世界の中心で、愛をさけぶ

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世界の中心で、愛をさけぶ
著者 片山恭一
発行日 2001年4月
発行元 小学館
ジャンル 小説
日本の旗 日本
言語 日本語
ページ数 206
コード ISBN 4093860726
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世界の中心で、愛をさけぶ』(せかいのちゅうしんで、あいをさけぶ)は、日本の小説家・片山恭一の青春恋愛小説である。小学館より2001年4月に刊行。通称「セカチュー[1]

2004年以降、漫画化、映画化、テレビドラマ化、ラジオドラマ化、舞台化されている。

概要[編集]

2001年初版刊行。初版8000部と発売当初はさほど話題にならなかったが、小学館の新入社員だった営業マン[2]の目に留まり、彼が売り込んだことから、一部の書店販売員らの手書きのPOP広告と口コミにより、徐々に話題になっていった。2002年に女優の柴咲コウが、雑誌ダ・ヴィンチに投稿した書評のコメント「泣きながら一気に読みました。私もこれからこんな恋愛をしてみたいなって思いました」が書籍の帯に採用され話題となった。

2003年に100万部を突破。2004年東宝にて映画化。映画版も大ヒットし、相乗効果で映画公開後300万部突破、大ベストセラーに。「セカチュー」と略され流行語にもなり、「セカチューブーム」として社会現象になった。その後テレビドラマ化、2005年舞台化された。

小学館では、これまで文芸書のヒット作が少なかったが、本作や同じ恋愛路線の『いま、会いにゆきます』などのベストセラーで、出版社のイメージを変えた。2006年に小学館文庫から、文庫版も発売された。

発行部数の推移[編集]

あらすじ[編集]

オーストラリアに向かう旅の途中、朔太郎は死んだ恋人アキのことを思い出していた。ある地方都市、中学校でたまたま同じクラスになった朔太郎とアキは、高校生になり、互いに恋に落ちていく。だが出会って3年目、アキは白血病にかかり、日ごとに衰弱していった。朔太郎は、入院中のアキが行けなかった修学旅行のオーストラリアにアキを連れて行くために走る。そして二人は出発する。

作品背景[編集]

舞台の地方都市がどこかについて、作中では明確には触れられていないが、「小池」「石応(こくぼ)」「城山」などの地名が登場するほか、真珠の養殖がさかんであるなど片山の故郷である愛媛県宇和島市の特徴が随所に描かれている。また原作で「コーヒーが不味い」と名指しされてしまった(第一章7)喫茶店が「大名庭園」そばに実在し、サクの自宅は市立図書館に併設している洋館(宇和島市立歴史資料館とみられる)と設定されている[3]。しかし原作に登場する動物園の描写は、かつて松山市道後温泉の近くにあった愛媛県立道後動物園(昭和62年に移転)のものであったり、廃墟となった遊園地のある無人島(夢島)に類似する場所のモデルとされる場所が明らかでなかったり、クライマックスに登場する空港について、描写は宇和島市から松山空港に至る道程に近いがオーストラリアへの直行便は過去になく、片山が九州大学在学時から住む現住地である福岡市福岡空港あたりを想定したものと考えられるなど、舞台の地方都市は、片山にゆかりのある複数の街にまつわる情景や構想を、適宜ミックスさせている[4]と考えられる。

映画は原作とは物語の提示手法が異なり、現代を生きる朔太郎が10年以上昔の高校時代を回想している姿から描かれている。また映画でのロケ高校は愛媛県立伊予高等学校である。成人した朔太郎が過去に執着している姿が描かれるが、原作にはない。また映画・ドラマとも、宇和島市内ではロケを行っていない。

主要登場人物[編集]

  • サク / 松本朔太郎(まつもと さくたろう) - 主人公。アキからはサクちゃんと呼ばれている。名前は詩人の萩原朔太郎に由来している。おじいちゃん子。
  • アキ / 廣瀬亜紀(ひろせ あき)(映画では『広瀬亜紀』と表記されている) - サクの高校時代の恋人。白血病により17歳で短い生涯を終える。亜紀の名前は白亜紀から取られた。原作では朔太郎は物語の終盤まで亜紀のことを季節の「秋」と思い込んでいた。
  • リュウ / 大木龍之介(おおき りゅうのすけ) - サク、アキの同級生。名前は芥川龍之介に由来している。恋するサクのために何かと骨を折る[5]。あだ名は「スケちゃん」。

