じゃんけん
じゃんけんは、手だけを使って3種類の指の出し方(グー、チョキ、パー)で三すくみを構成し、勝敗を決める手段である。日本で拳遊びを基に考案されたが、現代では世界的普及も進んでいるのである。
日本国内では「じゃいけん」「いんじゃん」など地域によって様々な呼び方がある。中国では「猜拳」と呼ぶ。英語圏の場合、イギリスでは "Scissors Paper Stone" などと表現されることもあるが、イギリスやアメリカ合衆国を含めて多くは "Rock-paper-scissors" という呼称が使われている(表記上の揺れは数種類ある[注 1]。略号はRPS[要出典])。
目次 |
[編集] 概説
偶然によって簡便になんらかの物事を決定する必要があるときに使われる。コイントスやくじなどのように道具を用意する必要が無く、短時間で決着が付く。勝ち負けを決める簡便な手段として用いられるほか、じゃんけんを複数回行って何連勝できるかなど、ゲームとして用いられることもある。
じゃんけんに類似した拳遊びの類は日本に限らず世界中にあり、グー、チョキ、パーの三すくみを用いる一般のじゃんけん以外にも、一度に大人数で勝敗や組み分けを決めるために、多い勝ち、うらおもて、グーパーなどがある。
[編集] 歴史
現在行われているじゃんけんは意外に新しく、近代になって(19世紀後半)誕生したものである。ウィーン大学で日本学を研究する『拳の文化史』の著者セップ・リンハルトは、現在の「じゃんけん」は江戸時代から明治時代にかけての日本で成立したとしている[1]。『奄美方言分類辞典』に「奄美に本土(九州)からじゃんけんが伝わったのは明治の末である」と記されており、明治の初期から中期にかけて九州で発明されたとする説を裏付けている[2]。また、江戸時代末期に幼少時代を過ごした菊池貴一郎(4代目歌川広重)が往事を懐かしんで、1905年(明治38年)に刊行された『絵本江戸風俗往来』にも「じゃんけん」について記されている[3]。今でも西日本に多く残る拳遊びから(日本に古くからあった三すくみ拳に17世紀末に東アジアから伝来した数拳の手の形で表現する要素が加わって)考案されたと考えられる。
日本の拳遊びには、数拳(本拳、球磨拳、箸拳、ほか)と三すくみ拳(虫拳、蛇拳、狐拳、虎拳、ほか)がある。
じゃんけんでは数拳の1、3、4は省かれ、分かりやすい0と5と中間の2を残し、新しく意味を「石」「鋏」「紙」として三竦みを完成させた。
チョキはもともと人差し指と親指を伸ばす数拳での2を表す方式「男チョキ」であったが、日本国内を伝播するうちに人差し指と中指を使うもの「女チョキ」が派生した。じゃんけんの基と成った遊びの多くが九州を中心とした西日本に多く分布し、古い形態である「男チョキ」も九州を中心とした西日本に多い(韓国でも「男チョキ」が行われている)。
19世紀に誕生したじゃんけんは20世紀に入ると、日本の海外発展や柔道など日本武道の世界的普及、日本産のサブカルチャー(漫画、アニメ[旧称:ジャパニメーション]、コンピュータゲーム等々)の隆盛などに伴って急速に世界中に拡がった。
[編集] 歴史参考
江戸時代後期の歌舞伎作家・西沢一鳳が1850年(嘉永3年)に著した『皇都午睡(みやこのひるね)』には「近頃東都にてはやりしはジヤン拳也 酒は拳酒 色品は 蛙ひとひよこ三ひよこひよこ 蛇ぬらぬら ジヤンジヤカ ジヤカジヤカジヤンケンナ 婆様に和藤内が呵られて 虎はハウハウツテトロテン なめくでサア来なせへ 跡は狐拳也」とあるが、これは現在のじゃんけんとは別もので、虫拳の類いではなかったかと推定される。
一方、明代末期の中国で書かれた『五雜俎』によると、漢代中国には「手勢令」と呼ばれるゲームがあったという。『五雜俎』では「手掌を以て虎膺とし、指節を以て松根とし、大指を以て蹲鸱とする」などの手勢に関する詳しい記載があるが、遊び方に関して「用法知らず」とされ、当時「捉中指」という遊びのルーツではないかと作者が推測している。『全唐詩』の八百七十九巻に「招手令」に「亜其虎膺、曲其松根。以蹲鸱间虎膺之下」、そのルールと思われる記述がある。「蹲鸱を以て虎膺の下とす」から、三すくみ的要素を見て取れるが、これも内容から見て現在のじゃんけんとは別ものである。
○○拳は、中国では主に拳法のことであるが、中国でも明代に書かれた『六研斎筆記』に「謂之豁拳」の記述があり、拳遊びのことを「猜拳」「画拳(かくけん)」「豁拳」などと呼んでいた。拳遊びを○○拳と呼ぶのは、中国の影響が考えられる。現代の中国語でもじゃんけんは「猜拳」と呼んでいる。
- http://square.umin.ac.jp/massie-tmd/rpsmap.html
