サラファン

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黒いサラファン

サラファンロシア語: сарафан)とはロシアの女性がルバシカ(ブラトークとも)の上に着るジャンパースカートに似た民族衣装である。

ウクライナの女性の服に影響を受けたもので、ロシア北部を中心に着用された。 (南部ロシアではルバシカに、パニョーバと呼ばれる巻きスカートやユープカというスカートを着用する。)

概要[編集]

ピョートル大帝による服装令が発布される以前は貴族の女性も着用していたが、15世紀~16世紀に老若を問わず広く一般の農民の女性に着られた。刺繍を施した亜麻のブラトーク(ブラウス)の上に重ねて着る、肩ひもの付いたワンピースドレス。

野良着としてはシンプルなチュニックスカートで脛丈であったが、晴れ着としては踝丈に仕立てて刺繍などの装飾を緻密に施す。現在は主に伝統舞踊などの舞台衣装として着られており、動きやすさを重視してスカートは短くなっている。

もともとはウールで作られ、花嫁がまとう赤のほか黒などの単色で地味なものが多かった。一方で、晴れ着としては金襴やダマスク織、ビロードなどで作られ、金糸刺繍を施す豪華な物もある。

地域によって仕立てに違いがあり、長方形の布を5・6枚縦に矧ぎ合わせて筒型に縫い、上部にギャザーを寄せて肩に吊り紐を2本縫いつける簡単な仕立てのものが原型に近い形と思われる。これは上部にギャザーを寄せる関係で刺繍などの装飾も少ない簡素なもので、単色の他、小花柄などのプリント地で作られることが多い。 他に、

  • 二枚の布を正面と背面に配したチュニックワンピースの脇に数枚の三角形の襠を入れて裾を広げたもの。首回りに刺繍を施すことが多い。日本でサラファンとして紹介されるものの多くがこの仕立てである。
  • 前後二枚ずつの布を正面と背面に配し、正面を裾までボタン掛けにして、脇に三角の襠を入れて裾を広げたもの。首回りや前開き周辺に刺繍などで華やかな装飾を施すことが多い。
  • ボディスとスカートを接いで仕立てるボディススカート型のボディスサラファン。

などが存在する。

基本的に仕立てはゆるやかで、腰はベルトや紐で締める。特に晴れ着や踊りの衣装には美しい飾り帯を締める。

参考文献[編集]

  • (監修)丹野郁『世界の民族衣装の事典』東京堂出版 2006 ISBN 978-4490106688

関連項目[編集]