赤川次郎

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赤川 次郎
(あかがわ じろう)
誕生 1948年2月29日(67歳)
福岡県福岡市博多区
職業 小説家
国籍 日本の旗 日本
活動期間 1976年 -
ジャンル 推理小説
代表作 三毛猫ホームズシリーズ
三姉妹探偵団
幽霊シリーズ
主な受賞歴 オール讀物推理小説新人賞
処女作 幽霊列車
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赤川 次郎(あかがわ じろう、1948年2月29日[1] - )は、日本小説家福岡県福岡市博多区出身。血液型はA型。中野区立桃園第三小学校卒[要出典]桐朋高等学校卒業[1]1996年度より金沢学院大学文学部客員教授。父親は元満洲映画協会東映社員[1]の赤川孝一。「赤川次郎」は本名である[1]

人物[編集]

3歳の頃に手塚治虫の漫画に影響を受け、小学生の時には漫画を描き始めるも挫折[2]。中学時代に『シャーロック・ホームズの冒険』に出会い、3年生の時に見よう見まねで小説を書き始める[2]。当時よく読んでいたジャンルに影響され、中世ヨーロッパの騎士の物語などを書いていた[1]。空想好きの少年であったようで、恋愛も自分が空想していたとおりであったとエッセイ[3]に書いている。

父・赤川孝一は他に家庭を持っていたので別居しており、幼少時もほとんど顔を合わせていなかったが、転勤によって東京に引っ越したため、赤川は小学校の担任の薦めにより中高一貫教育の私立桐朋学園を受験することになる[1]。無事に合格して進学したが、勉強も運動も苦手でなおかつ金銭的にも困窮していたため、楽しい学校生活ではなかった[1]。高校2年生の時に孝一が退社してしまい収入源が完全に断たれたため、大学進学は諦め就職を決意[1]。卒業後は本屋勤務を経て[要出典]日本機械学会に就職し、主に雑誌に掲載する学術論文を校正する仕事に従事する[1]。しかし休日には誰かに読ませるあてもないまま、自らのために小説を書き続けていた[1]。25歳で結婚し、2年後に娘が産まれる[1]。この頃プロを目指すことを決意し、シナリオを投稿するようになる[1]。そして天知茂主演のテレビ朝日系テレビドラマ『非情のライセンス』のシナリオ募集に初入選する[1]1976年、28歳の時に「幽霊列車」でオール讀物推理小説新人賞を受賞し、小説家デビュー[1]1978年には光文社カッパ・ノベルスより出版された『三毛猫ホームズの推理』が異色作として話題を集めヒット作となり[4]脚光を浴びる[1]。30歳の時に退社し、専業作家となり12年のサラリーマン生活を終える[1]。その直後に『セーラー服と機関銃』を発表した[1]。「三姉妹探偵団」シリーズや「杉原爽香」シリーズなど、さまざまな人気シリーズを抱える。難解な表現をあえて避けた優しい文章と軽妙な表現を得意とし、余人に真似ができないスタイルを構築しており、現在でも年に10冊の執筆をするなど創作意欲は衰えない。[4]ストーリー自体は陰惨なものも少なくなく、社会の歪みや虐げられる人々に目を向けることが多い(特に初期作品)[独自研究?]。推理小説(ユーモアミステリー)のほか、ホラーや青春ものなど作品のジャンルは多岐に及ぶ[1]

思想はリベラル主人公が校長を「何しろ、入学式卒業式での〈君が代〉強制はもちろんですけど(以下省略)」と評するシーンもある。公安警察が署名募集運動を装って潜在的な反体制派となり得る人物の名簿を作る陰謀をおこなっていたり、狂信的な独裁国家となった日本でのレジスタンス活動を描いた作品もある[要追加記述]2012年橋下徹が、観客動員数が少ないことを理由に文楽事業への補助を打ち切った際には、「動員数で言えばベートーベンはAKB48にも劣るということじゃないか、そんな馬鹿な話があるか」と朝日新聞への投書で批判した[5]。朝日新聞で連載していた芸術評論コラム『三毛猫ホームズと芸術三昧!』は連載中に起きた東日本大震災福島第一原子力発電所事故を受け内容が時事評論に変貌した(書籍化された際にタイトルも改められている)。

1980年には「上役のいない月曜日」が第83回直木賞候補に推された。また、超人的な多作や、結末を決めずに書き始めるといった発言から、本格志向のミステリマニアとは無縁な存在と思われがちだが[独自研究?]特に初期作品などは新本格派の作家も評価するものがある[要出典]1970年代後半から1980年代前半にかけて、新本格派出現以前のリアリティ重視の時代に名探偵復権を唱えて横溝ブームなどと共に謎解きミステリ復興に道筋をつけた功績は特筆される[独自研究?]