- 赤は存在が確認された国。ピンクは、少なくとも一部の人は知っている国。黄色は存在が否定的な国。
- 日本と密接な関係を持っていたイギリスの旧植民地等にじゃんけんが分布しているのが分かる。紙・鋏(はさみ)・石のじゃんけんは日本起源で、近代以降、日本人の移民や交流で世界各地に広がり、日本との接触が少ない所では、紙・鋏・石のじゃんけんは普及していない。また、この図では未調査に成っているが、南アメリカでも日本人が入植した地域を中心にじゃんけんが行われている。
- 日本や世界一般では、3つある手はそれぞれ「石」「鋏」「紙」に由来すると説明されるが、中国や朝鮮では「石」「鋏」「布」で、日本から朝鮮へ伝播した際に「紙」が「布」に置き換わったようだ。これは日本の和紙は薄く大変丈夫であったのに対し、じゃんけんが伝わった当時の朝鮮製の紙(韓紙)は分厚くごわごわしており石を包むことが考えにくかったからであろう。韓国語のじゃんけんの掛け声は「カウィ(鋏)・バウィ(石)・ボ(布)」である。
- 19世紀後半の明治になるまで鎖国していて一切の日本人の外国への渡航を禁止していた日本に対し、19世紀中ごろのアメリカ大陸横断鉄道建設の労働者等、欧米に早くから多くの移民を送り出してきた中国式の「石」「鋏」「布」が世界標準とならなかったのは、当時の中国人がまだ現在のじゃんけんを知らなかったからであり、中国に現在のじゃんけんが伝来したのは、日本の明治以降のことだからである。現在の中華人民共和国西部地区(新疆ウィグル)や中央アジアでは未だにじゃんけんがほとんど普及していない。中国語ではじゃんけんの掛け声は「シータォー(石)・チェンツ(鋏)・プー(布)」であるが、「ジャン・ジン・ボー」などと言う人もいる。また、高齢者の中にはじゃんけん(石・鋏・布)を知らない人もいる。
- 2002年(平成14年)、世界各地のじゃんけん系ゲームのルールを統一し、世界大会を開くためとして the World Rock Paper Scissors Society(略号:WRPS)がカナダで結成された。WRPSは元々は1842年にイギリスで設立されたと主張しているが、この年にはまだ現在のじゃんけん自体がこの世の中に存在していなかったので、これはWRPSのジョークである。
- WRPS自体が冗談で創られたものである。じゃんけんが1842年当時イギリスで既に行われていたなら、旧大英帝国領を中心にじゃんけんは普及しているはずであり、他のヨーロッパ諸国にもイギリスから伝わった明らかな痕跡が見られるはずであるが、そのような事実はない。ヨーロッパ諸国のじゃんけんは「女チョキ」しかなく日本の関東地方から伝わったようである。日本ではじゃんけんに限らず、パーを出す場合は五指が離れるように広げるが、WRPSのじゃんけんでは(■右の画像のように)五指をそろえる。これは、「パーは紙である」という意味しか伝わらなかったために生じたものであろう(日本国内で伝播する際に鋏のイメージから「女チョキ」が生まれたのと同様)。このようなことからも、WRPSの歴史が極めて新しいことが分かる。数十年前に日本人が海外での体験を書いた書物を調べると、日本人同士がじゃんけんをしていると欧米人が不思議に思い、何をしているのかと質問されたとの記事が散見され、最近まで欧米ではじゃんけんがほとんど知られていなかったことが確認できる。日本が舞台となった『007は二度死ぬ』(1967年(昭和42年))原作の小説では、日本的な雰囲気を出すために主人公ジェームズ・ボンドがじゃんけんをする場面が登場する。
[編集] 語源
じゃんけんの語源は2人で行うから「両拳」(りゃんけん)[注 2] チョキを示す「鋏拳」(じゃーちゅあん)が変化したとする説、「石拳」(じゃくけん、いしけん)の「じゃくけん」が変化した説、「蛇拳」(じゃけん)説、じゃんけんの広東語「猜拳」(チャイキュン)説や他にも多くの説があるが不明である。
じゃんけんぽんの語源にも仏教語の料間法意(りゃけんほうい)説や長崎の唐人が伝えたという様拳元宝(ヤンケンエンポウ)説、一般的な掛け声のホイが転化したという「じゃんけん+掛け声」「じゃんけんほい」説があるが不明である。
以下のようにグー・チョキ・パーはすべて日本語であるという説もある。
- ぐっと拳を握るからグー
- チョキンと切るからチョキ
- ぱっと手を広げるからパー
[編集] ルール
じゃんけんは2人以上の参加者によって行う。参加者は向き合い(あるいは円になり)、片腕を体の前に出す。参加者全員で呼吸を合わせ、「じゃん、けん、ぽん」の三拍子のかけ声を発し、「ぽん」の発声と同時に出した腕の先に「手」を出す。この「手」の組み合わせによって勝者と敗者を決定する。