タイトルについて[編集]

タイトルは編集者の助言によるもので、もともと作者は『恋するソクラテス』という題名を考えていた(英語への翻訳版では、この題が生かされている:後出)。

ハーラン・エリスンSF小説『世界の中心で愛を叫んだけもの』(The Beast that shouted Love at The Heart of The World 1969年)や、同作のタイトルを参考にした庵野秀明監督のSFアニメ新世紀エヴァンゲリオン』の最終話サブタイトル「世界の中心でアイを叫んだけもの」(1996年)から引用された可能性が指摘されている[6]

漫画『世界の中心で、愛をさけぶ』[編集]

原作を女性の解釈で世界観を壊さずに描いている。

映画『世界の中心で、愛をさけぶ』[編集]

世界の中心で、愛をさけぶ
Crying Out Love, in the Centre of the World
監督 行定勲
脚本 坂元裕二
伊藤ちひろ
行定勲
原作 片山恭一
製作 本間英行
出演者 大沢たかお
柴咲コウ
長澤まさみ
森山未來
山崎努
音楽 めいなCo.
主題歌 平井堅瞳をとじて
撮影 篠田昇
編集 今井剛
配給 東宝
公開 日本の旗 2004年5月8日
上映時間 138分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
興行収入 85億円[7]
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2004年5月東宝系にて公開。興行収入85億円、観客動員数620万人を記録し、この年の実写映画No.1になった(興行収入85億円も首位)。主題歌の「瞳をとじて」も大ヒットした。

映画版では、大人になってからの朔太郎の視点から物語が描かれ、故郷を旅しながら過去と現在を行き来するストーリーに改変されている。

ストーリー[編集]

律子は、台風が接近していた引越準備中のある日、ダンボールの中から一本のカセットテープを見つける。家電店でカセットウォークマンを購入し、そのテープを聴くと、聞き覚えのある少女の声が流れて、律子は街の喧騒の中を立ち止まり思わず涙を流す。

一方、サクは律子がいなくなったとリュウに伝えるが、台風のニュース映像に律子の姿が映ったことから彼女が高松にいることを知ったサクは、彼の故郷である高松へと向かう。その中で、高校時代の恋人、アキの思い出が甦る。

キャスト[編集]

スタッフ[編集]

雑記[編集]

皇子神社のブランコ
奥に屋島が見える
  • 高校生の朔太郎は伊藤つかさのファン。
  • 亜紀のリクエストはがきに井上陽水の「いっそ セレナーデ」。
  • 登場する路面電車は松山市内ロケにおける伊予鉄道
  • 愛媛県庁本館が病院の廊下の設定で使用された。
  • 渡辺美里の「きみに会えて」は、西武ドームライブのテレビ告知用としても使用された。
  • ブランコ、港のシーンの背景に出てくる対岸の台形状の山は、屋島の戦い治承・寿永の乱)で有名な「屋島」で、ロケ地となった庵治町から眺めることができる。
  • ロケ地である高松市庵治町の皇子神社(ブランコに乗ってサクとアキが写真館の主である重じいの恋愛について話す場所)の金網には、恋人たちや若い女性が恋愛の願いことを祈願した南京錠がつけられている。この南京錠に関して神社の関係者は、新たな縁結びの神様として神社へ来てもらうことを歓迎している。
  • サクとアキの制服は香川県立高松北中学校・高等学校の夏服を使用している
  • 大木龍之介がマスターで、高松にいる律子をテレビのニュースで発見するカフェは港区芝浦のバイカーズカフェ。
  • 校長先生の少女時代のポートレートは当時はほぼ無名だった堀北真希である。
  • 過去(高校時代)の描写は晴天、現代は曇天、クライマックスの空港のシーンは嵐天で描くのは行定の構想による[8][9]

