ユナイテッド航空
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法人番号 | 3700150005378 | |||
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設立 |
1926年4月6日 (Boeing Air Transportとして) | |||
ハブ空港 |
シカゴ・オヘア国際空港 デンバー国際空港 ヒューストン・インターコンチネンタル空港 ロサンゼルス国際空港 ニューアーク・リバティー国際空港 サンフランシスコ国際空港 ワシントン・ダレス国際空港 グアム国際空港[1] | |||
焦点空港 | アメリカ | |||
マイレージサービス | Mileage Plus | |||
会員ラウンジ |
ユナイテッドクラブ (United Club) | |||
航空連合 | スターアライアンス | |||
親会社 | United Airlines Holdings, Inc. | |||
保有機材数 | 785機(242機発注中) | |||
就航地 | 373都市 | |||
本拠地 | イリノイ州 シカゴ | |||
代表者 | スコット・カービー(CEO)[2][3] | |||
外部リンク | https://www.united.com/ | |||
備考 | ||||

ユナイテッド航空(ユナイテッドこうくう、英語: United Airlines)は、アメリカ合衆国イリノイ州シカゴに本拠を置く航空会社。
概要[編集]
2002年12月に経営破綻し、連邦倒産法第11章を申請したが、再建後の2010年10月にコンチネンタル航空と合併し、旅客キロベースで世界最大の航空会社となった。航空連合のスターアライアンスの中心的存在で、約800機を保有し、世界373都市に就航している。
歴史[編集]

設立[編集]
もともとはボーイング社の創始者であるウィリアム・ボーイングによって設立された「ボーイング・エアー・トランスポート」である。ボーイングは、航空関連企業数社の連合体として航空機の製造から運航までを手がける会社ユナイテッド・エアクラフト・アンド・トランスポートを設立し、ボーイング・エアーはその運航部門となった。しかし、1934年に独占禁止法(反トラスト法)によって分割され、航空機の製造部門はボーイング、エンジンなどの製造部門は現在のレイセオン・テクノロジーズ、運航部門はユナイテッド航空として改めて独立した。同時にユナイテッド航空は、ボーイング運航部門とともに「パシフィック・エア・トランスポート」、「ナショナル・エア・トランスポート」、そして、初めて有償旅客を乗せて米国横断便を運航した「ヴァーニー・エアラインズ」の経営を受託する形で発足している[4]。
世界最大規模[編集]
第二次世界大戦前よりアメリカ国内線においてアメリカン航空と1、2を争う大きなシェアを持っており、ソビエト連邦国有のアエロフロート・ソ連航空を除くと「世界最大の航空会社」と言われていた(アメリカン航空、ユナイテッド航空、デルタ航空、イースタン航空が「ビッグ4」と呼ばれていた)。一方、国際線は1970年代のジミー・カーター政権による航空自由化直前までバンクーバーへの近距離国際線1路線しか運航していなかった。
日本/アジア路線[編集]
日米航空交渉の結果、1983年4月3日に成田 - シアトル線を就航し、日本乗り入れが始まった(成田に乗り入れる米系航空会社としては、パンアメリカン航空、ノースウエスト航空に次ぐ3社目)[5]。1985年に当時経営難にあえいでいたパンアメリカン航空の太平洋路線を譲り受け(実際の運航が切り替わったのは1986年2月13日)、日本発アジア各地への無制限以遠権を獲得したため、日米路線の増発や日本経由アジア各地への拡大を実施した。これにより日本を中心としたアジア路線は大きな収益源になった。また同時に太平洋路線を大幅増便し、競争力を増強した。
アメリカ同時多発テロ事件[編集]
2001年に発生した9.11同時多発テロでは、アメリカ国内線の175便と93便がハイジャックされてテロリズムに使われた。そのため、利用客が激減して経営が悪化し、連邦倒産法第11章の適用を受けたが、運航は継続した。その後、経営再建に成功し、連邦倒産法第11章の適用から外れた。
コンチネンタル航空との合併[編集]

2008年6月にスカイチーム加盟のコンチネンタル航空との提携を発表。その後2010年5月2日にコンチネンタル航空と合併することを取締役会で決定した[6]。アメリカ航空業界の寡占化が進むことから合併阻止の訴訟が起きたが[7]、アメリカ合衆国司法省は8月27日に合併を承認した[8]。10月1日、両社は持株会社ユナイテッド・コンチネンタル・ホールディングス(United Continental Holdings, Inc. NYSE: UAL)[9] を設立して経営統合し、新会社のCEOにはコンチネンタル航空のジェフ・スマイゼックCEOが就任。米・デルタ航空に代わる世界最大の航空会社グループが誕生した。両社はあくまでも「対等合併(MERGER OF EQUALS)」であり、新会社名はユナイテッド航空となり本社がシカゴに置かれる一方、機体デザインやロゴマークにはコンチネンタル航空のものが採用された。これにより1974年より永らく親しまれたUAのシンボル「フライングU(同社職員は「チューリップ」と呼んでいた)」マークは姿を消すこととなった。経営統合より1年半の間、両社はそれぞれ独自の運航を継続していたが、2012年3月3日以降すべてユナイテッド航空の便名となった[10]。
現在[編集]

アメリカ合衆国国内線のみならずアジア、ヨーロッパ、南北アメリカなど世界各国へ路線網を広げている。近年は機材の航続距離が伸びたこともあり、アメリカ各都市から近年経済成長が著しいアジア各都市へのノンストップ便を増加したが、成田国際空港をアジアにおける準ハブ空港と位置づけ、ロサンゼルスやサンフランシスコ、ワシントンD.C.やホノルルにデイリー(毎日)もしくはダブルデイリー(1日2便)で運航している。首都圏以外では関西国際空港からアメリカ本土直行便を担当し、通常期はB777やB787型機を投入して運航している。さらに地方発着の太平洋諸国線ではB737などを用いてグアム線などを定期運航している。なお、かつてパンアメリカン航空の太平洋線を買収した際、機材や従業員とともに日本に対する無制限の以遠権も手に入れた。このため、ノースウエスト航空の以遠権を引き継いだデルタ航空とともに、発着枠があれば日本から多くの第三国都市への路線開設が可能である。さらに合併したコンチネンタル航空のハブであったヒューストン国際空港において、アジアと中南米およびカリブ海諸国など多種多様な乗り換え需要に応えることが可能となった。B787シリーズを主力機材に位置づけたうえで、アジアや南米路線も充実させつつあり、2016年5月からは中国内陸部の都市西安に、西海岸サンフランシスコから無着陸で直行する便、さらにはサンフランシスコ国際空港およびロサンゼルス国際空港からシンガポール国際空港へ無着陸で運航する超長距離国際便を開始した。いずれも同社保有のB787を使用して運航する。
