新古典派経済学

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新古典派経済学(しんこてんはけいざいがく、: Neoclassical economics)とは、経済学における学派の一つ。近年盛んになった新しい古典派ニュー・クラシカル)との区別からネオ・クラシカルと呼ぶこともある。日本においてはマルクス経済学からみた近代経済学の一派に数えられてきた。ただし、新古典派経済学の研究者はこの言葉を用いない。

もともとはイギリス古典派経済学の伝統を重視したマーシャルの経済学をさしたとされるが、一般には限界革命以降の限界理論と市場均衡分析をとりいれた経済学をさす。数理分析を発展させたのが特徴であり、代表的なものにワルラス一般均衡理論新古典派成長理論などがある。これにその流れを汲んだアーヴィング・フィッシャーやアメリカで発展した新古典派(ジェヴォンス派)を含める場合もある[1]

新古典派においては一般に、経済を経済主体最適化行動と需給均衡の枠組みで捉え、パレートの意味での効率性によって規範的な評価を行う。

目次

[編集] 新古典派経済学に対する誤解

新古典派経済学は自由放任主義(レッセフェール)の理論であるとの見解がしばしば表明されてきたが、ケインズ以前あるいはケインズ以外の自由主義経済学派の系統と呼ぶのがより実体に近く、政治思想としての自由放任主義、とくにリバタリアニズムアナキズム(無政府主義)とは大きく異なり、公共財の供給や市場の失敗への対処、あるいはマクロ経済安定化政策など政府にしか適切に行えないものは政府が行うべきであるとするなど、政府の役割も重視する。古典派あるいは新古典派とケインズ経済学との差異の一つは失業の取り扱いであり、新古典派はケインズの否定した古典派の第二公準を採用し、長期における非自発的失業が存在しない状況を基本として考える点に特徴がある[2]

自由主義の観点では、たとえばワルラスはすべての国土の国有化を提唱しており[3]無条件で手放しの自由放任主義者ではない。ワルラスによればアダム・スミス流の経済学はむしろ応用の側面から経済学を定義したものであって、理想的な社会実現の夢を膨らませていたワルラスは「土地社会主義」を基礎として、そこから完全競争社会、ひいては完全な人間社会を描こうとした[4]マーシャルにおいては『不完全な人間が作った経済が、完全であるはずがない。』との認識を持っており、これはケンブリッジ学派に共通のものであった。マーシャルは自由放任主義に基礎をおく価格決定論(ワルラスの一般均衡)には批判的であり、不完全競争の世界を前提とした部分均衡分析を活用した[5]ケインズは(ハイエクほどの自由主義者によれば全体主義に多少同情的であるとするものの、ハイエクが強く主張する)自由主義に対して同情的であった[6]

ただし、特に一般均衡理論と厚生経済学の第一基本定理という経済学の定理から自由放任主義(レッセフェール)を導き出せると誤解した者が思想家には少なくなかったことは確かである[要出典]

[編集] 新古典派(ネオ・クラシカル)と新しい古典派(ニュー・クラシカル)

新古典派経済学と立場が似ているものとして、いわゆる新しい古典派ニュー・クラシカル、New classical economics)というものが存在する。共に邦訳すると「新しい古典」となってしまうことから、しばしば日本においては専門家以外の間では混同される傾向にある。

確かにニュー・クラシカルは新古典派の枠組みを前提としてはいるが一方で代表的個人モデルなどマクロ経済学が多用してきたモデルを導入するなど、必ずしも両者は見解を一にするものではない。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

  1. ^ [YAMAGATA Hiroo Official Japanese Page http://cruel.org/econthought/schools/engmath.html]
  2. ^ 「ケインズ「有効需要の原理」再考」美濃口武雄(一橋論叢1999.06.01)[1]PDF-P.4以降
  3. ^ これは父オーギュスト・ワルラスゆずりの信念であった「オーギュスト・ワルラスの土地国有論」佐藤茂行(北海道大学経済学研究1981.03)[2]
  4. ^ 「厚生経済学から生活経済学へ」酒井泰弘(神戸大学国民経済雑誌1995.09)[3]PDF-P.11以降[4]
  5. ^ 「厚生経済学から生活経済学へ」酒井泰弘PDF-P.14以降
  6. ^ 「「ケインズ生誕百年」論」白石四郎(明治大学政経論叢1983.12.30)[5]PDF-P.13
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