UPS航空
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| 設立 | 1988年 | |||
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| ハブ空港 | ルイビル・モハメド・アリ国際空港 | |||
| 焦点空港 |
アンカレッジ国際空港 | |||
| 親会社 | ユナイテッド ・パーセル・サービス | |||
| 保有機材数 | 292機 | |||
| 就航地 | 727都市 | |||
| 本拠地 |
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| 外部リンク | https://www.ups.com/aircargo/ | |||
UPS航空(英語: UPS Airlines)は、アメリカ合衆国の貨物運送会社であるユナイテッド ・パーセル・サービスの子会社(航空部門)である。同国のケンタッキー州ルイビルをハブとしている[1]。
貨物航空会社としては、輸送量の面で世界第3位の規模を誇り、本社があるアメリカ国内の空港はもちろんのこと、アジアやヨーロッパなど世界各地の空港を焦点としている[2]。
歴史
[編集]- 1929年、ユナイテッド航空のフォード・トライモーターを使用して、貨物輸送を開始。
- 1930年、オークランドからニューヨーク市に事業拠点を変更。
- 1931年、世界恐慌を受けて一旦運休する[3]。
- 1953年、北米内での貨物便運航を再開[3]。このとき、貨物を2日以内に届ける方針を発表。
- 1975年、初の国際貨物路線として、カナダへの運航を開始。
- 1976年、初のヨーロッパ路線として、ドイツに就航。
- 1980年、ケンタッキー州のルイビル国際空港を初のハブ空港として運用開始。
- 1980年代初頭までは、エバーグリーン・インターナショナル・エアラインズ、インターステート・エアラインズ、ライアン・エア、オリオン・エアなど、主に他社からの請負を行っていたが、自社便の運航を開始した。
- 1981年、貨物輸送用の航空機を初めて導入した[4]。この時までは、他社の旅客機を導入して運航していた。
- 1982年、翌日配送を保証するサービスを開始。
- 1985年、アンカレッジを貨物拠点として運用開始。
- 1986年、日本への運航権を取得するため、DHLと合弁でInternational Parcel Express(IPX)を設立した。
- 1987年、ボーイング757貨物機を導入。
- 1988年、正式な貨物航空会社として認可を獲得。
- 1990年、アジアへの定期便運航を開始[4]。
- 1990年代初頭、シカゴとフィラデルフィアに貨物ハブを開設した。
- 1990年代初頭、貨物便運航が平日夜間に集中しており、日中時間帯に機材効率が落ちていたため、一部のボーイング757貨物機をコンビ機に改造し、チャーター便運航を開始。
- 1991年、ヨーロッパ内で国内線貨物便を運航するため、デンマークの航空会社との提携を開始。
- 1995年、ボーイング767貨物機を導入。
- 1999年から2002年にかけて、10億ドルを投資して、メインハブ空港のルイビル国際空港の貨物ハブ機能を2倍の規模(400万平方フィート)に拡張した。
- 2000年、ラテンアメリカでのサービスを拡大するためにChallenge Air Cargoを買収。
- 2000年、エアバスA300Fを導入。
- 2000年、退役した旅客機を改造したマクドネル・ダグラスMD-11F型機13機を発注した。
- 2001年、コンビ機を使用したチャーター便運航を終了。
- 2001年4月、中国への直行便乗り入れを開始。
- 2003年、新塗装を発表。
- 2005年1月、世界最大の機体であるエアバスA380-800Fを発注した。なお、2007年3月に発注を取り消し、その後開発も中止された。
- 2014年、ボーイング767型機全機にウイングレットを装着。
- 2016年10月、ボーイング747-8F貨物機14機を発注。
- 2017年、元日本航空機のボーイング767を導入。
- 2021年12月、ボーイング767貨物機19機を追加発注。
- 2023年3月、以前エアブリッジ・カーゴが運航していたボーイング747-8F型機2機を導入すると発表。
ハブ空港
[編集]国内
[編集]ルイビス国際空港
[編集]ルイビル国際空港内に、ワールドポートと呼ばれる貨物ハブ施設を持ち、メインハブ空港として運用している。当空港は、UPSのハブであることもあり、1日250便程度が発着し、世界第6位の航空貨物取扱量を誇っている。1980年よりハブを置いており、2001年に1,000,000平方フィート(93,000 m2)拡張され、2006年、2010年にも拡張が行われた。現在、520万平方フィートの広さで、毎時41万6,000個の荷物を処理できる能力を持っている。
