さくら (サザンオールスターズのアルバム)

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さくら
サザンオールスターズスタジオ・アルバム
リリース
録音 1997年2月13日 - 1998年9月28日
VICTOR STUDIO
猫に小判STUDIO
ジャンル ロック
時間
レーベル タイシタレーベル
プロデュース サザンオールスターズ
チャート最高順位
  • 週間1位(2週連続、オリコン
  • 1998年度年間32位(オリコン)
ゴールドディスク
サザンオールスターズ 年表
海のYeah!!
(1998年)
さくら
(1998年)
バラッド3 〜the album of LOVE〜
2000年
EANコード
EAN 4988002375318(CD盤)
EAN 4988002375325(アナログ盤)
EAN 4988002563975(2008年盤)
『さくら』収録のシングル
  1. 01MESSENGER 〜電子狂の詩〜
    リリース: 1997年8月21日
  2. BLUE HEAVEN
    リリース: 1997年11月6日
  3. LOVE AFFAIR 〜秘密のデート〜
    リリース: 1998年2月11日
  4. PARADISE
    リリース: 1998年7月29日
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さくら』(Sakura)は、サザンオールスターズの13枚目のオリジナル・アルバム1998年10月21日発売。発売元はタイシタレーベル

その後、2008年12月3日に再発売されている。

解説[編集]

制作[編集]

前作『Young Love』から約2年3ヶ月ぶりとなり、自身のデビュー20周年の年に発売されたオリジナルアルバム。全体のテーマとしては「ネオジャパネスク」が元となっており、「NO-NO-YEAH/GO-GO-YEAH」「CRY 哀 CRY」など日本語に拘った作品が多い。本作の歌詞は難解な内容が多いため、歌詞カードに歌詞中の単語の注釈がつけられている曲が多数存在している。

この作品は総レコーディング時間が3000時間にも及んだが、桑田佳祐曰く発売前には「30万枚売れれば満足」、発売後には「やりたいことを好き放題やったらほとんど売れなかった」と語っており、全体的に毛の先まで手をかけるような製作となっている。クレジットにあるように実際1年半以上の期間をかけて製作した意味を込め、録音期間及び録音スタジオの記載の後には“So long long time!”との表記がある。その他SPECIAL THANKSとして製作に関わった人物に対し、それぞれ感謝の言葉が記されている。小林武史小倉博和には「For Your Advice and Warmest Friendship(あなたのアドバイスと温かい友情のおかげです)」と記載されている。

収録時間は78分27秒と12cmCDの最大収録時間である80分に近いものとなっているが、その為に時間面での制約が出てしまい、曲が終わったと同時に次の曲が始まったり、本来は収録予定だった40thシングルBLUE HEAVEN」のカップリング曲「世界の屋根を撃つ雨のリズム」がアルバムの収録曲から漏れるなどの事態が発生した。

上記のようなアルバムの内容の為、ビクターのサイトにも「問題作」と記されている[2]

発売とその後[編集]

初回限定版は専用スリーブケース・ステッカー付き。なお、少数ながらMD盤も存在する。アナログ(LP)盤も追って10月28日にVINYL版として発売された。アルバムジャケットは、前作に引き続き信藤三雄が手がけた。

本作のテレビCMは、収録曲の一部をいくつか流した全体的なアルバム宣伝向けのものと、タイアップの付いた「素敵な夢を叶えましょう」のみを流した2つのバージョンがある。この2つのCMは、共に2004年DVDベストヒットUSAS (Ultra Southern All Stars)』に収録されている。

2001年ギタリスト大森隆志が独立したために、このアルバムがサザン6人編成時最後のオリジナルアルバムとなった。この後各メンバーのソロ活動などを経て、2005年に発売された『キラーストリート』まで約7年間オリジナルアルバムのリリースが途絶えることとなる。

チャート成績[編集]

本作は累計96.9万枚(オリコン調べ)を売り上げて、オリジナルアルバムとして1985年発売の『KAMAKURA』以来、ミリオン割れとなった[3]。しかし、出荷台数の関係により、日本レコード協会では、ミリオンに認定されている[1]

受賞[編集]

収録曲[編集]

