機内誌
![]() |

機内誌(きないし)は、旅客機の乗客のために航空会社が機内に搭載し、無料(追加料金なしという意味で、運賃に含まれる)で配布する雑誌(フリーペーパーの一種)のこと。
概要[編集]
1936年にパンナム(パンアメリカン航空)やユナイテッド航空が乗客向けに提供を開始、1947年にユナイテッド航空が独自の「Mainliner Traveler」を始める[1]。現在ではLCC(格安航空会社)を含む多くの航空会社が搭載している[2]。その多くが月刊で、自社便が就航する都市やその周辺の観光地や文化の紹介などがその内容の多くを占め、新規に導入されたサービスの案内や空港の案内、自社の路線図が掲載されていることも多い[3][4]。
また、免税品などの機内販売の紹介が併記されていることも多かったが[5]、近年になって航空会社が機内販売を大きな収益源と考えるようになってから販売される品目が増えたため、機内販売の専用冊子が作られるケースも多くなった[6]。同じく、機内エンターテインメントの充実とともに、機内音楽チャンネルや個人用テレビのプログラムを別冊子にするケースも多い。
なお、日本では、日本航空(JAL)が現在の『SKYWARD』の前身となる 『Jet Travel』を1961年に国内線に搭載したのが始まりである(1976年には国際線版の『Garden Jet』も創刊され、その後両誌は1979年に『winds』に統一された)[7]。
同様に鉄道の車内で無料配布する車内誌も存在する。
使用言語[編集]
大抵の場合、自国語と英語が併記され、その他の主な就航地の言語を併記する場合もある[8]。また、大韓航空をはじめ、エールフランス(2016年に休刊)やフィンエアー、デルタ航空、ユナイテッド航空、ニュージーランド航空など、日本路線を重要視している航空会社の場合、日本語専用の機内誌を別に作る航空会社も多い。なお、このような場合は季刊であるケースが多い。
日本国内の国内線では、国際線機材の間合い運用などの例外を除いて、日本語のみの機内誌で提供している。
主な機内誌[編集]
(日本語版・日本語が併記されているもの)
日系航空会社
- 日本航空(JAL):SKYWARD(スカイワード) / Agora(アゴラ、JALグローバルクラブ会員・JALカードCLUB-A会員・JALダイナースカード会員・ファーストクラス乗客向け[9])
- 日本エアコミューター(JAC):JACNOW「ゆいタイム」(ジャックナウ)
- 北海道エアシステム(HAC):HAC Magazine(ハックマガジン)
- 日本トランスオーシャン航空(JTA )/琉球エアーコミューター(RAC):Coralway(コーラルウェイ)
- 全日本空輸(ANA):翼の王国 TSUBASA-GLOBAL WINGS-(ツバサ グローバル ウィングス)
- AIRDO:rapora(ラポラ)
- スターフライヤー:Mother Comet(マザー コメット)/ 雲のうえ(北九州市作成の北九州情報誌)
- スカイマーク:空の足跡
- ソラシドエア:ソラタネ
- フジドリームエアラインズ:DREAM3776(ドリームさんななななろく)
- Peach Aviation:PEACH LIVE(ピーチライブ)
- ジェットスター・ジャパン:Jetstar Japan Magazine(ジェットスター・ジャパン・マガジン)
- 春秋航空日本:LOVE!佐賀(ラブ・さが 佐賀県・宝島社による情報誌)
外資系航空会社
- 大韓航空:Morning Calm(モーニング・カーム)[8]
- アシアナ航空:ASIANA(アシアナ)
- チャイナエアライン:Dynasty(ダイナスティ)
- アエロフロート・ロシア航空:Aeroflot(アエロフロート)
- アメリカン航空:American Way(アメリカン・ウェイ)
- エールフランス・KLMオランダ航空:Bon Voyage(ボン・ヴォヤージュ) 2016年休刊
- エミレーツ航空:Open Skies(オープンスカイズ)
- フィンエアー:Blue Wings(ブルー・ウィングス)
- スカンジナビア航空:Scandinavian Traveler(スカンジナビアン・トラベラー)
- スイス インターナショナル エアラインズ:SWISS MAGAZINE(国際版)のほか、日本発着便には日本語版alpen rose(アルペンローゼ)も搭載
- デルタ航空:Sky Magazine(スカイマガジン)
- ユナイテッド航空:Hemispheres(ヘミズフェア)のほか、日本発着便にはUA Leader's Review(UAリーダーズレビュー)も搭載
- ターキッシュ エアラインズ:Sky Life(スカイライフ) 日本発便には日本語版Sky Life Japan(スカイライフジャパン)をCAが手渡し
- ニュージーランド航空:Kia Ora(キア・オラ)
- ジェットスター航空:JetStar Asia(ジェットスター・アジア)/JetStar Japan(ジェットスター・ジャパン)
- キャセイ・パシフィック航空:DISCOVERY(ディスカバリー)
- シンガポール航空:SilverKris(シルバークリス)
- ベトナム航空:HERITAGE(ヘリテージ)
- ガルーダ・インドネシア航空:Colours[要曖昧さ回避](カラーズ)
脚注[編集]
- ^ 中村浩美『読んで愉しい旅客機の旅』光文社
- ^ 「Can't Get Enough of Travel 3Sixty!」By Ahsan Imaduddin on Sep 26, 2008
- ^ 『スカイワード』2010年7月号、5月号
- ^ American Way
- ^ 『ウィンズ』1979年8月号、1983年10月号
- ^ 「JALSHOP」2010年1-2月号
- ^ 「経済広報」2008年10月号
- ^ a b 『地球の歩き方』大韓航空
- ^ JALブランドコミュニケーション