KAMAKURA

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KAMAKURA
サザンオールスターズスタジオ・アルバム
リリース
録音 1985年2月 - 8月
VICTOR STUDIO
FREEDOM STUDIO in Tokyo
ジャンル ロック
時間
レーベル タイシタレーベル
プロデュース サザンオールスターズ
高垣健
藤井丈司
チャート最高順位
  • 週間1位(7週連続、オリコン
  • 1985年度年間4位(オリコン)
サザンオールスターズ 年表
人気者で行こう
1984年
KAMAKURA
(1985年)
バラッド2 '83〜'86
(1987年)
『KAMAKURA』収録のシングル
  1. Bye Bye My Love (U are the one)
    リリース: 1985年5月29日
  2. メロディ (Melody)
    リリース: 1985年8月21日
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KAMAKURA』(カマクラ)は、サザンオールスターズの8枚目のオリジナルアルバム1985年9月14日発売。発売元はタイシタレーベル

ジャケット表記などは、『kamakura』として表記されている。

後に1989年6月25日1998年5月22日2008年12月3日の計3回再発売されている。

解説[編集]

製作[編集]

2枚組のオリジナル・アルバム。「国民待望の2枚組」という触れ込みで発売され、CMには明石家さんまが出演した。さんまは、サザンの楽曲「メロディ (Melody)」を口パクで歌っており、そのCMを見た人のほとんどが「メロディ (Melody)」をさんまの歌だと思っていた、という逸話は有名であり[1]、さんまの持ちネタの1つでもある。また、彼はこの後サザン活動休止中の企画盤『バラッド2 '83〜'86』のCMにも出演した。本作のCMは、2004年DVDベストヒットUSAS (Ultra Southern All Stars)』に収録されている。

レコーディング時間は1800時間を費やしたとも言われ、メンバーも「セミが鳴いているときにレコーディングしていると思って外に出たらが降っていた」、「雪が降っているときにレコーディングしていると思って外に出たら町中の人はタンクトップを着ていた」と冗談交じりに語っている。現在のDTMの前史を創ったフェアライトCMIを全面的に導入しており、当時としては高音質かつ複雑なアレンジが実現されている。当時の最高級の機材の導入と、膨大な制作時間を費やしたため、この作品の総製作費は約5000万円になったとも言われている。

二枚組になったことについては、当初は普通に一枚のアルバムを作る予定だったものの、制作していくうちに曲が増えてきてしまい、それらの楽曲をすべて収録したいという意向で二枚組としてリリースする事となり、このアルバムの制作でサザンとしてできる事を当時の時点ですべてやりつくしてしまったことが語られている[2]

音楽的には、当時出始めたサンプラーやデジタル・シンセサイザードラムマシンなどが多く使用され、サウンド的に「かなり実験的であった」と後のインタビューで語られている。また桑田によると、実際に灰皿を叩いた音なども使われているとのこと。これら電子楽器プログラミングの担当として、YMOのアシスタントを務めた藤井丈司が参加している。

発売後[編集]

本作発表以降、バンド活動は休止状態となり、桑田のKUWATA BAND等、各メンバーはソロ活動に移行する。

発売後ステッカー1986年度カレンダーなどとセットになった『KAMAKURA-BOX』も発売されている。

1998年の再発盤の初回限定盤は、オリジナルLP復刻ジャケット(いわゆる紙ジャケット)仕様で、当時テレビ朝日アナウンサーの辻よしなりによるライナーノーツが封入されている。

チャート成績[編集]

本作は95.3万枚(オリコン調べ)を売り上げた(再発、同発のCDなども含む)[3]。ビクター発表によると150万枚。また、オリコンCDチャートで初の週間売上1万枚(組)を記録した作品でもある。

受賞[編集]

収録曲[編集]

  • シングル収録曲は各シングルで説明しているため、ここでは説明を省略する。
  • オリジナル・アナログ盤ではDisc1、2ともに6曲目からがB面となっていた。

Disc 1[編集]