映画版の評価[編集]

各映画賞では長澤まさみが新人賞を独占した以外に、作品そのものについての目立った評論はなかったが、この作品が遺作となった名カメラマン篠田昇の撮影、種田陽平の美術、行定勲監督の演出など各スタッフの技量は、批評家筋からも高く評価されている。

書籍[編集]

  • 指先の花〜映画『世界の中心で、愛をさけぶ』律子の物語〜 益子昌一 著(小学館・2004年05月) - 映画のシナリオを、律子の視点から描いた作品である。

主なロケ地[編集]

屋島から見た庵治町湾岸風景
桜八幡神社前

金曜ドラマ『世界の中心で、愛をさけぶ』[編集]

世界の中心で、愛をさけぶ
ジャンル テレビドラマ
放送国 日本の旗 日本
制作局 TBS
演出 堤幸彦
石井康晴
平川雄一朗
原作 片山恭一
脚本 森下佳子
出演者 山田孝之
綾瀬はるか
音声 ステレオ放送
連続ドラマ
放送時間 金曜日22:00 - 22:54(54分)
放送期間 2004年7月2日 - 9月10日(11回)
プロデューサー 石丸彰彦
エンディング 柴咲コウかたち あるもの
特別編
放送期間 2004年9月17日(1回)
プロデューサー 石丸彰彦

特記事項:
最終回は15分拡大(22:00 - 23:09)。
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2004年7月2日から9月10日まで毎週金曜日22:00 - 22:54[10]に、TBS系の「金曜ドラマ」枠で放送された。2004年9月17日には、その後の物語を描いたオリジナル特別編を放送。

映画版同様、大人になった主人公を重ね合わせたドラマ版独自のストーリー展開をしている。ザテレビジョンの第42回ドラマアカデミー賞(2004年夏クール)で最優秀作品賞を含む9冠を達成 (主演男優賞:山田孝之、助演女優賞:綾瀬はるか、主題歌賞、新人俳優賞:田中幸太朗、脚本賞:森下佳子、監督賞:堤幸彦石井康晴平川雄一朗、キャスティング賞、タイトルバック賞)。また、第1回ソウル・ドラマアワーズ2006のシリーズドラマ部門の優秀賞・演出監督賞を受賞。

キャスト[編集]

17年前[編集]

主要人物
松本朔太郎〈17〉
演 - 山田孝之
成績も運動もごく平凡な高校2年生。
廣瀬亜紀〈17〉
演 - 綾瀬はるか
朔太郎のクラスメイトで恋人。学級委員。陸上部。
谷田部敏美〈35〉
演 - 松下由樹
クラス担任国語教師。陸上部顧問。
宮浦高校
大木龍之介〈17〉
演 - 田中幸太朗
朔太郎の幼なじみ、漁師の息子、あだ名はスケちゃん。
中川顕良〈17〉
演 - 柄本佑
朔太郎の幼なじみであり、クラスメイト。実家は寺でアダ名はボウズ、亜紀に思いを寄せる。
上田智世〈17〉
演 - 本仮屋ユイカ
朔太郎の幼なじみであり、亜紀の友人であり、クラスメイト。陸上部。龍之介に恋心を抱く。
安浦正〈17〉
演 - 田中圭
学級委員。亜紀に思いを寄せる。
黒沢千尋〈17〉
演 - 水野はるか(水野友加里
池田久美〈17〉
演 - 浅香友紀
松本家
松本芙美子〈13〉
演 - 夏帆
朔太郎の妹。原作では「亜紀も僕(朔太郎)と同じ一人っ子」と言う記述がある。
松本潤一郎〈47〉
演 - 高橋克実
朔太郎の父。農協に勤めていたが謙太郎の没後、写真館を継ぐ。
松本富子〈43〉
演 - 大島さと子
朔太郎の母。漁協に勤めている。
松本謙太郎〈72〉
演 - 仲代達矢
朔太郎の祖父、松本写真館創業者。
廣瀬家
廣瀬綾子〈43〉
演 - 手塚理美
亜紀の母。
廣瀬真〈48〉
演 - 三浦友和
亜紀の父、建築士事務所経営、一級建築士
その他
真島順平
演 - 鳥羽潤
亜紀と同じ稲代総合病院の白血病患者。
上田薬局店主
演 - おかやまはじめ
智世の父。
稲代総合病院の佐藤医師
演 - 浅野和之
たこ焼き屋店主
演 - 武野功雄
禅海寺の住職
演 - 野添義弘
中川の父。
ラジオDJ
演 - 平野文