世界初[編集]
- 1927年 - 有料客を乗せてのアメリカ大陸を横断。
- 1930年 - 「フライトナース」の名称で、現在の看護師を客室乗務員として搭乗させた。
- 1982年 - ボーイング767を運航。
- 1995年 - ボーイング777を運航。
- 1997年 - 航空連合「スターアライアンス」を共同設立。
ほかにも、機内食工場の設立、フライトシミュレータでの訓練、eチケットの開発・技術提供などが挙げられる。
塗装の歴史[編集]
グローブ塗装に変わる際、従来のロゴマークの愛好家たちによる、「チューリップを守れ(save the tulip)」という反対運動が起こった[11]。
塗装名 | 使用年 | 画像 | 備考 | ||
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スター・アンド・バー(初代塗装) | - 1974年 | ![]() |
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チューリップ(2代目塗装) | 1974年 - 1993年 | ![]() |
初めて尾翼にチューリップロゴが描かれたが、これはチューリップを表していると同時に、「UNITED」の「U」も表している。それにちなんでそのマークは「フライングU」という愛称がつけられ、4代目まで続くことになる。 | ||
バトルシップ(3代目塗装) | 1993年 - 2004年 | ![]() |
尾翼のチューリップロゴが小さくなった。全体的にグレーの色が目立ち、この色は名の通り軍艦を表す。 | ||
ライジングブルー(4代目塗装) | 2004年 - 2010年 | ![]() |
青くて鮮やかな塗装に変化。チューリップロゴは3代目塗装でいったん小さくなったが、この塗装で再び拡大。塗装名は、機体の色から「ブルーチューリップ」とも呼ばれる。 | ||
グローブ(5代目塗装) | 2010年 - 2019年 | ![]() |
コンチネンタル航空との統合時に、そのままコンチネンタル航空が使用していた塗装を受け継いだものである。名の通り尾翼には地球儀が描かれ、長年使用されたチューリップロゴは姿を消した。 | ||
ラプソディー・ブルー / ユナイテッド・ブルー / スカイブルー(6代目塗装) | 2019年 - | ![]() ![]() |
2019年4月24日に新塗装を発表[12]。現行の787塗装をベースに白と青(「ラプソディー・ブルー」、「ユナイテッド・ブルー」、「スカイブルー」の3種類)を基調としたデザインに仕上げ、胴体のロゴは大きくなった[12]。新塗装1号機はボーイング737-800型機(登録記号:N37267)で、今後787を含めた既存の機材を新塗装にするほか、新造機についても製造当初から新塗装で受領される[12]。 |
就航都市[編集]
広大な路線網[編集]
アメリカ国内線や隣国のメキシコ、カナダをはじめ、日本や韓国、中国、シンガポール、ブラジル、ヨーロッパ、オーストラリアなどに多数の国際線を運航しており、現在69カ国108空港へ乗り入れている。また、スターアライアンス加盟航空会社を中心とした他社とのコードシェア便も多数運航している。
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シカゴ・オヘア国際空港のユナイテッド航空専用ターミナル
機内サービス[編集]
スターバックスのコーヒーがユナイテッド航空の全路線・全クラスで提供されていたが、現在は「Freshbrew Journeys Coffee」に変更された。また、太平洋線のうちシカゴ以東と日本を結ぶ路線では「きつねらーめん」[1](2007年ごろまでは「きつねらあーめん」〔ママ〕[2])というカップラーメン(東洋水産製)が軽食として提供されていたが、こちらも提供が終了している。
2008年8月1日から、国際線の太平洋線およびアジア内路線のエコノミークラスにおけるアルコール飲料が有料になった。1杯6米ドルで、日本円、香港ドル、人民元、オーストラリアドルでの支払いも可能。一部クレジットカードでの支払いも可能。国内線のエコノミークラスの機内食はすでに有料であり、2009年3月23日からはクレジットカードまたはアメリカで通用するデビットカードのみの支払いとなる。
2009年8月1日から、国際線の太平洋線およびアジア内路線のエコノミークラスにおけるアルコール飲料が再び無料となった。
2012年10月1日から、国際線の太平洋路線およびアジア・ミクロネシア域内のエコノミークラスではビールとワイン以外のアルコール飲料が再度有料化された。2016年より、イリーのコーヒーが無償で提供されることになっている。また、日本発着の太平洋路線に限り日本酒は無料提供が継続されている。
2016年12月1日から、ビジネスクラスの新シート「ユナイテッド・ポラリス」が導入された[18]。おもな特徴は、サックス・フィフス・アベニューと提携して開発した高級寝具、有名シェフの故チャーリー・トロッターに賛同する人々からなるトロッタープロジェクトのシェフと提携したビジネスクラスミールの提供などである[19]。
機内誌「Hemispheres」[編集]
『Hemispheres』(ヘミスフィアズ)[20] は、アメリカ合衆国の大手航空会社、ユナイテッド航空の機内誌である。毎月、ユナイテッド航空の全路線、全便に搭載される。ユナイテッド航空が2012年に買収を完了したコンチネンタル航空の機内誌『Continental』も『Hemispheres』に統合された。
座席の特徴[編集]
- ユナイテッド・ポラリス
- 2016年12月1日に導入された、従来のユナイテッドグローバルファーストやビジネスファーストに変わるビジネスクラス。国際線用機材ボーイング777-300ERで提供され、今後ボーイング787-10、エアバスA350-1000などの機材に順次導入されていく予定。1-2-1配列となり、どの座席からも直接通路へ出られるようになっている。また中央2席に電動式のプライバシーディバイダーが設けられた。ユナイテッドグローバルファーストやビジネスファーストと同じフルフラットで、フルフラット状態で198センチの長さになる。