勝負が決定しなかった場合を「あいこ」と言う。あいこのときは「あい、こで、しょ」のかけ声を同様に行い、「しょ」で再び「手」を出す。「あいこでしょ」は勝敗が決定するまで繰り返される[注 3]。
「じゃんぽんけん」と言う場合もあり、その場合は通常ルールでは負ける人が、勝つというルールであり、 通常ルールでは勝つ人は、この場合は負ける。
[編集] 「手」の種類
じゃんけんの「手」は指の動きによって表され、以下の三つがある。
[編集] グー
五本の指を全て握る。親指を他の四本の指の中に入れるかどうかは任意である。グーは「石」の象徴であるとされる。数拳では0を意味する
[編集] チョキ
「チー」「ピー」「キー」と呼ぶ地域もある。
5本のうち、2本の指を伸ばし、それ以外を全て曲げる。チョキは「鋏(はさみ)」の象徴であるとされる。チョキには2種類あり、親指と人差し指を伸ばすチョキを「男チョキ」、人差し指と中指を伸ばすチョキを「女チョキ」という呼び方がある。「男チョキ」は数拳の2でありチョキの原型である。「女チョキ」は形が鋏のイメージにより近いために新たに生まれたもの。「男チョキ」は東京など東日本には普及しなかったので一部には「田舎チョキ」とよばれたりする。このように全国的には「女チョキ」が主流である。
数拳では2を意味する。
[編集] パー
五本の指を離して広げる。パーは「紙」の象徴であるとされる。数拳では5を意味する。
[編集] その他の型
上記三つの型の他に、チョキの型にさらに親指を伸ばした型もある。握られた小指と薬指がグー、中指と人差し指でチョキ、伸ばした三本の指でパーを表し、必ず勝てるというものである(グーチョキパーなどと呼ばれたりする)。ただし、原則的に無効とされ、やり直しになる。
他にも、グーから親指を立てた爆弾も存在する。言うまでもなく原則的に無効。
[編集] 勝敗の決定
勝敗に関しては、次のようなルールが定められている。
- グーは、チョキに勝ち、パーに敗れる。
- チョキは、パーに勝ち、グーに敗れる。
- パーは、グーに勝ち、チョキに敗れる。
2人のときは、以上に加え、両者が同じ手を出したときには「あいこ(引き分け)」となる。
3人以上のときは、全員が出した「手」が三つのうち二者だけであったときに勝負が決する。たとえば、5人中2人がパー、3人がグーを出したならば、パーを出した2人が勝者となる。全員が同じ手を出したときや、グーチョキパー全てが出たときには「あいこ」になる。
一見して分かるとおり、グー・チョキ・パーの三者は三すくみの関係にあり、三つの「手」の間には特別な有利不利はない。この三者の関係は、そのモデルである「石」「鋏(はさみ)」「紙」を考えると理解しやすい。つまり、以下のとおりである。
- 「石」は「鋏(はさみ)」では切れない。よって、「石」の勝ち、「鋏」の負け。
- 「鋏」は「紙」を切り刻む。よって、「鋏」の勝ち、「紙」の負け。
- 「紙」は「石」を包み込む。よって、「紙」の勝ち、「石」の負け。
なお、「ぽん」のタイミングに「手」が出なかった場合はやり直しになる。特に、意図的にタイミングを遅らせて、相手の手を見てから自分の手を出す行為は「遅出し」「あと出し」と呼ばれる反則であり、負けと見なされることがある。また逆に、親の出した手を瞬時に判断し、勝てる手を出すあと出しじゃんけんもある。
[編集] 複数人における決着を早く行う方法
上で述べたルールによれば、対戦者が増えるほど「あいこ」になる確率が増えるため、決着が遅れることがある。このため次のような対策がとられるのが普通である。
[編集] 審判がいない場合
- 「パー」だけを使ってするじゃんけんでうらおもてと呼ばれる。「うらかおもて」等の掛け声を言いながら「パー」を出す、このときに掌(てのひら)を上向きが「表」、掌を下向きが「裏」とし、「裏」と「表」の人数を数え数の少ない方を勝ち、または負けとする(始める前に決めておく。通常、勝ちを決める場合は少ない方を勝ち、負けを決める場合は少ない方を負けとする)。最後に二人残った場合はじゃんけんをする。1970年(昭和45年)頃に始まったが、最近は新興のグーパーの方が盛んである。
- グー・チョキ・パーの関係を一時的に無視し、最も多く、もしくは少なく出されたものを勝者とする。最後に二人残った場合はじゃんけんをする。
