第5世代移動通信システム

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第5世代移動通信システム(だい5せだいいどうつうしんシステム)とは、現在規格化が進行中の次世代無線通信システムである。英語: 5th Generation, 「5Gと略記される。

概論[編集]

2017年頃の仕様の策定完了を目指して作業が進行中である。3GPPのリリース14以降に盛り込まれる予定[1]。10Gbps以上の通信速度、エンドツーエンドで1ミリ秒の低遅延、99.999%の信頼性を目標とする[1]

導入は、6GHz以下の周波数帯を使って、LTE/LTE-Advancedと互換性を維持しつつ、6GHzを超えた帯域を使って、新しい無線通信方式を導入、基地局に計算資源を備えることにより、端末に近い場所で処理する事で、センターのサーバーの伝送するデータ量を低減して、遅延を減らす「モバイルエッジコンピューティング」の導入などが想定される[1]

5Gでは、急増し続ける通信トラフィックへの対応が課題となっており、無線周波数帯の確保が重要視される。通信トラフィックは、過去5年間で10倍になっており、2020年には、現在の1,000倍になることが予想される[2]。端末の台数は、ウェアラブル端末M2M (Machine to Machine) やIoTの普及により、今後データ通信量の急増が予想される。

また、通信スピードが高速化される代わりに、より高い周波数帯を用いる予定であるため、マイクロ波の採用により、電波の直進性が極超短波より高まることから、携帯電話基地局の影では電波が届きにくくなり、多数の携帯電話小型基地局(マイクロセル)を数十メートル単位で設置する必要があり、携帯電話端末の消費電力が増える事が予想される。

通信速度の高速化は、シャノン=ハートレーの定理により、高消費電力も招きうるものであるため、モバイル環境での電池容量の確保も、技術的な課題となっている。もっとも、モバイル環境における、安定した電池確保の問題は、第3世代移動通信システムから続く、永続的な問題でもある。

技術[編集]

非直交多元接続 (NOMA:Non-Orthogonal Multiple Access) やMassive MIMOHetNetの導入が検討される[3]

状況[編集]

日本国内では、2014年(平成26年)9月に、企業74社や専門家14人で構成される「第5世代モバイル推進フォーラム (5GMF The Fifth Generation Mobile Communications Promotion Forum)」が設立され、5Gの技術開発や標準化に取り組んでいる[2]

総務省では、2016年10月に「新世代モバイル通信システムの技術的条件」を情報通信審議会に諮問しており[4]、新世代モバイル通信システム委員会[5]にて審議が行われている。2017年夏にも一部答申が行われ、これを受けて制度整備が行われる予定である。

NTTドコモは、2010年より5Gに関するコンセプト検討を開始しており、2013年にはシミュレーターを展示[6]、通信ベンダー各社と共同で実験を行っており[7][8]、2015年には屋外実験4.5Gbpsの通信に[9]、2016年には20Gbpsを超える通信に成功している[10]。2017年5月より、東京臨海副都心地区および東京スカイツリータウン周辺等に「5Gトライアルサイト」を構築する予定である[11]。同社は2020年のサービス提供開始をめざしている。

欧州では、METIS (Mobile and wireless communications Enablers for the Twenty-twenty (2020) Information Society) の主導で技術開発や標準化を進め、2015年に欧州委員会によって設立された5GPP (5G Public-Private Partnership Association) に合流した[2]

脚注・出典[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]