現在[編集]

主要人物
松本朔太郎〈34〉
演 - 緒形直人
大学病院研究医。亜紀を失った喪失感や心の傷は癒えていない。
小林明希〈34〉
演 - 桜井幸子
朔太郎の大学時代からの親友、シングルマザー。保険外交員をしながら一樹を育てる。
谷田部敏美〈52〉
演 - 松下由樹
教師を続けている。
松本家
松本潤一郎〈64〉
演 - 高橋克実
松本富子〈60〉
演 - 大島さと子
廣瀬家
廣瀬綾子〈60〉
演 - 手塚理美
廣瀬真〈65〉
演 - 三浦友和
その他
小林一樹
演 - 仲條友彪
明希の息子。朔太郎を「サク」と呼び、慕っている。
芸プロ
トライアル
劇団ひまわり
松崎町のみなさん

スタッフ[編集]

放送日程[編集]

連続ドラマ
話数 放送日 サブタイトル 演出 視聴率
第1話 2004年7月02日 恩師からの手紙 堤幸彦 18.5%
第2話 2004年7月09日 微妙な距離 15.7%
第3話 2004年7月16日 永遠の別れ 石井康晴 15.2%
第4話 2004年7月23日 最後の日 平川雄一朗 13.9%
第5話 2004年7月30日 忍び寄る影 堤幸彦 16.5%
第6話 2004年8月06日 生への旅路 15.0%
第7話 2004年8月13日 明けない夜 平川雄一朗 14.5%
第8話 2004年8月20日 プロポーズ 石井康晴 15.4%
第9話 2004年8月27日 最期の選択 平川雄一朗 15.9%
第10話 2004年9月03日 たすけてください… 堤幸彦 15.2%
最終話 2004年9月10日 かたち あるもの(15分拡大版) 19.1%
平均視聴率 16.0%(視聴率は関東地区ビデオリサーチ社調べ)
特別編
放送日 サブタイトル 演出 視聴率
2004年9月17日 17年目の卒業 石井康晴 15.3%

書籍[編集]

  • 世界の中心で、愛をさけぶ MEMORIES(角川書店・2004年09月)- ドラマの公式ビジュアルブック。
  • ピアノ・ソロ 世界の中心で、愛をさけぶ/TVオリジナル・サウンドトラック(ドレミ楽譜出版社・2004年8月)- ドラマの公式楽譜集、初級者・中級者向けの2種、巻頭に石丸プロデューサーへのインタビュー記事がある。

主なロケ地[編集]