- 「グー」と「パー」だけを使ってするじゃんけんで「グーパー」または「グーパージャン」と呼ばれる(他に、「グットッパ」、「グッパージャス」と呼ばれることもある)。「グーとパーでわかれましょ」(主に東日本で使われる)「グッパでわかれましょ」(主に西日本で使われる)等の掛け声を言いながら「グー」または「パー」を出す、「グー」と「パー」の人数を数え数の少ない方を勝ち、または負けとする[注 4]。最後に二人残った場合はじゃんけんをする。このやり方は上記2つのやり方を参考に生まれたものとする説もある。また、このグーパーは、チームを決めるときなどに用いられることもある。その際は、人数が偶数であれば、グーとパーを出した人数が等しい際に勝負が決まり、それでチームが分けられたりもする。なお、この類似として「グッチョ」(グーチョキ、グッチ、グーキー、グッピー)など、相手が普段やりなれていない方法を用いて、相手の混乱を誘う方法が、近年は西日本の方で盛んである。この際は主催者となる人物は、事前に告げることなく掛け声「グッチョでわかれましょ」等をかけることが多い。
- 多い勝ち、または、多いもん逃れ(ローカル)がある。掛け声と共に、グー、チョキ、パーの何らかを出す。多いものが勝者という一種の多数決に似ている仕組み。もちろん最低3人はいないと成立しないため、二人になれば普通のじゃんけんに変わる。なお、この仕組みは仕掛けられる場合があり、はめられるケース(あるいは、その地域において暗黙の了解として常識的な手が決まっている場合があり、それを知らなかった者が負ける)もある。そのような内通を防ぐため、互いに共謀できない少ない者勝ちのじゃんけんも広く行われている。細部のルールも地域ごとに微妙に異なる。
- 隣接する2人同士でじゃんけんし、勝った者同士、負けた者同士で再びじゃんけんを行う。対戦者が奇数の場合3人で対戦するか、1人がシード権を獲得する。
[編集] 審判がいる場合
- 審判が出した手と、各対戦者の手によって脱落者を決め、これを繰り返して最終的な勝者・敗者を決める。
- 集団で行う場合は、「一人 対 多数であいこは負け」とする。これは、関口宏が情報番組『テレビあっとランダム』のなかで始めたものである。
- あいこを負けとしない場合もある。また、審判に負けた者が毎回残って敗者を選ぶ場合もある。選出する人数に近い人数が残った場合、普通のじゃんけんで決めることが多い。
[編集] 確率としてのじゃんけん
じゃんけんは偶然性に多くを支配されるゲームであるという特性から、しばしば確率の問題(設問)などで使われることがある[4]。「グー」「チョキ」「パー」を出す確率をそれぞれ3分の1とすると、2人での対戦の場合、あいこが重なっても平均すれば、1.5回で勝敗が決着する[4]。
[編集] あいことなる確率
じゃんけんをn人で行うとすると、1回の試行であいことなる確率は
となる。
[編集] 「じゃんけんぽん」のバリエーション
「手」を出し合うときの掛け声「じゃんけんぽん」は、標準的なものであるが、これには主に地方ごとに様々なバリエーションがあり(例:「じゃんけんぽい」「じゃんけんほい」「じゃんけんぽ」「いんじゃんほい」など)、また、時おり同じ市町村でも地域によって異なる場合がある。通常の掛け声のパターンとメロディに乗せるパターン(京都など近畿地方に多い)に大別される。
[編集] 心理戦
じゃんけんは偶然性に多くを支配されるゲームである一方、心理戦の側面も有している。これは、競技の性質上、相手が何を出すのかが事前に分かっていれば確実に勝つことができるため、それを何らかの方法で読み取ろうとする努力がときになされるためである。
例えば、2人での勝負において、2回連続で互いにグーであいこになったとする。このとき、相手は何を出すかを考えると、一番単純なのは相手がまたグーを出すことであるから、それに勝つパーを出す作戦が考えられるが、相手も同じ考えをしてくるならばパーに勝つチョキを出すべきである。さらに、相手がそこまで見越してチョキを出してくることを想定して、再びグーを出す作戦も考え得る。このように、競技の性質から、思考は堂々巡りに陥ることになるが、相手の人となりを知っているのなら、そこから「どこまで考えを巡らす人物であるか」などを考慮に入れ、最終的に相手が出すであろう手を予測することになる。
また、1回目がグー・2回目がチョキであいこになったとすれば、「グー・チョキ・パー」という語呂から3回目にはパーが出てくる可能性が高い。特に、「あいこでしょ」がテンポ良く行われている場合には、別の手を出すまでに考えが至らないことも多く、テンポに乗せられてパーを出してしまう可能性も多い。テンポが速い場合には、手の決定は瞬間的・反射的に行われることが多いため、こういった予測が一層効果的であるとする考え方もある。