- ユナイテッド・グローバルファースト(ファーストクラス)
- グローバルファーストはユナイテッド航空のファーストクラスで、国際線用機材ボーイング747-400、ビジネスクラスを除いた3クラス制のボーイング777-200、ボーイング767-400ERで提供されている。フルフラット仕様になり、席は6.5フィート(2メートル)の長さになる。座席にはビデオオンデマンド機能を備えた液晶個人モニターが備えられている。そのほかヘッドレストや大きなテーブル、iPod用コンセント、120ボルトの電源プラグやアメニティが備えられている。

- ビジネスファースト(ビジネスクラス)
- ビジネスクラスである。広々としたレッグルームと大きな革製のシートが特徴で180度水平になるフラットベッドシートがすべての座席に備わっており、読書灯はいつでも明かりを調節することができる。グローバルファーストと同じように優先搭乗、優先保安検査、ユナイテッド航空のラウンジ(もしくはスターアライアンスのラウンジ)を利用することができる。
- ユナイテッド・エコノミープラス(プレミアムエコノミークラス)
- ユナイテッド・エクスプレスが運航する機材では機内前方にある。ユナイテッド・エコノミーよりも3 - 5インチほど席幅が大きくなっている。
- ユナイテッド・エコノミー(エコノミークラス)
- 席幅は31センチ。2 - 5インチ席を倒すこともできる。ボーイング777とボーイング787には個人用パーソナルモニターがある。国際線用機材では機内でWi-Fiも完備されている。中南米やカリブ海発着便は2016年からスナックが無料で提供されることになっている。
各機種の座席構成は大まかに分けて、次のように分類される。
- B757-200、B767-300ER、B777-200ERの一部 - ユナイテッド・グローバルファースト、ユナイテッド・ビジネスファースト、ユナイテッド・エコノミープラス、ユナイテッド・エコノミーの4クラス
- B757、B767(-300ERの一部と-400ER全機)、B777-200の一部、B787 - ユナイテッド・ビジネスファースト、ユナイテッド・エコノミープラス、ユナイテッド・エコノミーの3クラス
- A319、A320、B737の一部 - United First、ユナイテッド・エコノミープラス、ユナイテッド・エコノミーの3クラス
- B737の一部とユナイテッドエキスプレス使用機の一部 - United First、ユナイテッド・エコノミーの2クラス
- Q300を含むユナイテッドエキスプレス使用機の一部 - ユナイテッド・エコノミー
系列および提携会社[編集]
ユナイテッド・エクスプレス[編集]

ユナイテッド航空のアメリカ国内における多くの地域(コミューター)路線の運航は、「ユナイテッド・エクスプレス」ブランドで行っている。
ユナイテッド・エキスプレスは、ユナイテッド航空のハブ空港とアメリカおよびカナダの小さな都市との間で、比較的小規模なコミューター航空会社がユナイテッド航空との契約の元自社機にユナイテッド航空の塗装を施し、ユナイテッド航空の便名を使って運航しているものである。なお、機材だけでなく操縦士や客室乗務員などもコミューター会社が提供している。
ユナイテッド航空本体と同じくスターアライアンスの各種サービスを受けることができる。
Ted[編集]

かつて、ラスベガスやメキシコのカンクンなど、レジャー路線向けの格安航空会社ブランドとしてTed(テッド)があったが、2009年運航終了。名前の由来は、「United」の最後の3文字から取ったものである。
マイレージプラス[編集]
ユナイテッド航空が行っているFFP「マイレージ・プラス」にはユナイテッド航空、Ted、ユナイテッド・エキスプレスのほかに、スターアライアンス加盟航空会社でのマイル加算ができるマイレージプログラムである。
日本国内ではJCB、UCカード、クレディセゾンがそれぞれ提携クレジットカードを発行している。学生カードも各社で発行(在学中年会費無料)されている。
ユナイテッド航空のサイト内にある「マイレージプラスモール」から、提携先のショッピングサイトに飛ぶとその時点で買い物した金額によってマイルが加算される(参考)(同様のシステムはノースウエスト航空でも行われている)。ほかにもホテル、レンタカーなどの提携先も他航空会社と比較して多い。
このプログラムで加算されたマイルは、ほかのアメリカ系航空会社と同様に「36か月に1回のマイル増減で、さらに36か月有効期限が延長される」という特徴を持っていたが、2007年1月19日に「18か月に1回のマイル増減で、さらに18か月有効期限が延長される」というルールに変更されることが発表された。そして2019年8月28日以降、既存のマイルも含めてマイルの有効期限が撤廃され、無期限となった。
提携航空会社[編集]
スターアライアンスの中心的航空会社の1社であるため、おもに同アライアンスに所属する航空会社と提携している。スターアライアンス加盟航空会社のほか、下記の航空会社と個別に提携している。
以前はアロハ航空とも提携していたが、同社が2008年3月31日をもって旅客運航を停止したことに伴い提携解除となり、同4月1日からユナイテッド航空が運航する成田-ホノルル路線で行う予定だったコードシェアも取り消しとなった。アロハ航空のハワイ-アメリカ本土路線休止の余波を受けた顧客の輸送支援については、提携関係にあったユナイテッド航空が主に担当した[21]。また、ジェットエアウェイズは2019年4月に経営破綻した。
スターアライアンス加盟会社とのコードシェア便[編集]
ユナイテッド航空はスターアライアンスの創立会員の1社で、スターアライアンス加盟航空会社とのコードシェア便を運航している。
運航機材[編集]
リスト[編集]
2022年12月現在、ユナイテッド航空の機材は以下の航空機で構成される。なお統合相手であるコンチネンタル航空の機材も一部引き継がれて使用中。
機材 | 保有数 | 発注数 | 座席数 | 備考 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
J | F | PY | +Y | Y | 計 | ||||
エアバスA319‐100 | 81 | ー | ー | 12 | ー | 36 | 78 | 126 | |
エアバスA320‐200 | 99 | ー | ー | 12 | ー | 42 | 96 | 150 | |
エアバスA321neo | ー | 70 | 2023年初号機受領予定 | ||||||
エアバスA321XLR | ー | 50 | 2024年初号機受領予定 | ||||||
