グランドスラム (テニス)

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グランドスラム: Grand Slam)とは国際テニス連盟が定める4大大会を指す規格名称およびそれら全てを制覇する事である。元々はトランプゲームのコントラクトブリッジで圧勝を示す言葉であり、本項のグランドスラムはその用語を拝借したもの。

4大大会[編集]

4大大会とは、国際テニス連盟が定めた上記4大会の総称である。テニストーナメントとしては最大規模・最高権威を持ち、男女共催で行われるのが特徴である。かつてはアマチュア大会として開催されており、1968年にプロ選手の出場を解禁するオープン化処置が実施された。其々の大会は開催地のテニス協会が主催・運営しており、国際テニス連盟は開催・運営に直接関与はしない。トーナメントの分類上、4大大会はグランドスラムと呼ばれる為、やや呼称上の混乱を招く事がある。 グランドスラムで勝つ という場合は4大大会そのものを指し、 グランドスラムを達成する という場合は4大大会を全て制覇する事を指す。

年間グランドスラム[編集]

年間グランドスラムとは、年内に4大大会を全て制覇する事である。その達成は困難であり、男女通じてシングルス部門で5人、ダブルス部門同一ペアにおいては3組しか存在しない。本記録が語られる場合、オープン化処置が施された1968年以前と以降を分けて考えることが多い。これは4大大会を取り巻く状況が大きく異なる為である。オープン化処置後は競技レベルの発展が顕著であり、現在に至っては各4大会のコート・サーフェスが厳密には全て異なる事から、今後の年間グランドスラム達成は更に険しいとされ、特に重要視されている。

男子シングルス部門の達成者[編集]

達成者 備考
1938年 アメリカ合衆国の旗 ドン・バッジ テニス史上初の達成。これを機に現在の4大大会がグランドスラムと呼ばれるようになったとされる。
1962・1969年 オーストラリアの旗 ロッド・レーバー 2度達成した唯一の人物であり、オープン化後初の達成者である。

女子シングルス部門[編集]

達成者 備考
1953年 アメリカ合衆国の旗 モーリーン・コノリー 女子選手初の達成。
1970年 オーストラリアの旗 マーガレット・スミス・コート 男女混合ダブルス部門でも達成しており、テニス史上初の2部門達成者となった。
1988年 ドイツの旗 シュテフィ・グラフ 同年のソウル五輪シングルス部門にて金メダルを獲得し、テニス史上初のゴールデン・スラム(グランドスラム+五輪金メダル)を達成、また初の年間ゴールデンスラムを達成した(年間ゴールデンスラム達成者は、現在までグラフのみ)。また、4大大会のサーフェスが各大会4様になってから初の達成者である。

男子ダブルス部門[編集]

達成者 備考
1951年 オーストラリアの旗 フランク・セッジマン
オーストラリアの旗 ケン・マグレガー
男子ダブルス部門で唯一の達成。

女子ダブルス部門[編集]

達成者 備考
1984年 アメリカ合衆国の旗 マルチナ・ナブラチロワ
アメリカ合衆国の旗 パム・シュライバー
同ペアは4大大会で20回優勝を誇る。

男女混合ダブルス部門[編集]

達成者 備考
1963年 オーストラリアの旗 ケン・フレッチャー
オーストラリアの旗 マーガレット・スミス
コート夫人が初の2部門達成

マルチナ・ヒンギスは1998年女子ダブルスにおいて異なるペアと組む事によってグランドスラムを達成している。

ほかの連勝記録[編集]

4大大会において 4連勝および4連勝以上を挙げたものの、2年間に跨るが故に“年間”グランドスラムとは見なされない連勝記録が存在している。

キャリア・グランドスラム[編集]

選手生活の間に、4大大会を全て制覇する事を指す。年間グランドスラムと同様に、オープン化処置後である1968年以降の達成が特に重要視される。日本語では「生涯グランドスラム」または「生涯4大大会全制覇」および「通算グランドスラム」などと訳される。

以下、達成者を列挙するが、男女ダブルスおよび混合ダブルスについては「同一ペア」に限定する。また、省略の便宜上、ウィンブルドン選手権を全英と表記する。

男子シングルス[編集]

