Relation (globeのアルバム)

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Relation
globeスタジオ・アルバム
リリース
録音 tetsuya komuro sequence 1103st, 1105st(Tokyo)
RECORD PLANT(L.A.)
SONY MUSIC STUDIOS
IMAGE RECORDING(L.A.)
THE HIT FACTORY(N.Y.)
Bernie Grundman Mastering(Hollywood、マスタリング)
ジャンル J-POP
ブリティッシュビート
プログレッシブ・ロック
時間
レーベル avex globe
プロデュース globe
チャート最高順位
  • 週間1位(オリコン
  • 1999年度年間12位(オリコン)
ゴールドディスク
  • 2ミリオン(日本レコード協会
  • 第13回日本ゴールドディスク大賞
    ポップ・アルバム・オブ・ザ・イヤー(邦楽)
  • globe アルバム 年表
    Love again
    1998年
    Relation
    (1998年)
    FIRST REPRODUCTS
    1999年
    EANコード
    EAN 4988064700042(1998年)
    EAN 4542114506970(2012年)
    『Relation』収録のシングル
    1. wanna Be A Dreammaker
      リリース: 1998年9月2日
    2. Sa Yo Na Ra
      リリース: 1998年9月23日
    3. sweet heart
      リリース: 1998年9月30日
    4. Perfume of love
      リリース: 1998年10月7日
    テンプレートを表示

    Relation』(リレーション)は、globeの4枚目のフルアルバム。

    概要[編集]

    前作『Love again』から8か月弱で発売され、「BRAND NEW globe 4 SINGLES」を収録したアルバム。

    音楽性[編集]

    小室哲哉は1985年にリンゼイ・ケンプが出演した「夏の夜の夢」に衝撃を受けて、「あの世界観を作れないだろうか」と思った所から始まった[1]

    音作りのテーマは1970年代のプログレッシブ・ロックブリティッシュビートを参考にし[2]残響効果が少なめの乾いた音色を中心にまとめて、効果音も非現実的な響きの音を選び、「お買い得仕様ではない、聴いてくれる人がいるだけ作った側が救われる」という程ギリギリまで実験的な志向を貫いた[3]

    本作はglobeプロデュースの作品となっており、KEIKOが初めて作詞に挑戦した。音源が出来上がってから作詞を行う(依頼する)小室の作品としては珍しく、KEIKOの担当した歌詞が上がってから音源制作を行った[4]。また、KEIKO・マーク・パンサーが単独で作詞を担当した楽曲では歌入れが終わった後も、小室抜きで意見を出し合う等ボーカルディレクションに近い作業も行った[2]

    アートワーク[編集]

    ジャケットはバラの花びらにモザイクがかかったもので、歌詞カードを開いていくとその部分が拡大されていく。裏ジャケットにはモザイクはない。小室は加工する前の写真を見てインスピレーションを受け、「庭園のバラは『集団』とひとくくりにされているけど、1本1本がコミュニケーションをとっている訳ではない。それが『関わりたくないけど関わらずにはいられない』『全く必要じゃないと思ったら必要だった』という人間関係に似ていて、その背中合わせの関係を描きたかった」と話している[3]

    プロモーション[編集]

    リードシングル4枚分のミュージック・ビデオが撮影された[5]

    4本は発売順に時系列順でつながっている。3本目までは「wanna Be A Dreammaker」ではKEIKO→「Sa Yo Na Ra」ではマーク→「sweet heart」では小室と主役が異なっていて、4本目の「Perfume of love」でメンバー3人が均等に出番のある構成になっている[5]

    撮影場所はスーパーマーケット等「人々の生活に身近な場所」を中心に選んだ[5]

    収録曲[編集]

    CD
    全作曲・編曲: 小室哲哉。
    #タイトル作詞作曲・編曲時間
    1.letting out a deep breathMARC小室哲哉
    2.across the street, cross the watersMARC小室哲哉
    3.wanna Be A Dreammaker - album version -MARC・小室哲哉小室哲哉
    4.creamy dayMARC小室哲哉
    5.Sa Yo Na Ra - album version -小室哲哉・MARC小室哲哉
    6.sweet heart小室哲哉・MARC小室哲哉
    7.like a snowy kissKEIKO小室哲哉
    8.calls from the publicMARC小室哲哉
    9.Relation小室哲哉
    10.Perfume of love小室哲哉・MARC小室哲哉
    11.illusionKEIKO小室哲哉
    合計時間:

    楽曲解説[編集]