エアバスA350-900 | ー | 45 | エアバスA350-1000から発注変更により 導入予定時期は2030年以降に延期 なおボーイング787の追加発注により発注キャンセルの可能性あり[23] | ||||||
ボーイング737-700 | 40 | ー | ー | 12 | ー | 36 | 78 | 126 | 一部の機材がDIRECTV搭載機[24]、一部グアム路線用機材 |
ー | 30 | 84 | |||||||
ボーイング737-800 | 141 | ー | ー | 16 | ー | 48 | 102 | 166 | うち2機がスターアライアンス特別塗装機、一部グアム路線用機材 |
ー | 54 | 96 | |||||||
ー | 42 | 108 | |||||||
ボーイング737-900 | 12 | ー | ー | 20 | ー | 42 | 117 | 179 | 全機DIRECTV搭載 |
ボーイング737‐900ER | 136 | ー | ー | 20 | ー | 45 | 114 | 179 | |
ー | 42 | 117 | |||||||
ー | 39 | 120 | |||||||
ボーイング737MAX8 | 29 | 446[25] | ー | 16 | ー | 54 | 96 | 166 | |
ボーイング737MAX9 | 44 | ー | 20 | ー | 48 | 111 | 179 | ||
ボーイング737MAX10 | ー | ー | 20 | ー | 64 | TBA | TBA | ローンチカスタマー 2023年度から導入開始予定 | |
ボーイング757-200 | 40 | ー | 16 | ー | ー | 45 | 108 | 169 | 全機が元コンチネンタル航空機 2026年までに退役予定 |
42 | 118 | 178 | |||||||
ボーイング757-300 | 21 | ー | ー | 24 | ー | 54 | 156 | 234 | |
ボーイング767-300ER | 37 | ー | 46 | ー | 22 | 43 | 56 | 167 | ボーイング787シリーズに置き換え予定 |
ボーイング767-400ER | 16 | ー | 34 | ー | 24 | 48 | 125 | 231 | |
ボーイング777-200 | 19 | ー | ー | 28 | ー | 102 | 234 | 364 | ローンチカスタマー ボーイング787に置き換え予定 |
ボーイング777-200ER | 51 | ー | 50 | ー | 24 | 46 | 156 | 276 | 古い機材はボーイング787に置き換え予定 |
4 | ー | ー | 32 | ー | 126 | 206 | 362 | 国内線構成 | |
ボーイング777‐300ER | 22 | ー | 60 | ー | 24 | 62 | 204 | 350 | |
ボーイング787-8 | 12 | 105 | 28 | ー | 21 | 36 | 158 | 243 | 世界で初めて3機種を導入したオペレーターとなる 2022年末追加発注[26] 100機のオプション付き[27] |
ボーイング787-9 | 38 | 48 | ー | 21 | 39 | 149 | 257 | ||
ー | ー | 88 | 116 | 252 | |||||
ボーイング787-10 | 17 | 44 | ー | 21 | 54 | 199 | 318 | ||
ブーム・オーバーチュア | ー | 50 | マッハ1.7で飛行 | ||||||
計 | 859 | 716 |
ユナイテッド航空が発注したボーイング社製航空機の顧客番号(カスタマーコード)は22で、航空機の形式名は747-122、747-422、777-222ERなどとなる。ただし、コンチネンタル航空から引き継いだ機材は、コンチネンタル時代のカスタマーコード24が与えられているため、航空機の形式名は737-824、777-224ERなどとなる。
画像[編集]
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エアバスA319-100
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エアバスA320-200
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ボーイング737-700
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ボーイング737-800
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ボーイング737-800(スターアライアンス塗装)
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ボーイング737-900ER
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ボーイング737MAX 8
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ボーイング737MAX 9
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ボーイング757-200
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ボーイング757-300(旧塗装)
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ボーイング767-300ER
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ボーイング767-300ER(スターアライアンス塗装)
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ボーイング767-400ER
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ボーイング767-400ER(スターアライアンス塗装)
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ボーイング777-200ER
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ボーイング777-300ER
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ボーイング787-8(旧塗装)