達成者 達成期間 備考
イギリスの旗 フレッド・ペリー 1933年全米1935年全仏
オーストラリアの旗 ロイ・エマーソン 1961年全豪1964年全英
アメリカ合衆国の旗 アンドレ・アガシ 1992年全英1999年全仏 キャリアゴールデンスラム達成者
(1996年のアトランタオリンピックにて金メダルを獲得)
スイスの旗 ロジャー・フェデラー 2003年全英2009年全仏
スペインの旗 ラファエル・ナダル 2005年全仏2010年全米 キャリアゴールデンスラム達成者
(2008年の北京オリンピックにて金メダルを獲得)

女子シングルス[編集]

達成者 達成期間 備考
アメリカ合衆国の旗 ドリス・ハート 1949年全豪1954年全米
アメリカ合衆国の旗 シャーリー・フライ 1951年全仏1957年全豪
アメリカ合衆国の旗 ビリー・ジーン・キング 1966年全英1972年全仏
アメリカ合衆国の旗 クリス・エバート 1974年全仏1982年全豪
アメリカ合衆国の旗 マルチナ・ナブラチロワ 1978年全英1983年全米
西ドイツの旗 シュテフィ・グラフ 1987年全仏1988年全米 年間ゴールデンスラム達成者
(1988年のソウルオリンピックにて金メダルを獲得)
アメリカ合衆国の旗 セリーナ・ウィリアムズ 1999年全米2003年全豪 キャリアゴールデンスラム達成者
(2012年のロンドンオリンピックにて金メダルを獲得)
ロシアの旗 マリア・シャラポワ 2004年全英2012年全仏
  • マルチナ・ナブラチロワは女子シングルス・女子ダブルス・混合ダブルスの3部門すべてにキャリア・グランドスラムを達成した(ただし、混合ダブルスは同一ペアではない)。これを「ボックス・セット」(Boxed Set)という。

男子ダブルス[編集]

達成者 達成期間 備考
オーストラリアの旗 ケン・ローズウォール
オーストラリアの旗 ルー・ホード
1953年全豪1956年全米
オーストラリアの旗 ロイ・エマーソン
オーストラリアの旗 ニール・フレーザー
1959年全英1962年全豪
オーストラリアの旗 ジョン・ニューカム
オーストラリアの旗 トニー・ローチ
1965年全豪1967年全米
オーストラリアの旗 マーク・ウッドフォード
オーストラリアの旗 トッド・ウッドブリッジ
1992年全豪2000年全仏
オランダの旗 ヤッコ・エルティン
オランダの旗 ポール・ハーフース
1994年全豪1998年全英
アメリカ合衆国の旗 ボブ・ブライアン
アメリカ合衆国の旗 マイク・ブライアン
2003年全仏2006年全英 キャリアゴールデンスラム達成者
(2012年のロンドンオリンピックにて金メダルを獲得)

女子ダブルス[編集]

達成者 達成期間 備考
アメリカ合衆国の旗 キャシー・ジョーダン
アメリカ合衆国の旗 アン・スミス
1980年全仏1981年全豪
アメリカ合衆国の旗 ジジ・フェルナンデス
ベラルーシの旗 ナターシャ・ズベレワ
1992年全仏1993年全豪
アメリカ合衆国の旗 ビーナス・ウィリアムズ
アメリカ合衆国の旗 セリーナ・ウィリアムズ
1999年全仏2001年全豪 キャリアゴールデンスラム達成者
(2000年のシドニーオリンピックにて金メダルを獲得)
イタリアの旗 サラ・エラニ
イタリアの旗 ロベルタ・ビンチ
2012年全仏2014年全英

混合ダブルス[編集]

達成者 達成期間 備考
オーストラリアの旗 フランク・セッジマン
アメリカ合衆国の旗 ドリス・ハート
1949年全豪1951年全米

ゴールデン・スラム[編集]

4大大会及びオリンピックを制することをゴールデン・スラム(Golden Slam)という。ゴールデン・スラムは4年に一度しか達成可能な機会が無いために、最難関の偉業とされている。

関連項目[編集]