  1. Computer Children(6'12)
    (作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ & 藤井丈司
    富士通テレフォン CMソング
    歌詞カードには「“Computer Children”は、スクラッチ、不規則なリズムなどの各種のEffect、処理が行われています。未体験のサザン・サウンドをお楽しみください。」との説明書きがある。当時はこのようなアレンジはあまり受け入れられておらず、ディスクの音飛びと誤解されないようにとの考慮であった。歌詞は当時テレビゲームコンピュータばかりを弄り外で遊ぶことが少なくなった子供たちへの揶揄になっている。サザンの楽曲としてはじめて演奏時間が6分を超えた。ライブで披露される場合、ラストが端折られたり、間奏にラップが挿入されたりと大幅なアレンジが加えられることが多い。
  2. 真昼の情景 (このせまい野原いっぱい)(3'30)
    (作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ & 藤井丈司 & 大谷幸
    サブタイトルは、森山良子の「この広い野原いっぱい」のパロディ。
  3. 古戦場で濡れん坊は昭和のHero(4'09)
    (作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ)
    古戦場とは、鎌倉時代末期に新田義貞が鎌倉を攻撃した際の伝承が有名な稲村ケ崎のことである。他には極楽寺坂などの歌詞も登場。8分の7拍子という独特なリズムが使われている。間奏で、ステレオからモノラルに音が変わり、すぐにステレオに戻る。
  4. 愛する女性(ひと)とのすれ違い(4'01)
    (作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ & 藤井丈司)
    実験的な楽曲の多い本作の中で、数少ないバラード。発売当初は、ライブなどでも頻繁に披露されていた。
    「年越しLIVE 1999 晴れ着DEポン」以降はセットリストから姿を消していたが、2013年の35周年記念の復活ライブにおいて、一般向けコンサートでは実に14年ぶりに演奏された[4]
  5. 死体置場でロマンスを(3'59)
    (作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ & 大谷幸)
    サスペンス的な歌詞になっており、桑田自身、赤川次郎などのサスペンス小説などに影響を受けたと述べている[5]。ライブにおいてはしばしば、1番後の間奏にてパーカッションソロを披露した野沢秀行をいじる内容の歌詞で歌うことがある。
  6. 欲しくて欲しくてたまらない(4'31)
    (作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ & 藤井丈司)
    恋人同士の別れがテーマの曲。
  7. Happy Birthday(4'42)
    (作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ & 藤井丈司)
    タイトル通り誕生日をテーマにした曲。随所に口笛を挿入している
  8. メロディ (Melody)(5'05)
    (作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ)
    23枚目のシングル。
    本作のCMにも使われ、明石家さんまが口パクでこの歌を口ずさんだ。
  9. 吉田拓郎の唄(4'14)
    (作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ & 藤井丈司/管編曲:新田一郎
    制作当時、引退を囁かれていた吉田拓郎を名指してのメッセージソング。内容は桑田が吉田の音楽性に影響を受けた事に触れ、そして決別する内容になっている。2003年のツアーでは当時病気療養中だった吉田に向け激励として大幅に歌詞が変更され、拓郎をより美化した内容で同曲が歌われた。
  10. 鎌倉物語(3'55)
    (作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ/弦編曲:大谷幸)
    キーボード原由子メインボーカル曲。
    歌詞は鎌倉付近の情景が情緒豊かに歌われている。
    桑田と原の長男がお腹にいる状態で、当時の自宅マンションにレコーディング機材を運び込み、原はベッドに座りながらの状態で歌入れがされた。原が、「お腹に力を入れてはいけないと言われていたので、やさしい歌い方になったのが良かった」と振り返っている。
    タイトル通り、鎌倉の地名や名所が歌詞に登場。江ノ島電鉄も登場することから、2002年10月15日から同年12月29日までこの曲と原のソロ曲「あじさいのうた」の歌碑が、江ノ電100周年記念キャンペーンとして計6つの駅で設置された。設置されたのは、藤沢駅江ノ島駅鎌倉高校前駅極楽寺駅長谷駅鎌倉駅の6駅。この間、藤沢駅と鎌倉駅では発車ベルに代わって「鎌倉物語」のメロディが使用された。
    歌詞に日陰茶屋が登場するが、実際は葉山町に存在している。

