衣類

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衣類(いるい、wear)とは、身に着る物の総称[1]

着物(きもの)とも[1]。「衣服(いふく)」や「服(ふく)」とも。またやや古風に「ころも」とも。

概説[編集]

衣類とは、身に着る物の総称である[1]

衣類を学術的に研究する場合は「被服」という用語・概念でとらえられているので該当記事を参照されたい。

衣類というのは、他の人にどのように見えるか(装い(よそおい))という側面に特に焦点を当てた場合は「服装」という用語・概念でとらえられているので、記事を参照されたい。[注 1]

目的・機能

衣類は様々な機能を荷っている。

衣服は基本的に、体温調節(の補助)の役割を荷っている。寒い場所では身体が冷えすぎないようにするために用いられている。動物は毛皮に包まれているが、人類の体表には毛皮がないためである。赤道近くの砂漠などの場所では太陽光をさえぎるために使われていて、こちらも必需品である。衣服はまた基本的に体表を護り傷つけないための役割も荷っている。人は毛皮がないので、ちょっとした突起物・破片等で簡単に皮膚が傷ついてしまうためである。

また衣類は基本的に身体(の一部)を隠すためにも用いられている。[注 2]

現代では衣類は次のような様々な機能を果たすために使われている。機能は様々でその切り分け方、説明のしかたも様々であるが、次のような説明も可能であろう。

  • 体温調節のため(衣服は概して体温調整に使われている。特に寒さ対策の温かい衣類は防寒着と言う。)
    • 汗の吸収と発散(下着類を中心として)
  • 怪我を防止するため(衣服全般。特に特化したものは作業着防護服など)
  • スポーツ(運動)をしやすくするため(スポーツウェア
  • 身体の汚れを防ぐため(白衣 等々。作業着などは防護と汚れ防止を同時に荷っている)
  • 身体(の一部)をひとから隠すため(衣服全般。下着。)
  • 何らかの組織の一員であることを示すため。社会的に特定の役割を荷っていることを示すため。(制服
  • 宗教的な役割を示すため(法衣 等)
  • 礼儀マナーをわきまえていることを示すため(礼服 等。またビジネスマンのスーツネクタイ 等)
  • 思想信条、ライフスタイル、文化背景、知性、美的なセンス、所属する社会グループ、経済力 等々を示すため
  • 強そうに見せて威嚇したり、自分の弱さを隠すため[2]

以上、参考までに挙げてみたが、説明する人により切り分け方は様々ある。

衣類はただひとつの目的(機能)のために用いられているということはむしろ稀で、大抵は複数の機能を同時に荷っている。 例えば制服や礼服は、社会的機能も担っているが、同時に体温調整の機能も考慮されている。例えばスポーツウェアは一般に、動きやすさ・体温調整・怪我防止・ファッションの役割を同時に果たすように考慮されている。

実用的な役割の衣類と社会的・シンボリックな役割の衣類に分けらることもあるが、それらがからみあっている場合もあり、いつもすんなりと分けられるわけでもない。例えば白衣は、元は汚れ防止のため(つまり実用的な目的)で衣類の上に重ね着するものであるが、特定の印象づけを行うことで見る人の心理を操作するためにも用いられていることが知られている[3]

分類[編集]

様々な分類方法がある。

日本では「和服 / 洋服 」という対比的な分類はしばしば用いられている。和服は日本風の服である。(「着物 きもの」は元は身につけるもの、衣類全般を指すための言葉であるが、特に和服を指す場合もある)。和服と対比された洋服とは欧米風の衣類である。日本では明治・大正など西洋ばかりを意識していた時代があったわけであるが、もっと視野を広げると、インドのサリー(女性)やクルタ英語版(男性)、モンゴルのデール、中国の漢服、韓国の韓服 等々もある。つまり世界には様々な「民族服」(民族衣装)があり、実は和服も民族服のひとつである。

衣類は重ねて着ることが多いものであるが、日本語では上側(外側)に着る着物を「上着(うわぎ)」と言い、下側(内側)に着る着物を「下着(したぎ)」と言う。 英語では「outerwear アウターウェア」 「innerwear インナーウェア」などと言う。

