月28日
    5. ^ 今陽子 岩谷さんは「音楽の母」デイリースポーツ、2013年10月29日
    6. ^ 興和 コルゲンコーワ ピンキーとキラーズ CMソング 風の季節 ソノシート 非売品、まんだらけ - 2020年10月19日閲覧。
    7. ^ 沿革|会社情報、OSGコーポレーション - 2020年4月24日閲覧。

    関連項目[編集]