限定合理性

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限定合理性(げんていごうりせい)とは、合理的であろうと意図するけれども、認識能力の限界によって、限られた合理性しか経済主体が持ち得ないことを表す。この概念は、1947年ハーバート・サイモンが『Administrative Behavior』で提出した人間の認識能力についての概念であり、オリバー・ウィリアムソンはこの概念を取引費用に関わる経済学の基礎として据えた。

[編集] 合理性の強さ

ウィリアムソンによると、合理性には3段階の強さがある。最も強いものは最大化計算ができるという意味の合理性であり、通常のミクロ経済学が仮定しているものである。逆に最も弱いものは有機的合理性と呼ばれるものであり、貨幣、市場、所有権など、誰も計画的にそれを作り出そうとしなかったにも関わらず発生した制度に関する合理性である。限定合理性はその中間である。

さらに、これらの合理性の外には非合理性がある。取引費用経済学は、新古典派経済学が前提とする強い合理性を否定するが、非合理性を仮定するわけではなく、経済主体が自己の利益を追求すること自体は合理的であろうと意図するという前提から導かれる。合理性が限定されているために、将来が不確実な世界で将来起こりうることを正確には予測できず、かつ経済主体が機会主義的に行動すれば、契約の改定や紛争の調整が必要になり、取引費用を発生させる。この取引費用をいかに節約するかが、取引統御機構の選択に影響する。

[編集] 参考文献

  • Simon, H. A., "Administrative Behavior", 1947.
  • Simon, H. A., "A Behavioral Model of Rational Choice", in Models of Man, 1957.
  • Williamson, Oliver, "The Economies of Organization: The Transaction Cost Approach". American Journal of Sociology. Vol 87, pp. 548--577, 1981.
  • Simon, H.A., "A mechanism for social selection and successful altruism", Science 250 (4988): 1665-1668, 1990.
  • March, James G., "A primer on decision making: how decisions happen", The Free Press, New York, 1994.
  • Kahneman, D., Maps of Bounded Rationality: Psychology for Behavioral Economics." The American Economic Review. 93(5). pp. 1449-1475, 2003.

[編集] 関連項目