鍵盤ハーモニカ

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鍵盤ハーモニカ
各言語での名称
key harmonica,melodica
Melodica
Mélodica
口風琴
分類

鍵盤楽器 気鳴楽器

音域
通常、2~3オクターブ
関連項目
児童による合奏(ドイツ)
ピアノ式鍵盤。ケースの中に、卓奏用(白いホース付き)と立奏用の2つの吹き口も収納されている。
ボタン式鍵盤
折衷型鍵盤

鍵盤ハーモニカ(けんばんハーモニカ)は、楽器の一種。ハーモニカと同じく金属のフリーリードを呼気で鳴らす鍵盤楽器である。

鍵盤と連動したバルブの開閉によって、特定のリードを確実に演奏することが出来るが、ハーモニカと違い吸気で鳴らすことは出来ない。「ピアニカ」「メロディオン」などはメーカー商標名であるが、通称として一般的に普及している。略して「ケンハモ」「鍵ハモ」「鍵ハ」などと称する場合もある。

歴史[編集]

息を吹き込み金属製のフリーリードを鳴らして演奏する鍵盤楽器は、1829年にイギリスで発明されたシンフォニウム(コンサーティーナの原型)など、19世紀から存在した[1]。現代と同様の形状をもつ鍵盤ハーモニカは、1950年代末にドイツのホーナー社が開発した。日本では1960年代初頭から普及した(詳しくは「メロディオン」と「ピアニカ」を参照)。当初は教育楽器として広まったが、1970年代にキーボード奏者であるオーガスタス・パブロがこの楽器を本格的に取り入れて以来、世界各地のプロの音楽家の演奏でも使われるようになった。

特徴[編集]

鍵盤楽器なので、初心者でも安定した音程を出すことができ、旋律も和音も演奏できる。またハーモニカと同様、息づかいを加減することでメリハリのきいたダイナミックな音楽表現が可能である。

アコーディオンなど他のフリーリード鍵盤楽器と比較すると、鍵盤ハーモニカは、蛇腹の機構がないぶん、軽小で取り回しが楽であり、習得も容易で、価格も安く作ることができる。また座奏や立奏、独奏や合奏など、使えるシーンも幅広い。

日本では、鍵盤ハーモニカと言うと、幼稚園や小学校低学年の一斉授業や鼓笛隊などで使う教育楽器というイメージが強いが、実は豊かな表現力をもち、大人の奏者やプロの演奏家も使う本格的な楽器である。

種類[編集]

鍵盤の形状による分類

  • ピアノ式鍵盤…オルガンやピアノと同じタイプの鍵盤を装備したタイプで、日本で「鍵盤ハーモニカ」と言うと普通はこのタイプを指す。
  • ボタン式鍵盤…狭いスペースにたくさんの鍵盤を並べた、演奏能力向上型。一部の演奏家が愛好。
  • 折衷型…黒鍵と白鍵の長さを切り詰めて、楽器の横幅をピアノ式鍵盤式よりコンパクトにまとめたタイプ。

 その他、音域による分類(アルト、ソプラノ、バスなど)や、鍵数による分類(24鍵、27鍵、32鍵、37鍵、44鍵など)などもある。また、手に障がいをもち普通の鍵盤を弾けない子供のために、楽器メーカーが世界で1台だけの特注品の鍵盤ハーモニカを作ることもある。[2]

 なお、鍵盤ハーモニカは全て「右利き」用であり、「左利き」用のモデルはほとんどない[3]

奏法[編集]

平置き演奏。卓奏の両手弾き。
立奏の片手弾き。立奏でも両手弾きをする演奏家もいる。

専用の吹き口(唄口、パイプ)から楽器の本体に息を吹き込みつつ、手の指で鍵盤を操作して演奏する。

演奏の姿勢は多様である。

「平置き演奏」は、楽器を横向きにして机や膝のうえに置く。オルガンやピアノと同様、目で鍵盤を見ながら両手で弾くことができる。

「立奏(片手弾き)」は、楽器を縦向きにして、左手で楽器の本体を持ち、右手で鍵盤を弾く。

「両手弾きの立奏」は、熟練した演奏家の一部が得意とする高度な演奏技術で、バンドで楽器を体に固定し、左右の手で鍵盤を自在に弾く(左手は逆手)。[4]