  • シングル収録曲は各シングルで説明しているため、ここでは説明を省略する。
  1. NO-NO-YEAH / GO-GO-YEAH(5'39)
    (作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ
    歌詞中にはSGT. Doraemonが登場するが、内容との関連はない。歌詞は英語と日本語の口語表現を掛けたものが多数登場し、桑田は『言葉のパッチワーク』と表現している。この曲のサビにどうコーラスを付けようか迷っていたところ、小林武史がたまたま同じビクタースタジオにいたため、アドバイスを依頼し編曲に加えたという。そのため、本アルバムではプロデューサーでは無いが、歌詞カードのクレジットに小林の名前がSPECIAL THANKS表記で載せられている。
    ドラムスミュージックシーケンサーによる打ち込みと松田による生音を切り替えるなど斬新な音の取り方となっている。また、ビートルズの「カム・トゥゲザー」の冒頭部分のフェイクパロディとして取り入れている。終了と同時に次の曲に移る。
  2. YARLEN SHUFFLE 〜子羊達へのレクイエム〜(4'17)
    (作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ/管編曲:山本拓夫
    日本の安全神話の崩壊を歌った社会風刺曲。「SHUFFLE」というタイトルではあるがシャッフルの楽曲ではない。直後に公式で行われたファンを対象にしたインターネットでの人気投票で1位になった[5]
  3. マイ フェラ レディ(3'58)
    (作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:島健 & サザンオールスターズ/管編曲:山本拓夫/弦編曲:島健)
    タイトルはアメリカ映画マイ・フェア・レディ」のパロディ。タイトルだけでなく歌詞にも性的な表現が多数登場する。1997年8月24日にスペースシャワーTVで放送された番組「01MESSAGE」で「美しく青きドナウ―とは程遠い音楽(仮題)」というタイトルでほぼ完成された形で披露された。本格的なジャズのメロディに、日本語とスペイン語との口語表現を掛けている。また、桑田の多重録音によるコーラスが用いられている。
    桑田はタモリにも書き下ろしの「マイ フェア レディ」という楽曲を提供しているが、本曲はタモリを喜ばせるために作ったとも言われる。
  4. LOVE AFFAIR 〜秘密のデート〜(5'22)
    (作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ/管編曲:山本拓夫)
    1998年に発売された41枚目シングル。
    シングルとミックスは同一だが、こちらはイコライザーで高域の音量を軽く下げ、ステレオ感を狭め、古い音源をイメージしたマスタリングがなされている。
  5. 爆笑アイランド(4'08)
    (作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ)
    歌詞は社会問題などについて唄われており、間奏のラップは1998年小渕内閣発足時に小渕恵三首相が演説で実際に使った言葉である。このラップ部分のコーラスを担当した渡辺理恵と山門雅代の2名は、スタジオミュージシャンではなく、レコーディングスタジオのスタッフである。
    タイトルの『爆笑』とは、サザンの大ファンであり、時事ネタを題材に漫才をしているお笑いコンビ、爆笑問題から取っている。本作リリースのこの年に、爆笑問題の2人はサザンの20周年記念のTBSテレビ特番『バカ騒ぎの腰つき』や、20周年ライブ『スーパーライブ in 渚園 "モロ出し祭り 〜過剰サービスに鰻はネットリ父ウットリ〜"』にゲスト出演して共演を果たし交流を深めた。
    「01MESSAGE」では「川長の子供(仮題)改め白鳥の湖―とはかけ離れた音楽(仮題)」として、ラップ部分がなく歌詞もまだ確定されていないバージョンが披露された。また発売時にはこの曲でテレビ朝日音楽番組ミュージックステーション』に出演し、桑田が架空の政治家「納豆屋ウニ」に扮し[6]、大森がギターをショベルに持ち変えるなど演奏していないことをアピールするかのようにメンバーが動き回るパフォーマンスを見せた。このアルバムの収録曲の中ではライブで演奏される機会も多い。終了から間髪入れずに次曲へと繋がる。
    ライブでは二番の歌詞の「行革」の部分がその時々の時事ネタに変えられることが多い。
    2014年末に、横浜アリーナで行われた年越しライブ「ひつじだよ! 全員集合!」でも演奏され、2番の歌詞を同年12月に行われた衆議院解散総選挙のネタに変えて歌った。12月28日には、安倍晋三首相が来場し、その際にも首相本人の前でこの歌詞で演奏し話題になった[7]。この出来事についての詳細はひつじだよ! 全員集合!#安倍首相来場を参照のこと。
  6. BLUE HEAVEN(4'47)
    (作詞・作曲:桑田佳祐/英語補作詞:Tommy Snyder/編曲:サザンオールスターズ)
    1997年に発売された40枚目シングル。
  7. CRY 哀 CRY(4'57)
