ゲーム理論

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ゲーム理論(ゲームりろん)は、20世紀半ばに確立された数学の一分野。

目的を持つ複数の主体が、定式化された制約条件下で戦略を持ちそれぞれの目的達成に向けて行動する状況での、個々の主体や集団としての振る舞いについて研究する学問である。

目次

[編集] 歴史

フォン・ノイマンが、頭の中でチェスをしているときに着想したと言われる。 ノイマンは1928年の論文等である程度の理論自体は構築したが、この時点では理論はまだ数学的に難解で、用途も分かりにくいものであったため爆発的に広まるには至らなかった。しかしオスカー・モルゲンシュテルンがゲーム理論の重要性を見抜き、『ゲームの理論と経済行動』(Theory of Games and Economic Behavior, 1944) をノイマンと著す。ノイマンが理論的な部分の大半を担当し、経済分析の大部分はモルゲンシュテルンが担当したとされる。一般的に、ノイマンによってミニマックス定理(ミニマックス法)が証明された事、ならびに上記著書『ゲームの理論と経済行動』をもって分野の本格的な始まりとすることが多い。 その後、ラインハルト・ゼルテンジョン・メイナード=スミスジョン・ナッシュジョン・ハーサニロバート・オーマントーマス・シェリングロイド・シャプレーなど、数学的晴眼を持つ若者達を引きつけ、これによりゲーム理論は次第に洗練されていく。また進化ゲームの登場によりゲーム理論は様々な分野に応用され、それぞれの分野に多大な影響を与えた。

[編集] 対象・目的

ゲーム理論の分析の対象となるのは、次のような状況である。

  • 複数の行為主体が存在する。
  • 各行為主体は、各自の目的を持つ。
  • 各行為主体の行動は、状況や他の行為主体に影響を与える

ゲーム理論の研究の目的として、次のようなものがある。

  • 特定の行為主体の最適戦略決定
  • そのゲームのダイナミクスの解析

ゲーム理論においては各主体や集団、その状態、その状態遷移、その戦略、その目的、そのルールとしての制約条件が数学的に記述されることが要求される。 このような条件を満たす身近な例として、将棋チェスなどのようなゲームがあり、ゲーム理論の名もこれに由来する。また、経済活動などにもそのルールを定式化することで適用可能である。

[編集] ゲーム理論の応用

ゲーム理論は純粋数学としての解析的研究のみに留まらず、工学の各種分野で幅広く応用されている。 とりわけ情報工学での応用が盛んであり、次世代通信ネットワークトポロジー構築アルゴリズムへの貢献が期待されている。

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[編集] 社会科学への応用

ゲーム理論は経済学経営学心理学社会学政治学など社会科学への応用も多く見られ、特に経済学において大きな成功をおさめている。

ゲーム理論を駆使することでノーベル経済学賞を受賞した学者や候補と目される学者は少なくない(1994年:ジョン・F・ナッシュラインハルト・ゼルテンジョン・C・ハーサニーの3名、2005年:ロバート・オーマントーマス・シェリングの2名)。また、ゲーム理論に強い影響を受けた情報の非対称性をもつ市場分析によって、ジョージ・アカロフマイケル・スペンスジョセフ・スティグリッツの3名が2001年に経済学賞を受賞した。

[編集] 関連項目

[編集] 参考文献

  • 岡田章 『ゲーム理論』 有斐閣、1996年12月。ISBN 4-641-06794-5
  • 金子守 『ゲーム理論と蒟蒻問答』 日本評論社、2003年4月。ISBN 4-535-55288-6
  • 川西諭 『ゲーム理論の思考法』 中経出版、2009年9月。ISBN 978-4-8061-3470-1
  • ジョン・フォン・ノイマン・オスカー・モルゲンシュテルン 『ゲームの理論と経済行動』 阿部修一・銀林浩・下島英忠・橋本和美・宮本敏雄、筑摩書房〈ちくま学芸文庫〉、2009年。ISBN 978-4-480-09211-3Von Neumann, John; Morgenstern, Oskar (2007-03-19). Theory of Games and Economic Behavior, Princeton Classic Editions, Princeton Univ Press. ISBN 0691130612. 
  • ロバート・アクセルロッド 『つきあい方の科学――バクテリアから国際関係まで』 松田裕之、ミネルヴァ書房〈Minerva21世紀ライブラリー〉、1998年5月。ISBN 4-623-02923-9Axelrod, Robert (1985-10-01). The Evolution of Cooperation. Basic Books. ISBN 0465021212. 
  • ロバート・アクセルロッド 『対立と協調の科学――エージェント・ベース・モデルによる複雑系の解明』 寺野隆雄、ダイヤモンド社、2003年6月。ISBN 4-478-19047-XAxelrod, Robert (1997-08-18). The Complexity of Cooperation: Agent-Based Models of Competition and Collaboration, Princeton Studies in Complexity. Princeton Univ Pr. ISBN 0691015678. 
英語版
  • Dixit, Avinash; Skeath, Susan (June 1999). Games of Strategy. W W Norton & Co Inc (Np). ISBN 0393974219. 
  • Hargreaves-Heap, Shaun; Varoufakis, Yanis (2004-04-15). Game Theory: A Critical Text. Routledge. ISBN 0415250951. 
  • Kelly, Anthony (2003-03-27). Decision Making Using Game Theory: An Introduction for Managers. Cambridge University Press. ISBN 0521814626. 
  • Fudenberg, Drew; Tirole, Jean (1991-08-29). Game Theory. Mit Press. ISBN 0262061414. 
ドイツ語版
  • Eigen, Manfred; Winkler, Ruthild (November 1988). Das Spiel. Naturgesetze steuern den Zufall (de). Piper Verlag GmbH. ISBN 3492021514. 
  • Schlee, Welter (2004-09-15). Einführung in die Spieltheorie. Mit Beispielen und Aufgaben (de). Vieweg+Teubner. ISBN 3528032146. 

[編集] 外部リンク