  • 静岡県
    • 賀茂郡松崎町…メインロケ地、町内の民家が『亜紀の家』『松本写真館』として登場。他にも松崎港・松崎海岸・ときわ大橋・浜丁橋・ときわ大橋商店街・大阪屋文具店前(『たこやきパパさん』)・松崎造花店・さつまあげはやま(『まごころ弁当』)・須田薬局(『上田薬局』)・瀬崎神社・禅海寺・帰一寺・大沢山神社・那賀川・池代川・牛原山(アジサイの丘)他が登場。ドラマに登場したコロッケパンは町内「清水屋パン」製。
      • 松崎高校…『宮浦高校』として、第3棟3階『2-D』教室や図書室・職員室・体育館・グラウンド他が登場。
      • JA伊豆太陽岩科支店…松本潤一郎が勤めていた農協。目の前のマルテン商店を背景に、木橋と農道が第1話~最終話まで登場。
      • 明治商家中瀬邸…常設でロケ展示コーナーがあり、サクの自転車や『稲代総合病院』看板他が見られる。
    • 西伊豆町…最終話で町営斎場が登場。西伊豆町宇久須は、ドラマポスター写真ロケ地。
    • 東伊豆町…町営アスド会館が、亜紀が入院していた『稲代総合病院』で登場。
      • 片瀬白田駅…『宮浦駅』で登場。第2話で朔が降り立った駅、第9話で明希が事故にあった駅前、特別編でサクが町を出た駅。
      • 伊豆大川駅…『宮浦南駅』で登場。第4話でスケちゃんを見送った駅。
    • 伊豆の国市…第10話でサクが航空券を買った『稲代観光』は伊豆長岡駅前の伊豆箱根鉄道総合案内所。
      • 伊豆長岡駅…『稲代駅』で登場。第10話で亜紀とサクが空港へ向かった駅。
    • 伊豆市…八木沢大久保の民家が『サクの家』として登場。第8話の修学旅行で泊まったホテルはラフォーレ修善寺。
      • 土肥港…第5話で明希と一樹が『大代フェリー』に乗った港。船内シーンは駿河湾フェリー「駿河」の特別室。
    • 富士市…第4話の陸上競技場は富士総合運動公園。
    • 下田市…第6~7話で朔が、また第7話で亜紀が入ろうとした海は九十浜。
  • 東京都
  • 千葉県
  • 福島県
  • オーストラリア
    • シドニー…第8話で行った修学旅行先。
    • ウルル(キングスキャニオン)…第1話・最終話で登場、第8話で行った修学旅行先。
松崎町ときわ大橋 
空港 
ウルル 
TBS 金曜ドラマ
前番組 番組名 次番組
ホームドラマ!
(2004.4.16 - 2004.6.25)
世界の中心で、愛をさけぶ(テレビドラマ)
(2004.7.2 - 2004.9.10)
3年B組金八先生(第7シリーズ)
(2004.10.15 - 2005.3.25)

舞台『世界の中心で、愛をさけぶ』[編集]

2005年8月5日から9月4日にかけて、世田谷パブリックシアターをはじめとする全国7か所で公演を行った。

スタッフ[編集]

キャスト[編集]

ラジオドラマ『世界の中心で、愛をさけぶ』CD Book[編集]

TOKYO FMで2004年05月に放送されたラジオドラマをCDに収録し、ブックレットにシナリオ、イメージ写真を収めた構成となっている。

スタッフ[編集]

  • 原作:片山恭一
  • 脚本、演出:飯村聖美
  • 出版:TOKYO FM出版(2004年07月)

出演[編集]

映画『僕の、世界の中心は、君だ。』[編集]

僕の、世界の中心は、君だ。
各種表記
ハングル 파랑주의보
漢字
発音 パランジュイボ
題: My Girl and I
(Pah-rang-ju-eui-bo)[11]
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2005年製作の韓国映画。日本では2006年8月松竹東急系にて公開(配給ワーナー・ブラザーズ)。

映画版の『世界の中心で、愛をさけぶ』の、韓国版リメイクという形を取っているため、出てくるエピソード等も映画版をなぞっている。ただし、ストーリー展開自体は原作の形を踏襲しているため、映画版での藤村律子に相当する役はほとんど活躍しない。また、いくつかの設定が韓国風に置き換えられている(例:スホの祖父の職業)。

なお、このタイトルは邦題であり、原題は「파랑주의보」(波浪注意報)、英語題は「MY GIRL AND I / PARANG LOVE」である。

ちなみに、エンドロールの際に流れる『瞳をとじて』の韓国語バージョンは、日本公開版にのみ採用されたものである。

スタッフ[編集]

  • 製作総指揮:テディ・チョン
  • 製作:テディ・チョン
  • 監督:チョン・ユンス
  • 脚本:ファン・ソング
  • 脚色:チョン・ユンス、チャン・ムニル
  • 撮影:パク・ヒジュ
  • 音楽:イ・ドンジュン
  • 上映時間:97分

キャスト[編集]