複数ラウンドによる勝負では、心理戦の要素は一層高まる。相手の性格と前回相手が出した手から、次に出す手を判断しそれに勝つであろう手を出すという作戦をとることができる。特に子供同士でじゃんけんを行っているときや酒が入るなど、判断力が低下した場でのジャンケンは顕著に性格が出るため、例えば前回相手が負けたなら、その負けた手に勝つ手を出すという作戦をとることができる。例えば、パー対グーで負けたときにはパーに勝つために相手はチョキを出すと予想し、グーを出すという作戦である。
1回勝負であったとしても、心理戦の要素を持ち込むことができる。実際のじゃんけんに入る前に、相手に「何を出すのか」と尋ねたり、「自分はグーを出す」などと相手に宣言するなどして、相手がそれに対してどう判断するかを予測したりして、心理戦を生じさせることができる。
別の方法は、自分の前で両の掌(てのひら)を、右掌が左側に、左掌が右側になるような形で合わせ、両手の指を結び合わせ、肘と手首を曲げながらその結び合わせた手を自分の顔の前に持ってくるものである(手をいったん下方に動かしてから自分の前に持ち上げる形をとる)。結び合わされた手は、小指の側が自分の顔に近く、親指の側が自分から遠くにあるが、その手を覗き込むようにして、結び合わされた親指の隙間から見える光の形を見る。
[編集] 派生した遊び
じゃんけんを基本ルールにした遊びとして最も有名なものとしては「あっち向いてホイ」がある。
そのほか、「グリコ」「たたいて・かぶって・ジャンケンポン」「グリンピースじゃん」「軍艦じゃんけん」「ドンパッパ」「ビームフラッシュ」「猿さんべん」などがあり、また、「脚じゃんけん」「舌じゃんけん」など、手以外の体の部分を使って遊ぶものがある。あるいはまた、「最初はグー じゃんけんポンとだすアホがおる」などという、ひっかけのじゃんけんもあった。
野球拳でもじゃんけんを行うが、これは派生したものとは違う。※該当項目にて詳述する。
[編集] 主要な大会
日本ではじゃんけんだけの大会が開かれることはほとんどないが、普及し始めて日の浅い地域では新知識に対する感動が大きく、世界大会が開かれるようになった。日本ではグーパーじゃんけん等があるので大人数でもじゃんけんのトーナメント戦はほとんど行われなくなったが、世界大会はトーナメント方式で戦われている。
- World Rock Paper Scissors Society sanctioned tournaments
| 開催年 | 開催地 | メダル | チャンピオン | 性別 | 国籍 | 出典 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2002年 |
(カナダ) |
Peter Lovering | 男 | [5] | ||
| Moe Asem | 男 | |||||
| Dave Ferris | 男 | |||||
| 2003年 | Rob Krueger | 男 | ||||
| Marc Rigaux | 男 | |||||
| Patrick Merry | 男 | |||||
| 2004年 | Lee Rammage | 男 | ||||
| Heather Birrell | 女 | |||||
| Chris Berggeren | 男 | |||||
| 2005年 | Andrew Bergel | 男 | ||||
| Stan Long | 男 | |||||
| Stewart Waldman | 男 | |||||
| 2006年 | Bob Cooper | 男 | ||||
| Bryan Bennett | 男 | |||||
| Tom Smith | 男 | |||||
| 2007年 | Andrea Farina | 女 | [6] | |||
| 2008年 | Monica Martinez | 女 | ||||
| 2009年 | Tim Conrad | 男 |
- USA RPS Championship
- National Xtreme RPS Competition 2007-2008
- UK Rock Paper Scissors Championship
- World Series of Rock Paper Scissors
- Red Bull Roshambull World Online Series
[編集] じゃんけんに関連した作品