Disc 2[編集]

  1. (3'38)
    (作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ & 藤井丈司)
    男のコンプレックスを唄った曲。歌詞中の「女人瓜売僕助平(にょにんうりうりぼくすけべい)」は桑田の造語。
  2. Bye Bye My Love (U are the one)(4'45)
    (作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ & リアル・フィッシュ
    22枚目のシングル。
  3. Brown Cherry(4'08)
    (作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ & 藤井丈司/管編曲:新田一郎)
    日本語英語とのダブル・ミーニングが使われている曲で、歌詞エロティックな表現を用いている。
  4. Please!(5'49)
    (作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ & 原田末秋
    アウトロでは、桑田の敬愛するエリック・クラプトンが在籍したバンドクリームの「Sunshine on your love」のイントロがそのまま使われている。
  5. 星空のビリー・ホリデイ(3'59)
    (作詞:桑田佳祐/作曲:桑田佳祐、八木正生/編曲:サザンオールスターズ & 八木正生)
    「星空のビリー・ホリディ」と表記される場合も。
    ジャズボーカルの巨匠・ビリー・ホリデイの悲劇を唄った曲。作詞は桑田佳祐、作曲は「Dear John」に続き桑田佳祐・八木正生の共作。イントロやアウトロで「カノン」などのバロック調を思わせるコード進行が挿入されている。
  6. 最後の日射病(4'18)
    (作詞・作曲:関口和之/編曲:サザンオールスターズ & 大谷幸)
    ベース関口和之のメインボーカル曲。
  7. 夕陽に別れを告げて 〜 メリーゴーランド(4'45)
    (作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ & 大谷幸)
    桑田が青春時代を過ごした鎌倉学園高等学校での思い出を唄った曲。メドレー形式の曲だが、「メリーゴーランド」は本アルバムのラスト曲「悲しみはメリーゴーランド」のインストが少し使われているのみであり、ライブで披露される際にはメドレー部分は省かれる。
  8. 怪物君の空(5'09)
    (作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ & 藤井丈司)
    大塚製薬オロナミンC」CMソング。
    CMソングとして使用されたが、発売当時テレビCMには二重広告を防ぐ規制があった為に曲名は表示されず、「アルバム『KAMAKURA』より」と表示されていた。
    重低音やサウンドエフェクトが強調された、ハードロック調の楽曲。詞は反戦をテーマにしている。
    タイトルにある「怪物君」は歌詞中には登場していないが、藤子不二雄漫画作品『怪物くん』が由来である。
  9. Long-haired Lady
    (作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ/弦管編曲:八木正生)
    多重録音による輪唱が用いられ、ボーカルも低いキーが使われている。
  10. 悲しみはメリーゴーランド(2'36)
    (作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ & 大谷幸)
    三菱鉛筆『EXCEED』CMソング。
    同CM中には「鎌倉物語」というタイトルの小説も登場している。
    「夕陽に別れを告げて」とのメドレーで挿入されているインスト部分が形になった楽曲。曲調はフォークソング調になっている。
    歌詞には日本における中国韓国との関係を思わせるフレーズが存在し、スージー鈴木はこのような桑田のいわゆる社会派路線の楽曲を「この時期から一定の比率を占めている」と評している[6]
    ライブで披露された際はロック調のアレンジで歌われた。

参加ミュージシャン[編集]

再発売[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ ベストヒットUSAS (Ultra Southern All Stars)付属のブックレット 「KAMAKURA」テレビCMより
  2. ^ SWITCH Vol.31 No.8 Southern All Stars [僕らのサザン、みんなのサザン] p48より。
  3. ^ サザンオールスターズ 売上別TOP10&主な記録 オリコン 2015年1月22日閲覧
  4. ^ この間の演奏記録は2004年に行われたファンクラブ限定の「真夏の夜の生ライブ 〜海の日SP〜」の1回のみ
  5. ^ 桑田佳祐のやさしい夜遊び』2014年12月6日放送分。
  6. ^ スージー鈴木「サザンオールスターズ 1978-1985」(2017年 新潮新書 P242)

外部リンク[編集]