下着(インナー)[編集]

下着は吸(と汗の空気中への蒸発)という役割を荷っている。概して吸汗性の高い素材が使用され、もともともっぱら綿などの天然繊維が用いられていたが、現在ではポリエステルなどの化学繊維が利用されることが多い。


上着[編集]

上半身に着るものを英語では「topsトップス」と言い、下半身に着るものを「botomsボトムス」と言う。 日本語ではあまりそうした区分は使っていなかったが、便利な概念なのでそうした分類も使って紹介しよう。


トップス
ボトムス

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首に巻くもの
手につけるもの
腰に巻くもの
足につけるもの

夜着[編集]


雨天用[編集]

運動用[編集]

防護用[編集]

普通の服などの上に着用して汚れや負傷を防ぐのが、主な目的。

特殊衣類[編集]

日常生活ではまず使われず、特定の場面または場所または時期でしか着用しない衣類も存在する。

最新鋭科学が生み出した物

日本での衣類ブランド種類[編集]

I インポートブランド ・L ライセンスブランド ・D デザイナーブランド ・O オリジナルブランド 対象(キッズ、レディース、メンズ、婦人服、紳士服、シニア)などがある。

歴史[編集]

先史時代の遺跡(洞穴の絵画 等)に、身体の表面を毛皮植物を編んだり束ねたりしたもの(蓑・腰蓑)などを身に付けた様子が描かれたものがある。

被服学の教科書等の歴史の説明で書かれていることは...


[注 3]

脚注[編集]

  1. ^ 「服装」という概念には、頭に被るものや、靴も含む。「衣類」は基本的にそれらを除くことが多い。
  2. ^ 何を見せようとしているか、ということに焦点を当て研究されることもあるが、文化人類学者などでは、衣類を使うことで一体何を隠しているのか、どうして隠すようになったのか、ということに着目して分析することがある。
  3. ^ ヒトに寄生するヒトジラミは2つの亜種、主に毛髪に寄宿するアタマジラミ(Pediculus humanus capitis)と主に衣服に寄宿するコロモジラミ(Pediculus humanus corporis)に分けられる。近年の遺伝子の研究からこの2亜種が分化したのはおよそ7万年前であることが分かっている(Kittler, R., Kayser, M. & Stoneking, M. : Molecular evolution of Pediculus humanus and the origin of clothing, Current Biology 13, 1414-1417 (2003)。そこで「およそ7万年前にヒトが衣服を着るようになり、新しい寄宿環境に応じてコロモジラミが分化した[要出典]」、と解釈した[誰?]。そこで(シラミの)研究者らは、時期的に一致することから、トバ火山噴火とその後の寒冷化した気候を生き抜くために、ヒトが衣服を着るようになったのではないかと推定している("Of Lice And Men: Parasite Genes Reveal Modern & Archaic Humans Made Contact," University Of Utah. Retrieved on 2008-01-17.)。なお、ヒトは14~20万年前にアフリカに共通の祖先を持つ、と考えられるようになってきており(アフリカ単一起源説)、同説によると、ヒトは7万から5万年前にアフリカからその他の地域へ移住し始めた、ということになっている(人類の進化#出アフリカ説)(Modern Humans Came Out of Africa, "Definitive" Study Says)(Christopher Stringer and Peter Andrews (1988) "Genetic and Fossil Evidence for the Origin of Modern Humans" in Science 239: 1263-1268)が、この時期とほぼ重なる。 衣服の起源を7万年前から7万5千年前に、インドネシア、スマトラ島にあるトバ火山が大噴火を起こして気候の寒冷化を引き起こし、その後の人類の進化に大きな影響を与えた。トバ・カタストロフ理論に関連づける者[誰?]もいる。
出典
  1. ^ a b c 広辞苑「衣類」
  2. ^ 武士の中でも特に大げさなデザインのものや、暴力団員の黒服や、暴走族が着る竜や虎の刺繍の服など。
  3. ^ 白衣が実用的な役割というよりも、むしろ心理操作のために使われている、ということ、そのカラクリについては、ロバート・S. メンデルソン 著『医者が患者をだますとき』(草思社、1999)で解説されている。

関連項目[編集]