じゃんけんにおける心理戦の側面や、勝敗に伴って何らかの利得を得、または負担を負うことを約して勝負を行った場合の「ギャンブル」としての側面などを題材としたフィクションが存在する。じゃんけんの特性上、それを題材として中長編の作品を作ることは困難であるため、作中の一エピソードとして、または、短編として扱われる場合が多い。
[編集] 小説・児童文学
- ジャンケン入門 (清水義範) - ISBN 978-4-0418-0406-3。
- 七人の武器屋(大楽絢太) - 異常にじゃんけんの強い人物が登場する。
- 全日本じゃんけんトーナメント(清涼院流水) - ISBN 978-4-8772-8800-6。
- かいぞくポケット(寺村輝夫) - 部下の名がジャン・ケン・ポンで、じゃんけんをするシーンもある。
[編集] 楽曲
- やきいもグーチーパー - 1969年(昭和44年)。童謡。作詞:阪田寛夫、作曲:山本直純。
- ジャンケンパラダイス - 1984年(昭和59年)。歌:本間勇輔。『ひらけ!ポンキッキ』シリーズより。
- ジャンケンポンのヒロイン - 1986年(昭和61年)。歌:うしろゆびさされ組。
- 世界はグー・チョキ・パー - 1994年(平成6年)。歌:武田鉄矢一座。映画『ドラえもん のび太と夢幻三剣士』のエンディングテーマ曲。
- ミニモニ。ジャンケンぴょん! - 2001年(平成13年)。歌:ミニモニ。
[編集] 漫画
- 美味しんぼ - 単行本第26巻に掲載されている「世界を包む」において、じゃんけんをつかったエピソードが紹介されている。
- おごってジャンケン隊、社長DEジャンケン隊 - (現代洋子)
- 格闘お遊戯 - ジャン拳という拳法が登場する。(小林よしのり)
- 激戦!!ジャンケン島(澤井啓夫)
- ジャンケンポン - 三人兄弟の名前がジャン・ケン・ポン。(泉昭二)
- ジョジョの奇妙な冒険 - Part 4 ダイヤモンドは砕けない 「ジャンケン小僧がやって来る!の巻」 (荒木飛呂彦)
- 賭博黙示録カイジ - 「限定ジャンケン」(福本伸行)
- HUNTER×HUNTER - GI編の必殺じゃんけん必勝法。
- 星のカービィ デデデでプププなものがたり - 本来カービィはグーしか出せないが、コピー能力を駆使してのじゃんけんが使える。
- ミナミの帝王 - 「人は緊張すると複雑な形のチョキが出難くグーが出易い」という作戦が登場する。(原作・天王寺大、作画・郷力也)
- 幽☆遊☆白書 - 桑原和真、蔵馬、飛影の三人が試合への出場権をかけてじゃんけんをし、数十回あいこの末に決まった。
[編集] アニメ
- 視聴者相手のじゃんけん
- 古代王者 恐竜キング Dキッズ・アドベンチャー - 毎週、CM後のアイキャッチで視聴者を相手に見立て、じゃんけんを行っている(ガブが視聴者の相手をする)。
- サザエさん (1991年(平成3年)10月20日より) - 毎週、次回予告の終了間際に行っている。
- パタパタ飛行船の冒険 - 次回予告の後、SD化されたキャラがじゃんけんをしていた。
- ボボボーボ・ボーボボ - 視聴者相手のじゃんけんをやり、ボーボボが占いをした。
- うちの三姉妹 - OP(2代目)の歌詞でじゃんけんが三姉妹言葉で歌われている。
- ジャンケンマン
- 日常 - アニメの初期、および最終回にミニコーナーとして「日常のじゃんけんコーナー」が存在した。
[編集] ゲーム
野球拳の系統を除く。
- ジャンケンマン
- たけしの戦国風雲児
- サラダの国のトマト姫
- じゃんけんディスク城(『ファミマガディスク』シリーズ:じゃんけん勝負ではなく、グー・チョキ・パーのパネルを使ったパズル)
- 桃太郎伝説(シリーズ一部:じゃんけん勝負ではなく、グー・チョキ・パーのパネルを使ったパズル)
- エッガーランド(初代最終ボス戦)
- 遊人のふりふりガールズ
- ドラゴンボール3 悟空伝
- 鈴木爆発(じゃんけんに3回勝てば爆弾解体扱いとなるステージがある)
- 実況パワフルプロ野球2011(サクセスモードのイベント。草野球でじゃんけんに勝てば4番で出場、負けると草むしり)
[編集] その他
これらの作品のほかに、じゃんけんのルールとは関係なく、攻撃手段をそれぞれグー・チョキ・パーに見立てた必殺技が登場する作品もある。代表的なものにドラゴンボールの「ジャン拳」、HUNTER×HUNTERの「ジャジャン拳」など。
[編集] テレビ番組におけるじゃんけん
- コント内におけるじゃんけん
- 正式なフレーズは「最初はグー、またまたグー、(「お次はチョキ」のところもある)、いかりや長介頭がパー、正義は勝つとは限らない」である。