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ボーイング787-9
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ボーイング787-10
備考[編集]
ユナイテッド航空は、前述のように元々はボーイング社(エンジンはプラット・アンド・ホイットニー)の空運部門であり関係も深いが、分割・独立後はボーイング以外の機種も採用している。ボーイング787やボーイング737などはプラット・アンド・ホイットニー製のエンジンが選択できないため、例外としてB787においてはGEnx、B737においてはCFM56であるように他社のエンジンを使用しており[注 1]、最初のジェット旅客機として選んだのもボーイング707ではなく、ライバルであるダグラス社[注 2] のDC-8であった。同時期にはフランス製のシュド・カラベルを導入していた実績もあり、その流れからか現在でも小型機ではエアバスA320シリーズを大量に運航し(ただしエンジンはプラット・アンド・ホイットニーとロールスロイスの合弁会社であるIAE製である)、さらにエアバス社にA350 XWBを発注するなど[28]、現在はそれほどのこだわりもないようである。
また、コンチネンタル航空と合併したときに同社が保有していたボーイング777や767[注 3]、757[注 4] はユナイテッド航空が元来保有していた同型機とエンジンメーカーが違うことになり、ユナイテッド航空自体が規模を拡大したことにより機材の重複や余剰が発生して非効率になっている機材もあり、機材のリストラやリプレースを進めている。
ボーイング787は、2012年9月25日に6社目のカスタマーとして、初号機(機体番号:N20904)を受領[29]。各種訓練を実施したあと、11月4日よりヒューストンとシカゴ線より就航開始となり、その後サンフランシスコ・ロサンゼルス・ニューアーク・ワシントン・クリーブランド・デンバーのアメリカ国内7路線に就航。順次、展開路線を増やしている。
B787初号機の受領にあたり、最新鋭機材を強くアピールするため、胴体にウェーブ状なゴールドラインの帯をまとう塗装となり[30]、座席配置はビジネスファースト36席、エコノミープラス63席、エコノミークラス120席の3クラス219席仕様となる。この機材を使用して、2013年3月31日をめどに成田 - デンバー線の直行便にも就航予定であったが[31]、使用予定機材のB787がバッテリートラブルのため世界的に運航停止になったため、同路線の就航は2013年6月10日に延期された。それに先立ち2013年1月3日から成田 - ロサンゼルス線を就航したが、前述の運航停止によって同社のB787は同路線運航中に運航停止が決定したため、同機が1機2013年1月16日到着便から新バッテリーユニットに改修されて回航される2013年5月まで、しばらく成田空港に留め置かれていた。
2014年9月4日には、ニュージーランド航空・ANAに続いて3社目となるB787-9の初号機(機体番号:N38950)が引き渡された[32]。この導入分から機内Wi-Fiを搭載を搭載しており、それ以降の導入はB787-8・B787-9・B787-10を問わずすべて機内Wi-Fiが搭載される。まず、先行してヒューストン - ロサンゼルス線で就航したあと、2014年10月26日の冬スケジュールからはロサンゼルス - メルボルン線の長距離国際線へ就航。その後も導入が進み、一時は運用の間に合いで成田 - ロサンゼルス線にもB777-200ERに代わって運航していたが、2015年冬ダイヤからは787-9で固定されている。
2017年6月14日の成田発サンフランシスコ行きUA838便をもってB747-400の日本路線投入は終了し、翌15日からは新仕様のビジネスクラス「ユナイテッド・ポラリス」を装着したB777-300ERを成田 - サンフランシスコ線に投入開始。その他の日本路線については、777-200ERや787などを路線需要に応じた機材にて運航する。また同年11月7日のサンフランシスコ発ホノルル行きUA747便をもって747は全機退役。この特別便の使用機材には「UNITED」ロゴを「United 747 friend ship」ロゴに変更したN118UAが起用され、有終の美を飾った。
退役機材[編集]
リスト[編集]
- ボーイング247
- ボーイング377
- ボーイング720
- ボーイング727
- ボーイング737
- ボーイング747-100
- ボーイング747SP
- ボーイング747-200B
- ボーイング747-400(2017年11月7日、サンフランシスコ発ホノルル行きの便を最後に退役[33]。この退役決定を機に、ボーイング747の後継機となる777-300ERや787-9などを導入した[34])
- ボーイング767-200
- ボーイング767-200ER
- ダグラス DC-4
- ダグラス DC-3
- ダグラス DC-6
- ダグラス DC-7
- ダグラス DC-8
- マクドネル・ダグラス DC-10
- シュド・カラベル
- ビッカース バイカウント
- ロッキード L-1011 トライスター(パンアメリカン航空からの引継)
- コンベア340
画像[編集]
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ボーイング80
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ボーイング40A
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ボーイング247
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ボーイング377
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ビッカース バイカウント
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ダグラスDC-3
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ダグラスDC-4
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ダグラスDC-6
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ダグラスDC-6(貨物仕様)