誕生日が2月29日であるために、1988年に刊行された「三毛猫ホームズ」シリーズカッパ・ノベルスによる著者紹介では「今年で10歳になった、ということになってしまう」と記載されている。2006年8月に作家生活30年を迎え、執筆作品は480作に達した。その後も著作数は増え続け、2008年には500作[6]2013年には560作に達している。著作の累計発行部数は3億部を超えており、2013年現在、この発行部数を記録した日本人作家は赤川しかいない。

21世紀の現在、ほとんどの小説家がワードプロセッサパソコンを用いて作品を執筆している中、頑固なまでに原稿用紙への「手書き」を続けている[6]。本人曰く「手書きの方が早い」とのこと[7]。あまりの多作で同時に複数の連載を抱え、小説の登場人物一覧表を書斎に貼り付けていた時期があった。自身でも混乱をきたすことがあったからと思われる[独自研究?]。 

ユーモアもあり、自らがミステリー小説の中で殺した人物のお墓を実際に作っていることで有名。ちゃんと墓参りもするという。

オペラや演劇鑑賞を行ない論評するなど、芸術評論も物し、評論集が出版されている。

受賞歴[編集]

著書[編集]

シリーズ作品(小説)[編集]

三毛猫ホームズシリーズ[編集]

三姉妹探偵団シリーズ[編集]

幽霊シリーズ[編集]

大貫警部(四文字熟語)シリーズ[編集]

華麗なる探偵たち(第九号棟)シリーズ[編集]

杉原爽香シリーズ[編集]

子子家庭シリーズ[編集]

早川一家シリーズ[編集]

吸血鬼シリーズ[編集]

悪魔シリーズ[編集]

鼠シリーズ[編集]

その他のシリーズ[編集]

シリーズ外作品(小説)[編集]

  • 死者の学園祭 (1977年、ソノラマ文庫)のち角川文庫 
  • 赤いこうもり傘 (1978年、ソノラマ文庫)のち角川文庫 
  • セーラー服と機関銃 (1978年、主婦と生活社・21世紀ノベルス)のち角川文庫 
  • 卒業 セーラー服と機関銃・その後(1987年、カドカワノベルズ)のち角川文庫
    • 【改題】セーラー服と機関銃・その後 - 卒業 - (2006年、角川文庫・改版)
  • 死者は空中を歩く (1979年、トクマ・ノベルズ)のち徳間文庫、角川文庫
  • 結婚案内ミステリー風(1980年、主婦と生活社) 
  • 死体置場で夕食を (1980年、トクマ・ノベルズ)
  • 幽霊から愛をこめて (1980年、集英社文庫)
  • 上役のいない月曜日 (1980年、文藝春秋)のち文庫
  • 一日だけの殺し屋(1980年、青樹社)
  • マリオネットの罠 (1981年、文藝春秋)のち文庫  
  • 毒 ポイズン (1981年、集英社)のち文庫 
  • 裏口は開いていますか? (1981年、サンケイ出版)のち文春文庫 
  • さびしがり屋の死体 (1981年、角川書店)のち文庫 
  • 青春共和国(1981年、徳間文庫)
  • 女社長に乾杯! (1982年、新潮社)のち文庫 
  • 晴れ、ときどき殺人(1982年、カドカワノベルズ)のち文庫
  • 探偵物語 (1982年、カドカワノベルズ)のち文庫
  • 一番長いデート (1982年、集英社文庫コバルトシリーズ)
  • おやすみ、テディ・ベア (1982年、カッパ・ノベルス)のち角川文庫、光文社文庫
  • プロメテウスの乙女 (1982年、角川書店)のち文庫
  • 殺人よ、こんにちは (1983年、カドカワノベルズ)のち文庫
  • 霧の夜にご用心 (1983年、カドカワノベルズ)のち文庫
  • 沈める鐘の殺人(1983年5月 講談社ノベルス)
  • 夜 (1983年、カドカワノベルズ)のち文庫 
  • ヴァージン・ロード【恋愛小説】 (1983年、新潮社)のち文庫 
  • 死者におくる入院案内 (1983年、ジョイ・ノベルス)のち新潮文庫 
  • 名探偵はひとりぼっち (1983年、角川書店)のち文庫 
  • 駈け落ちは死体とともに (1983年、集英社)のち文庫 
  • 愛情物語 (1984年、角川書店)
  • 殺人はそよ風のように (1984年、光文社文庫)のち角川文庫 
  • ビッグボートα (1984年、光文社文庫)
  • さよならをもう一度 (1984年、角川ホラー文庫)
  • 白い雨 (1985年、光文社文庫)
  • 壁際族に花束を (1985年、小学館)
  • 死体は眠らない (1985年、角川書店)
  • 窓からの眺め (1986年、文藝春秋)
  • 怪奇博物館(1986年12月 フタバノベルス)
  • 禁じられたソナタ (1988年、小学館)
  • 殺人を呼んだ本 (1988年、双葉社)
  • 追憶時代 (1988年、角川書店)
  • 湖畔のテラス (1988年、集英社文庫)
  • ふたり (1989年、新潮社)のち文庫
  • アンバランスな放課後 (1989年、角川書店) のち文庫 
  • 微熱 (1990年、講談社)
  • 黒鍵は恋してる (1991年、集英社)
  • クリスマス・イヴ (1991年、双葉社)
  • やさしい季節 (1993年、角川書店)
  • 別れ、のち晴れ (1993年、新潮社) 新潮文庫
  • ネガティヴ (1994年、集英社)
  • ミス (1994年、読売新聞社)
  • 十字路 (1994年、双葉社)
  • いつもと違う日 (1994年、光文社)
  • キャンパスは深夜営業 (1994年、光文社)
  • サラリーマンよ悪意を抱け (1995年、新潮社)
  • 滅びの庭 (1996年、角川ホラー文庫)
  • 乙女の祈り (1996年、講談社文庫)
  • 赤頭巾ちゃんの回り道 (1997年、双葉社)
  • めざめ (1997年、新潮文庫)
  • くちづけ (1997年、角川書店)
  • 作者消失 (1998年、カドカワ・エンタテインメント)
  • 家族カタログ (1998年、角川書店)
  • 試写室25時 (1998年、集英社)
  • あなたも殺人犯になれる! (1999年、角川書店)
  • 明日なき十代 (1999年、廣済堂出版)
  • 恋占い (1999年、新潮社)
  • 回想電車 (1999、集英社)
  • おやすみ、夢なき子 (1999年、講談社)
  • 秘密のひととき (2000年、集英社)
  • 乳母車の狙撃者 (2000年、主婦と生活社)
  • 晩夏 (2000年、新潮社)
  • 迷子の眠り姫 (2000年、中央公論新社)
  • 幽霊の怪 (2000年、角川書店)
  • そして、楽隊は行く (2000年、マガジンハウス)
  • 友に捧げる哀歌 (2001年、主婦と生活社)
  • 二重奏(2001年、講談社)
  • 校庭に、虹は落ちる (2002年、新潮社)
  • メリー・ウィドウ・ワルツ (2002年、講談社)
  • 白鳥の逃亡者 (2003年、日本放送出版協会)
  • 友よ(2003年、カドカワ・エンタテインメント)
  • 今日の別れに (2003年、角川書店)
  • さすらい (2004年、新潮社)
  • 森がわたしを呼んでいる (2004年、新潮社)
  • 落葉同盟 (2005年、カドカワ・エンタテインメント)
  • 国境の南 (2005年、双葉社)
  • 悲劇のヒロイン (2006年、ハルキノベルス)
  • 夢であいましょう (2009年、朝日新聞出版)
  • 指定席 (2010年、光文社)
  • 交差点に眠る(2011年1月、幻冬舎)
  • 台風の目の少女たち(2012年3月) 

