電波

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電波(でんぱ)とは、電磁波のうちより周波数が低い(言い換えれば波長の長い)ものを指す。光としての性質を備える電磁波のうち最も周波数の低いものを赤外線(又は遠赤外線)と呼ぶが、それよりも周波数が低い。

定義・概要[編集]

電波は光や音などと同様に、空間を伝播する性質がある(伝播速度は光速と同じであり音(音速)より速い)。

日本での法的な定義は、電波法第2条第1項で電波を「三百万メガヘルツ[1]以下の周波数の電磁波」と定義している。ただし、電波を周波数のみにより他の電磁波から区別する場合の境界(特に、その周波数上限)は曖昧である(他国で日本の電波法第2条第1項のような法的な電波の定義の有無は不明)。ごく一部の辞書においては、通信無線通信)に用いられる電磁波を指すとの見解も見受けられるが、一般にはあまり支持されていない。

物理的には光も電波も電磁波のある帯域を指している用語であり、光としての性質(粒子性)と波としての性質(波動性)を持つため、技術的にどちらの性質を利用しているかで区別することがある。電波天文学などでは測定方法によって電波として扱ったり、光として扱える周波数帯がある。これは、高周波技術の発展によって従来は遠赤外線領域とみなされていた周波数領域までヘテロダイン方式で受信できるようになったことによる。

社会的には電波は公共の財産である。各国では政府機関が利用者に周波数を割り当てる。日本では総務省が管轄する。日本以外の他国では、携帯電話用の周波数帯を中心に電波利用料オークション(競売)で割り当てる場合もあり、電波利用料には大きな差がみられる。

用途[編集]

次が挙げられる。

電波における電磁スペクトル[編集]

周波数と対応する波長によって電磁波は以下の周波数帯に分割される。

周波数帯 略称 ITU基準 周波数と波長 用途例
3Hz以下
100,000km以上
極極極超長波 ELF 1 3 - 30Hz
100,000km - 10,000km
潜水艦の通信
極極超長波 SLF 2 30 - 300Hz
10,000km - 1000km
極超長波 ULF 3 300 - 3000Hz
1000km - 100km
鉱山における通信
超長波 VLF 4 3 - 30kHz
100km - 10km
雪崩ビーコン、無線心拍計地球物理学
長波 LF 5 30 - 300kHz
10km - 1km
電波航法電波時計、長波放送
中波 MF 6 300 - 3000kHz
1km - 100m
中波放送
短波 HF 7 3 - 30MHz
100m - 10m
短波放送アマチュア無線、業務通信、核磁気共鳴分光法
超短波 VHF 8 30 - 300MHz
10m - 1m
FM放送VHFテレビ放送、業務通信、核磁気共鳴分光法
極超短波 UHF 9 300 - 3000MHz
1m - 100mm
UHFテレビ放送(地デジ含)、電子レンジ携帯電話無線LANBluetoothGPS、業務通信、核磁気共鳴分光法
センチメートル波 SHF 10 3 - 30GHz
100mm - 10mm
ETC無線LAN衛星放送、最新レーダー電子スピン共鳴
ミリ波 EHF 11 30 - 300GHz
10mm - 1mm
電波天文学、高速中継放送、最新レーダー(ミリ波レーダー)、電子スピン共鳴
テラヘルツ波 300GHz以上
1mm以下

電波の質[編集]

電波法第28条に「送信設備に使用する電波の周波数の偏差及び幅、高調波の強度等電波の質は、総務省令で定めるところに適合するものでなけれない。」と規定している。 これを受けた無線設備規則には、第1章総則第2節電波の質として、第5条から第7条に「周波数の許容偏差」、「占有周波数帯幅の許容値」、「スプリアス発射又は不要発射の強度の許容値」があり、具体的な値は別表第1号から第3号に規定するものとしている。

関連項目[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 3,000,000MHz = 3THzである。

外部リンク[編集]