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ダグラスDC-7
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ダグラスDC-7(貨物仕様)
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ダグラスDC-8
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ダグラスDC-8(貨物仕様)
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ダグラスDC-10‐10
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ダグラスDC-10-30
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ダグラスDC-10-30(貨物仕様)
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シュド・カラベル
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コンベア340
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ボーイング720
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ボーイング727-100
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ボーイング727-200
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ボーイング737-200
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ボーイング737-300
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ボーイング737-500
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ボーイング747-100
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ボーイング747-SP
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ボーイング747-200
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ボーイング747-400
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ボーイング747-400(スターアライアンス塗装)
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ボーイング767-200
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ボーイング767-200ER
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ロッキードL-1011トライスター
航空事故[編集]
ユナイテッド航空は、ほかの主要な航空会社と同じく複数の航空事故を起こしている。
- ユナイテッド航空機チェスタートン爆破事件(便名なし)1933年10月10日
- United Airlines Flight 610(1951年6月30日)
- w:United Airlines Flight 615(1951年8月24日)
- ユナイテッド航空409便墜落事故(1955年10月6日)
- ユナイテッド航空629便爆破事件(1955年11月1日)
- グランドキャニオン空中衝突事故(1956年6月30日)
- 1960年ニューヨーク空中衝突事故(1960年12月16日)
- ユナイテッド航空859便オーバーラン事故(1961年7月11日)
- DC-8が油圧系統故障により着陸失敗、多数の死傷者を出した。
- ユナイテッド航空297便墜落事故(1962年11月23日)
- United Airlines Flight 823(1964年7月9日)
- ビッカース バイカウントが機内火災により墜落、乗客乗員39人全員死亡。
- ユナイテッド航空389便墜落事故(1965年8月16日)
- ユナイテッド航空227便墜落事故(1965年11月11日)
- ボーイング727がソルトレイクシティ国際空港の手前100メートルに墜落。原因は着陸直前に高度が高すぎ急降下したが、急降下しすぎたため。
- ユナイテッド航空266便墜落事故(1969年1月18日)
- ボーイング727が第1エンジンからの火災警報を聞いたためロサンゼルス国際空港に引き返すが、その途中に墜落し乗員乗客38人全員が死亡。
- w:United Airlines Flight 533(1972年12月8日)
- ボーイング737がシカゴ・ミッドウェイ空港で着陸復航時に、失速寸前の速度で機首を上げすぎたために失速して墜落。
- ユナイテッド航空173便燃料切れ墜落事故(United Airlines Flight 173)(1978年12月28日)
- ユナイテッド航空2885貨物便墜落事故(1983年1月11日)
- ユナイテッド航空811便貨物ドア脱落事故(1989年2月24日)
- ユナイテッド航空232便不時着事故(1989年7月19日)
- ユナイテッド航空585便墜落事故(1991年3月3日)
- ユナイテッド航空826便乱高下事故(1997年12月28日)
- アメリカ同時多発テロ事件(ユナイテッド航空が被害者になった事件)
- ユナイテッド航空328便エンジン事故(2021年2月20日)
不祥事[編集]
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乗客の手荷物破壊と賠償の拒否[編集]
2008年、カナダ人ミュージシャンのデーブ・キャロルは『United Breaks Guitars(ユナイテッド航空はギターを壊す)』と題して、ユナイテッド航空へ抗議する歌を作曲し、YouTubeに公開した[35]。これはシカゴ・オヘア国際空港で、ユナイテッド航空の空港手荷物係にアコースティック・ギターを壊されたが、要求した損害賠償が支払われなかったことによるものであった[36]。