    1. letting out a deep breath
      「コンサートやミュージカルのオープニング」「1970年代のプログレッシブ・ロック」の要素を入れた[3]
    2. across the street, cross the waters
      イントロと途中のテンポアップに際しKEIKOは「『現実と夢』の様に対照的」と感じ、「自分の感情の『表と裏』」を表現することに拘った[3]
    3. wanna Be A Dreammaker - album version -
      13thシングル。NISSEKI「Enaカード」キャンペーンCMソング。
      シングルバージョンより低音を強くし、トラックを緻密にした[1]。マークは「ロサンゼルスの空気を感じてもらえるかも」「『音はこう変えても良い』『音楽作りは面白い』ことに気付いてくれれば」と話している[3]
    4. creamy day
      「アコースティックな構成の中に、1970年代のブリティッシュビートとプログレッシブ・ロックの要素を足す」というテーマの下、マークが1989年にロンドンへ留学した際、好きになった構成を押し出した[3]
    5. Sa Yo Na Ra - album version -
      14thシングル。NESCAFE「ウェイクアップモーメント・ブレイクタイムモーメント」CMソング。
    6. sweet heart - Full Length Version -
      15thシングル。FORD「COUNTDOWN FESTIVAL」キャンペーンソング。
      シングルでは一部しか使われなかったマークのパートが全て収録されたバージョン[3]
    7. like a snowy kiss
      楽曲タイトルは小室が付けた[1]
      FACES PLACES」制作時から「もっと色々表現したい」と欲を出したKEIKOから沢山の歌詞の習作を見て、当時はすぐに使える状態ではなかったのではっきり「ダメ」と言っていたが、この曲では歌詞を書くルールを踏まえた上できちんとまとまっていたので収録を決めた[3]
    8. calls from the public
      マークがリードボーカルを務めた。KEIKOとデュエットしているが、「協力し合う」というよりは「それぞれの持っている力量やスキルを出し切る」様に指示した[3]
    9. Relation
      インストゥルメンタルで重厚な雰囲気のボレロ[3]
    10. Perfume of love
      16thシングル。日本テレビ系ドラマ「P.A. プライベート・アクトレス」主題歌。
      シングルと同音源で収録。
    11. illusion
      テーマは「世間には何かを求めている人が多いが、勇気は自分から出していかないと意味が無い」としている[3]
      小室は「『あれ?僕は手を加えていたかな?』と勘違いする程に、僕では出てこない文節・女性特有の表現がしっかり書けていた」とKEIKOの詞を称賛している[1]

    クレジット[編集]

    レコーディングメンバー[編集]

    曲毎(以上のメンバー以外にクレジットがない場合は省略)

    • letting out a deep breath
    • across the street, cross the waters
    • wanna Be A Dreammaker - album version -
      • 小室哲哉 : Guitars
    • creamy day
      • 松尾和博 : Guitars
      • 木村建 : Bass
    • Sa Yo Na Ra - album version -
    • sweet heart - Full Length Version -
      • 松尾和博 : Guitars
    • like a snowy kiss
      • 松尾和博 : Guitars
    • calls from the public
      • 松尾和博 : Guitars, Vocal Direction
      • 木村建 : Guitars
      • Brad Cummings : Bass
      • Josh Freese : Drums
    • Perfume of love
      • 松尾和博 : Guitars
      • 阿部薫 : Drums
    • illusion
      • 松尾和博 : Guitars
      • 木村建 : Guitars
      • Josh Freese : Drums

    スタッフ[編集]

    • Mixed : Eddie Delena
    • Mastered : Chirs Bellman
    • Recorded : 若公俊広, Steve Durkee, Jan Fairchild, Yen Gonzalez, 松谷秀次, Terri Wong
    • Synthesizer Programming : 村上章久, 岩佐俊秀
    • Production supervised : Rojam, Inc.
    • Executive Produced : 松浦勝人
    • General Produced : 林真司, 大下勝朗
    • A&R : 柳和実
    • Public relations : 下川大介, いしだしげこ
    • Executive PR : 遠藤正則
    • Art direction, Designed : Tycoon Graphics

    リリース履歴[編集]

    No. 日付 レーベル 規格 規格品番 最高順位 備考
    1 1998年12月9日 avex globe CD AVCG-70004 1位
    2 2012年3月21日 avex infinity CD AQCD-50697 「マスターピース・シリーズ」。期間限定生産廉価盤、紙ジャケット仕様[6]
    • 上記の他に、2016年12月21日に96kHz/24bitのハイレゾリューションオーディオとして鈴木浩二の手によりリマスタリングされ、配信リリースされた[7]

    脚注[編集]

    1. ^ a b c d ぴあ刊「小室哲哉ぴあ globe編」pp.82-83より
    2. ^ a b 日経BP刊『日経エンタテインメント!』1999年1月号より。
    3. ^ a b c d e f g h i j k ソニー・マガジンズ刊『WHAT's IN?』1999年1月号「globe ためいきの華が咲きみだれる世紀末に」91P-93Pより。
    4. ^ 学研ホールディングス刊「CD HITS!」1999年1月号より。
    5. ^ a b c 角川書店刊「CDでーた」1998年10月20日号「globe 今伝えること 形にすること」p.108より。
    6. ^ エイベックス初となる復刻版シリーズ“マスターピース・シリーズ”が発売! - CDジャーナルより。
    7. ^ globe 20周年イヤーを記念したハイレゾリリース&期間限定フラッシュプライス! e-onkyo music NEWS 2016年12月22日閲覧