役名 俳優 日本語吹き替え
キム・スホ(松本朔太郎に相当) チャ・テヒョン 関智一
ペ・スウン(廣瀬亜紀に相当) ソン・ヘギョ 赤間麻里子
キム・マングム イ・スンジェ 平野稔
ソンジン パク・ヒョジュン 木村雅史
ヒソン キム・ヨンジュン 佐藤淳
ジョング ソン・チャンウィ 羽多野渉

書籍[編集]

諸外国語への翻訳[編集]

原作と派生作品との相違点[編集]

主要登場人物の3名以外の登場人物や物語の提示方法については、各派生作品ごとに比較的自由に改変されている。映画版では高校生のサクとアキがWALKMAN交換日記をおこなう設定が効果的に利用されたが、原作ではWALKMANそのものが登場せず(すでにCDプレイヤーの時代設定)、中学時代にノートで交換日記を行っている。サクの祖父は原作では元政治家でマンション住まい。祖父との対話は原作において重要な構成であり、ここでのサクは多弁である。映像版では物語のモチーフにかかわる重要なせりふの多くがアキや重蔵(原作には登場しない、写真撮影のくだりもない)らのせりふに振り替えられている。

批評[編集]

商業的に大成功した作品に関わらず、公式な批評が充分なされていない作品の一つである。プロットの通俗性が取り上げられることが多い。白血病の少女をめぐる「喪失(と再生)の物語」である点、アボリジニの死生観や散骨など。タイトルの「セカチュー」と「ジコチュー(流行語)」との類似から世相を批評するなど。年配者には「白血病の少女の物語」は1970年代に流行した山口百恵の「赤いシリーズ」を連想させ、散骨やアボリジニの死生観は20世紀末から21世紀初頭の流行を想起させることなど。また「高校生が習作として書いたもののようで」「日本人全体がガキとしてふるまうことをよしとしている」[12]時代の風潮を寓喩したものだとするものなど。

電子書籍[編集]

その他[編集]

  • 映画版で松本朔太郎を演じた森山未來と、テレビドラマ版で同役だった山田孝之は、映画版、並びにテレビドラマ版が公開される前年にフジテレビのテレビドラマ「ウォーターボーイズ」で共演。なお、テレビドラマ版で学級委員の安浦役だった田中圭も、同ドラマで両名と共演している。また、テレビドラマ版で大木龍之介、舞台版では松本朔太郎役であった田中幸太朗も映画版の「ウォーターボーイズ」に出演しているほか、テレビドラマ版で通称『ボウズ』こと中川顕良役だった柄本佑も、後に「WATER BOYS 2005夏」に出演した。
  • 映画版の長澤まさみ、ドラマ版の綾瀬はるか共に、リアリティを出すため劇中、剃髪している。
  • 映画「ラフ」のイベントで長澤まさみはスキマスイッチと映画版の話になり、「坊主にすると頭がかゆくて…」と苦笑いしながら発言した。また綾瀬はるかは普段日記を欠かさないが、父の薦めで髪の伸びゆくさまを記録した「坊主日記」を併せてつけていたという。禿げないか心配でたまらなかったらしい(「はなまるマーケット」より)。
  • テレビドラマ版で廣瀬亜紀を演じた綾瀬はるかと、舞台版で同役だった佐藤めぐみは、2004年のフジテレビヤングシナリオ大賞・P&Gパンテーン ドラマスペシャル「冬空に月は輝く」で共演した。
  • 2004年度の第42回ゴールデン・アロー賞では、映画賞に映画版で廣瀬亜紀を演じた長澤まさみと、新人賞受賞者の一人としてテレビドラマ版で同役だった綾瀬はるかが選ばれ、授賞式の記念撮影の際に、長澤と綾瀬が同じフレームに映るというハプニングがあったが、「二人の廣瀬亜紀」のツーショット会見は実現しなかった。
  • テレビドラマ版で朔太郎の父親、潤一郎役であった高橋克実は、後にセイコーエプソンのカラープリンター、「カラリオ」のCMで、映画版で廣瀬亜紀を演じた長澤まさみの父親役として登場。一方、テレビドラマ版で朔太郎の妹、芙美子役であった夏帆は、キヤノンのカラープリンター、「PIXUS」のCMに起用されている。
  • 映画版が1986年が舞台なのに対して、ドラマ版ではそれより1年新しい1987年が舞台になっている。
  • 韓国版のスウンを演じたソン・ヘギョは「秋の童話」でやはり白血病で命を落とす主人公を演じている。
  • 映画・ドラマ「世界の中心で、愛をさけぶ」の公開により日本骨髄バンク新規ドナー登録者数が増加した[13]
  • 映画版に登場する高松空港のシーンは国際線ターミナルで撮影が行われた。ちなみに撮影に使われた高松市香南町にある高松空港は1989年に出来たもので、舞台となった1986年当時は現在地より北部にある高松市林町にあり、まだ工事中だった。

