ミリ波パッシブ撮像装置

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ミリ波パッシブ撮像装置
ミリ波パッシブ撮像装置

ミリ波パッシブ撮像装置(ミリはパッシブさつぞうそうち)とは、ミリ波を応用した測定、撮影装置の一つである。直訳してミリ波スキャナーとも呼ばれる。撮影装置から発生される電波(ミリ波)を人体に照射し、被写体から跳ね返った電波エネルギーを計測し映像化する技術であり、人体を対象とした全身スキャナーとして注目されている。

全身スキャナーとしての概要[編集]

2007年5月、オランダアムステルダム・スキポール空港空港警備で初めて導入した。爆弾テロの抑止力として期待されたものの、後述の問題点や導入に高額な金額が必要なことから、普及には至らなかった。しかし、2009年12月25日、デルタ航空機爆破テロ未遂事件が発生。厳重な警戒が突破されたことから、X線金属探知機でも認知できない爆発物等の危険物を検出する装置として、ミリ波スキャナーが再注目された。

2010年以降、アメリカ運輸保安局により、アメリカ合衆国の空港に設置され始めた[1]

2012年現在、日本国成田国際空港)でも導入が検討され、東京国際空港で実証実験が実施されている[2]

問題点[編集]

全身スキャナーとして評価される画像処理

人体に照射した場合、非常に精細な全身立体シルエット像を得ることができ、見ようによっては全裸に近いことから、児童ポルノとの兼ね合い、プライバシーの確保と安全性の両立といった視点で物議を醸し出した。例えば、ポートランド国際空港では、ボディスキャナー検査に対して、衣服を脱いで抗議した男性が逮捕される事件(裁判では無罪)も発生している[3]

日本で試験運用されている装置では、プライバシー保護の観点から、係員の液晶モニタに映し出されるのは、乗客本人の人体画像ではなく、人体の模式図に不審物がある場所が表示され、確認後にスキャンデータが完全消去される仕組みを導入している[4]

出典[編集]

  1. ^ 「裸が見える空港スキャナー」は児童ポルノ法違反?ワイヤード・アーカイブ2012年7月22日閲覧
  2. ^ ミリ波パッシブ撮像装置に係る成田国際空港における実証試験文部科学省ホームページ(2009年10月13日)
  3. ^ 空港の「裸スキャナー」に全裸で抗議した男性、無罪にワイヤード・世界仰天ニュース(2012年7月22日)同日閲覧
  4. ^ テロ対策へボディー透視 電磁波で危険物検知、3空港試験運用へ毎日新聞(2015年7月9日)

関連項目[編集]

外部リンク[編集]