- 現在でも遊びや草野球などのゲームで先攻後攻を決める際に、調子付け的な意味を込め出だしの言葉として「最初はグー!」と、じゃんけんを始める場合が見受けられる。これはそれまで全国で統一されていなかったじゃんけんの掛け声を志村けんが統一したものと言われ現在では最初はグーが一般的になっている。
詳細は「志村けん」を参照
- 志村けんのだいじょうぶだぁ(フジテレビ系列) - 志村けんと石野陽子とのコントで「じゃんけんホイホイどっちひくの、こっちひくの、ビームシュワッチ!ビームシュワッチ!」という後半はウルトラマンにちなんだ仕草がある。
「ビームフラッシュ」も参照
- 出場者が司会者とじゃんけんを行うもの
- テレビあッとランダム(テレビ東京系列) - スタジオに来た観客全員が司会の関口宏を相手に集団じゃんけんを行い、最終的に勝ち残った1人に番組のその日のテーマに沿った賞品が当たる。「一人vs多数であいこは敗け」というルールでの集団じゃんけんをテレビで行った最初の番組といわれている。
- サムズアップ人生開運プロジェクト(テレビ朝日系列) - 司会のみのもんたと挑戦者が予告じゃんけんをして戦う番組。視聴率が悪くすぐに打ち切りになった。
- パオパオチャンネル(テレビ朝日系列) - 所ジョージが司会を務めた火曜日の放送に「勝ち抜き5じゃんけん」 というコーナーがあった。これは、両手、足、頭、口でグー・チョキ・パーを出し、差分で勝敗を決め勝ち抜いていくという視聴者参加型のコーナーであった。
- 出場者同士がじゃんけんを行うもの
- アメリカ横断ウルトラクイズ(日本テレビ系列) - 成田空港にて行われる「国内第二次予選」の方法として採用されていた。詳細は「アメリカ横断ウルトラクイズのクイズ形式」を参照。
- ダントツ笑撃隊!!(日本テレビ系) - あのねのねがコーナー司会を務める「ダントツ拳」があった。64人の一般参加者が「ビームシュワッチ!」のかけ声で、番組オリジナルのグー(両腕を前でクロス)、チョキ(両手を額に逆vの字にする)、パー(『ウルトラマン』のスペシウム光線ポーズ)を出して勝負。負けた人は原田伸郎と共に「負けちゃった、負けちゃった」と言って踊りながら退場。これを繰り返し、最後に残った1人が優勝となる。
- 笑っていいとも!(フジテレビ系列) - 「ジャンケン誕生日」というコーナーが有った。放送日に誕生日を迎える50人ほどをステージに招き、出場者同士で生残りじゃんけんを行う。最後まで残った人が誕生会をあげられる。
- 大正テレビ寄席(テレビ朝日系) - 番組後期、「チュー拳 勝抜き大合戦」というコーナーが有った。会場から参加した一般人が、リズムに乗りながら、司会の牧伸二の「ハチ公顔負け、チュー拳ホイ!」のかけ声でじゃんけんをする。
- キャラクターが視聴者相手にじゃんけんを行うもの
- ポンキッキーズ(フジテレビ系列) - 短いコーナーでCGキャラクター「コニーちゃん」がテンポの良い掛声「ジャカジャカジャンケン」に乗って視聴者相手に行う。
- サザエさん(フジテレビ系列) - 番組最後に次回予告の紹介後、主人公の「サザエ」がそれぞれグー・チョキ・パーの描かれたパネルを出す。
- じゃんけんキッズ(TBS系列) - ブリッジで、番組キャラクター「ジャンケル」が視聴者相手にじゃんけんをする。
- アイドリング!!!(フジテレビ系列)-出演者が椅子に座り、「あっちむいてホイ(あっちむいてパイ)」(この時にじゃんけんを要する)をし、負けたほうがパイ投げを受ける。
- その他
- がんばれ!!タブチくん!! - 映画シリーズに、主人公がじゃんけんで負けるとトレーニングをしない代わりに家事を任されるというのがある。
- ジャポニカ学習帳(発売:ショウワノート)のCM - ジャポニカ王子(声:竹内順子)と仲間たちが登場し、ジャポニカ王子とじゃんけんを行うCMがある。
- 三枝の結婚ゲーム(朝日放送・テレビ朝日系) - 後期のハワイ旅行獲得ゲームで、じゃんけんが使用された。
また、正式なじゃんけんではないが、『オールスター親子で勝負!』(日本テレビ系)では、カエル・ヘビ・ナメクジのジェスチャーで「虫拳」をやる「親子トリプルマッチ」があった。
[編集] 符号位置
| 記号 | Unicode | JIS X 0213 | 文字参照 | 名称 |
|---|---|---|---|---|
| ✊ | U+270A | - | ✊ ✊ |
グー |
| ✋ | U+270B | - | ✋ ✋ |
パー |
| ✌ | U+270C | - | ✌ ✌ |
チョキ |
[編集] 脚注
[編集] 注釈
- ^ "Rock Paper Scissors", "Rock, Paper, Scissors", etc.
