労働経済学

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労働経済学(ろうどうけいざいがく、英語:labour economics)とは、労働市場の働きを経済学の視点から研究する学問である。労働に関わる諸問題を解明し、人々の幸福を高めることが目的である。

ミクロ経済学の一分野として位置付けられることが多いが、例えば失業マクロ経済学的な視点から分析されることが一般的であるため、広く応用経済学の一分野として位置付けるべきであろう。昨今では計量経済学の手法を用いた分析も活発に行われている。

目次

労働供給 [編集]

労働の供給主体は労働者(家計)である。労働供給の理論ではダグラス・有沢の法則というものが知られている。これは、夫の所得が低いほど妻の労働参加率が高いという法則である。

  • 労働供給曲線の後方屈曲

労働需要 [編集]

労働の需要主体は企業である。ミクロ経済学によれば、企業の労働需要(雇用量)は実質賃金と限界生産力が一致するように決定される。

  • 雇用調整

賃金決定の理論 [編集]

労働サービスの対価である賃金の決まり方を説明する仮説は多い。

  • 限界生産力仮説: 実質賃金は限界生産力に一致するという仮説。
  • 補償賃金仮説: 仕事の特性(厳しさ、魅力など)に応じて賃金は調整されているという仮説。この仮説に基づけば、仕事の特性の差異は賃金で補償されるため、3K(キツイ、キタナイ、キケン)と呼ばれる仕事の賃金は高くなるはずである。
  • 効率賃金仮説: 効率を重視して賃金は決められるため、実質賃金は限界生産力よりも高くなるという仮説。例えば、銀行員の賃金が一般的に高い理由について、普通のサラリーマンよりも高い賃金を支払えば失職の機会費用が高くなるので不正を防ぐことができると説明する。このような形にしておけば、監視を必要としないため効率が高まっていると見るわけである。

失業 [編集]

詳細は失業に譲る。

分析課題 [編集]

労働市場のフローアプローチ [編集]

ミシガン大学のマイケル・エルスビー教授によれば、最近数十年のアメリカとポルトガルの平均失業率は6%前後とほぼ同じだが、失業者のうち1ヶ月の間に職を見つけた人の比率と就業者の中で1ヶ月の間に職を失った人の比率は、アメリカではそれぞれ57.5%と3.6%だった。これに対し、ポルトガルがそれぞれ、6.5%と0.4%で、アメリカの方が極端に高い(ちなみに日本では19.3%と0.6%)。つまり、ポルトガルでは職を失いにくい一方でいったん失業するとなかなか職につけない。

労働・マクロ経済学では、こうしたストックの変数の背後にあるフローの動きに関する研究が盛んで、「労働市場のフローアプローチ」と読んでいる[1]

関連文献・記事 [編集]

脚注 [編集]

  1. ^ 日本経済新聞2010年8月13日やさしい経済学コラム(執筆者 バージニア大学助教授向山敏彦)

関連項目 [編集]