    (作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ)
    42枚目シングル「PARADISE」のカップリング曲。
  8. 唐人物語 (ラシャメンのうた)(4'23)
    (作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ)
    テレビ朝日系ドキュメンタリー番組驚きももの木20世紀』テーマソング。
    原由子ボーカル曲。前曲終了直後にイントロなく歌い出される。
    括弧内の「ラシャメンのうた」はサブタイトルであり、タイトルは「とうじんものがたり」と読む。歌詞は江戸時代末期に実在した芸者“唐人お吉”こと斎藤きちの事を綴っている。また“ラシャメン”とは「洋妾」の事で、異国人にその身を売った者を迫害する意味の言葉でもあった。2000年に発売されたアルバム『バラッド3 〜the album of LOVE〜』にも収録されている。
  9. 湘南SEPTEMBER(4'32)
    (作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ/弦編曲:島健)
    桑田自身は“湘南”という呼称に対し否定的だが、逆にサザンの湘南というイメージをセルフパロディ化する形で作られた、桑田作品の中で「湘南」がタイトルに登場する唯一の曲。PVは製作されていないが、2003年DVDInside Outside U・M・I』にイメージビデオが収録された。また、アルバム『バラッド3 〜the album of LOVE〜』にも収録されている。
  10. PARADISE(5'54)
    (作詞・作曲:桑田佳祐/英語補作詞:Tommy Snyder/編曲:サザンオールスターズ)
    1998年に発売された42枚目シングル。
  11. 私の世紀末カルテ(6'43)
    (作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ)
    41枚目シングル「LOVE AFFAIR 〜秘密のデート〜」のカップリング曲。
  12. SAUDADE 〜真冬の蜃気楼〜(4'52)
    (作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ/管編曲:山本拓夫)
    ボサノヴァ調の曲で、タイトルの「サウダージ」とは哀愁、郷愁などの意味を持つ。歌詞には「コルコバードの丘」「イエマンジャー」「アフォシェ」などブラジルを舞台にした言葉が使われている。アルバム『バラッド3 〜the album of LOVE〜』にも収録されている。
  13. GIMME SOME LOVIN' 〜生命果てるまで〜(4'03)
    (作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ)
    タイトルはスペンサー・デイヴィス・グループの同名曲の引用。SMについての歌。
  14. SEA SIDE WOMAN BLUES(4'24)
    (作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ)
    39枚目のシングル「01MESSENGER 〜電子狂の詩〜」のカップリング曲。
  15. (The Return of) 01MESSENGER 〜電子狂の詩〜 <Album Version>(5'14)
    (作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ/編曲補:林憲一 & 角谷仁宣/管編曲:山本拓夫)
    1997年に発売された39枚目シングル。
    ドラムンベースの要素が追加されるなど、シングルバージョンからは大幅にアレンジが加えられている。イントロのアレンジは同年8月に行われたライブ『スーパーライブ in 渚園 モロ出し祭り』でのものであるが、本作では歌入り以降にも全体的なアレンジが加えられている。他にもシングルとアルバムバージョンではアレンジなどが違う曲がいくつか存在するが、同曲は唯一別表記が制定されている曲である。
  16. 素敵な夢を叶えましょう(5'09)
    (作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:島健 & サザンオールスターズ)
    関西テレビ・フジテレビ系ドラマこいまち』主題歌。また、TBSラジオ爆笑問題カーボーイ』エンディングテーマ。
    前作『Young Love』の最終曲「心をこめて花束を」同様、ピアノオーケストラを主体としているが、1番後の間奏ではピアニカが使用され、2番後の間奏以降はジャズ風のサクソフォーンが加わる。『バラッド3 〜the album of LOVE〜』でも最後に収録されている。
    歌詞は桑田が当時のメンバーに向けて書いたものになっており、終盤の歌詞にある「南十字」とは直訳ではないもののサザンオールスターズを意味し、「戯れる星」とは、サザンを聴いてくれているファンを意味する。また、2番の歌詞ではビートルズの「Let It Be」のフレーズが引用されている。
    2015年4月3日に放送されたテレビ朝日系『ミュージックステーション』で、ゆず北川悠仁が応援ソングとしてこの曲を挙げた。