- ^ じゃんけんぽんについての語源「じゃんけんぽん」は「両拳【石+並】」説 http://gogensanpo.hp.infoseek.co.jp/main2.html [リンク切れ]
- ^ 通常どおり、じゃんけんの掛け声を繰り返すこともある。時折、何度もあいこが繰り返されると「しょ」だけしか言わなくなることもある。「あいこでしょ」のかけ声を使わない場合は「ぽん」や「ぽい」だけとなる。
- ^ 始める前に決めておく。通常、勝ちを決める場合は少ない方を勝ち、負けを決める場合は少ない方を負けとする。
[編集] 出典
- ^ Linhart (1998)
- ^ 長田・須山 (1977)
- ^ 菊池 (1905)
- ^ a b 丸山 (2006)
- ^ “2003 World Rock Paper Scissors Championship” (en). All Things Considered (National Public Radio). (2003年10月24日) 2011-110-03..閲覧。
- ^ “Rock Paper Scissors crowns a queen as its champ - Weird News” (en). Canoe leading Canadian portal. Canoe Inc. (2007年10月25日). 2011年11月3日閲覧。
- ^ World Rock Paper Scissors Society (official website).
- ^ USA RPS League (official website).
- ^ UK Rock Paper Scissors Championships (official website).
[編集] 参考文献
- 菊池貴一郎 『絵本江戸風俗往来』〈50〉、鈴木棠三編、平凡社〈平凡社東洋文庫〉、1965年9月、1989年12月(原著1905年)。ISBN 978-4-5828-0050-0。
- セップ・リンハルト (Sepp Linhart) 『拳の文化史』 角川書店〈角川叢書〉、1998年12月25日。ISBN 978-4-0470-2103-7。
- 丸山健夫 『「風が吹けば桶屋が儲かる」のは0.8%!? ―身近なケースで学ぶ確率・統計』 PHP研究所〈PHP新書〉、2006年7月28日。ISBN 978-4-5696-5432-4。
- 『奄美方言分類辞典』上巻、長田須磨・須山名保子共編、笠間書院、1977年4月。ASIN B000J8V5WU。
[編集] 関連項目
- 虎拳
- 野球拳 :躍った後、「よよいのよい」で両者グーを出し、その後じゃんけんをする。「最初はグー」の元ネタ。
- じゃんけん将棋
- たたいて・かぶって・ジャンケンポン
- AKB48 19thシングル選抜じゃんけん大会
- モラ (ゲーム) :西洋で広く知られている指を使った、じゃんけんに似た遊び。
[編集] 外部リンク
- “日本じゃんけん協会” (jp). (official website). japan Rock Paper Scissors Society. 2011年11月3日閲覧。 :日本の公式じゃんけん協会
- “World Rock Paper Scissors Society” (en). (official website). World Rock Paper Scissors Society. 2011年11月3日閲覧。 :世界じゃんけん協会。
- “USA RPS League” (en). (official website). USA RPS League. 2011年11月3日閲覧。 :アメリカRPSリーグ(アメリカじゃんけんリーグ)。
- “UK Rock Paper Scissors Championships” (en). (official website). UK Rock Paper Scissors Championships. 2011年11月3日閲覧。 :イギリスRPSチャンピオンシップ(イギリスじゃんけん選手権)。
- 関連ウェブサイト
- “Rock-paper-scissors” (en). (website). World News Inc.. 2011年11月3日閲覧。
- “0類書1795刊◆2【五雜爼】01-02巻,五雑組◇D013”. (ウェブサイト). 長野電波技術研究所附属図書館. 2011年11月3日閲覧。 :『五雜俎』の本文(全16巻)の複写コピー依頼ができる施設。
- 非公式ウェブサイト
- “ジャンケン”. Chakuwiki. 2011年11月3日閲覧。
- “拳遊びの部屋 - 日本の伝統ゲーム”. ボードウォーク・コミュニティー(個人ウェブサイト). 個人. 2011年11月3日閲覧。
- “世界のじゃんけん/世界のジャンケン”. Multiculturalpedia 多文化理解事典(個人ウェブサイト). 個人. 2011年11月3日閲覧。
- “複数人のじゃんけんで勝負がつく確率”. keisan(ウェブサイト). カシオ計算機. 2011年11月3日閲覧。