飲酒による英国での機長の逮捕[編集]
2009年11月9日、ロンドン ヒースロー空港発シカゴ行きのボーイング767 949便(乗客124人、乗員11人)のフライトを担当予定だった51歳の機長から、酒の臭いがすることに気付いた同僚が、イギリス当局に通報。出発の「直前」に警察により逮捕された。搭乗する乗客は別の航空便に乗り換えた。機長は10日付で停職処分。アルコール検査の結果が出るまで保釈されたが、後日、呼気中のアルコール濃度が法定基準値の3倍を超えていたことが判明した[37][38]。
「局長の路線」事件[編集]
2011年、ニューヨーク・ニュージャージー港湾公社の港務局長だったデビッド・サムソンが、ニューヨークの職場からサウスカロライナの別荘に行く手段を提供するようユナイテッド航空に強要。これに対しユナイテッド航空は、採算悪化から2009年に廃止していたニュージャージー州のニューアーク空港からサウスカロライナ州のコロンビア空港までの路線を、当時のジェフ・スミセクCEOや2人の副社長らの幹部のトップダウンにより再開させた。
2014年、ニュージャージー州知事クリス・クリスティのフォートリー道路閉鎖疑惑について捜査していたアメリカ合衆国連邦政府は、サムソンがクリスティの友人であったことから、この便宜の存在を発見。2014年のサムソンの辞職に伴い、航路は再閉鎖され、スミセクCEO(後任はオスカー・ムニョス)および副社長2名が辞任した。2016年、ユナイテッド航空はアメリカ合衆国司法省と証券取引委員会と非訴追協定を締結し、合計465万ドル(当時約5億2,000万円)の罰金を支払うことと、反賄賂遵守プログラムの開始に同意した。デビッド・サムソンは2016年7月、収賄罪での有罪が確定した[39][40]。
ドレスコード事件[編集]
2017年3月25日、ユナイテッド航空は、2人の10代の少女に対して、彼女たちがレギンスを着用していたことを理由として、デンバーからミネアポリスへ向かう航空便への搭乗手続きを拒否した。このユナイテッド航空の行為に対して、SNS上で議論が巻き起こった。騒動を受けたユナイテッド航空は、彼女たちの搭乗券は「ユナイテッド・パス」と呼ばれる、従業員やその家族へと支給されたもので、これを使用する場合には服装規定があると説明し、一般搭乗者のレギンス着用は歓迎するとした[41][42]。
乗客に対する傷害と旅客機引きずり降ろし事件[編集]
チケットの多重確認ミス[編集]
2017年4月24日、米ニュージャージー州のニューアークからパリのシャルル・ド・ゴール空港へ向かうユナイテッド航空便が搭乗寸前にゲートを変更。これはただちに場内アナウンスされたものの、搭乗予定客のうち1名のフランス人女性は残念ながら英語のヒアリングができなかった。このため彼女は当初の予定通り搭乗券に記載されてあったゲートC81へ向かった。この時点で搭乗券を確認しなければならないはずのユナイテッド航空のスタッフらは「EWR(ニューアーク)―CDG(シャルル・ド・ゴール)」と記載された空港コードに目を向けることもなく、さらに券面のゲート番号にも注意を払わずにそのまま彼女をゲート通過させた。すでに便が変更されたゲートC81にはシャルル・ド・ゴール行きではなくサンフランシスコ行きの飛行機が待機しており、乗り込んだフランス人女性の座席にはほかの乗客がブッキングしていた。英語の話せない女性はキャビンアテンダントAに搭乗券を見せ、指定されている自分の座席に他の人が座っていることを伝達した。ところが搭乗券を確認したはずのキャビンアテンダントはその詳細の確認を怠り、女性に対し別の座席を案内した。結果、女性はサンフランシスコに約6時間かけて到着、そこで初めてユナイテッド航空側がチケット上の目的地を把握した。乗り継ぎで11時間、さらにシャルル・ド・ゴールへの7時間30分を加えて、女性は28時間以上かけてはじめて目的地に到着した。彼女の姪は『ABC』の取材に対し、「ゲート変更の際に英語でしかアナウンスが流れなかったために、おばは内容が理解でできなかった。フランス語でも流してくれたらおばは変更になったゲートへ向かえていた。またゲートスタッフやキャビンアテンダントなど、明らかにユナイテッド航空の従業員はおばに対して誰も注意を払わず、確認を怠った。もしテロリストや殺人犯だったらどうなっていたか。搭乗時にしっかりと確認していないとそうした犯罪も防ぐことができない。ユナイテッド航空は、従業員について真剣に検討しなければならない」と話している。このミスに対し、ユナイテッド航空側は女性客に「今後、このようなミスがないように細心の注意を払う」と謝罪し、航空券代金の返金とサンフランシスコでのホテル代の負担、旅行券を送っている。しかし彼女の姪は「お金の問題ではない。こうしたミスはきっとまた起こる」と述べている。この件についてはABCのみならず、英国の『Metro』など複数メディアが伝えており、前述の引きずり下ろし事件の直後ということもあって一層ユナイテッド航空の評価を下げる結果となった[43]。
ペット用のキャリーバッグの荷物棚収容強制とそれに伴う子犬死亡事件[編集]
2018年3月12日、11歳の娘と生後2か月の息子を連れた女性がヒューストン発ニューヨーク ラガーディア空港着のユナイテッド航空機に搭乗。さらに運賃200ドルを支払い、アメリカ運輸保安局認可のペット用キャリーバッグに入れたフレンチブルドッグの子犬を手荷物として持ち込んだところ、離陸前にペットを頭上の荷物棚(オーバーヘッドビン)に移動するよう客室乗務員より指示を受けた。目撃証言もある中、女性は繰り返しキャリーバッグの中身が犬であることを訴えたが乗務員は頑として譲らず(この乗務員は3月14日時点で「ケースの中に犬がいたとは知らなかった」と話していた)、最終的に女性はキャリーケースを荷物棚へと収納した。乳児を抱えていた女性は荷物棚の様子を確認することができず、ラガーティア空港でキャリーケースを下ろした際、すでに子犬は死亡していた。この事件はSNSによって即座に拡散され、ユナイテッド航空は大規模な批判に晒されることとなった。なお、ユナイテッド航空の規則では、国内線に関して動物を持ち込むことは可能だが、乗客の前の座席の下に完全に収まる専用の入れ物に入れ、常に座席下に置くことが義務づけられており、オーバーヘッドビンに置くことは禁じられている。ちなみに米運輸省によると全米で2017年に機内に持ち込まれたペットは13万8,178匹だったが、うち機内でペットが死亡した事例のうちの4分の3となる18匹はユナイテッド機に乗っていたとされる(これには 貨物室内で変死した「世界で最も大きなウサギ」 や同じく 貨物室内で変死したキャバリア・キングチャールズ・スパニエル犬 の事件も含まれる)。このワースト記録は少なくとも4年連続となる。また同年、同社の機内ではほかにペット13匹がけがをしている[44][45][46][47]。