脚注[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ Huluで劇場版「セカチュー」「ハゲタカ」など視聴可能に 東宝と提携ITMedia2013年9月19日、2013年12月5日観覧
  2. ^ 「青山学院大学法学部2006」卒業生の現在(いま)-輝き続ける卒業生達-[1]
  3. ^ [2]ただし、元は宇和島警察署であり、宇和島市立図書館に隣接していたことはない。宇和島市立図書館に隣接していた洋館としては旧渡部精神神経科医院がある(現財団法人正光会)。
  4. ^ 「故郷の地の愛媛と、現在住んでいる福岡をミックスした町を舞台にしました」(「Oggi」 2003年12月号 片山恭一インタビュー)
  5. ^ 原作では文字通り「骨を折る」ことでサクとアキの出会いを演出している
  6. ^ 『「話のネタ」のタネ500』日本博学倶楽部(PHP研究所)P.469[3]
  7. ^ 日本映画製作者連盟2004統計
  8. ^ 「世界の中心で、愛をさけぶ(巻末 解説)」(小学館文庫)
  9. ^ [4]
  10. ^ 最終回は15分拡大
  11. ^ 파랑주의보 (波浪注意報) KMDb 2011年8月10日閲覧。
  12. ^ 茂木健一郎「クオリア日記」[5]2003.12.23-24
  13. ^ 「MOHTHLY REPORT」骨髄移植推進財団事務局(平成17年4月15日)[6]

文献情報[編集]

  • 2004年5月の月間インターネット利用動向調査結果 ネットレイティングス株式会社(2004年6月21日)[7]
  • 「『セカチュウ』の迷惑」中田實 (愛知江南短期大学ライブラリー情報No.30 2005.2)[8]
  • 「僕の私の読書感想文」澤野孝一朗(名古屋市立大学院経済学研究科准教授 2006/01/05)[9]
  • 「純愛物語論」高橋与四男(東海大学紀要海洋学部第3巻第3号77-85頁 2005)[10]
  • 「闇に光を求める者たち-少年ホールデン、青年フランク、そして中年トミー-」関戸冬彦(文京学院大学外国語学部文京学院短期大学紀要第5号)[11][12]
  • 「ローカル・フィルムコミッションフォーラム新潟 報告書」にいがたロケネット(2004.2.14,15)PDF-P.12~13[13]
  • 「「世界の中心を見せたい」純愛ゆえの行動が白血病死の原因」小守ケイ(宮崎滋・監修)(モダンメディア55巻3号2009「シネマをいろどる病と医療」)[14]
  • 「現代日本におけるココロとモノ」香山リカ(第6回物学研究会レポートvol.90 20059.6)[15]
  • 秋枝(青木)美保「宮沢賢治と現代文学 その3 : 「銀河鉄道の夜」と「世界の中心で、愛をさけぶ」における死生観-ジョバンニとカムパネルラの変奏-」、『福山大学人間文化学部紀要』第8巻、福山大学、2008年3月、 A1-A17、 NAID 110007406653
  • 大沢正善「『世界の中心で、愛をさけぶ』論」、『岐阜聖徳学園大学国語国文学』第26巻、岐阜聖徳学園大学、2007年3月15日、 12-28頁、 NAID 110006406098

関連項目[編集]

外部リンク[編集]