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電波工学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

電波工学(でんぱこうがく、英語: Radio-frequency (RF) engineering)は、電波の工学的な利用に関する学問分野である[1]無線工学[2]ともいう。

概説

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厳密な定義が存在する訳ではないが、電波という場合は無線通信や電波測位(航法無線)のような情報利用の応用分野で多く用いられ、電磁波という場合は情報通信に加えて送電や加熱のようなエネルギー伝送を含めたより広い電磁現象として学術分野で用いられることが多い。

応用利用分野では無線通信電波測位航法無線)等があり、それを実現する技術に電波計測電波伝播電波障害等の分野がある。機器の実装をめぐるアンテナ給電線等の題材がある。

電波工学が対象とする電波の周波数領域は、電波の利用及び応用を目的とする点でいわゆる「電波法」で規定される。対象は「三百万メガヘルツ以下の周波数の電磁波」[6]即ち「3THz」以下の電磁波である。

電波を通信、計測等に利用するための学問的基礎としては電気磁気現象を扱う電磁気学電気回路学があり[7]、より実利用に近いところとしてアンテナ(空中線)、電波伝播、電磁波伝送、電子回路等に関する技術がある。これらの設計にあたっては数式を用いたモデル化・定式化が行われ、計算機シミュレーションによる検討もよく行われる。

関連する分野として電力の遠隔送電は同じく電磁波を利用し[12]、電磁波工学では食品やプラズマの加熱のようなエネルギー伝送を扱う[13]EMC: electromagnetic compatibility)工学[14]では、電子機器間の電磁干渉が主題に含まれる。

参考文献

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主な執筆者、編者の順。

  • 岩崎 俊『電磁波計測 : ネットワークアナライザとアンテナ』コロナ社、2007年。ISBN 978-4-3390-0792-3 NCID BA83275815 
  • 上野 七夫三熊 文雄『初歩の電波工学』(5版)理工学社〈実用電気工学新書〉、1955年。 NCID BB23902244 
  • 大朏 博善「第3章 そもそも電磁波とは何か」『携帯電話で脳は破壊されるか : 検証・電磁波問題』ワック〈WAC BUNKO〉、2002年。ISBN 978-4-8983-1508-8 NCID BA56851061 
  • 荻野 晃也『ガンと電磁波』技術と人間、1995年。ISBN 4-7645-0102-3 NCID BN12673398 
  • 後藤 尚久『図説・電流とはなにか : 電気の本質をさぐる』B-805、講談社〈ブルーバックス〉、1989年。ISBN 4-0613-2805-0 NCID BN04138537 
  • 後藤 尚久新井 宏之「1章 電波の発見から商業通信まで」『電波工学』(初版第2刷(第1回修正))昭晃堂〈21世紀を指向した電子・通信・情報カリキュラムシリーズ:A-9〉、1993年。ISBN 4-7856-0109-4 NCID BN10193493 
  • 第4章 ゆとりと活力のある情社会の形成と電波利用」『通信白書』(pdf)(平成4年版、オンライン版)総務省、1992年。国立国会図書館書誌ID:3196317/1/4https://dl.ndl.go.jp/pid/3196317/1/4 インターネット公開(許諾)
  • 川上 彰(著)、情報通信研究機構 広報部(編)「赤外分光光度計を用いた中・近赤外光ナノアンテナの特性評価 : 光を受信するナノサイズのアンテナ技術」(pdf)『NICT news』418(7月)、情報通信研究機構、2012年7月、ISSN 2187-4042 インターネット公開(許諾)筆者は未来ICT研究所ナノICT研究室主任研究員(当時)。
  • 電波工学研究会 編『無線工学演習』産業図書、1959年。 NCID BN04813414 
  • 中沢 文子「【講座】電子レンジによる食品加熱の話(その4)」『調理科学』第20巻第4号、調理科学研究会、1987年12月20日、国立国会図書館書誌ID:10812614/1/1 中沢の同シリーズには「§6 種々の食品の誘電定数とその温度依存性」がある。
  • みずほ情報総研 編『流通・物流分野におけるRFIDを用いた生産性の高度化等に関する調査調査報告書』(平成28年度)経済産業省〈経済産業省委託調査報告書〉、2017年2月28日。 副題『平成28年度商取引適正化・製品安全に係る事業』

脚注

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出典

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  1. 後藤 1993
  2. 上野、三熊 1995電波工学研究会 1959
  3. 総務省 1992, p. 216, 第3章 ゆとりと活力のある情社会の形成と電波利用 §第1節 現代社会と電波利用 (1)電波利用の歩み
  4. みずほ情報総研 2017
  5. 1 2 川上 2012, p. 3
  6. 電波(注)が人間社会に登場したのは19世紀の後半(中略、第3-1-1「表」参照)。
    • (注)電波法によると、「三百万メガヘルツ(3テラヘルツ)以下の周波数の電磁波」を電波と呼び、それより高い周波数の電磁波は赤外線(以下略)[3][4]、すなわち "光"[5]。光と電波は共に電磁波であり、その呼称の違いは主に周波数(中略)[5]
  7. 高橋勘次郎『高周波の工業への応用』東京電機大学出版会、1977年。
  8. 後藤 1989
  9. 荻野 1995, 第7章 生物電気学の誕生
  10. 大朏 2002, 第3章 そもそも電磁波とは何か
  11. 岩崎 2007, 2 伝送線路と回路パラメータ
  12. 「身近な電流 : 交流電流」[8][9]、そもそも電磁波とは何か[10]、伝送線路におけるインピーダンス[11]
  13. 中沢 1987, pp. 36(302), 表5. スポンジケーキ(約330g)の加熱条件
  14. Ott, Henry W『詳解EMC工学 : 実践ノイズ低減技法』出口 博一、田上 雅照、高橋 丈博、東京電機大学出版局、2013年。ISBN 978-4-5013-2970-9 NCID BB12916123

関連項目

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