小説以外[編集]

メディア・ミックス[編集]

テレビドラマ[編集]

テレビ朝日
日本テレビ読売テレビ
フジテレビ
TBSBS-i
テレビ東京
NHK総合

映画[編集]

舞台[編集]

ゲーム[編集]

参考資料[編集]

  • 郷原宏『赤川次郎公式ガイドブック』(2001年1月20日、三笠書房王様文庫) ISBN 4-8379-6073-1
  • 『イマジネーション 今、もっとも必要なもの』 (2004年、光文社)

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s 赤川次郎 (2000年7月30日). 日曜日のヒーロー 第225回 赤川次郎さん 400冊突破 明るく楽しくミステリー. インタビュアー:松田秀彦. 日刊スポーツ.. オリジナルの2001-12-06時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20011206142036/http://www.nikkansports.com/news/entert/entert-etc3/2000/sun000730.html 2010年5月1日閲覧。 
  2. ^ a b 赤川次郎. 気になるあの人の読書生活 第14回 赤川次郎さん. (インタビュー). 楽天kobo.. http://kobo.rakuten.co.jp/interview/201402-akagawa/ 2015年3月5日閲覧。 
  3. ^ 『三毛猫ホームズの青春ノート』36ページ
  4. ^ a b 赤川次郎. 赤川次郎「三毛猫ホームズ」…人の心を易しく軽妙に50作. (インタビュー). YOMIURI ONLINE.. http://www.yomiuri.co.jp/culture/news/20150727-OYT8T50114.html 2015年8月30日閲覧。 
  5. ^ 「橋下氏、価値観押しつけるな」2012年4月12日付け『声』
  6. ^ a b 赤川次郎 (2008年). 知遊の人 赤川次郎(作家). インタビュアー:佐藤宏子. 知遊.. http://www.chiyuu.com/chiyuu/vol_11.html 2015年3月5日閲覧。 
  7. ^ この執筆法を採る作家は他に、西村京太郎大沢在昌保坂和志などがいる
  8. ^ a b 赤川次郎、原作を手がける舞台を観劇「観るたびに進化している」”. ORICON STYLE (2008年8月20日). 2015年3月5日閲覧。