電話交換機

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電話交換機(でんわこうかんき)とは、電話回線を相互接続し電話網を構成するための交換機である。

博物館展示

概要[編集]

日本ではNTTなどの電気通信事業者(キャリヤ)向けの電話交換機は2015年に製造を終了しているが、事務所工場などの内線電話用(自営設備)の構内交換機は2017年現在でも製造されている。

VoIPへの置き換えが進んでおり、NTTは2025年ごろに交換機設備の維持が限界となることから、2024年を目処に公衆交換電話網Next Generation Networkへ移行することが予定されている。

交換機の歴史
方式 通話路
スイッチ
方式 電話料金 電話回線 中継線路
制御 信号 市外通話 市内通話 ダイヤルパルス DTMF ISDN PHS 方式
手動 パッチパネル 交換手 磁石式
共電式
ハドソン課金 度数 × × × × 電線
1880 ステップ・バイ・ステップ交換機 可動接点 ダイヤルパルス直接 個別線信号線 カールソン課金 × × × ツイストペアケーブル
1920 クロスバー交換機 クロスバースイッチ 布線論理間接制御 広域時分制 × × 導波管 FDM
1960 電子交換機 多接点封止形 蓄積プログラム方式 共通線信号No.6 柔軟課金 × × 同軸ケーブル
1970 デジタル交換機 時分割 共通線信号No.7 光ファイバー PDH
SDH
ATM

交換機は段階的に、かつ大幅に小型化され、その場所が、コロケーションルール(co-location=共同の設置場所)で、関門交換機・ADSLハウジングサービスとして、他の電気通信事業者に貸し出されている。

交換機間の情報伝送方式[編集]

電話番号輻輳処理・料金計算などのための交換機間の情報伝送方式には、次のようなものがある。

共通チャネル形信号方式[編集]

通話チャネルと同じ伝送路に多重化された別のチャネルで制御信号を送受信するものである。ISDNのDチャネルを用いる場合、「Dチャネル共通チャネル形信号方式」と呼ばれる。

遠隔多重加入者線伝送装置 (RSBM : Remote Subscriber Line Terminating Module) ・内線電話交換機と加入者交換機との間に用いられている。

特徴[編集]

  • 同じ伝送路を用いるため低コスト化が可能である。
  • 制御チャネルが多数の通話チャネルで共用できる。

共通線信号方式[編集]

制御信号を、通話路とは物理的に別の伝送路で、送受信するものである。事業用のデジタル交換機・電子交換機相互間で用いられている。代表的なものに共通線信号No.7がある。

特徴[編集]

  • 制御線が多数の通話路で共用できる。
  • 個別線信号方式と比較して多くの情報のやり取りができ、多機能化が可能である。
  • 物理的に別の伝送路を用いるため管理が煩雑である。
  • 通話路の断絶時でも接続操作が行われて課金される可能性もある。

個別線信号方式[編集]

通話路と同じ伝送路で制御信号を送受信するものである。多周波数 (Multi Frequency) 信号が事業用クロスバー交換機相互間に、DTMFモデムを用いるものが内線電話交換機と加入者交換機との間に用いられていた。デジタル交換機に置き換えが完了して以降は使われていない。

特徴[編集]

  • 共通線信号方式と比較して単純な情報のやり取りしかできない。
  • 物理的に同じ伝送路を用いるため管理が単純である。
  • 通話路の断絶時は接続操作が行われない。
  • 音声信号を用いるため交換機などの不正操作が行われる場合がある。

使用目的による分類[編集]

  • 構内専用交換機 (PAX : Private Automatic eXchange) : 公衆交換回線に接続されず専用線や内線電話網のみに接続されるもの。
  • 内線交換機 (PBX : Private automatic Branch eXchange) : 内線電話網・専用回線と公衆回線とを相互に接続するもの。
  • 電気通信事業用交換機 : NTTなどの事業者が公衆回線交換に用いる大型の交換機。公衆回線どうしを接続するもの。

階梯による分類[編集]

現在、電気通信事業者の持つ交換網は巨大であり、そのため、交換網はレイヤ構造となっている。そのレイヤ構造の各層(階梯)において、交換機の機能は異なる。

加入者階梯交換機[編集]

加入者線、いわゆる電話線を直接接続(加入者の収容)し、回線交換を制御する交換機であり、交換網の最下層に相当する。LS (Local Switch) とも呼ばれる。例えば、NTT DoCoMoでは、MLSと呼ばれる最下階梯の交換機があるが、これはMobile Local Switchを略したものである。

中継階梯交換機[編集]

ある交換網の中において、交換機間を接続する。TS (Toll Switch) とも呼ばれる。 1つのLSはその地域にある多くの加入者を収容しているので、その地域内の相互通話はLSのみで可能であるが、別のLSに収容されている加入者と通話するには、TSを通じて回線交換する必要がある。全てのLSを直に接続すると、接続数がきわめて膨大になるため、必要時のみ、その間を取り持つ、というのがTSの存在意義である。

関門階梯交換機[編集]

交換網間を接続する。GS (Gateway Switch) とも呼ばれる。機能的にはTS機能を含む。ある交換網が別の交換網と相互接続したい時、その関門 (POI) に設置される。TS機能の他に、信号変換の機能を持つ事が多い。

脚注[編集]

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関連項目[編集]

外部リンク[編集]