シカゴ・ロックフォード国際空港
[編集]イリノイ州ロックフォードのシカゴ・ロックフォード国際空港は、ルイビルに次ぐ規模のハブ空港である。シカゴの北西85マイルに位置し、マサチューセッツ州、コネチカット州、ロードアイランド州、ニューヨーク州、メリーランド州、ワシントンDC、ミシガン州、ミネソタ州、テキサス州、カリフォルニア州、アリゾナ州、ワシントン州に貨物便を運航している。
この空港は、1時間ごとに121,000個の個別の荷物を処理できる能力を持ち、586,000平方フィート(54,400 m2)の荷物仕分け施設に加えて、65,000平方フィート(6,000 m2)の貨物施設も運営している。また、ワールドポート以外では最大規模である、40機を駐機できる駐機スペースがある。
コロンビアメトロポリタン空港
[編集]UPSの南東部の貨物ハブであり、1日10便程度が発着している。1996年8月よりハブとして運用している。建物は352,000平方フィート(32,700 m2)をで、22機のDC-8航空機を収容する駐機場がある。1時間に42,000個の荷物を処理できる。
ダラス・フォートワース国際空港
[編集]ダラスからは、テキサス州、ルイジアナ州、ミシシッピ州、アーカンソー州、オクラホマ州、ニューメキシコ州、アリゾナ州、ネバダ州、カリフォルニア州、オレゴン州、ハワイ州、ニューヨーク州、ペンシルベニア州、メリーランド州、デラウェア州、バージニア州、ワシントンDCに直接就航している。この施設は、約 1 時間あたり 46,000 個の個別の荷物を処理する能力を持ち、323,000平方フィート(30,000 m2)の荷物仕分け施設に加えて、49,000平方フィート(4,600 m2)の貨物施設も運営している。
マイアミ国際空港
[編集]主に中南米へのハブ空港。36,000平方フィートの施設で、1時間当たり6,500個の荷物を処理している。
オンタリオ国際空港
[編集]ロサンゼルスの東35マイルにある西海岸地域のハブ空港で、カリフォルニア、オレゴン、ワシントン州、アイダホ、ネバダ、モンタナ、ユタ、アリゾナ、ニューメキシコ、コロラド、ワイオミング、カンザス、ネブラスカ、アラスカ、ハワイに貨物便が就航している。1時間あたり67,000の荷物を処理できる。779,000平方フィート(72,400 m2)の荷物仕分け施設に加えて、49,000平方フィート(4,600 m2)の貨物施設も運営している。
フィラデルフィア国際空港
[編集]発着便数が北米で2番目に利用者の多いUPSのハブ空港である。毎時 95,000 個の荷物を処理できる。681,000平方フィート(63,300 m2)の荷物仕分け施設に加えて、66,000平方フィート(6,100 m2)の貨物施設も運営している。
国外
[編集]ジョン・C・マンロー・ハミルトン国際空港
[編集]カナダのハミルトンのジョン・C・マンロー・ハミルトン国際空港にもハブ機能を置いている。カナダ全土への運航拠点で、31,000平方フィートの施設をもち、毎時約6,000個の個別の荷物を処理している。
ルイス・ムニョス・マリン国際空港
[編集]プエルトリコのサンファンにある。
ケルン・ボン空港
[編集]ヨーロッパのメインハブ空港で、200か国以上への路線網を持つ。UPS第2位のハブで、323,000平方フィート(30,000平方メートル)の施設で1時間あたり190,000個の荷物を処理できる。1日で75便程度が発着する。
香港国際空港
[編集]ヨーロッパからアジアへの中継点で、45,000平方フィートの施設をもち、1時間に約4,500個の荷物を処理できる。
上海浦東国際空港
[編集]1時間に約17,000個の荷物を処理する、深圳と並ぶアジア地域におけるメインハブ空港。
深圳宝安国際空港
[編集]1時間に約18,000個の荷物を処理する、香港と並ぶアジア地域におけるメインハブ空港。
運航路線
[編集]現在、世界中の220以上の国と地域に就航し、米国内の388空港、378国外空港に就航している。ケンタッキー州ルイビルにある中央施設であるワールドポートを通じて運航しています。さらに、同社は全米で地域レベルでいくつかの施設を運営しています。それぞれの地域における拠点は、アメリカ合衆国ではもちろんルイビルだが、ヨーロッパではドイツのケルン、アジアでは中華民国の台湾桃園国際空港[5]とフィリピンのクラーク国際空港となっていたが[6]、2010年に中華人民共和国の深圳宝安国際空港にハブ機能を移転した。日本では成田国際空港と関西国際空港、北九州空港に乗り入れているが[6]、過去には中部国際空港に飛来していたこともある[7][8]。