ビジネスクラス乗客に対する航空アクセス法規定違反[編集]
2017年、オーストラリア・メルボルン在住の94歳の女性は、担当医師から特別許可を受けたうえでロサンゼルスまでの航路を利用。この際、深刻な関節炎と首に退行性骨疾患を抱えている女性のために、親族が資金を出し合って、往復路ともにビジネスクラスの航空券を手配した。このため、往路に関しては問題なく快適に過ごせた。
しかし2月2日、復路となるユナイテッド航空98便の離陸前に、エコノミークラスに同乗していた女性の娘が、介助のために「座席からトイレまでのエスコート」「シートをリクライニングに調整」、そして「機内食のバターをパンに塗る」という3つを行いたいと申し出た際、キャビンアテンダントはこのリクエストを却下した。そこで女性の娘が同様の介助を客室乗務員に依頼したところ、彼らはこれも拒否(これは明確に、米国路線で乗務員は障害者の乗客を差別することなく、手助けをするサービスを義務づけるアメリカ合衆国運輸省の「航空アクセス法」に違反している)。
さらに客室乗務員たちは、介助をしたければ女性をエコノミークラスに移動させるか、翌日の便のビジネスクラスを2人分改めて購入するようにと心ない提案を行った。離陸5分前ということもあり、やむなく女性はエコノミークラスに移動されたが、老齢の女性に対してエコノミークラスによる16時間の移動は、身体に多数のダメージを及ぼした。この事態に怒りを覚えた女性の孫はFacebookで「普段は寝たきりになっていることがほとんど」だという祖母への思いやりが、差別という形で拒否された件のシェアを求め、娘もユナイテッド航空に対し「法的措置も辞さない」旨の書簡を送付した。
事態を知ったユナイテッド航空は、被害者女性に対して500米ドルの旅行券を送付したが、女性の孫は「ほかの航空会社も選べるので、ユナイテッド航空だけは絶対に利用しない」と語っている。また3,600米ドル分のビジネスクラスの航空券のうち、860米ドルのみの返金手続きをユナイテッド航空が行ったこと、加えてその手続完了に数週間もかかることにより、被害者側からだけではなく複数のインターネットユーザーから一層の怒りを招いた[48][49]。
飲酒による英国でのパイロット二名の逮捕、ならびに彼らが操縦予定だった便の欠航[編集]
2019年8月3日、イギリスのスコットランド警察は、規定のアルコールの上限を超えた状態で業務を行うことを禁止する法律に基づき、ユナイテッド航空の61歳と45歳のパイロット2名を逮捕した。これにより両者が操縦予定だった、グラスゴー発米ニュージャージー州ニューアーク着の便は欠航となった。ユナイテッド航空の声明によれば、搭乗予定だった乗客にはホテルや食事券、乗り換え便の予約チケットが用意された[50]。
この事件を受けて、ユナイテッド航空は規定を厳格化、パイロットが勤務に就く前の「断酒時間」を連邦航空局(FAA)の基準であった8時間よりも4時間延長した12時間に変更する「ボトルからスロットルへ」と呼ばれる新規定を同年8月10日より施行した。規則厳格化の理由は「同社が運航している世界各国の基準に合わせるため」としている。ほかのアメリカ合衆国の航空会社は、勤務8時間前からの禁酒という現行ルールの変更を検討していない[51]。
キャビン状況確認および清掃の不徹底、それに対する客室乗務員の不適切な対応[編集]
2019年8月18日、カナダ・バンクーバー発アメリカ・ヒューストン着となるUA2057便で、ある家族乗客が前方座席の背部および床が吐瀉物(原因は不明)で汚れている事実を発見。客室乗務員に清掃員の派遣を要求したところ、乗務員は「清掃員を呼んだ場合、あなたのせいで離陸遅延が発生する」と返答。満席のため座席の移動もできず、ペーパータオルを手渡された乗客は、自ら清掃を試みざるを得ず、さらにその後清掃員が専門作業を行ったが、完全な除去は不可能であった。
目的地到着後、乗客はただちにSNSに写真付きで事態を報告し、全世界に「降客後キャビンの状態を確認していない」「キャビンのメンテナンスをしっかりと行っていない」「防疫観念が周知されていない」「客室乗務員に責任意識が欠落している」など、ユナイテッド航空による多数の不手際が広まることとなった。状況を知ったユナイテッド航空は乗客に正式に謝罪。補償に関する個人的な交渉に入った[52]。
脚注[編集]
注釈
- ^ B737については旧コンチネンタル航空の機材もしくはコンチネンタル航空が発注した分であるためで、同様に旧コンチネンタル航空のB757-200やB757-300もエンジンはロールスロイス製、B767やB777もゼネラル・エレクトリック製である。
- ^ 現在はボーイング社に吸収されて消滅。
- ^ 旧コンチネンタル航空の機材のエンジンはGE製、ユナイテッド航空の元々所有していた機材のエンジンはプラット・アンド・ホイットニー製
- ^ 旧コンチネンタル航空の機材のエンジンはロールスロイス製、ユナイテッド航空の元々所有していた機材のエンジンはプラット・アンド・ホイットニー製
出典
- ^ Corporate fact sheet - United Airlines
- ^ “ユナイテッド航空、CEO・社長・COOが交代 新幹部でコロナと闘う”. FlyTeam ニュース (2020年5月31日). 2021年10月23日閲覧。
- ^ “米ユナイテッド、接種に応じなかった600人の解雇手続き開始…CEO「チームの安全が第一」”. 読売新聞オンライン. (2021年9月30日) 2021年10月23日閲覧。
- ^ 月刊エアライン 2002年9月号p102、「月刊メガライン ユナイテッド航空」より
- ^ 原口和久 (2000). 成田空港365日. 崙書房. p. 71
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関連項目[編集]
- コードシェア便
- シャトル便
- ファロン
- パンアメリカン航空 - 1985年に日本路線を含む太平洋路線と成田国際空港からの発着権、以遠権などをユナイテッド航空に売却。
- ユナイテッド・センター - 命名権を購入したシカゴの屋内施設。
- マイレージ・プラス - ユナイテッド航空のマイレージサービス
外部リンク[編集]
- ユナイテッド航空(日本語)(英語)
- United (@united) - Instagram
- マイレージ・プラス・モール
- ユナイテッド航空(アーカイブ)
- United Cargo(英語)
- The United Shop(英語)
- United Airlines Holdings, Inc.(英語)