参加ミュージシャン[編集]

NO-NO-YEAH / GO-GO-YEAH
YARLEN SHUFFLE 〜子羊達へのレクイエム〜
マイ フェラ レディ
  • 島健 - ピアノ
  • 村田陽一 - トロンボーン
  • 広原正典 - トロンボーン
  • 片岡雄三 - トロンボーン
  • 山城純子 - バストロンボーン
  • 角谷仁宣 - コンピュータ・オペレーション
LOVE AFFAIR 〜秘密のデート〜
  • 角谷仁宣 - コンピュータ・オペレーション
  • 山本拓夫 - テノール & バリトン・サクソフォーン
  • 金原千恵子グループ - ストリングス
爆笑アイランド
  • もののけ隊 - シャウト
  • 渡辺理恵 - フィーメイルラップ
  • 山門雅代 - フィーメイル・ラップ
  • 角谷仁宣 - コンピュータ・オペレーション
BLUE HEAVEN
  • 角谷仁宣 - コンピュータ・オペレーション
CRY 哀 CRY
  • 角谷仁宣 - コンピュータ・オペレーション
唐人物語 (ラシャメンのうた)
  • 角谷仁宣 - コンピュータ・オペレーション
湘南SEPTEMBER
  • 金原千恵子グループ - ストリングス
  • 山本拓夫 - テノール・サクソフォーン
  • 角谷仁宣 - コンピュータ・オペレーション
SAUDADE 〜真冬の蜃気楼〜
GIMME SOME LOVIN' 〜生命果てるまで〜
  • 角谷仁宣 - コンピュータ・オペレーション
SEA SIDE WOMAN BLUES
(The Return of) 01MESSENGER 〜電子狂の詩〜 <Album Version>
  • 小倉博和 - エレクトリックギター
  • 山本拓夫 - テノール & バリトン・サクソフォーン
  • 村田陽一 - トロンボーン & バストロンボーン
  • 荒木敏男 - トランペット
  • 角谷仁宣 - コンピュータ・オペレーション
素敵な夢を叶えましょう
  • 島健 - ピアノ & ピアニカ
  • 金原千恵子グループ - ストリングス
  • BOB ZUNK - アルト・サクソフォーン & フルート
  • 淵野繁雄 - アルト・サクソフォーン
  • 包国充 - テノール・サクソフォーン
  • 竹野昌邦 - テノール・サクソフォーン
  • 山本拓夫 - バリトン・サクソフォーン
  • 藤田乙比古 - ホルン
  • 萩原顕彰 - ホルン
  • 朝川朋之 - ハープ
  • 三沢またろう - ティンパニ & シンバル
  • 角谷仁宣 - コンピュータ・オペレーション

再発売[編集]

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 2003年6月度までの旧基準。最低累計正味出荷枚数120万枚以上の作品に適用。

出典[編集]

  1. ^ a b 日本レコード協会 認定作品 1998年11月度認定作品を閲覧。2016年5月11日閲覧。
  2. ^ 「STANDOOH! AREEENA!! C'MOOOON!!!」
  3. ^ サザンオールスターズ 売上別TOP10&主な記録 オリコン 2015年1月22日閲覧
  4. ^ 第13回日本ゴールドディスク大賞 日本ゴールドディスク大賞 2017年3月2日閲覧
  5. ^ ニューアルバム『さくら』人気投票結果発表!
  6. ^ 名前自体は松任谷由実のもじりだが、あまり関係はない。
  7. ^ 安倍首相、サザンコンサートで「替え歌」にのけぞり朝日新聞デジタル 2014年12月29日

外部リンク[編集]