TSAロック

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スーツケースのTSAロック

TSAロック(ティーエスエーロック)とは、アメリカ国土安全保障省運輸保安庁 (Transportation Security Administration) より認定を受けた、旅具等に備えられた施錠機構の総称である。「赤い菱形(TravelSentry 社製)」または「赤い松明(SafeSkies 社製)」のマークが付いている。

機能・役割[編集]

アメリカ合衆国領土で飛行機に搭乗する際の手荷物または預け入れ荷物は、通常は電磁的スクリーニング検査(透視検査)を行うが、TSA係官が中身を直接目視検査する場合もありうるため、一切施錠しないように求められている。施錠された荷物についてはTSA係官が錠機構を破壊することを認められており、破壊されたり内容物の盗難があったりしても補償は一切ない。

しかし、TSAロック機能が装備された荷物・錠前等は、持ち主が自分の鍵で施錠してあってもTSA係官が専用の合鍵を使い、随意に開錠し荷物を検査することが出来る。その為米国(グアムサイパン等も含む)から出航する航空機への預け入れ時にも、施錠して渡すことが出来る。

TSAロック採用製品は、スーツケース南京錠スーツケースベルトワイヤーロックなどが存在する。抜き取り検査に当たった事を示すインジケータがついている製品もある。

背景[編集]

米国にて、2001年9月11日に発生したアメリカ同時多発テロ事件以降、出入国者の荷物の保安検査が大幅に強化された。米国領土(グアム、サイパン等を含む)に到着する国際旅客の預け入れ手荷物についても、引渡し前に電磁的な検査により不審物のチェックをし、疑わしい物は開封して目視チェックをするようになった。また、米国領土から出航する航空機での預け入れの際は、電磁的な検査に不審な結果が無くても、ランダムに開封検査の対象となるようになった。

問題[編集]

TSAロックには2016年現在11種類(TSA001-TSA011)存在する。ただし、TSA職員がこのマスタキー全てを所持しているとは限らないとされている。そのためTSAロック施錠済みであるにかかわらず、鞄・もしくはロックを破壊し検査した事例がある。

原則として検査後は再施錠されるが、施錠されずに返却されるトラブルも報告されている。この場合TSA職員に再ロックを依頼せねば鍵として機能しなくなるため、注意が必要である。

2015年9月、インターネット上にTSAロックのマスターキー(TSA001-006)の写真が流出した。この写真を解析した一部のユーザーがマスターキーの3Dデータを作成して公開し、3Dプリンターで誰でも合鍵が作れる状態となった。[1]

上記「TSAロック施錠状態においても破壊される事例」および「マスターキーの流出」により、TSAロックの使用は無意味、もしくは逆に危険であるとみなされるようになった。そのため、主要な北米航空会社はTSAロックを含む全ての施錠を「しない」よう強く推奨している。


脚注[編集]

外部リンク[編集]