保有機材
[編集]同社が発注したボーイングの貨物機におけるカスタマーコードは4Aである。
| 機種 | 運航機数 | 備考 |
|---|---|---|
| ボーイング747-400F | 11機 | |
| ボーイング747-400BCF | 2機 | |
| ボーイング747-8F | 30機 | 2024年に中古機を購入する予定[9] |
| ボーイング757-200PF | 75機 | ローンチカスタマー |
| ボーイング767-300ERF | 78機 | ローンチカスタマー あと21機納入予定 |
| ボーイング767-300BCF | 5機 | |
| ボーイング767-300BDSF | 4機 | |
| エアバスA300-600RF | 52機 | 2021年よりアビオニクス改修工事を実施[10][11] 但し経年機は改修せず退役予定 |
| マクドネル・ダグラスMD-11F | 27機 | 日本航空が旅客型として使用していた機体を受け継いだものもある。 767導入に伴い、順次退役予定[12]。 |
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ボーイング747-400F
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ボーイング747-400BCF
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ボーイング747-8F
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ボーイング757-200PF
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ボーイング767-300ERF
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ボーイング767-300ERF(ウィングレット装着)
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エアバスA300-600RF
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マクドネル・ダグラスMD-11F
退役機材
[編集]-
ダグラスDC-8F
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ボーイング727-100F
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ボーイング747-100F
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ボーイング747-200BF
事件・事故
[編集]脚注
[編集]- ^ “Press Releases”. www.pressroom.ups.com. 2019年9月29日閲覧。
- ^ “三大インテグレーターの航空輸送ネットワークとアジア展開”. 2019年9月30日閲覧。
- ^ a b “1930 - 1980: UPS - 日本”. www.ups.com. 2019年9月30日閲覧。
- ^ a b “1981 - 1990: UPS - 日本”. www.ups.com. 2019年9月30日閲覧。
- ^ “UPS Air Cargo - Home”. 2020年6月7日閲覧。
- ^ a b 日本発着国際線 旅客機アルバム(2018-2019). イカロス出版. p. 296
- ^ “中部国際空港 UPSも運休、貨物便半減へ”. 物流ウィークリー. 2019年10月2日閲覧。
- ^ “U P S” (PDF). 2019年10月2日閲覧。
- ^ UPS to introduce second-hand Boeing 747-8Fs in 2024 - aerotinehub 2023年3月23日
- ^ UPS Announces Successful Test Flight of A300 with Flight Deck Upgrades- AirlineGeeks.com 2019年9月23日
- ^ “First UPS' A300 facelift completed | Airbus” (英語). www.airbus.com (2021年10月28日). 2022年8月8日閲覧。
- ^ FedEx & UPS Push Forward With MD-11 Retirement Plans - simpleflying.com 2023年3月26日