その他、「立奏の両手弾きで1人で2台の鍵盤ハーモニカを同時に演奏する」[5]、「メロギター(1人で鍵盤ハーモニカとギターを同時に演奏する)」[6]、「手ではなくおでこを使って弾く」[7]など、演奏家が独自の工夫をこらしたユニークな演奏スタイルも多い。

楽器本体と奏者の口の距離の関係上、平置き演奏では卓奏用パイプ(ホース状)を、立奏では立奏用パイプ(I字状あるいはS字状)を用いることが多い(立奏でも卓奏用パイプを使用する奏者もいる)。

ギネス記録[編集]

2013年3月3日、静岡県で行われたイベントで、鍵盤ハーモニカを全員で5分以上演奏するギネス世界記録に挑戦し、「鍵盤ハーモニカ同時演奏の最多人数」を更新した[8][9]

主なメーカーと商標[編集]

  • 東海楽器製造ヤマハ:ピアニカ(東海楽器製造の命名した商品名、ピアノとハーモニカの合成語)。30年ぶりに軽量化などを施し改良したモデルを2014年に販売した[10]
  • 鈴木楽器製作所:メロディオン(メロディーとアコーディオンの合体語)
  • 全音楽譜出版社:ピアニー(ピアニカの捩り)
  • ホーナー:メロディカ・ピアノ

鍵盤ハーモニカ奏者[編集]

日本(海外で活躍する日本人も含む)

海外

鍵盤ハーモニカを採り入れた音楽家[編集]

使用した作曲家[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ 素晴らしき鍵盤ハーモニカの世界
  2. ^ 「また鈴木楽器製作所では、“すべて手作りだからこそできるサービス”を考え、障がいを持つ子どものためのオーダーメイド楽器の製作も手掛けています。手に障がいがあり鍵盤を弾くことができない子どもの手型等を親御さんに郵送してもらい、個々に合うように何ヶ月も工夫して丁寧に楽器を製作します。そして、ようやく完成した“世界でひとつの楽器”を受け取った子どもたちや親御さんたちは大喜びし、とても大切に楽器を使うそうです。同社にはこれまでに子どもたちからの感謝の手紙がたくさん届きました。」(【家康くん日記】 鍵盤ハーモニカ スペシャリスト5」より引用。2016-1-31閲覧)
  3. ^ 左利き用の鍵盤ハーモニカについて(「鍵盤ハーモニカ奏者pianonymous(ピアノニマス)公式ブログ」2016ー1ー31閲覧)
  4. ^ 鍵盤ハーモニカ奏者pianonymous(ピアノニマス)公式ブログに詳細な説明と実例の動画へのリンクが載っている。ピアノニマス氏による立奏・両手弾きの動画の一例(YouTube)
  5. ^ YouTubeの演奏動画 「【SUZUKI】 メロディオンフェスティバルin東京 2015年1月24日土曜日」の夏秋文彦氏の演奏
  6. ^ YouTubeの動画「Playing guitar and melodica at the same time (introducing the melogitar)
  7. ^ YouTube「めおと楽団ジキジキ
  8. ^ “世界一!児童688人が鍵盤ハーモニカ同時演奏”. YOMIURI ONLINE (読売新聞社). (2013年3月4日). http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130303-OYT1T00518.htm 2013年3月4日閲覧。 
  9. ^ “鍵盤ハーモニカでギネス世界記録に”. NHKニュース (日本放送協会). (2013年3月4日). オリジナル2013年3月4日時点によるアーカイブ。. http://megalodon.jp/2013-0304-2357-35/www3.nhk.or.jp/news/html/20130304/t10015926091000.html 2013年3月4日閲覧。 
  10. ^ [1]